AI-OCRとは?従来型OCRとの違いや生成AIとの使い分け、メリット、製品10選を比較
最終更新日:2026年08月22日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

紙の書類やスキャン画像に記載された文字を読み取り、テキストデータへ変換する技術がOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)です。申込書や請求書、アンケート、図面などのデータ入力を効率化する技術として、幅広い業務で活用されています。
従来型OCRは、活字やレイアウトが固定された書類を得意とする一方、崩れた手書き文字、FAXで劣化した書類、形式が統一されていない帳票などでは、認識精度が低下する場合があります。こうした課題への対応力を高めたものが、機械学習やディープラーニングを活用するAI-OCRです。
さらに近年は、ChatGPTのような画像やPDFを理解できるマルチモーダル生成AIも、文書内の文字を読み取り、必要な情報の抽出・要約・分類を行えるようになりました。正確かつ大量の帳票処理を得意とするAI-OCRと、文書全体の内容理解や柔軟な情報整理を得意とする生成AIを、目的に応じて使い分けることが重要です。
本記事では、OCRの歴史とAI-OCRの仕組み、生成AIとの違い、定形・非定形帳票や図面への対応、導入メリットと注意点、選び方を解説します。さらに、代表的なAI-OCR製品・導入支援サービス10選について、認識率、手書き文字への対応、クラウド・オンプレミス、特徴、価格などを比較します。
画像認識AIの仕組みや種類、活用方法等についてはこちらで詳しく解説しています。
AI開発会社をご自分で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
従来型OCRを進化させたAI-OCRとは

AI-OCRは、機械学習やディープラーニングなどのAI技術を活用し、従来型OCRでは読み取りが難しかった手書き文字や多様な帳票への対応力を高めたOCRです。
文字の形だけでなく、前後の文字や単語なども手掛かりにして認識することで、書き方のばらつきや画像のノイズがある場合でも、読み取り精度の向上が期待できます。
また、RPAや業務システムと連携することで、帳票の読み取りだけでなく、データ入力や仕分けなど、その後の業務も効率化できます。
手書き文字や画像のノイズに対応しやすい
従来型OCRは、あらかじめ設計された文字の特徴や辞書との照合を中心に認識するため、文字の崩れや画像品質の変化に対応しにくい場合がありました。
AI-OCRは、多様な手書き文字や帳票画像を学習した認識モデルを利用することで、崩れた文字、FAXで劣化した文字、罫線に重なった文字などにも対応しやすくなっています。
また、傾きや歪みの補正、汚れや背景などのノイズ除去、文字領域の抽出といった画像処理を組み合わせることで、認識精度を高めています。
ただし、すべてのAI-OCRが利用者ごとの癖字を自動で学習するわけではありません。個別帳票のデータを使った追加学習に対応しているかは、サービスごとに異なります。
RPAや業務システムとの連携で入力作業を自動化できる
AI-OCRの重要な特徴の一つが、RPAや業務システムとの連携です。
AI-OCRで紙や画像形式の帳票をテキストデータへ変換し、そのデータをRPAやAPIを通じて会計・販売管理・顧客管理などのシステムへ登録することで、読み取りからデータ入力までの一連の業務を効率化できます。
ただし、AI-OCRだけで後続業務が自動化されるわけではありません。出力形式の設定、データの確認、既存システムとの連携などを含めた業務設計が必要です。
関連記事:「RPAとは?AI/マクロとの違いや期待できる効果を解説」
生成AIでも画像や文書を読み取れるようになった
画像やPDFを理解できるマルチモーダル生成AIの登場により、生成AIでも文書内の文字を読み取り、内容を整理できるようになりました。
従来のAI-OCRが指定された項目を正確かつ大量に読み取る処理を得意とするのに対し、生成AIは文書全体の内容や項目間の関係を理解し、指示に応じて必要な情報を抽出・要約・分類できる点が特徴です。
例えば、形式が統一されていない契約書や報告書を読み取り、特定の条件に該当する記述を抽出したり、表の内容を指定された形式に整理したりできます。AI-OCRで文字を読み取った後、その結果を生成AIで分類・要約する組み合わせも可能です。
一方で、生成AIは原文にない内容を補ったり、文字や数値を誤って出力したりする可能性があります。請求金額、口座番号、日付など、正確な転記が必要な大量帳票の処理では、AI-OCRや検証機能を中心に構成し、生成AIは内容理解や整理に利用するなどの使い分けが重要です。
関連記事:「生成AIとは?相談事例、種類や使い方、メリット、企業での活用方法まで徹底解説!」
読み取り結果には人による確認が必要
AI-OCRの認識精度は向上していますが、帳票の画質、文字の書き方、レイアウト、対象項目などによって誤認識が発生する可能性があります。
そのため、金額、口座番号、氏名など正確性が求められる項目では、人が最終確認する運用が一般的です。認識結果の信頼度が基準を下回った項目だけを人が確認することで、精度を確保しながら確認作業を効率化できます。
サービスによっては、複数人による入力結果との照合や、辞書・マスターデータとの突合によって精度を高める仕組みも提供されています。AI-OCRや生成AIにすべてを任せるのではなく、重要度に応じて確認方法を設計することが必要です。
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従来OCRの歴史と限界
AI-OCRが登場する以前から、OCRは紙に記載された文字をデジタルデータへ変換し、業務を効率化する技術として活用されてきました。
ここでは、OCRの発展と従来型OCRが抱えていた課題を解説します。
OCRの歴史
OCRの起源は1900年代初頭にさかのぼり、当初は視覚障害者が文字を読むための技術として研究されました。1929年には、紙に書かれた数字やアルファベットを機械で識別する技術の特許がドイツで出願されています。
1950年代にはアルファベットを読み取る装置が登場し、日本でも郵便業務の自動化を背景として開発が進みました。1968年には東芝が郵便番号を読み取る装置を開発し、その後、日立製作所、三菱電機、富士通、NECなどもOCR製品を開発しています。
1980年代以降はコンピュータの低価格化とともに普及が進み、郵便物、帳票、申込書などのデータ入力業務で活用されるようになりました。
紙の情報をデジタル化し、業務自動化の範囲を広げた
コンピュータで情報を処理するには、紙に記載された文字をデジタルデータへ変換する必要があります。OCRが普及する以前は、担当者が書類を目視しながら、キーボードでシステムへ入力していました。
OCRを利用すれば、紙の帳票やスキャン画像から文字を読み取り、テキストデータへ変換できます。これにより、転記作業の負担が軽減され、その後の検索、集計、保存、システム入力なども効率化できるようになりました。
OCRがある場合とない場合をイメージ図にしてみました。黄色がアナログ領域で、青が自動化領域です。

