最終更新日:2023-09-23
ChatGPTとは?使い方・仕組み・注意点・企業活用事例10選解説!

今話題沸騰中のChatGPTについてご存じでしょうか?ChatGPTは、2022年11月30日に公開されてからわずか2ヶ月で月間のユーザー数が1億人を超える人気ぶりです。
GPT-3から始まり、GPT-3.5、そして現在有料版としてのGPT-4、さらにAPIも提供されるようになり、その革新的な技術を個人ユーザーの仕事への活用はもちろん、企業も自社サービスや商品で活用して新たなビジネスやサービスに繋げようと注目しています。
そこでこの記事では、
ChatGPTについて知りたい、自社ビジネスでの活用方法を模索している方は、是非最後までご覧下さい。
AI Marketでは、
ChatGPTの導入支援を発注する会社を自力で探したい方はこちらもぜひ参考にしてください。
目次
- 1 ChatGPTとは?
- 2 ChatGPTの仕組みは?
- 3 ChatGPTの使い方は?
- 4 ChatGPTの活用に欠かせないプロンプトエンジニアリングとは?
- 5 ChatGPTで何ができる?
- 6 ChatGPTの5つの注意点
- 7 ChatGPTの活用事例9選
- 7.1 ChatGPTで広告クリエイティブの自動生成(Omneky)
- 7.2 ChatGPTでマニュアル自動作成(ManualForce)
- 7.3 ChatGPTで採用のリファレンスチェックを効率化(Parame)
- 7.4 ChatGPTで非上場企業の事業内容を要約(QFINDR)
- 7.5 LINExChatGPTで高度な受け答え(anybot)
- 7.6 ChatGPTで土日深夜帯のインサイドセールス自動化の実現(ポート)
- 7.7 ChatGPTでSaaS連携データベースからテキスト生成や抽出、要約(Yoom)
- 7.8 CHatGPTで動画コンテンツの要約文の自動生成と記事化(Gunosy)
- 7.9 ChatGPTで社内ドキュメント検索サービスを開発(Allganize Japan)
- 7.10 社内向けAIチャットサービス「Benesse GPT」(ベネッセ)
- 8 ChatGPTについてよくある質問まとめ
- 9 まとめ
ChatGPTとは?
ChatGPT(チャットジーピーティー)は、米国OpenAI社が公開した大規模言語モデルを活用する自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのチャットボットです。ChatGPTは人間のようにふるまい、自然な対話からユーザーが求める文章を生成することができます。
関連記事:「LLM(大規模言語モデル)とは?ビジネスでの活用方法と導入コスト、代表サービスを徹底解析」
画像や動画をAI技術で自動生成するジェネレーティブAI(生成系AI)のひとつです。
こちらで生成AIの代表的なサービス、プロンプトの使い方を詳しく説明しています。
Microsoft社の共同創業者ビル・ゲイツ氏も、ドイツのベルリンで開催されたイベント「Europe 2023」で、ChatGPTは「現時点で最重要なイノベーション」と述べており、ChatGPTに対する期待の大きさがうかがえます。なお、Microsoft社はOpenAI社に対して、数十億ドル以上の出資を行っています。
こちらで、Microsoftが自社開発のブラウザに組み込んでいるBing AI ChatとChatGPTの違い、使い分けについて説明していますのでご覧ください。
従来のチャットボットとの違いとは?
ChatGPTは、あらかじめ用意された回答を返す従来のチャットボットと違う点は、実際の人間と会話しているようなリアルな会話文を生成できる点です。また、それまでの会話からどのような情報がほしいのか推測し返答することもでき、本当に人と話しているような自然なやり取りができるのが特徴です。
AIによるチャットボットの種類、仕組みについてわかりやすく関連記事で解説していますので併せてご覧ください。
AIによるチャットボットの活用事例についても関連記事で解説していますので併せてご覧ください。
ChatGPTの仕組みは?
