オープンソースLLMとは?代表モデル11シリーズ・ダウンロード数・比較と選び方を解説!
最終更新日:2026年09月14日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

LLMを自社のシステムに組み込む方法として、GPTのようなクローズドモデル提供事業者のAPIを利用する方法に加え、公開されたモデルを自社環境で実行する方法があります。
オープンソースLLMやオープンウェイトモデルは、運用環境やカスタマイズ方法を自社の要件に合わせて選びたい場合の選択肢となります。
本記事では、代表的なオープンソースLLMの実際のダウンロード数や詳細、ビジネスでの活用メリットなどについて詳しく解説します。
LLMとは何か?についてはこちらで詳しく説明していますので併せてご覧ください。
ChatGPT/LLM導入・カスタマイズに強いAI開発会社を自力で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
オープンソースのLLMとは?
オープンソースLLMとは、利用・研究・改変・共有の自由を認める条件で、モデルの利用や改変に必要な情報・コード・重みなどが公開されたLLMです。
オープンソースとオープンウェイトの違い
学習済みの重みを公開したモデルは「オープンウェイトモデル」と呼ばれます。重みを入手できても、用途や商用利用に制限がある場合や、学習に関する情報が十分に公開されていない場合があり、すべてが厳密な意味でのオープンソースに該当するわけではありません。
この記事では、一般にオープンソースLLMとして紹介されることの多いオープンウェイトモデルも含めて扱い、モデルごとの利用条件を確認します。
| 比較項目 | オープンソースLLM | オープンウェイトモデル |
|---|---|---|
| 公開範囲 | 重み・コード・学習データに関する情報など、利用や改変に必要なもの | 学習済みの重み その他の情報の公開範囲はモデルによる |
| 利用・改変・再配布 | ライセンスの条件に従い、目的を問わず認められる | 用途や改変・再配布に制限がある場合がある |
| 商用利用 | 可能。ただし、表示義務などの条件は確認が必要 | 可否や条件をモデルごとに確認する必要がある |
参照:Open Source Initiative|Open Source AI Definition 1.0
オープンソースLLMのメリット
オープンソースLLMを活用すると、モデルの実行環境や調整方法を、自社の業務・データ管理の要件に合わせて選べます。主なメリットは以下の通りです。
| メリット | 詳細・効果 |
|---|---|
| ローカルLLMとして運用できる | 社内PCやサーバーで実行可能 外部送信を行わない構成にすることで、機密情報を扱う業務にも適用しやすい |
| 業務に合わせてモデルを調整できる | 公開された重みをもとに追加学習やファインチューニングを行い、特定タスクや出力形式に最適化できる |
| 利用規模に応じてコストを最適化できる | モデルが無償入手可能な場合があり、大量かつ継続的な処理を行う用途では商用API利用に比べ総コストを抑えられる可能性がある |
| モデルや実行方法を選択できる | 品質や処理速度に応じてモデルサイズ、量子化、推論ソフトウェアを選択し、利用環境・ハードウェアに最適化できる |
| 検証や改善に取り組みやすい | 公開されたコードや重み、技術資料をもとに挙動検証が可能で、活発なコミュニティの実装や改善手法を取り入れやすい |
なお、オープンソースLLMは、ローカル環境だけでなくクラウド上でも運用できます。
関連記事:「ローカルLLMとは?相談事例、技術的特徴、メリット、課題、構築方法を徹底解説!」
関連記事:「ファインチューニングとは?LLMで必要な理由・デメリット・RAGや転移学習との違い解説」
オープンソースLLMを企業が使う際の注意点
オープンソースLLMにはいくつか以下のようなデメリットも存在します。
- 商用利用時のライセンス条件:ライセンス情報の提供など利用の際には一部条件がある
- セキュリティリスク:潜在的に悪意のあるコードが含まれる可能性もある
- 計算リソースが必要
- 品質や安全性は独自に検証が必要
- 専門知識の必要性:カスタマイズには高度な技術と専門知識を持つ開発者が必要
特に、英語などほかの言語のみで日本語に対応していないLLMでは、いくらカスタマイズ性が高くても日本語の生成精度が低くなる傾向にあるため、利用する際には注意しましょう。
これらの課題を理解したうえで導入を進めることが重要です。
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代表的なオープンソースLLMのダウンロード数(Hugging Face/2026年9月14日確認)
モデルを比較する際は、性能や利用条件に加え、どの程度ダウンロードされているかも、利用動向を知る参考になります。
以下では、本記事で紹介するモデルのうち、各企業・研究機関から公開されているモデルを対象に、Hugging Faceの直近30日間のダウンロード数が多いものを各社2つずつ掲載しています。
ダウンロード数を利用動向の参考にしながら、回答品質や運用コスト、利用条件も比較し、自社の用途に合うモデルを検討してみてください。
※本記事の掲載モデルから選定した個別モデルの集計値で、各提供元の全モデルを対象とするランキングではありません。モデル名のリンク先はHugging Faceの各モデルページです。
| 提供元・シリーズ | 対象モデル(Hugging Face) | 直近30日間のダウンロード数 |
|---|---|---|
| Google/Gemma | gemma-4-26B-A4B-it | 9,124,127 |
| gemma-4-31B-it | 8,818,960 | |
| Alibaba/Qwen | Qwen3.8-27B | 7,703,400 |
| Qwen3.8-Flash-Next | 645,881 | |
| OpenAI/gpt-oss | gpt-oss-20b | 6,564,558 |
| gpt-oss-120b | 5,378,443 | |
| Meta/Llama | Llama-3.2-1B-Instruct | 6,303,233 |
| Llama-3.1-8B-Instruct | 5,620,539 | |
| DeepSeek | DeepSeek-V4-Flash | 1,750,419 |
| DeepSeek-R1 | 661,679 | |
| Microsoft/Phi | phi-4 | 695,566 |
| Phi-4-mini-instruct | 401,935 | |
| Mistral AI | Ministral-3-14B-Instruct-2512 | 410,770 |
| Ministral-3-3B-Instruct-2512 | 177,745 | |
| Ai2/Olmo | Olmo-3-7B-Instruct | 224,430 |
| Olmo-3-1025-7B(Base) | 102,865 | |
| IBM/Granite | granite-4.2-8b | 52,946 |
| granite-4.2-3b | 32,017 | |
| LLM-jp | llm-jp-4-8b-thinking | 18,624 |
| llm-jp-4-33b-thinking | 18,300 | |
| Stability AI/Stable LM | stablelm-2-1_6b | 7,595 |
| stablelm-2-12b | 1,089 |
参照:Hugging Face|モデルのダウンロード数の集計方法
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代表的なオープンソースLLM詳細
ここからは、オープンウェイトモデルも含め、各シリーズの特徴、代表モデル、利用条件を紹介します。自社の用途や運用環境に合うかを確認しながら比較してください。
Google Gemma