<OCRなし>
世の中のアナログデータ
手作業でデジタル化する
コンピュータで業務を自動化する
<OCRあり>
世の中のアナログデータ
OCRでデジタル化する
コンピュータで業務を自動化する
OCRの登場で、自動化の領域が格段に増え、結果として人の手間が減ったことを意味します。
従来型OCRが抱えていた限界
従来型OCRは、活字や一定の形式で書かれた文字の読み取りを得意とする一方、崩れた手書き文字や画質の低い書類では認識精度が低下することがあります。
特に、FAXによるかすれ、書類の傾き、背景の汚れ、罫線と文字の重なり、帳票ごとのレイアウトの違いなどが誤認識の原因になります。また、あらかじめ読み取り位置を設定する帳票定義が必要な製品では、異なるレイアウトの書類を処理するたびに設定作業が発生します。
こうした従来型OCRの課題に対応するため、機械学習やディープラーニングを利用して、手書き文字や多様な帳票への対応力を高めたAI-OCRが普及するようになりました。
AI-OCRはどのような帳票でも対応できる?
一般的にOCRを活用するためには、事前設計と呼ばれる帳票定義が必要です。帳票定義とは、「紙のこの部分にある文字をOCRで読み取る」と設定することです。
帳票は、大きく分けて以下があります。
定形帳票
定形帳票とは、記載する項目や位置が固定され、すべて同じレイアウトで作成される帳票です。
AI-OCRを使用する前に、「この範囲に記載された氏名を読み取る」「この位置の数字を金額として取得する」といった読み取り位置と項目を設定します。これを帳票定義と呼びます。
レイアウトが固定されているため、読み取り位置を正確に指定しやすく、活字だけでなく手書き文字の読み取りに対応したAI-OCRも提供されています。
例)アンケート、申込書、注文書、作業日報など
非定形帳票
非定形帳票とは、記載される項目はおおむね同じでも、発行元などによってレイアウトや記載位置が異なる帳票です。
例えば請求書の場合、請求元によって会社名、金額、振込先などの記載位置が異なります。そのため、読み取り範囲を座標で固定する従来の帳票定義では、多数のレイアウトを個別に登録しなければなりません。
非定形帳票に対応したAI-OCRは、帳票全体から文字や項目を検出し、項目名とその周辺にある情報の関係を分析します。
例えば、「住所」という項目名を検出した場合、その右側や下側に記載された「東京都〇〇区……」という文字列を住所として抽出します。同様に、「請求金額」「支払期限」「振込先」などの項目名を手掛かりとして、必要な情報を取得できます。
例)請求書、領収書、レシート、納品書など
図面
図面の読み取りでは、OCRや画像認識AIを活用して、図面内の文字、数字、記号などをデータ化できます。
一般的な文書と異なり、図面には寸法線、罫線、記号、注記などが複雑に配置されています。また、縦書き・横書きの混在、文字と線の重なり、手書きの追記、スキャン時の傾きや汚れなどが、読み取り精度を低下させる要因になります。
AI-OCRを活用した図面読み取りでは、製品や対象図面に応じて、例えば以下のような情報を抽出できます。
- 図面番号、図面名、作成日、改訂番号
- 部品名、品番、材質、数量
- 寸法、公差、表面処理、加工指示
- 建築図面に記載された部屋名、設備名、注記
- 表題欄、部品表、仕上表などの表形式データ
抽出した情報を図面管理システムや積算・見積システムへ連携することで、図面検索、部材の数量集計、見積作成などの業務を効率化できます。
関連記事:「AIでの図面読み取り・図面認識・検図とは?」
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AI-OCRを導入するメリット(デメリットはほとんどない)