ChatGPTは「GPT-3/3.5」や「GPT-4」という自然言語処理モデルを使用します。GPT-3は、ChatGPTの開発前から存在しており、高度な汎用性を持っているシステムです。
“Generative Pre-trained Transformer”(GPT)という名前が示す通り、ChatGPTは自然言語処理におけるディープラーニング(深層学習)モデルであるTransformerアーキテクチャを基盤としています。Transformerは、エンコーダとデコーダの構造を持ち、”Attention”メカニズムを用いて文脈を理解します。
ChatGPTもこのTransformerの進化形と言えるため、高度な文脈理解と生成能力を持っています。
ChatGPTの元になるTransformerの仕組みをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
社会的に好ましくない出力をしないように調整されている
GPT-3.0はオンライン上のすべてのテキストデータをデータベースとしているため、社会的・文化的に好ましくない文章を作成してしまう問題がありました。このGPT-3に人間がファインチューニングを行い、人間の指示・嗜好に合った応答をすることができるようにしたのがChatGPTです。
ChatGPTは、GPT-3を人間がファインチューニング(微調整=RLHF (Reinforcement Learning from Human Feedback)と呼ばれる人間のフィードバックに基づいた強化学習)することで、あたかも人が書いたような自然な文章を生成できる仕組みです。
ChatGPTは、主に対話型アプリケーションなどの対話の応答生成に利用されています。これにより、企業や教育機関等でも活用できるようになり話題となっているのです。
自然言語処理の仕組みについて分かりやすく解説していますので併せてご覧ください。
ChatGPTの使い方は?
ChatGPTを活用する方法には以下があります
- ブラウザから使う
- APIを使う
- ChatGPT Enterpriseを使う
以下に詳しい説明を記載します。
ブラウザから使う
ブラウザからChatGPTを利用する方法が最もスタンダードな使用方法です。オンラインで提供されているチャット対話システムを手軽で簡単に利用できます。
自分でChatGPTを設定する必要がなく、手軽に利用できます。ただし、利用できる機能に制限がある場合があり、必要とする機能をすべてカバーしていない場合があります。
特に、企業が必要とする機能はカバーできていないことが多いでしょう。
APIを使う
APIを使用してChatGPTを利用する場合、自分のアプリケーションやサービスにチャット対話機能を統合できます。企業がChatGPTを活用する際には、APIを使用してChatGPTを統合することが一般的です。
API(Application Programming Interface)は、異なるシステム間で情報をやり取りするための仕組みであり、ChatGPTのAPIを利用することで、企業は独自のアプリケーションやサービスに対話的な機能を追加することができます。APIを利用することでChatGPTの全ての機能を利用することができ、独自の対話システムを作成することができます。
ただし、APIを利用するには、専門的な知識が必要となります。また、APIを使用する場合は、適切なセキュリティ対策が必要です。
特に企業であれば、自社の目的や目標に合わせて、適切な方法を選択できます。
こちらでChatGPTのAPIの仕組み、料金体系を詳しく説明しています。
企業がAPIでChatGPTを使うメリットは?