Gemma(ジェマ)は、Googleが開発する、学習済みの重みを公開したオープンウェイトのAIモデルシリーズです。質問応答、文章作成、要約、推論などに対応し、自社環境での実行やファインチューニングに活用できます。
Gemma 4では、端末上での利用からサーバーでの処理まで、用途に応じたモデルが提供されています。
- Gemma 4 E2B・E4B:モバイル端末やエッジ環境での実行を重視したモデル。テキストに加え、画像や音声の入力にも対応します。
- Gemma 4 12B:画像や音声を含むマルチモーダル処理に対応するモデルです。
- Gemma 4 26B A4B:総パラメータ数26Bのうち、トークンごとに約4Bを使用するMoEモデル。計算効率を重視した推論に活用できます。
- Gemma 4 31B:31Bのパラメータを持つ高密度モデル。品質を重視する推論や文章処理などに活用できます。
Gemma 4は、思考モードや関数呼び出しにも対応し、外部ツールと連携するAIアプリケーションの開発にも利用できます。必要なメモリや処理速度は、モデルのサイズ、量子化、入力の長さなどによって異なります。
Apache 2.0ライセンスで提供され、条件に従って商用利用や改変・再配布が可能です。一方、Gemma 2・Gemma 3などは別の利用規約が適用されるため、使用するモデルごとに条件を確認してください。
関連記事:「Gemma 2とは?特徴・メリット・デメリット・活用分野を徹底紹介!」
Alibaba Qwen