企業がAI-OCRを新たに導入したり、非AI・OCRを使っている企業がAI-OCRに切り替えたりすることには、メリットしかないといっても過言ではありません。
唯一のデメリットはコストがかかることくらいです。しかしそのデメリットも、AI-OCR導入によって人件費を削減できますし、生産性が上がれば売上高や利益を押し上げるので、すぐに解消できるでしょう。
AI-OCRを導入するメリットを紹介します。
業務効率が上がる
まず第一に、業務効率の向上が挙げられます。AI-OCRを活用する企業は、多くのケースにおいて業務効率化を目的として据えています。
これまでは、取得した帳票を、自社の社員やアルバイトが何十分、何時間とかけてシステムに転記入力していた作業を、AI OCRを活用することで、文字の入力作業が大幅に削減され、結果として1枚の処理時間を大きく削減することが可能になります。
人件費の削減
一人ひとりの業務が効率化されることで、結果として入力作業に充てていた人件費を削減することもできるでしょう。
月間の帳票枚数が何千、何万という企業も日本には多くあり、人件費がどうしても負担となってしまっていた企業にとっては、AI-OCRを活用することで自社の事業構造の改善にも繋げることができます。
RPA効果が一段と高まる
RPAを導入したものの、作業効率がそれほど上がっていないと感じている企業もあります。それはやはり、アナログデータのデジタル化に手間がかかるからです。
RPAは便利なツールですが、事務作業を全自動化できるほど進化しているわけではありません。
しかし先述の通り、AI-OCRを導入することで、全自動化に近づけることができ、RPAはその実力を発揮することができます。
BCP対策
AI-OCRの活用においては、業務効率化や人件費の削減が多く目的として挙げられますが、BCP対策も重要な目的の一つです。
BCP対策とは、事業継続計画(Business Continuity Plan)と呼ばれ、テロや災害などが発生した際でも、重要な業務が継続できる状態を構築する対策や計画を指します。
AI-OCRは、社内の人間が文字入力作業を行う代わりに、コンピュータが作業を行ってくれるため、地震などの災害が発生した際でも、AI-OCRサービスにアクセスし、APIで自社システムと連携することができれば、出社しなくても業務を遂行することができるようになります。
ただし、そのためには帳票を紙原本だけでなく、PDFで取得したり、自社システムとAPI連携を行うなど、前後工程での業務改革も必要となります。
データの無形資産構築
AI-OCRを活用することで、これまで労力が多くかかるということで行っていなかった帳票の入力業務を行い、そのデータを自社の無形資産として有効活用することもできます。
実際に活用することができるかわからないデータに対して、ギリギリのリソースの人員の時間を削ることができない、ということで二の足を踏まざるを得ない企業も、AI OCRを活用して、労力をそこまでかけずにデータ化することで、ビジネスに活用できるデータの構築ができるかもしれません。
ペーパーレス化が進む
AI-OCRを導入するとペーパーレス化も進みます。
3,000枚のアンケート回答用紙の記載内容を、3人で分担してパソコンに入力するという作業があったとします。このとき、それぞれの担当者に1,000枚ずつ渡すことになりますが、担当者が紛失してしまったときに備えて、コピーを取ることがあります。
AI-OCRを導入すれば、手書きのアンケート回答用紙も正確に読み取ることができるので、原紙をスキャンして画像データにするだけで済みます。コピーを取る必要はありませんし、そもそも3人の入力担当者も要りません。
AI-OCRの主な分野別活用例
| 分野 | 主な活用書類 | 期待される効果・AI-OCRの役割 |
|---|---|---|
| 物流・貿易 | 通関書類(インボイス、パッキングリスト、船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(AWB)など)、輸出入許可通知書、原産地証明書、配送伝票、受領書、作業日報、貨物状況報告書 | 通関書類処理の迅速化・精度向上: 多様なフォーマットや言語で記載された品名、数量、金額、契約条件などを高精度に読み取り、システムへ自動入力 |
| 金融・保険 | 申込書(口座開設、ローン、保険加入など)、本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)、保険金請求書、アンケート、各種届出書 | 顧客からの申込書類や請求書類のデータ入力作業を自動化。膨大な書類処理の時間を短縮し、審査業務や顧客対応の迅速化を実現 |
| 製造 | 作業指示書、品質検査報告書、部品表、図面、納品書、検収書、請求書、注文書、工程管理シート | 紙で管理されがちな生産現場の各種帳票をデジタル化し、生産実績や品質データをリアルタイムに収集・分析 |
| 医療・ヘルスケア | 問診票、診療情報提供書、紹介状、同意書、レセプト(診療報酬明細書)、健康診断結果報告書、各種申請書類 | 手書きの問診票や医師の記録を電子カルテシステムへ効率的に入力 |
| 小売・卸売 | 発注書、受注伝票、納品書、請求書、棚卸表、顧客アンケート、会員申込書、ポイントカード申込書 | FAXや手書きで受け取る発注書・受注伝票の処理を自動化し、受注処理のスピードアップとミス削減を実現 |
| 不動産 | 入居申込書、賃貸借契約書、重要事項説明書、物件調査報告書、登記簿謄本、アンケート | 契約書類や申込書類からの情報抽出を自動化し、契約手続きの迅速化と顧客管理の効率化を支援 |
| 自治体・公共サービス | 各種申請書(住民票、税証明など)、アンケート調査票、議事録、報告書、工事関連書類 | 住民からの手書き申請書やアンケートのデータ入力作業を自動化し、窓口業務の効率化と住民サービスの向上に貢献 |
| バックオフィス全般(経理・人事・総務など) | 請求書、領収書、納品書、契約書、見積書、注文書、履歴書、勤怠管理表、各種申請書(経費精算、休暇申請など) | 経理部門での請求書・領収書のデータ入力と仕訳作業を自動化し、月次決算の早期化に貢献 |
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AI-OCRの選び方
AI-OCRは、ITソリューション企業やシステム会社などから、さまざまな製品が提供されています。導入実績だけで選ぶのではなく、自社の帳票や業務に適しているかを確認することが重要です。
まず、クラウド型とオンプレミス型のどちらを利用するか検討します。クラウド型は導入しやすい一方、機密情報を含む書類を扱う場合は、データの保存場所やセキュリティ要件を確認する必要があります。
料金については、月額費用だけでなく、読み取り枚数に応じた従量料金、初期設定、システム連携、人による確認作業なども含めて比較します。データ入力を外注している場合は、現在の外注費と導入後の総費用を比較しましょう。
また、各社が公表する認識率は、対象帳票や文字種、画像品質などの測定条件が異なるため、単純には比較できません。無料体験や検証を利用し、自社の帳票を実際に読み取らせて精度と操作性を確認することが大切です。
10社のAI-OCRを「認識率、対応文字、RPA対応、価格など」で比較