- カスタマイズ性が高い
ChatGPTの全ての機能を利用することができ、独自の対話システムを作成できます。企業は、自社の目的や要件に合わせて、APIをカスタマイズでき、自社の独自のアプリケーションやサービスに対話機能を統合できます。 - 高度な機能を利用できる
APIを使用することで、ChatGPTの高度な機能を利用することができます。APIを利用することで、言語生成、言語分類、質問応答など、多様な対話機能を利用できます。また、より使いやすいサービスを提供できます。 - セキュリティが高い
APIを使用することで、ChatGPTを使用する際のセキュリティを強化できます。APIキーの管理や、アクセス制限の設定などを行うことで、ChatGPTを利用する際のセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。 - スケーラビリティが高い
APIを使用することで、企業は必要に応じてリソースを拡張できます。APIを利用することで、大量のデータを処理することができ、高いスケーラビリティを持つシステムを構築することができます。
ChatGPT Enterpriseを利用する
ChatGPT Enterpriseは2023年8月28日にOpenAIによって発表され、企業が安心して利用できるように高度なセキュリティとプライバシー保護が施されています。このプランでは、企業が所有するデータや会話はOpenAIによって学習されることはありません。さらに、SOC 2に準拠しており、すべての会話は暗号化されています。
ChatGPT Enterpriseでは、通常のGPT-4よりも最大2倍高速に動作します。また、文章の長さも通常の4倍まで入力可能です。このプランでは、高度なデータ分析機能も無制限に利用でき、金融研究者やマーケター、データサイエンティストなどが短時間で情報を分析できます。
ChatGPT Enterpriseには、管理用のマスターアカウントなどセキュリティ面でも多くの機能が備わっています。これにより、企業は高度なセキュリティの下で、よりスペックの高いChatGPTを安心して利用できます。
このように、ChatGPT Enterpriseは企業が大規模に導入するための多くの特徴と機能を備えています。特に、高度なセキュリティとプライバシー保護により、企業はより安心してこの先進的な自然言語処理モデルを活用できるでしょう。
関連記事:「Azure OpenAI Serviceとは?On Your Data・Azure ChatGPTでChatGPTを社内でセキュア活用!」
ChatGPTを会社利用する方法、注意点をこちらで詳しく説明しています。
ChatGPTの活用に欠かせないプロンプトエンジニアリングとは?
プロンプトエンジニアリングと呼ばれる、生成AIが最適な回答を導き出すことが可能な手法が実現されています。
具体的には、ChatGPTに質問を投げかける際に、「友だちのように回答してください」「100文字以内で」「箇条書きで」といった形でAIにプロンプト(指示や命令)を行うことで、より活用場面ごとに求めてる回答に近いものを導き出すことができるようになっています。
関連記事:「ChatGPTのプロンプトとは?作成のコツ・例文・人気のプロンプト作成システム徹底解説!」
また、自社ビジネスに活用可能なChtGPTのプロンプトをお探しの方は、AI Marketの姉妹サイトであるプロンプトマーケットプレイス「Prompt Plus」もぜひご利用ください。
ChatGPTで何ができる?
ChatGPTは、これまで人間がやっていた以下のような作業を簡略化できます。
- 質問に対する返答(情報収集)
- 文章の要約
- 文章の作成
- リストや比較表の作成
- コーディングの生成、及び補完
それぞれのポイントを説明します。
より具体的な企業でのさらなるChatGPTの活用法をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
質問に対する返答(情報収集)
ChatGPTは、上記のような質問に対して人間のように自然に答えてくれます。気になることや調べてほしいことについて「◯◯について教えて」「◯◯とは何?」と質問すると、それに対して回答を送ってくれます。
インターネットで検索して情報を収集することが多いかと思いますが、ChatGPTに質問することで情報を収集できます。口調や文章表現方法を指定すれば、それに合わせた文章で返答することもできます。例えば「会社の公式なプレゼン資料に使えるレベルの英語でまとめてください」と言った指定も可能です。