Qwen(通義千問)は、Alibaba Cloudが開発するAIモデルシリーズです。文章生成、推論、コーディング、画像理解などに対応するオープンウェイトモデルを公開しており、自社環境での実行やファインチューニングに活用できます。
小型モデルから大規模なMoEモデルまで、用途や計算資源に応じて選択できます。代表的な公開モデルには、以下があります。
- Qwen3.8-27B:テキストと画像の入力に対応するモデル。文章処理や画像に関する質問応答などに活用できます。
- Qwen3.8-2.4T-A95B:総パラメータ数2.4兆、アクティブパラメータ数950億の大規模なMoEモデル。高度な文章処理や推論を行うための選択肢です。
- Qwen3.8-Flash-Next:長文処理の効率化を重視した、画像理解にも対応するモデル。次世代アーキテクチャの実験的プレビューとして公開されています。
処理するデータの種類と、実行環境に合わせてモデルを選べる点が特徴です。日本語で利用する場合は、専門用語や指示への対応などを実際の業務データで確認します。
Qwenには重みを公開するモデルとAPIで提供するモデルがあり、提供形態や利用条件は一律ではありません。Apache 2.0とは異なる独自ライセンスを採用するモデルもあるため、商用利用や改変・再配布の条件をモデルごとに確認してください。
関連記事:「Qwenとは?モデル一覧・料金、できること・機能、使い方まで徹底解説!」
gpt-oss

gpt-ossは、OpenAIが2025年8月に公開した、推論やコーディング、ツール利用に対応するオープンウェイトの言語モデルです。Apache 2.0ライセンスで提供されており、ライセンス条件に従って商用利用や改変・再配布が可能です。
用途や実行環境に応じて、以下の2種類から選択できます。
- gpt-oss-120b:複雑な推論や高度な処理向けのモデル。公開された量子化済みの重みを利用すると、単一の80GB GPUで実行できます。
- gpt-oss-20b:ローカル環境での利用や、計算資源を抑えた運用向けの小型モデル。量子化済みの重みでは、16GBのメモリを備えた環境での実行に対応します。
両モデルは、入力ごとに一部のエキスパートを使って計算するMoE構造を採用しています。推論にかける処理量を低・中・高の3段階で調整でき、品質と応答速度のバランスを用途に合わせて選べます。
また、自社環境でのファインチューニングや、外部ツールと連携するAIエージェントの開発にも活用できます。Web検索やコード実行を行わせる場合は、対応するツールと実行環境を別途組み合わせる必要があります。
関連記事:「gpt-ossとは?オープンソースLLMの特徴やできること、性能、料金、使うには?、活用事例まで徹底解説!」
Meta Llama