10社が提供している10種類のAI-OCRを、識字率、オンプレミスorクラウド、RPA対応などの観点から比較してみます。
10製品の比較の概要は以下のとおりです。
| サービス名 | 公開識字率 | 手書き文字対応 | オンプレ/クラウド | 特徴 | 価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| DX Suite | 非公開 | 可能 | 両対応 | 「シェアNo.1」をうたい契約件数12,900件 | 月3万円〜 |
| LAQOOT | 理論上100% | 可能 | クラウド | 人との協働で理論上100% | 非公開 |
| SmartRead(旧:Tegaki) | 99.22% | 可能 | 両方 | 手書きの読取を得意とする | 非公開 |
| FlexiCapture | 非公開 | 可能 | 両方 | 世界的なIT企業が運営 | 非公開 |
| AI よみと~る | 96.71% | 可能 | クラウド | 大規模帳票処理が得意 | 月33,000円〜 |
| AIスキャンロボ | 非公開 | 主に活字 | クラウド | テンプレートの自動判別が可能 | 月3万円〜 |
| スマートOCR | 非公開 | 可能 | 両対応 | AIによる歪み補正に対応 | 非公開 |
| Deep Percept for AI-OCR | 非公開 | 可能 | クラウド | 非定型帳票にも対応 | 非公開 |
| DynaEye 10 | 非公開 | 可能 | オンプレ | 原則非AIのOCRだが、オプションにAI版あり | 非公開 |
| JSOL SmartPRAS | – | – | – | 10社以上のAI-OCRを比較し、最適な製品を選定 | – |
それでは1つずつ詳細を確認していきます。
DX Suite(AI inside株式会社)