また、ChatGPTを顧客サポートやFAQとして使用することも可能で、24時間365日のサポートを行うことができます。ただし、企業のサポートとして使用するためには正確な回答を生成するための学習やトレーニングが必要になります。
文章の要約
ChatGPTは文章の要約ができます。長い文章を打ち込んだ後や説明文をコピペした後に、「文章を要約して」と送ると要約文を返してくれます。上記画像のように、論文やWebページを要約することも可能です。これも文体や出力言語などを指定することが可能です。
「実際の人間と会話している」感じがChatGPTの特徴ですが、要約機能においても発揮されます。例えば、ChatGPTに「◯◯について教えて」と質問をしてその答えが返ってきた後に「要約して」と送ると「◯◯」について要約されます。毎回、命令のたびに「◯◯について」と入力する必要がなく、その前のやりとりからChatGPTが考えて返答することができます。
文章の作成
「AIが小説を書いた」という話しを聞いたことがあるのではないでしょうか?ChatGPTでも小説を書くことができ、それ以外にも以下のようなビジネスで使用する文章を作成することができます。
- 提案文
- 発注書、稟議書
- 申請書
- メールの下書き
下書きとして文章を作成することができるので、定型文などを書かずに書く手間が省けます。内容の手直しは必要ですが、明確に指示をすれば手直しの箇所も少なく、より正確な文章を作成することができます。
また、情報収集→要約→文章作成などの一連の流れをChatGPTで行うことで、これまでは自分で調べたものを要約して文章化するといった労力のかかることを、ChatGPT内で行うことができるようになるなど、仕事を効率化することができます。
こちらでChatGPTのマーケティング活用アイデアを詳しく説明しています。
リストや表の作成
エクセル等で作成する事の多いリストや表をChatGPTで作成することもできます。
品目や性能、値段などの比較したい項目を指定することで比較表や候補リストを作成することができ、社内外での提案文の資料を簡単に作成することができます。自分で項目を並べて入力する必要がなく、ChatGPT内で調べた情報があればそのままリストや表にできるため作成する手間が大幅に省けます。
ChatGPTで作成したリストをエクセルで活用する方法をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
コーディングの生成、及び補完
ChatGPTは、プログラミングにおけるコーディングの補完として非常に有用です。特定のタスクや機能に対して、適切なコードを自動生成し、提案することが可能です。
例えば、「ファイル操作のコードを示してください」と指示すれば、ファイル読み書きなどの一般的なコードスニペットを提供します。
また、コード中のエラーや非効率な部分を検出し、訂正の提案を行うことができます。「このコードのエラーを修正してください」と指示すると、構文エラーを特定し、修正案を提供します。「このコードを最適化してください」と指示すると、より効率的なコードへの改善提案を行います。
「このコードのレビューをしてください」と指示すると、コードの品質や構造に対するフィードバックと改善提案を行います。
特に、2023年7月に公開されたChatGPTの機能である「Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)(コード・インタープリタ)」機能を使うことでコードの生成、及び解析の能力は段違いに上がっています。
ChatGPTの5つの注意点
ChatGPTを企業で使用するうえでは、以下のことに注意しなければなりません。
- 回答内容の確認が必要
- 学習データが偏る可能性
- データのプライバシーと機密性
- 著作権の問題
- 法的アドバイス利用の制限
それぞれのデメリットに注意してください。
こちらで企業でChatGPTを活用するためのアイデアを詳しく説明しています。
回答内容の確認が必要
ChatGPT の回答内容が正しいかどうかは必ず確認しなければなりません。公開されたばかりである現在は、回答が完全ではありません。
また、上記のようにChatGPT自身が回答していることからわかるように、ChatGPTには最新データが反映されていません。
特に情報収集で使用する際は、本当に正しい情報なのかを公式サイト等で確認をした方が良いでしょう。
学習データが偏っている可能性
学習データの偏りとは、学習に用いたデータに特定のグループや地域などのバイアスが含まれている状態です。実際、ChatGPTの学習に使われているデータは日本語よりも英語の方が多いといわれています。