Llama(ラマ)は、Metaが開発する、学習済みの重みを公開したオープンウェイトのモデルシリーズです。独自のライセンスに基づいて提供されており、自社サーバーやクラウド環境での実行、業務に合わせたファインチューニングなどに活用できます。
2023年の初代モデル公開以降、軽量なテキストモデルから、画像とテキストを扱うマルチモーダルモデルまで展開されています。代表的なモデルは以下の通りです。
- Llama 3.1:8B・70B・405Bのモデルを提供。必要な性能や計算資源に応じて選択できます。
- Llama 3.2:テキスト処理向けの1B・3Bと、画像理解に対応する11B・90Bを提供。軽量モデルは端末上での実行にも活用できます。
- Llama 3.3:70Bのテキストモデル。対話、文章作成、コーディングなどに活用できます。
- Llama 4:ScoutとMaverickを提供。テキストと画像の入力に対応し、テキストを生成します。必要な一部のエキスパートを使って計算するMoE構造を採用しています。
なお、商用利用や再配布には、各モデルのライセンスと利用ポリシーが適用されます。公開されているからといって無条件に利用できるわけではなく、導入するモデルの条件を確認する必要があります。
関連記事:「Llamaとは?Meta社LLMの料金プランやモデル一覧」
参照:Hugging Face|Meta Llama
参照:Github|Llama公式リポジトリ
Llamaベースの日本語派生モデル
Llamaを基に、日本語の処理能力を強化した派生モデルも開発されています。例えば、以下のような取り組みがあります。
- ELYZA:「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」や「Llama-3-ELYZA-JP」など、Llamaをベースに日本語への対応を強化したモデルを開発しています。
- rinna:「Llama 3 Youko 8B」は、Llama 3を基に日本語と英語のデータで継続事前学習を行ったモデルです。
このように、公開されたモデルを基盤として、日本語や自社の業務に適したモデルへ調整できる点も、Llamaが活用される理由の一つです。ただし、派生モデルの提供形態や重みの公開範囲、利用条件はモデルごとに異なります。
関連記事:「日本語LLMとは?代表モデルの特徴・比較、選び方と業務活用のポイントを徹底解説!」
参照:ELYZA|ELYZA LLM
参照:Hugging Face|rinna
DeepSeek

DeepSeekは、中国のAI企業で、推論、コーディング、長文処理などに対応するオープンウェイトモデルを開発しています。公開された重みを利用し、自社環境での実行や業務に合わせたカスタマイズが可能です。
代表的な公開モデルには、以下があります。
- DeepSeek-V4.1-Flash:2026年9月に公開された、画像とテキストを入力してテキストを生成するモデル。最大100万トークンのコンテキストに対応し、長文処理やAIエージェントのタスク実行における計算効率を重視しています。
- DeepSeek-V4-Pro・V4-Flash:長文処理、推論、コーディングなどに対応するMoEモデル。Proは大規模な構成、Flashは相対的に小規模な構成で、いずれも最大100万トークンのコンテキストに対応します。
- DeepSeek-R1:数学やコーディングなどの推論能力を重視したモデル。推論能力を小型モデルに移す蒸留によって作られた派生モデルも公開されています。
公開モデルを自社で運用する方法と、提供事業者のAPIを利用する方法を、データ管理や計算資源の要件に応じて選べる点が特徴です。
V4.1-Flash、V4-Pro・V4-Flash、R1本体はMITライセンスで提供されています。
関連記事:「DeepSeek-R1とは?OpenAI o1に迫る高性能モデルの料金・アーキテクチャの特徴、使い方、注意点を徹底解説」
Microsoft Phi

Phiは、Microsoftが開発する、比較的小規模な構成で推論や文章処理を行うことを重視したオープンウェイトモデルシリーズです。計算資源や応答時間に制約がある環境で、AI機能を組み込むための選択肢となります。
代表的なモデルには、以下があります。
- Phi-4:約140億パラメータのテキストモデル。数学や論理的な推論、文章生成などに対応します。
- Phi-4-mini-instruct:小型の指示応答モデル。対話や文章処理などを、限られた計算資源で実行する用途に活用できます。
- Phi-4-multimodal-instruct:テキスト、画像、音声の入力に対応するモデル。複数の形式の情報を扱うアプリケーションの開発に利用できます。
小型のテキストモデルと、画像・音声も扱えるモデルを用途に応じて選べる点が特徴です。ただし、小型であることだけで、すべての端末で快適に動作するとは限りません。量子化や入力の長さも含め、実行環境に合うかを確認します。
上記のモデルはMITライセンスで公開されています。日本語で利用する場合は、モデルごとの言語対応や、実際の業務における回答品質を検証してください。
関連記事:「Phi-4とは?特徴・活用メリット・始め方・注意点まで最新情報を徹底紹介!」
関連記事:「Phi-3とは?MicrosoftがリリースしたSLMのモデル別特徴・活用例を徹底解説!」
Mistral AI

