Meta FAIR、「SAM 2.1」や「Spirit LM」など最新AI研究成果を一挙公開
最終更新日:2024年11月15日
2024年10月18日(現地時間)、Meta FundamentalAI Research(FAIR)チームは、高度な機械知能(AMI)の実現に向けた最新の研究成果と新しいモデルを公開した。
この発表には、人気の画像・動画セグメンテーションモデル「Segment Anything Model 2」の更新版「SAM 2.1」や、音声とテキストを自然に統合する言語モデル「Spirit LM」など、複数の革新的な技術が含まれる。
Metaは、これらの成果をオープンソースとして共有することで、AIの責任ある発展と科学の再現性向上を目指している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 画像・動画セグメンテーションモデル「SAM 2.1」の性能向上と開発者向けスイートの公開
- 音声とテキストを自然に統合する新しい言語モデル「Spirit LM」のオープンソース化
- LLM(大規模言語モデル)の処理速度を向上させる「Layer Skip」技術の公開と実装の共有
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Meta FAIR、最新AI研究成果の公開でAMI実現に向け前進
Meta FundamentalAI Research(FAIR)チームは、高度な機械知能(AMI)の実現を目指し、最新の研究成果と新しいモデルを公開した。この取り組みは、Metaが長年続けてきたオープンな AI エコシステムの成長と発展への貢献の一環だ。
今回の発表には、画像・動画処理、言語モデル、暗号技術、材料科学など、幅広い分野にわたる革新的な技術が含まれる。
Metaは、これらの研究成果をオープンソースとして共有することで、世界中の研究者や開発者がAIの発展に貢献できる機会を提供している。同社は、最先端のAI技術へのアクセスが誰にでも開かれていることが、イノベーションを加速し、社会全体に利益をもたらすと考えている。
SAM 2.1とSpirit LM:画像処理と言語モデルの新たな進化
Meta FAIRが今回発表した成果の中で特に注目されるのは、「Segment Anything Model 2.1(SAM 2.1)」と「Spirit LM」だ。
SAM 2.1は、人気の画像・動画セグメンテーションモデル「SAM 2」の更新版で、性能が大幅に向上している。新たなデータ拡張技術の導入により、類似オブジェクトや小さなオブジェクトの検出能力が改善された。また、開発者向けのスイートも公開され、独自データでのファインチューニングやウェブデモの構築が容易になった。
一方、Spirit LMは音声とテキストを自然に統合する新しい言語モデルだ。従来の音声合成パイプラインでは失われがちだった発話の表現力を保持しつつ、テキストと音声を自由に混在させることができる。
これにより、より自然な音声生成や、音声認識、テキスト読み上げなど、モダリティをまたぐ新しいタスクの学習が可能になった。
Layer SkipとMeta Open Materials 2024:AI処理の効率化と材料科学への応用
Meta FAIRは、LLM(大規模言語モデル)の処理速度を向上させる「Layer Skip」技術も発表した。
この技術は、モデルの一部のレイヤーのみを実行し、後続のレイヤーで検証と修正を行うことで、専用のハードウェアやソフトウェアに頼ることなく生成時間を短縮する。Layer Skipの推論コードと最適化されたチェックポイントが公開され、研究コミュニティでの活用が期待される。
また、AI支援による材料発見を加速するため、「Meta Open Materials 2024」データセットとモデルも公開された。
これは、1億件の学習例に基づく大規模なオープンソースデータセットとモデルで、無機材料の発見を加速し、材料科学分野におけるオープンモデルと独自モデルのギャップを埋めることを目指している。
AI Market の見解
Meta FAIRによる一連の研究成果の公開で特に注目すべきSAM 2.1とSpirit LMは、コンピュータビジョンと自然言語処理の分野に大きなインパクトを与える可能性がある。これらのモデルがオープンソース化されることで、多様な応用が期待でき、医療画像分析や多言語コミュニケーションなど、幅広い分野でのイノベーションが加速する。
Segment Anythingが登場した際も、AI開発の業界には大きな衝撃を与えた。今回SAM 2.1が登場したことで、更にAI開発のスピードアップなども期待できる。
Layer Skip技術は、LLM(大規模言語モデル)の実用化における大きな課題である計算コストと環境負荷の軽減に貢献する。これにより、より多くの企業や研究機関がAI技術を活用しやすくなり、AIの社会実装が進むと予想される。
また、Meta Open Materials 2024の公開は、AIと材料科学の融合による新素材開発の加速を示唆している。この分野での進展は、エネルギー、環境、医療など、様々な産業に波及効果をもたらす可能性がある。
Metaのこうした取り組みは、AIの発展におけるオープンイノベーションの重要性を示すものだ。今後、これらの技術を基盤とした新たな応用や、他企業・研究機関との協調が進むことで、AI技術のさらなる進化と社会への貢献が期待される。
参照元:Meta
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