学習データの偏りは、返答の正確さや返答が可能かなどに影響します。
LLM自体が持つくせや特性が原因になることもあります。その場合は、複数のLLMを組み合わせるLangChainの仕様を検討してもいいかもしれません。
こちらでLangChainを使うメリット、複数LLMを使用する機能を詳しく説明しています。
データのプライバシーと機密性
企業がプロンプト(命令文)としてChatGPTに送信するデータは、顧客情報、内部戦略、財務データなど、機密性が高い情報を含むことがあります。これらのデータが漏洩すると、企業の競争力や信頼性に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ChatGPTでの情報漏洩リスク、実際に機密情報が漏洩した事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
また、誤って社内外の不正なユーザーにChatGPTアカウントへのアクセスを許可すると、機密データの漏洩や不正な操作が発生する可能性があります。
こちらでMicrosoft Azure OpenAI、Azure ChatGPTを用いたセキュアな社内AIチャット構築について詳しく説明しています。
著作権の問題
ChatGPTで著作権問題が懸念されているのは、機械学習にWeb上のコンテンツを使用しているからです。ChatGPTは、大量のWebページや書籍、雑誌、論文、ニュース記事など様々なコンテンツのデータセットを学習することで、ユーザーの質問に対して自然な会話で返答できる仕組みです。
この学習に使用されているデータセットには、Web上に公開されている著作物が数多く含まれています。この公開されている著作物を学習することで、著作権問題が発生するのではないかと言われています。
ChatGPTと著作権の関係、注意点をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
法的アドバイス利用の制限
OpenAI社の利用規約上は、ChatGPTでの生成物を商用目的として利用することに何の問題もありません。
しかし、許可されていない法律行為に関与したり、資格のある担当者が情報を確認せずに個別の法的アドバイスを提供したりすることは禁じられています。また、資格のある担当者が情報を確認することなく、カスタマイズされた財務上のアドバイスを提供することもポリシー違反となります。
法的や財務的な専門知識を提供するコンテンツを作成する場合には、ChatGPTの利用は避けた方が良いでしょう。
ChatGPTを商用利用する場合の注意点をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
AI Marketでは、
ChatGPTの活用事例9選
ChatGPTや、ChatGPTのAPIを活用した以下のようなサービスが早くも開発・提供され始めています。
ChatGPTで広告クリエイティブの自動生成(Omneky)
生成AI広告プラットフォームのOmnekyは、ChatGPTを利用した自動広告生成ツール「Creative Assistant」のサービス提供を開始しました。ChatGPTのAPIを活用して独自アルゴリズムを開発し、ユーザーが広告のテーマを入力するだけでパーソナライズされた美しいクリエイティブブリーフが自動作成できるようになりました。
さらに特別な技術やスキルがなくても画像や動画を使った多面的な広告が低コストで作成可能です。
本来なら企画から立案といった広告イメージをクリエイティブブリーフにまとめて、さらに広告へと昇華させるのはかなりの時間と手間が必要となります。これを極めて短時間、しかも高精度で行えるようにしたことにより、今後のあらゆる広告の生成プロセスに大きな変革をもたらす可能性があるでしょう。
ChatGPTでマニュアル自動作成(ManualForce)
マニュアル自動生成サービス「ManualForce」をサービス提供しているOrange Moon株式会社は、ChatGPTのAPIと連携して「AIサジェスト機能」を追加しました。ManualForceは、ブラウザ上でソフトなどの操作を一度行うだけで、そのプロセスを自動でマニュアル化のうえシェアすることができます。この度の「AIサジェスト」により、そのマニュアルのタイトルや説明文を自動生成することができるようになったのです。
これによって、パソコン操作に不慣れな社員や新入・中途社員などにSaaSの操作方法を教える業務がより簡略化されます。数十、数百名規模のオペレーター研修でも、短時間でタイトルや説明文付きのマニュアルを作成のうえオンラインでシェアすれば、業務効率化と人件コストの削減に寄与するでしょう。