AI inside 株式会社(本社・東京都渋谷区)の「DX Suite」は、KDDI、アフラック、みずほ、JALなど超大手企業が採用しています。同社はDX Suiteの契約件数が12,900件に達し「AI-OCR市場シェアNo.1」であるとアナウンスしています。
手書き対応には自信を持っていて、クライアント企業の帳簿や帳票の文字をAIで学習させることで、ズレた文字でも認識したり、罫線の内側の文字と外側の文字を認識したり、文字以外の情報を除去したりできます。FAXや写真に写った文字も読み取ります。
GPU(画像処理装置)を最適化することで分散処理を可能にして、高速処理も実現しました。
DX Suiteは、読み取り以外にもAIを使っていて、読み取った文字データを書類の種類ごとに仕分けていきます。事務作業は文字を読み取ったあとも続くので、業務を総合的に効率化できるのは大きなメリットになるでしょう。
LAQOOT(株式会社ユニメディア)

株式会社ユニメディア(本社・東京都千代田区)の「LAQOOT」は、紙の帳票の読み取りに特化したAI-OCRです。
紙であれば、申込書、注文書、アンケート用紙、作業依頼書、勤務表など、帳票の種類は問いません。1社あたり、1日2万枚以上の処理能力を誇ります。
クラウド型で提供しており、クライアント企業は24時間365日いつでも文字をアップしてデータ化することができます。
識字精度は、AI-OCRだけでなく、「人の手」をハイブリッドで活用(分散処理)することで、データ化した文字のチェックを自動で行います。一般的にはAI-OCRの結果を、利用企業が確認する必要がありますが、あえてAIにまかせっきりにしないことで、利用企業の作業工数を最大削減していることが、LAQOOTの強みになっています。
また、APIを通してデータの送受信も可能です。
SmartRead(株式会社Cogent Labs) ※旧:Tegaki

株式会社 Cogent Labs(本社・東京都港区)の「SmartRead」は、定型・非定型文書などが読み取り可能なAI-OCRからさらに発展したIDP(Intelligent Document Processing)サービスです。Tegakiで培ってきた独自のエンジンを継承し、手書き・活字含めて高い読み取り精度を有しています。
SmartReadの前身のTegakiでは、ファンケル、仙台銀行、トッパン・フォームズなどで導入されており、各種申込書類や注文書、図面をはじめ、様々な書類の読み取りに対応しています。
チェックボックスのなかのチェックの有無や、丸囲い文字などの認識に加え、英語の読み込みも可能です。また、文書の仕分けも可能です。
FlexiCapture(ABBYYジャパン株式会社)

「FlexiCapture」を提供するABBYYジャパン株式会社は、世界的な総合IT企業、ABBYYの日本法人です。ABBYY にとってAI-OCRは、総合的なITサービスの1つという位置づけになるでしょう。
FlexiCaptureは単純な固定帳票から、複雑な書き込みがされている非定型帳票まで対応します。例えば、契約書やEメールといった、1枚1枚フォームが異なる文章でも、文字データに起こしていきます。
さらにRPAとの連携を得意としていて「あらゆる規模の作業に対応できる」としています。
クラウドでもオンプレミスでもAI-OCRを提供しています。
AI よみと~る(NTT東日本)