Mistral AIは、フランスのAI企業で、文章生成、推論、画像理解、コーディングなどに対応するモデルを開発しています。学習済みの重みを公開したモデルも提供しており、自社環境での実行やファインチューニングに活用できます。
用途や計算資源に応じて選べるモデルが展開されています。代表的なオープンウェイトモデルは以下の通りです。
- Mistral Large 3:多言語の文章処理や画像理解に対応する大規模なMoEモデル。品質を重視する業務アプリケーションの開発に活用できます。
- Mistral Small 4:対話、推論、コーディング、画像理解を統合したモデル。推論にかける処理量を調整し、応答速度と品質のバランスを選べます。
- Ministral 3:3B・8B・14Bを提供する小型モデルシリーズ。画像理解にも対応し、ローカル環境やエッジ端末での利用を重視しています。
上記のモデルはApache 2.0ライセンスで提供され、条件に従って商用利用や改変・再配布が可能です。端末上で動かす小型モデルから、サーバーで運用する大規模モデルまで選択肢がある点が特徴です。
ただし、Mistral AIが提供するすべてのモデルが同じ公開条件ではありません。導入するモデルごとに、重みの公開有無、ライセンス、必要なメモリや実行環境を確認してください。
関連記事:「Mistral AIとは?特徴や主要モデル、活用方法をわかりやすく徹底解説!」
Ai2 Olmo

Olmoは、米国のAI研究機関Ai2が開発する、モデルの重みだけでなく、学習データや学習・評価の仕組みも公開することを重視した言語モデルシリーズです。モデルの動作や学習過程を検証し、独自の研究開発や追加学習に活用できます。
Olmo 3では、7B・32Bの規模で、以下のようなモデルが提供されています。
- Base:追加学習や研究の基盤となる事前学習モデルです。
- Instruct:指示への応答、複数ターンの対話、ツール利用などに対応するよう調整されたモデルです。
- Think:複雑な問題に対して、段階的に推論する能力を重視したモデルです。
学習データや開発手法を確認しながら、モデルを再現・改善するための情報がそろっている点が特徴です。公開範囲や開発過程の透明性を重視してモデルを選びたい場合に、比較対象となります。
参照:Ai2|Olmo
IBM Granite

Graniteは、IBMが開発する、企業業務での活用や自社環境への導入を重視したオープンウェイトのAIモデルシリーズです。文章処理、推論、文書理解などに対応するモデルを公開しており、業務に合わせたカスタマイズに活用できます。
代表的なモデルには、以下があります。
- Granite 4.2:3B・8B・30Bの言語モデルを提供。文章生成、推論、コーディング、ツール利用などに対応します。
- Granite Vision:文書、図表、画像の内容を理解するためのモデル。資料からの情報抽出などに活用できます。
- Granite Embedding:テキストを検索や分類に使える数値表現へ変換するモデル。RAGの検索部分などに利用できます。
回答を生成する言語モデルと、文書理解や検索を担うモデルを組み合わせて、業務システムを構築できる点が特徴です。Embeddingモデルは文章を生成するLLMとは役割が異なるため、必要な処理に応じて選びます。
Apache 2.0ライセンスで提供され、条件に従って商用利用や改変・再配布が可能です。
参照:IBM|Granite
LLM-jp

LLM-jpは、国立情報学研究所(NII)を中心に進められている、日本語の大規模言語モデルに関する研究開発の取り組みです。モデルの重みに加え、学習データや開発・評価に関する情報の公開にも取り組んでいる点が特徴です。
公開モデルには、以下のようなLLM-jp-4シリーズがあります。
- LLM-jp-4-8B:約80億パラメータ規模のモデル。比較的小規模な構成で、日本語の文章処理や指示応答の検証に活用できます。
- LLM-jp-4-32B-A3B:処理ごとに一部のパラメータを使用するMoEモデル。計算効率を考慮した構成を採用しています。
- LLM-jp-4-33B:約330億パラメータ規模のモデル。事前学習モデルのBase版と、推論を伴う応答向けのThinking版が公開されています。
日本語で利用するモデルを自社環境で検証したい場合や、学習・評価の情報を確認しながら追加学習に取り組みたい場合の選択肢となります。モデルのサイズだけでなく、Base版とThinking版の違い、必要な計算資源、実際の業務での回答品質を比較して選びます。
なお、学習データにはライセンス上の理由で公開されていない部分もあります。モデルとデータそれぞれの公開範囲・利用条件を確認することが重要です。
参照:LLM-jp|公式サイト
参照:Hugging Face|LLM-jp
Stable LM

