OpenAI Agents SDKとは?仕組みやできること、料金、MCP・Responses APIとの違いを解説
最終更新日:2026年08月31日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

- OpenAIのAgents SDKは、単一または複数のAIエージェントを使ったワークフローをコードベースで構築できる開発用フレームワーク。
- エージェント間で処理を引き継ぐハンドオフ、入出力やツール利用を検証するガードレール、処理を追跡・可視化するトレーシングなどの機能を持つ。
- Responses APIを基盤としながら、Chat Completions APIや外部モデルプロバイダーにも対応している。
- PythonとTypeScriptに対応し、Agents SDK自体はオープンソースで無料提供されている。
OpenAIのAgents SDKは、単一または複数のAIエージェントを使ったワークフローを構築できる、軽量かつ柔軟な開発用フレームワークです。
開発者はこのSDKを活用して、カスタマーサポートの自動化、リサーチ、コンテンツ生成、コードレビュー、さらには見込み客の開拓など、さまざまな実務用途に対応するエージェントを迅速に開発できます。
本記事では、OpenAIが提供する「Agents SDK」について、その基本的な仕組みや主要な特徴、具体的な活用例をわかりやすく解説します。また、MCPとの連携方法、Responses APIやChatGPTとの違い、導入手順まで詳しくご紹介しています。
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目次
Agents SDKとは?
Agents SDKとは、2025年3月にOpenAIが発表した軽量かつ柔軟なフレームワークで、AIエージェントを活用した高度なワークフローを簡単に構築できる開発者向けツールキットです。
※動画内では、10分23秒からAgentsSDKに関する言及が始まります。
カスタマーサポートの自動化、リサーチ、コンテンツ生成、コードレビュー、営業活動の支援など、多岐にわたる業務をAIによって効率化できます。
複数のエージェントを連携させ、複雑なタスクを分割・処理する仕組みを持っており、エージェント間の処理引継ぎ(ハンドオフ)や安全性を確保するためのチェック機能(ガードレール)、さらには処理の流れを可視化して問題を追跡・デバッグできるトレーシング機能などが備わっています。
これらの機能を組み合わせることで、単一のエージェントだけでなく、複数の専門エージェントが連携するワークフローも構築できます。
また、OpenAIが提供するResponses APIやChat Completions APIをはじめとするOpenAIのAPIの他、他社のモデルとも互換性を持つため、さまざまな環境で柔軟に活用できることも特徴です。
現在、PythonとTypeScriptに対応しており、用途や既存の開発環境に応じて選択できます。
Agents SDKは、コードベースでAIエージェントを構築・実行するためのフレームワークです。OpenAIのAgentKitでは、Agent Builderで作成したワークフローをAgents SDKのコードとして確認・展開することもでき、目的に応じて組み合わせて利用できます。
Agents SDKの特徴
Agents SDKの主な特徴は以下の通りです。
- シンプルかつ柔軟な構成で初心者でも簡単に複雑なAIワークフローを構築
- 高度なエージェント連携
- 独自の関数をツール化してエージェントに組み込むことが可能
- OpenAIのモデルや他社APIと柔軟に連携可能
- オープンソース
- 高い安全性と可視性
入出力やツール利用を検証するガードレール機能と、実行プロセスを追跡・可視化するトレーシング機能を備えており、安全性の確保や問題発生時の原因調査に活用できます。
Agents SDKの料金
Agents SDK自体はオープンソースのフレームワークとして提供されており、無償で利用できます。
ただし、実際に運用する際には、使用するAPIやクラウドリソースに応じた料金体系が適用される場合があるため、最新の料金情報は公式ドキュメントで確認しましょう。
Agents SDKとChatGPTの違い
Agents SDKとChatGPTは、どちらもOpenAIの技術を利用していますが、提供形態と利用目的が大きく異なります。
ChatGPTは、ユーザーが会話やエージェント機能などを利用できる完成されたAIサービスです。一方、Agents SDKは、開発者が自社のシステムや業務に合わせてAIエージェントを構築するための開発用フレームワークです。
Agents SDKでは、使用するモデルやツール、エージェント間のハンドオフ、ガードレール、実行状態の管理などをコードで設計できます。そのため、独自の業務フローや既存システムにAIエージェントを組み込みたい場合に適しています。
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Agents SDKの仕組み・コンポーネント

