Microsoft Foundry Agent Serviceとは?構成要素・メリット・始め方を徹底紹介!
最終更新日:2026年09月11日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

Microsoft Foundry Agent Service(旧:Azure AI Foundry Agent Service/Azure AI Agent Service)は、Microsoft Foundry上でAIエージェントを構築・実行・運用するためのマネージドサービスです。モデル、社内データ、外部ツールを組み合わせ、問い合わせ対応や業務システムと連携したタスクの実行などに活用できます。
実行環境の管理負担を軽減しながら、認証・アクセス制御、評価・監視などの機能を利用し、企業でのエージェント導入を支援します。
本記事では、Foundry Agent Serviceの概要や主な構成要素、活用例、構築・運用のポイント、導入手順と利用上限を解説します。
関連記事:「AIエージェントとは?相談事例/活用例、生成AIとの違い・自律型の仕組み・種類を徹底解説!」
関連記事:「Microsoft Foundryとは?」
目次
Foundry Agent Serviceとは?

Foundry Agent Serviceとは、Microsoftが提供するエンタープライズ向けAIプラットフォーム「Microsoft Foundry」の中核を担うマネージドサービスです。
LLM(大規模言語モデル)、ツール群、ポリシー、ネットワーク、ID認証といった多様な要素をつなぐ運用の接着剤として機能します。
Foundry Agent Serviceでは、エージェントの実行環境やスケーリングの管理負担を抑えながら、業務に必要な処理の開発に注力できます。
例えば、RAGによる社内資料に基づく回答、外部システムへの問い合わせ、複数のツールを組み合わせた業務処理などに活用できます。
ただし、業務に適した指示やツールの設定、実行権限、例外処理、回答・動作の評価は企業側で設計する必要があります。重要な操作に人の承認を組み込むなど、業務に応じて自動化する範囲を決めることが重要です。
関連記事:「Azure AI Foundryとは?生成AIアプリ開発統合ツールの特徴・活用法・注意点を徹底解説!」
参照:Microsoft|Foundry Agent Serviceとは
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Foundry Agent Serviceの主な構成要素

Foundry Agent Serviceは、エージェントの実行基盤を中心に、AIモデル、ナレッジ、外部ツール、認証・アクセス制御、評価・監視の機能を組み合わせて利用するサービスです。
PoCから本番運用へ進める際は、モデルの回答品質に加え、参照するデータ、実行できる操作、動作を確認する仕組みを設計します。以下では、エージェントを構成する主な機能と連携サービスを紹介します。
エージェントの実行基盤:Prompt agentsとHosted agents
Foundry Agent Serviceでは、指示・モデル・ツールを設定してエージェントを構築する方法と、独自コードを実行するHosted agentsを利用する方法があります。処理内容やカスタマイズの必要性に応じて選択します。
- 指示・モデル・ツールを設定する方式(Prompt agents):FoundryポータルやSDKから、エージェントへの指示、利用するモデル、接続するツールなどを設定します。エージェントの実行はサービス側が管理するため、実行用のアプリケーションコードやコンテナーを用意する負担を抑えられます。
- 独自コードを実行する方式(Hosted agents):Microsoft Agent FrameworkやLangGraphなどで構築したエージェントをコンテナーとして配置し、Foundryのマネージド環境で実行します。独自の処理ロジックやライブラリを組み込みながら、実行基盤の管理やスケーリングなどをサービス側に任せられます。
設定を中心に構築する場合はPrompt agents、独自の処理や依存ライブラリまで制御する場合はHosted agentsが選択肢になります。
いずれの場合も、ツールに与える権限やデータへのアクセス範囲、実行結果の評価は、業務要件に合わせて設計する必要があります。
開発フレームワークとSDK
独自コードでエージェントを構築する場合は、Microsoft Agent FrameworkやLangGraphなどを利用し、Hosted agentsとして実行できます。
一方、Prompt agentsは指示・モデル・ツールの設定を中心に構築し、ポータルのほかSDKやREST APIからも操作できます。独自の処理ロジックが必要か、設定を中心に構築できるかによって、開発方法を選択します。
- Microsoft系:Microsoft Agent Framework
- その他:LangGraph、LangChain、LlamaIndex、CrewAIなど
- 独自実装:任意のコードやOpenAI互換SDKを使用したエージェント
観測機能:Foundry Observability
実行中のエージェントの状態や信頼性を評価・改善するための仕組みが揃っています。
- Tracing(トレース)