ChatGPTで採用のリファレンスチェックを効率化(Parame)
中途採用の際のリファレンスチェックサービスのParameが、自社サービス「Parame Recruit」にChatGPTを使ってテーマに合わせて質問項目を自動生成できるAI機能を追加しました。リファレンスチェックとは、中途採用の応募者や内定候補者の前職での勤務態度や評価について関係者にヒアリングすることを意味します。
採用担当者の「リファレンスチェックの質問内容に困る」と言うニーズに応え、AIがテーマに合わせて質問項目を自動生成できるようにしました。
また、リファレンスチェックの結果から「リスクに関する記載」や「長所に関する記載」というように選考判断に重要な記述を自動抽出できるようにもなりました。これにより膨大なリファレンスチェック結果に目を通し、必要な情報をピックアップしてまとめるといった作業が大幅に簡略化されます。
ChatGPTで非上場企業の事業内容を要約(QFINDR)
クレジット・プライシング・コーポレーション株式会社は、国内100万社以上の非上場企業の情報をChatGPTを使って要約できる機能をリリースしました。
クレジット・プライシング・コーポレーション株式会社は、非上場企業の情報を検索できる「QFINDR」という企業情報プラットフォームを運営しています。上場企業の場合は詳細な企業情報が公開されますが、それに比べて非上場の場合、投資判断や融資審査の材料となる有益な情報を取得するのは簡単ではありません。
QFINDRにChatGPTを使った要約機能を追加リリースし、非上場企業に関しても以下の内容を提供できるようになりました。
- 事業概要
- 想定される事業課題
- 想定される営業戦略
- 想定されるリスク
- 事業キーワード
「非上場の良い会社を探す」ことを目的とする「QFINDR」に新機能が搭載されたことにより、投資家や金融機関にとっては従来困難だった重要情報の抽出や要約が極めて高精度に実現できるようになりました。
LINExChatGPTで高度な受け答え(anybot)
エボラニ株式会社は、LINEミニアプリ・チャットボット「anybot」に、ChatGPTに企業のFAQを組み込むことでLINEの公式アカウントとWebサイトで利用する機能を追加しました。
ChatGPTを使ってAIがあたかも人が話すかのごとく高度かつ自然な言語でのやり取りができる「anybot for ChatGPT」です。将来的には、InstagramをはじめとするSNSやメッセンジャーのチャットボットでも使えるようにするようです。
ChatGPTで土日深夜帯のインサイドセールス自動化の実現(ポート)
就職領域、リフォーム領域、カードローン領域、エネルギー領域でマッチングDX事業を展開しているポート株式会社は、以下のChatGPTを活用したサービスを提供するための検証を行うことを発表しました。
- 土日、深夜帯の問い合わせに自動対応することでインサイドセールスの自動化
- 就職領域におけるテキスト型キャリアアドバイスサービス
エネルギー領域における土日や深夜帯などにユーザーからの電気やガス等の案内についての問い合わせがあった場合、その場で対応できず翌営業時間でしかアプローチできませんでした。そこで、ChatGPTを活用したお問い合わせ対応システムを提供することで、即時の案内を可能とし、見込みユーザーを離脱させずに成約率の向上を見込んでいます。
就職領域においては、キャリアコンサルタントがこれまで実施したアドバイスの音声データをテキストとしてChatGPTに学習させることで、テキスト型アドバイスサービスを提供できないか検証をしています。
ChatGPTでSaaS連携データベースからテキスト生成や抽出、要約(Yoom)
業務を自動化するSaaS連携データベースを提供するYoom株式会社は、ChatGPTとAPI連携を開始したことを発表しました。今回の連携により、以下のことをChatGPT同様に対話をしているような文章でできるようになります。
- 受信メールから企業名や名前、メールアドレスを抽出しデータベースに自動で格納
- ユーザーからの口コミリストをもとにネガティブかポジティブかを判断し自動でラベリング
- 商品リストに対する商品説明文の自動作成
- 会議の議事録の要約、チャットツールなどへの送信の自動化
Yoomと連携する様々なアプリケーションから情報を取得し、データベースへの格納やラベリング、文章の要約・作成といったことが自動でできるようになります。
CHatGPTで動画コンテンツの要約文の自動生成と記事化(Gunosy)
