【INTERVIEW】GAFAMを始めとする大手IT企業にアノテーションサービスを提供するヒューマンサイエンス
最終更新日:2026年08月08日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

1985年、ドキュメント制作会社として設立され、翻訳やeラーニング事業など幅広く展開している株式会社ヒューマンサイエンス。「テクニカルコミュニケーションとITを中心にした技術で国内外の企業をサポートし、豊かで夢のある社会の実現に貢献する」という企業理念を持ち、長年培ったノウハウとネットワークを武器に、現在はAI開発に必要不可欠であるアノテーションサービスを提供しています。
今回は、株式会社ヒューマンサイエンス 事業推進部 部長の福本明欧さんにお話をお伺いしました。
自社の強みをアノテーション領域に積極的に活用

■まず、ヒューマンサイエンスとしてはどのような事業を展開されているか教えて下さい。
—福本さん
「弊社は、ドキュメント制作会社として1985年に設立されました。設立当時は、取扱説明書の作成や、マニュアル制作などを中心に始まりました。その後事業を続けていく中で、ドキュメント管理システムのような形で、マニュアルをシステムで管理したいといったご要望や、制作物を翻訳してほしい(日→英、英→日)といったご依頼を頂くようになり、必然的に多くのサービスを提供する流れとなっていきました。現在、翻訳サービスは30言語以上に対応しています。
また、ドキュメント制作を続ける中で、WEBに掲載したい、といったご要望から発展し、eラーニングの制作サービスなども現在は展開しています。他にも多くのサービスを提供していますが、メインとなるのは、ドキュメント制作やコンサルティング、多言語翻訳、eラーニング制作になります。」
■なぜアノテーション領域に進出したのでしょうか?
—福本さん
「アノテーションは先述した翻訳サービスの展開から開始しています。元々、翻訳サービスのお客様は、半分が日本企業で製造業様やメーカー様、半分が海外企業という構成になっているのですが、特にアメリカのIT系企業のお客様からは、ユーザーインターフェースやヘルプなどの英日翻訳のご依頼を20年以上前から頂いています。その中にGAFAM系のお客様がいらっしゃるのですが、そのお客様が3−4年ほど前よりAIを活用する流れが出てきまして、OCRや音声認識用の教師データ構築用のアノテーションのご相談を頂くことが増えてきまして、その結果としてアノテーションサービスを提供する流れとなりました。
但し、実際は、NLP(自然言語処理)やニューラル機械翻訳などが注目されるずっと前から、弊社の機械翻訳エンジンの開発・カスタマイズに関連して、統計的機械翻訳用の言語コーパスデータの収集やクレンジングなどを長く行っていますので、かなり前からアノテーションを行っていた、とも言えるかもしれません。」
※GAFAM・・・Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字
■では、実際にアノテーション作業としてはどのようなものを行っていますか?
—福本さん
「まず海外のお客様に対しては自然言語処理関連が多く、音声認識用のアノテーションとして発話データのテキストチェックや意図の判定なども行ったり、OCR用に画像のバウンディングボックスなども行っていますし、手書き文字を集めたりもしています。
国内のお客様に向けては、もちろん同様の自然言語関連はありますが、自動運転用のバウンディングボックスやセグメンテーションなども多いですし、海外企業同様にOCR用のアノテーションも行っています。医療用の内視鏡カメラ動画や画像を元にしたセグメンテーションやポイントアノテーションなども実施しています。
他には、製造業や建設業のお客様も最近は増えてきています。
アノテーションツールは、お客様が準備した環境にVPN接続をして実施することもありますし、指定がなければ、弊社パートナー会社のツールを利用したりしています。」

■どのようなところに強みを持っていますか?
—福本さん
「元々多言語処理は強いので、海外のお客様との外国語でのコミュニケーションに強みはあると思います。お客様とのコミュニケーションや仕様書が英語だったりしても、問題なくプロジェクトマネジメントをすることができます。最近はお客様のデータサイエンティストの方が海外の方、ということも増えてきています。
他にも、先程医療用画像のアノテーションを実施しているとお話しましたが、弊社には、メディカル翻訳チームという医師免許保有者が複数人いるチームがあります。これにより、医療系案件が発生した際に、医師をメンバーにアサインすることができることも強みと言えますし、今後は更にリソース含めて強化していきたいと考えています。
全体を通して、コストをとにかく安くするために、クラウドワーカーや外注にまる投げするようなアノテーションサービスの提供は行っておらず、弊社登録の信頼のおけるアノテーターを活用し、マネジメントをしっかり行うことによって、最高品質のアノテーションを実現しつつ、お客様のご予算とのバランスを取り、最適なソリューションを構築する、という考えでサービスを提供しています。そのため、結果的には難易度が高いアノテーションや、長くパートナーとしてお付き合いできるお客様とお仕事をしていることが多いですし、今後もそういったお付き合いを増やしていきたいと思っています。
アノテーターの生産性や品質についても、データを元にしっかりと管理を行い、生産性や品質を上げることで結果的にお客様側のコストも含めてトータルでコストが下がるように努力しています。」
■実績としてはどの程度ありますか?
—福本さん
「機密保持のためお客様の開示はしておりませんが、常時50−60名程度がアノテーターとして稼働しています。
尚、アノテーターは、社員、国内外部パートナー企業、海外個人アノテーター、海外オフショア企業など様々ですので、必要に応じて適切なリソースを配置しています。」

多言語対応を武器にサービスを拡大
■今後AIの市場はどうなっていくと思いますか?
—福本さん
「日本は今後、少子高齢化、労働人口が減るということは間違いないというなかで、少ない人数で仕事をしていくためにも、AIの市場はもっと拡大すると思いますし、しなければいけないと思います。
そういう意味では、最近はアメリカや中国企業のお客様からお仕事を頂くことも増えているのですが、日本のAI市場が盛り上がり、もっと日本の企業からもお仕事を頂けるようになると良いな、と思っています。」
■その中で、どのようにサービスを拡大したいと思いますか?
—福本さん
「今後は、日本企業が海外に目を向けることも増えてくると思っています。
特に、ベトナム、ミャンマー、タイなどのアジア諸国に向けて勝負する企業も増えてくると考えていますので、弊社の多言語対応の強みを武器に、そのような企業のお手伝いをできるようにサービスを強化したいと思っています。」
–ありがとうございました。
今回は、ドキュメント制作から始まり、翻訳サービスやeラーニングサービス、そしてアノテーションサービスと、幅広く事業展開を行っている株式会社ヒューマンサイエンスのインタビューでした。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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