- Logging(ログ出力)
- Monitoring(監視)
- Evaluation / Experimentation(評価と実験)
エージェントで利用するモデル
Foundry Agent Serviceでは、エージェントの構築方式や実行するタスクに応じて、利用するモデルを選択します。
Foundry Modelsで探索・比較できるモデルと、Agent Serviceの各機能で利用できるモデルの範囲は、必ずしも同じではありません。
指示・モデル・ツールを設定するPrompt agentsでは、対応モデルやツール呼び出し機能、提供リージョンなどを確認します。独自コードを実行するHosted agentsでは、採用するフレームワークやモデルの接続方法、認証・ネットワーク構成も含めて設計します。
モデルの選定では、回答精度や速度・コストに加え、適切なツールを選択できるか、指示に沿ってタスクを完遂できるかを、実際の業務に近い条件で評価することが重要です。
関連記事:「Azure AI Foundry Modelsとは?Azure AI Foundryとの違い・利用可能モデル・できること・実画面付きの使い方まで徹底解説!」
関連記事:「Azure OpenAI in Microsoft Foundry Modelsとは?料金・モデル・OpenAI APIとの違い、使い方を解説」
ナレッジの参照:Foundry IQ・Fabric IQ・Work IQ
エージェントが自社の情報に基づいて回答・判断するには、必要なデータを参照できる仕組みが必要です。
Foundry IQは、複数の情報源をまとめたナレッジベースを通じて、エージェントによる企業データの検索・参照を支援する仕組みです。検索基盤にはAzure AI Searchを利用し、SharePoint、Azure Blob Storage、OneLakeなどの情報を回答の根拠として活用できます。
また、MicrosoftにはFabric IQ・Work IQもあり、それぞれが扱う情報や役割は異なります。
| 名称 | エージェントへの情報提供における役割 |
|---|---|
| Foundry IQ | 複数の情報源から必要な知識を検索し、アクセス権を考慮した根拠付きの回答を支援します。 |
| Fabric IQ | Microsoft Fabricの業務データや意味・関係性をモデル化し、業務の文脈を踏まえた分析や推論を支援します。 |
| Work IQ | Microsoft 365の文書、会議、チャットなどから、仕事の文脈や関係性をエージェントが活用するための仕組みです。 |
これらはそれぞれ独立した仕組みであり、すべてを導入する必要はありません。エージェントが参照する情報に応じて選択し、対応する接続方法や必要な権限を確認します。
なお、Foundry IQは利用する機能やAPIバージョンによって一般提供・プレビューの扱いが異なります。
外部ツールの接続・管理:Foundry Toolbox
エージェントから業務システムを操作する場合は、APIやMCPなどを通じて、実行する処理をツールとして接続します。
Foundry Toolboxは、複数のツールをまとめて管理し、単一のMCP互換エンドポイントからエージェントに提供する仕組みです。ツールの認証やアクセス制御、バージョンを管理しながら、複数のエージェントで再利用できます。
例えば、顧客情報を取得するAPIや申請を登録する処理をツールとして用意し、エージェントの判断に応じて呼び出す構成にできます。接続するツールの種類や、直接接続・Toolbox経由の対応範囲を確認して設計します。
関連記事:「MCPとは?AIと外部ツールをつなぐ仕組み・特徴・使い方・活用事例を解説」
参照:Microsoft|Microsoft Foundryのツールボックスとは
エージェント間の連携
複数のエージェントに役割を分担させ、調査・分析・処理の実行などを組み合わせた業務フローを構築できます。
異なるシステムのエージェントと接続する方法には、A2A(Agent2Agent)に対応した連携があります。
利用する構築方式や接続先に応じて、呼び出し方法、認証、処理結果の受け渡しを設計します。
なお、アプリケーションからエージェントを利用するためのAPI呼び出しと、エージェント同士の連携は分けて考える必要があります。
認証・アクセス制御とセキュリティ機能
Foundry Agent Serviceで社内データや業務システムを利用する際は、エージェントが誰の権限で、どの情報にアクセスし、どの操作を実行できるかを明確にする必要があります。
認証・アクセス制御、ネットワーク、コンテンツ保護、実行ログなどを組み合わせ、業務に必要な範囲で安全に動作する構成を設計します。
| 管理項目 | 設計・確認する内容 |
|---|---|
| 認証とアクセス権限 | Microsoft Entra IDやAzure RBAC、接続先に対応した認証方式を利用し、エージェントと利用者に必要な権限を設定します。データソースやツール側の権限も含め、許可された情報・操作だけを利用できるようにします。 |
| ツールの実行範囲と承認 | 情報の参照と、更新・削除・外部送信などの操作を区別します。影響の大きい操作には人による確認・承認を組み込み、誤操作を防ぐ業務フローを設計します。 |