情報キュレーションアプリ「グノシー」を提供している株式会社Gunosyは、ChatGPTを活用して、動画コンテンツの要約文を自動生成し記事化する「動画AI要約記事」の開発を行いβ版(テスト版)の提供を決定しました。
同社は、これまでも連携メディアの数分程度の動画コンテンツを提供していましたが、YouTube動画を始めとする多くの長尺動画コンテンツの配信ができていませんでした。ChatGPTを活用することで、動画コンテンツから情報を取得し、数行程度の文章に自動要約して記事を配信します。
要約文章から元動画を見たい場合でも、記事内のリンクから動画へ遷移し閲覧が可能となります。
常に最適な情報をユーザーへ早く正確に提供するための取り組みとして、ChatGPTを活用した動画AI要約記事の提供を行います。長尺の動画を見なくても要約記事から情報を得ることができます。
また、内容が気になる動画のみ元動画を見ればよいため、よりユーザーに合わせた情報の提供が可能となります。情報の取得コスト最小化やパーソナライズ化がますます求められているなかで必要な選択肢となるでしょう。
ChatGPTで社内ドキュメント検索サービスを開発(Allganize Japan)
AIチャットボット「Alli」を提供するAllganize Japan株式会社は、新機能としてChatGPTを活用した企業向けの回答自動生成型の検索サービスをリリースすることを発表しました。
同社は、ChatGPTを活用することで、チャットボットAlliに以下の機能を実現しました。
- 特定の情報ソースを追加、指定や絞り込みにより確度の高い回答の提示
- 企業内で利用する社内ドキュメントを対象として検索
GPT-3.0(3.5)は最新情報などが反映されておらず、事実関係が不明な情報の中でも自然に応答することなどや、回答の情報ソースを指定できないことが企業内における活用検討での課題となっていました。そこに特定の情報ソースを追加、指定や絞り込みを可能とすることで、確度が高い最新の情報も提供できるようになりました。
また、マニュアルや社内規則といった企業内で利用する社内ドキュメントを検索対象とすることもできます。これにより、会社特有の質問に対しても、AIが適切に回答することができるようになります。社内に数多く存在する様々なフォーマットの文章を検索することができ、企業のナレッジ共有や業務効率化を実現することが可能となります。
社内向けAIチャットサービス「Benesse GPT」(ベネッセ)
ベネッセは、社員がイントラネット上で、いつでもAIチャットサービスを利用することができるようになり、本チャットを通して、業務効率化や技術検証などを行うことを可能にする仕組みの提供を開始しました。
尚、厳密にはChatGPTではなく、ChatGPTの開発元であるMicrosoftAzure上で提供されているOpenAIのサービスを利用して開発しています。
ChatGPTについてよくある質問まとめ
- ChatGPTとは?
ChatGPT(チャットジーピーティー)は、米国OpenAI社が公開した大規模言語モデルを活用する自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのチャットボットです。ChatGPTは人間のようにふるまい、自然な対話からユーザーが求める文章を生成することができます。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
ChatGPTは、公開されたばかりの技術ですが、その革新的な技術は今後の仕事の在り方を大きく変えるものとして注目されています。自社システムにChatGPTに組み込むためのAPIの使用料金もリーズナブルであり、これからますます新しいサービスがリリースされていくでしょう。
既に問い合わせフォームや社内システム・ドキュメントとの連携など、社内外問わず利用できるサービスの開発が進んでいます。これまでもノーコードでの自動化の仕組みはありましたが、習得・操作には知識が必要でした。しかし、ChatGPTは普段人と話すのと同じ感じで業務を自動化することができ、知識がなくても誰でも業務の効率化が進んでいくでしょう。
特に、企業が保有する独自データベース(独自ノウハウ)等を活用し、ChatGPT APIと連携をさせることで、企業独自のChatGPTサービスの活用は今後も増えていくことが想定されます。
ChatGPTを活用したサービスは、まだ開発が始まったばかりです。どのようなサービスが開発され社会を変えていくのか、今後の展開が楽しみです。
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