東日本電信電話株式会社(NTT東日本、本社・東京都新宿区)の「AI よみと~る」は、大量の書類をデータ化することで、クライアント企業の帳票処理業務の大幅削減を目指します。認識率の平均値は96.71%と公表しています。
AI よみと~るのユーザーはまず、帳票や書類など、書かれている文字をデータ化したい対象物の画像データをアップロードします。
AIよみと~るのAIがその画像データから文字だけを抽出して、文字データにします。文字データをファイルにして、ユーザーに納品します。
文字データをRPAで、ユーザーの自社システムに入力することもできます。
千葉市はAIよみと~るとRPAを導入して、住民税の申請処理の業務時間を年600時間削減しました。住民税の手書きの申請書類の認識率は96.25%でしたので、平均値(96.71%)に近い成績となりました。
AIよみと~るはクラウドで提供しています。
AIスキャンロボ(ネットスマイル株式会社)

ネットスマイル株式会社(本社・東京都文京区)の「AIスキャンロボ」は、三菱食品、JCB、ネスレ日本、東京大学、三菱総合研究所などが導入しています。
これらのユーザー企業は「スキャンしてフォルダに入れるだけで簡単」「紙業務を減らして半自動化を目指す」「ほしい機能がリーズナブルな価格だった」と、AIスキャンロボを高く評価しています。
AI-OCRを導入しても、ユーザー企業がテンプレート設定しなければならないことがあり、それで作業効率がなかなか上がらないことがあります。
そこでAIスキャンロボは、ユーザー企業が自社でテンプレート設定しなくても、すぐに読取作業に着手できるようにしました。
手書き文字は、最大5度まで傾いていても読み取ることができます。
RPA対応で、外国語は、英語、中国語、韓国語、タイ語に対応しています。
料金は非公表ですが、トライアル利用は月3万円からとなっています。
スマートOCR(株式会社インフォディオ)

株式会社インフォディオ(本社・東京都文京区)の「スマートOCR」は、1)事前定義や位置定義が不要、2)文字以外のノイズ情報を除去、3)文字データ化したあとのチェック作業がしやすい、4)マスター情報と結合させることで、会社コードから社名を表示させることができる、5)RPA対応、6)クラウド対応、という特徴があります。
スマートOCRの「得意技」は、白文字、網掛け文字、透かし文字、離れ文字もしっかり読み取ることです。
またAIは文字列単位認識を実行するので、処理工程が少なくなり、その分作業時間を短くすることができます。
文字列単位認識とは、例えば手書きの「人工知能」という文字を読み取るとき「人工知能」として読み取る技術です。「人」「工」「知」「能」わけて読み取ると、「工」をカタカナの「エ」と誤認することがありますが、そのような間違いを防止できます。
JSOL SmartPRAS(株式会社JSOL)

株式会社JSOL(本社・東京都中央区)は、ユーザー企業に業務の自動化ソリューションを提供する会社です。
その中で、AI-OCRソリューションを提供しています。同社にとってAI-OCRは、業務の自動化という大きな目標を達成するためのツールという位置づけで、RPAと連動させることも得意にしています。
なおJSOLが自社でAI-OCRを開発しているわけではありません。
JSOLは業務自動化サービスをパッケージで提供しており、そのパッケージのなかに他社製のAI-OCRを組み込んでいます。JSOLは「10社以上のAI-OCR製品を比較し、ユーザー企業に最も適した製品を選定する」としています。
クラウド版を選ぶかオンプレミス版を選ぶかは、ユーザー企業が決めることができます。
料金は非公開です。
JSOLは、企業が抱える次のような課題を解消することをミッションにしています。
・パンチ入力作業に人手と時間がかかる
・大量に発生する紙文書の保管場所に困る
・過去帳票のデータが活用できていない
・業務をさらに効率化したい
DynaEye 10(株式会社PFU)