| ネットワークとデータ接続 | 利用する構成で対応するプライベートネットワーク機能などを確認し、通信先や外部への接続を制御します。社内ストレージやデータベースへの接続にも、必要最小限の権限を設定します。 |
| コンテンツ保護 | Content SafetyのコンテンツフィルターやPrompt Shieldsなどを活用し、有害なコンテンツやプロンプトインジェクションへの対策を行います。これらに加え、ツール側でも入力の検証や操作制限を実施します。 |
| 実行ログと監視 | Foundry Observabilityなどでツールの呼び出しや実行結果、エラーを追跡し、意図しない動作を確認できるようにします。ログに含まれる機密情報にも配慮し、保存期間や閲覧権限を設定します。 |
セキュリティ機能を利用するだけでなく、エージェントの操作範囲に合わせて設定・検証することが重要です。
複数プロジェクトを横断したポリシーやコストの統制など、組織全体の管理については、Microsoft Foundryの記事で解説しています。
関連記事:「Microsoft Foundryとは?」
Foundry Agent Serviceの活用例
Foundry Agent Serviceを活用することで、各部門におけるさまざまな業務シナリオに対応するAIエージェントを構築可能です。具体的には、以下のようなエージェントを実装できます。
| エージェントの種類 | できること |
|---|---|
| 調査 | 市場動向や業界の最新情報を継続的に監視し、レポート作成を自動化 Azure AI SearchやBingなどのツールを活用して情報を収集し、レポート作成をサポート |
| 営業 | 営業チームが最も有望なターゲットに注力できるように、見込み客の調査と自動選別 |
| 顧客サービス | 顧客へのパーソナライズされたメッセージを自動で送信し、積極的なフォローアップをサポート |
| 開発サポート | コードベースのアップグレードやコードリポジトリの開発をサポート |
| 生産性アップ | 電子メールを自動で送信して会議をスケジュールするなど日常的なタスクの自動化 |
Foundry Agent Serviceは多岐にわたる業務プロセスを自動化し、企業全体の生産性向上に大きく寄与します。
関連記事:「AI開発の手順は?システム構築の流れを徹底解説!費用・人材探し・失敗予防注意点完全ガイド」
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Foundry Agent Serviceの活用メリット

Foundry Agent Serviceは高度なAIエージェントを迅速に実現できるように環境が整えられています。以下では、Foundry Agent Serviceのメリットを紹介します。
AIエージェント開発が簡単に
Foundry Agent Serviceでは、必要なリソースやモデルを準備したうえで、SDKを使った比較的少ないコードで基本的なエージェントの作成・実行を試せます。
SDKは、APIをアプリケーションから利用するためのライブラリなどをまとめたソフトウェア開発キットです。利用する機能に応じて、Microsoft Foundry向けのSDKやOpenAI SDKなどを使い分けます。
用途に応じたモデル選択で品質とコストを調整できる
Foundry Agent Serviceでは、OpenAIのGPTシリーズ、AnthropicのClaude、MetaのLlamaなどを、構築方式や提供条件に応じてエージェントに活用できます。
複雑な判断が必要な業務には推論性能を重視し、定型的な問い合わせ対応には応答速度やコストを重視するなど、業務に応じたモデル選択が可能です。
モデルを比較・評価することで、必要な回答品質やツール実行の精度を確保しながら、待ち時間や運用コストの抑制につなげられます。
ただし、Foundry Modelsで提供されるすべてのモデルが、Agent Serviceのすべての構築方式で利用できるわけではありません。利用時には、対応モデル、ツール呼び出し機能、提供リージョンなどを確認する必要があります。
関連記事:「Azure AI Foundry Modelsとは?Azure AI Foundryとの違い・利用可能モデル・できること・実画面付きの使い方まで徹底解説!」
関連記事:「Azure OpenAI in Microsoft Foundry Modelsとは?料金・モデル・OpenAI APIとの違い、使い方を解説」
既存システムと連携し、情報収集から業務処理までつなげられる
Foundry Agent Serviceでは、社内データの参照と業務システムの操作を組み合わせ、情報を調べて回答するだけでなく、その後に必要な処理までつなげられます。
例えば、問い合わせ内容を確認して顧客情報を取得し、対応内容の下書きや申請登録まで支援する構成が考えられます。担当者によるシステム間の移動や転記を減らし、業務を進めやすくなる点がメリットです。
実現できる処理は、接続先のAPIやツール、認証方式、付与する権限によって異なります。
既存の認証・ネットワークを活用し、安全な運用に向けた開発負担を抑えられる
Foundry Agent Serviceでは、Microsoft Entra IDやAzureのネットワーク機能などを活用し、エージェントの実行環境を構成できます。認証や通信制御の仕組みを一から開発する負担を抑え、業務ロジックやツール連携の実装に注力できる点がメリットです。