Stable LMは、Stability AIが開発したオープンウェイトの言語モデルシリーズです。小型モデルや日本語向けのモデルが公開されており、自社環境での実行や追加学習の検証に活用できます。
代表的なモデルには、以下があります。
- Stable LM 2 1.6B:約16億パラメータの事前学習モデル。特定のタスクに合わせたファインチューニングの基盤として利用できます。
- Stable LM 2 12B:約120億パラメータの事前学習モデル。多言語のテキストやコードを用いて学習されています。
- Japanese Stable LM 2 1.6B:日本語の処理を目的とした小型モデル。事前学習モデルと、指示応答向けに調整されたInstruct版が公開されています。
日本語の小型モデルを自社環境で動かしたり、追加学習の効果を検証したりする際の選択肢となります。対話や質問応答に利用する場合は、事前学習モデルとInstruct版を区別して選び、業務に必要な回答品質と処理速度を確認します。
商用利用や改変・再配布には、各モデルのライセンス条件が適用されます。導入前に、モデルに付属するライセンスとStability AIの案内を確認してください。
参照:Hugging Face|Stability AI
参照:Stability AI|ライセンス
オープンソースLLMの比較ポイント

数多く提供されるオープンソースLLMの中で、自社にとって最適なLLMを見極める際の比較ポイントを紹介します。比較ポイントを理解し、企業のニーズに最も適したLLMを選定することが成功へのカギとなります。
モデルのサイズ
モデルのサイズは、必要なメモリや処理速度、運用コストに影響します。ただし、パラメータ数が多いほど、どのタスクでも高精度になるわけではありません。学習データやモデルの構造、調整方法によっても性能は異なります。
計算資源が限られる場合は、Llama 3.2の1B・3BやMinistral 3の3Bなど、小型モデルを候補に含め、実際の業務で必要な品質と応答速度を確認します。
また、MoEモデルでは総パラメータ数と処理時に使用するパラメータ数が異なります。量子化によって必要なメモリを抑えられる場合もありますが、モデルの重みに加え、入力の長さや同時処理数に応じたメモリも必要です。実行環境で検証したうえで選定しましょう。
日本語の回答品質
日本語で利用する場合は、日本語を出力できるかだけでなく、実際の業務で必要な品質を満たすかを確認します。LLM-jpやLlamaベースの日本語派生モデルに加え、多言語モデルも比較対象となります。
専門用語、敬語、省略表現、長文の読解、指示への対応などを、自社の資料や質問を使って評価しましょう。読みやすさだけでなく、事実の正確性や必要な情報の抜け漏れ、人による修正の量も確認します。
追加学習を検討する場合も、まず既存モデルの日本語性能を評価し、改善したい課題を明確にすることが重要です。
カスタマイズ性
LLMを選ぶ際は、自社の業務に合わせて、回答内容や出力形式、参照する情報をどのように調整できるかを確認します。主な方法には、以下があります。
- プロンプトの調整:指示や出力条件を具体化し、求める回答に近づけます。少数の回答例を提示するFew-shotと、回答例を提示せずに指示するZero-shotを、タスクに応じて使い分けます。
- RAG(検索拡張生成):社内文書や製品情報などを検索し、取得した情報をモデルに渡して回答を生成します。モデルの重みを更新せずに、独自の情報を参照させられます。
- ファインチューニング:業務に合った学習データを使ってモデルを調整し、特定タスクへの対応や出力形式の改善を図ります。ライセンスに加え、学習用ツールへの対応や必要な計算資源も確認します。
プロンプトの調整やRAGは、クローズドモデルでも利用できる方法です。一方、公開された重みを利用できるモデルでは、利用条件の範囲内で、自社環境での追加学習や推論設定の調整を行える点が選択のポイントになります。