ScanSnap等、非常に人気の高いスキャナを提供する株式会社PFU(本社・石川県かほく市)の「DynaEye 10」は、原則非AIのOCRですが、オプションでAI機能を追加できます。
DynaEye 10の売りは豊富な実績です。さまざまな機関がさまざまな業務でDynaEye 10を活用しています。
<DynaEye 10の納入実績と利用実績>
●自治体:介護保険事業、認定審査、意見書の入力、税と公共料金の納付書
●流通業、製造業:ギフト申込書、注文書、輸送伝票、出荷伝票
●金融:営業店のシステム、保険契約申込書、住所変更届
●医療・福祉:問診票、初診申込書、検査依頼書、訪問介護実施記録、介護アセスメント票
●出版業:資料請求はがき
DynaEye 10は定型帳票と準定型帳票に対応しています。
DynaEye 10はオンプレミスで、ユーザー企業は社内のパソコンにソフトをインストールして利用します。RPA対応可能です。
AI版のDynaEye 10は、日本語の手書き書類を文字データにできます。
例えば、低機能のOCRだと、先述の通り、手書きの「浜」を読み取るとき、その字が大きく崩れていると「さんずい」をカタカナの「シ」と誤読することがありますが、AI版のDynaEye 10はいわゆる「汚い字」にも対応します。
Deep Percept for AI-OCR(Deep Percept株式会社)

「Deep Percept for AI-OCR」を開発したDeep Percept株式会社(本社・東京都港区)は、金融業界のIT化コンサルティングと金融AI開発を得意とする会社です。
同社は、企業がDeep Percept for AI-OCRを導入するメリットとして次の項目を挙げています。
●業務量の大幅削減
システムへの入力作業が不要になる
●継続することで読取精度が向上する
ユーザー企業がDeep Percept for AI-OCR を使えば使うほど、AIが帳票を学習するので正読率が向上する
●デジタルデータの活用の幅が広がる
紙文書をデジタル化することで、文書検索やデータ活用、RPAとの連動が可能になる
AI-OCRについてよくある質問まとめ
- AI-OCRと従来のOCRの主な違いは何ですか?
AI-OCRと従来のOCRの主な違いは以下の通りです。
- 識字率の向上: AI-OCRは手書き文字や崩れた文字もより正確に認識できる
- 非定形帳票への対応: AI-OCRは事前の帳票定義なしでも様々な帳票を処理可能
- 学習能力: AI-OCRは使用するほど認識精度が向上する
- ノイズ除去能力: AI-OCRは文字以外の情報をより効果的に除去できる
- RPAとの連携: AI-OCRはRPAとの連携がより容易で効果的
- AI-OCRを導入することで得られる主なメリットは何ですか?
AI-OCRを導入することで得られる主なメリットは以下の通りです。
- 業務効率の大幅な向上
- 人件費の削減
- RPAとの連携による自動化の促進
- BCP(事業継続計画)対策の強化
- データの無形資産構築
- ペーパーレス化の推進
- デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進
- AI-OCRを選ぶ際に考慮すべき主な要素は何ですか?
AI-OCRを選ぶ際に考慮すべき主な要素は以下の通りです。
- 識字率(認識精度)
- 手書き文字への対応能力
- クラウド型かオンプレミス型か
- RPAとの連携可能性
- 非定形帳票への対応能力
- 処理速度と処理可能な帳票量
- 価格と導入コスト
- セキュリティ対策
- 導入実績や事例
まとめ
OCRは、紙の書類やスキャン画像に記載された文字をテキストデータへ変換し、データ入力や検索、保存などを効率化する技術です。AI-OCRでは、機械学習やディープラーニングを活用することで、手書き文字や多様なレイアウトの帳票にも対応しやすくなっています。
さらに、画像やPDFを理解できるマルチモーダル生成AIの登場により、文書全体の内容を把握し、必要な情報の抽出・要約・分類を行うことも可能になりました。正確かつ大量の帳票処理にはAI-OCR、文書内容の理解や柔軟な情報整理には生成AIを活用するなど、目的に応じた使い分けが重要です。
ただし、AI-OCRや生成AIでも誤認識や誤った出力が発生する可能性があります。金額、口座番号、氏名など正確性が求められる情報については、人による確認やマスターデータとの照合を組み合わせる必要があります。
AI-OCRを選ぶ際は、公表されている認識率だけで判断せず、自社の帳票を使って読み取り精度や操作性を確認しましょう。帳票の種類、処理枚数、クラウド・オンプレミス、既存システムやRPAとの連携、確認作業を含めた総費用を比較することで、自社業務に適したサービスを選びやすくなります。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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