すでにAzureを利用している企業では、既存のアクセス管理やネットワークの運用ルールに合わせて、エージェントを導入しやすくなります。
Foundry Agent Serviceの始め方

Foundry Agent Serviceを利用するには、Azureサブスクリプションを用意し、Microsoft Foundryでリソースとプロジェクトを作成します。
以下が基本的な手順です。
- Azureサブスクリプションを用意します。
- Foundryポータルにアクセスし、Microsoft FoundryリソースとFoundryプロジェクトを作成します。
- Foundry Modelsから、利用するモデルを選択してデプロイします。
- プロンプトやツール、ナレッジなどを設定し、エージェントを作成します。
- プレイグラウンドで応答やツール実行をテストします。
- 必要に応じてFoundry SDKやREST APIを使用し、既存のアプリケーションと連携します。
- 評価、トレース、監視、安全性の設定を行ったうえで運用環境へデプロイします。
Foundry Agent Serviceでは、ポータル上で設定するエージェントだけでなく、Microsoft Agent FrameworkやLangGraph、独自コードで構築したエージェントをマネージド環境にデプロイすることも可能です。
詳細な手順や必要な権限は、利用開始前に公式ドキュメントをご確認ください。
参照:Microsoft|クイックスタート:プロンプトエージェントを作成する
Foundry Agent Serviceの利用枠
Foundry Agent Serviceでは、アップロードするファイル、メッセージ、ツール、エージェントのバージョンなどに上限が設定されています。
以下は、すべてのFoundryプロジェクトに共通して適用される標準的な上限です。
| 制限項目 | 上限値 |
|---|---|
| エージェントまたはスレッドごとに登録できるファイル数 | 10,000ファイル |
| Prompt agentsにアップロードできる1ファイルあたりの最大容量 | 512MB |
| アップロードした全ファイルの合計容量 | 300GB |
| ベクトルストアに追加できる1ファイルあたりの最大トークン数 | 200万トークン |
| 1スレッドあたりの最大メッセージ数 | 100,000件 |
| 1メッセージのtextコンテンツの最大文字数 | 150万文字 |
| 1エージェントに登録できるツール数 | 128個 |
| 1エージェントあたりの最大バージョン数 | 1,000件 |
上記は、サブスクリプションの種類やリージョンにかかわらず適用される、Foundry Agent Serviceの固定上限です。ファイル、メッセージ、ツールなどのサービス上限は、原則として引き上げを申請できません。
一方、モデルのトークン使用量や1分あたりのリクエスト数は、この表とは別に、利用するモデル、デプロイ方式、リージョン、Azureサブスクリプションごとのクォータが適用されます。処理量の多いシステムを構築する場合は、利用予定のモデルに設定されたTPM(1分あたりのトークン数)やRPM(1分あたりのリクエスト数)も確認する必要があります。
また、コードを持ち込んで実行するHosted agentsなど、一部の機能には個別の上限や提供条件があります。利用できるモデルやツールもリージョンによって異なるため、導入前に公式ドキュメントで最新情報をご確認ください。
参考:Microsoft|Foundry Agent Serviceの上限、クォータ、対応リージョン
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Microsoft Foundry Agent Serviceについてよくある質問まとめ
- Microsoft Foundry Agent Serviceとは何ですか?
Microsoft Foundry上でAIエージェントを構築・実行・運用するためのマネージドサービスです。
AIモデル、社内データ、外部ツールを組み合わせ、問い合わせ対応や業務処理を支援するエージェントを開発できます。
- Foundry Agent Serviceで社内データを活用できますか?
Foundry IQのナレッジベースや対応する検索ツールなどを接続し、社内資料に基づく回答や判断を支援できます。業務システムのAPIと連携すれば、情報の参照に加えて申請登録などの処理も可能です。
利用時は、データへのアクセス権や実行できる操作の範囲を設定する必要があります。
まとめ
Foundry Agent Serviceは、Microsoft Foundry上でAIエージェントを構築・実行・運用するためのマネージドサービスです。
Prompt agentsとHosted agentsを用途に応じて選択し、対応するAIモデル、Foundry IQなどのナレッジ、外部ツールを組み合わせて業務を支援するエージェントを構築できます。
実行基盤の管理負担を抑えられる一方で、業務に適した指示やツール、権限、評価方法の設計は必要です。まずは対象業務と自動化する範囲を絞り、回答品質と処理の安全性を検証しながら導入を進めることが重要です。

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