また、画像・音声・動画を扱う場合は、対応するVLMやマルチモーダルモデルを選ぶ必要があります。入力内容を理解する機能と、画像や音声を生成する機能は異なるため、必要な入力・出力形式への対応も確認しましょう。
関連記事:「ファインチューニングとは?LLMで必要な理由・デメリット・RAGや転移学習との違い解説」
関連記事:「RAG(検索拡張生成)とは?導入相談事例・LLMとの連携シーン・メリット・システム構築の注意点を徹底解説!」
商用利用の範囲
厳密な意味でのオープンソースLLMは、商用利用を含めて利用目的を制限しないことが前提です。一方、オープンウェイトモデルには、商用利用や用途、再配布に独自の条件が設けられているものがあります。
そのため、企業は導入前に商用利用のライセンス条件を詳細に確認する必要があります。一部のモデルは研究目的での利用に限られ、商用展開には適していない場合があるため、使用目的に応じたライセンスの選択が重要です。
また、ライセンス条件により、追加の費用や制約が発生する可能性があるため、事前の確認が不可欠です。
パフォーマンスとベンチマーク
モデルを比較する際は、公開ベンチマークのスコアと、自社の業務データを使った評価を組み合わせることが重要です。ベンチマークはモデルの得意分野を把握する参考になりますが、高いスコアがそのまま業務での使いやすさを保証するわけではありません。
公開スコアを確認する際は、評価対象のモデルやバージョン、問題の言語、プロンプト、ツール利用の有無など、測定条件にも目を向けます。条件が異なる数値を、そのまま比較しないようにしましょう。
自社で検証する際は、実際の質問や資料を用意し、以下のような観点で候補モデルを比較します。
- 回答品質:事実の正確性、必要な情報の網羅性、日本語の自然さ、指示や出力形式への対応
- 処理性能:応答時間、一定時間に処理できる件数、長文入力や同時利用時の安定性
- 運用効率:必要なメモリや計算資源、処理にかかる費用、人による確認・修正の負担
オープンソースLLMでは、量子化や推論用ソフトウェア、使用するハードウェアによっても結果が変わります。
導入予定の構成で検証し、自動評価と人による確認を組み合わせて、業務に必要な品質を満たすか判断しましょう。モデルの更新や追加学習を行った際も、同じ評価データで改善と性能低下の両方を確認します。
関連記事:「LLMの性能評価方法とは?人手・自動評価の違い、指標・ベンチマーク・ツールを徹底解説!」
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オープンソースLLMについてよくある質問まとめ
- オープンソースLLMとオープンウェイトモデルの違いは何ですか?
オープンソースLLMは、利用・研究・改変・共有の自由を認める条件で、必要な情報・コード・重みなどが公開されたモデルです。
オープンウェイトモデルは学習済みの重みを公開したモデルを指し、学習情報の公開範囲や利用条件によっては、厳密な意味でのオープンソースには該当しません。
- オープンソースLLMは無料で商用利用できますか?
モデルを無償で入手できる場合でも、実行するためのサーバーやGPU、開発・保守には費用がかかります。
厳密なオープンソースは商用利用が可能ですが、表示義務などの条件は確認が必要です。オープンウェイトモデルには独自の利用制限がある場合もあるため、モデルごとのライセンスを確認してください。
まとめ
オープンソースLLMは、コスト削減やカスタマイズの柔軟性など多くのメリットがありますが、セキュリティや専門知識の必要性といった課題も存在します。
近年LLMの需要拡大に合わせて多様なオープンソースLLMが提供されており、企業のニーズに応じたLLMの選定が必要です。
選定する際には今回紹介した比較ポイントを踏まえ、自社にとって最適なLLMを導入し、ビジネスの拡大や業務効率化につなげましょう。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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