主に以下のコンポーネントで構成されています。
- エージェント(Agents)
- ハンドオフ(Handoffs)
- ガードレール(Guardrails)
- トレーシング(Tracing)
- ツール(Tools)
Agents SDKはオープンソースとして提供されており、さまざまなAPIやモデルプロバイダーと柔軟に統合できます。
エージェント(Agents)
エージェントは具体的な指示やツールを備えた個別の処理ユニットです。独自に作成した関数をツールとして統合でき、エージェントが必要に応じて呼び出せます。Pythonでは関数の引数や型情報などを基に、ツールのスキーマを自動生成できます。
また、異なるモデルタイプ(Responses APIやChat Completions API)を利用することが可能で、用途に応じて最適なモデルを選択できます。
ハンドオフ(Handoffs)
ハンドオフとは、複数のエージェント間で処理を分担・引き継ぐ仕組みです。タスクの途中でも処理を適切な専門エージェントに渡すことで、それぞれのエージェントが自身の専門領域に集中できます。
この機能により、柔軟かつ効率的な処理フローが構築可能になります。
ガードレール(Guardrails)
エージェントへの入力や出力、ツールの呼び出し内容を検証する方法です。設定した条件に違反する処理を中断することで、問題のある出力や意図しない操作の発生を抑えられます。
トレーシング(Tracing)
トレーシング機能を使うことで、エージェントの全動作を詳細に追跡・可視化できます。処理のステップごとにデータが記録されるため、問題発生時のデバッグやパフォーマンスの最適化が容易になります。
さらに、エージェント間のハンドオフ履歴も管理・確認できるため、複雑なワークフローの透明性も高まります。
ツール(Tools)
ツールは、エージェントが情報の取得や外部操作を行うための機能です。独自の関数をツールとして登録できるほか、Web検索やファイル検索、コード実行、MCPなどのツールも利用できます。
エージェントは、ユーザーの指示や処理の状況に応じて必要なツールを選択し、その実行結果を次の判断や回答に利用します。
Agents SDKの一般的な利用パターン
Agents SDKでは、以下のような運用パターンを実現できます。
- 決定的なフロー(Deterministic flows)
- ハンドオフとルーティング(Handoffs and routing)
- ツールとしてのエージェント(Agents as tools)
- LLMを審査役として使う(LLM-as-a-judge)
- 並列実行(Parallelization)
- ガードレール(Guardrails)
各パターンの活用シナリオとメリットを説明します。
決定的なフロー(Deterministic flows)
決定的なフロー(Deterministic flows)は、複雑なタスクを複数のステップに細分化し、それぞれ異なるエージェントに順番に処理させる方法です。各エージェントの処理結果が次のエージェントの入力となり、明確な手順でワークフローを進行できます。
ハンドオフとルーティング(Handoffs and routing)
ハンドオフとルーティング(Handoffs and routing)は、リクエストを受けたエージェントが処理の内容に応じて適切な専門エージェントへ処理を引き継ぐ方法です。複数のエージェントが連携し、それぞれの専門分野で効率的にタスクを処理できます。
ツールとしてのエージェント(Agents as tools)
エージェント間で会話や処理を継続的に引き継ぐのではなく、独立したツールとしてエージェントを活用する方法です。呼び出されたエージェントが単独で処理を行い、その結果を元のエージェントに返します。
LLMを審査役として使う(LLM-as-a-judge)
あるLLMが出力した結果を別のLLMが評価・改善フィードバックを行う方法です。より小さなモデルで初回の生成を行い、その後、精度の高い大規模モデルで評価することで、品質向上とコスト削減を両立できます。
関連記事:「LLM-as-a-Judgeの概要やメリット、活用シーンについて徹底解説」
並列実行(Parallelization)
複数のエージェントを同時並行で動作させる方法です。タスクを並列化することで処理の高速化を図ったり、複数の結果を同時に取得して最適な出力を選択できます。
ガードレール(Guardrails)
エージェントへの入力が妥当かどうかを即座に検証し、不正な入力を検出した際に処理を中断する安全機能です。迅速なチェックを行うことで、エラーの拡散防止や無駄な処理の発生を防げます。
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Agents SDKでできること

Agents SDKは、その柔軟な設計により、以下のようなユースケースに対応可能です。
- カスタマーサポートの自動化
- 複数ステップのリサーチ
- コンテンツ生成
- コードレビューや開発支援
- 見込み客の開拓
- 個人向けアシスタント
- 業務アプリケーションとの連携
カスタマーサポートの自動化
自動応答エージェントを構築することで、顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に対応できます。
複数ステップのリサーチ
エージェントが情報収集や分析を行い、複雑なリサーチタスクを効率化します。
コンテンツ生成
指定されたテーマやフォーマットに沿って、記事、詩、コードなどを生成する能力を持っています。
コードレビューや開発支援
開発者向けの支援ツールとして、コードの検証や最適化提案など、プログラミング作業を効率化します。
見込み客の開拓
ビジネス向けのエージェントとして、マーケティングデータやリード情報の収集、分析を自動化できます。
個人向けアシスタント
ユーザーの好みや過去のデータを基に、パーソナライズされた提案やタスク実行(商品の購入など)を自動で行います。
業務アプリケーションとの連携
Agents SDKに外部APIや各種ツールを組み込むことで、業務アプリケーションと連携した処理を実行できます。GUI操作を伴う場合は、コンピュータ操作用のツールや実行環境を別途組み合わせます。
Agents SDKとMCPの連携
Agents SDKは、MCPサーバーと接続することで、外部のデータソースやツールをエージェントから利用できます。
例えば、ローカルのファイルシステムにアクセスしたり、外部APIから情報を取得したりする機能を、MCPを通じてエージェントへ追加できます。
MCP(Model Context Protocol)とは?
MCPは、LLM(大規模言語モデル)がさまざまなデータやツールにアクセスするための標準化されたオープンプロトコルです。
MCPは、異なるデータソースやツールを共通の規格でAIアプリケーションへ接続する仕組みです。Agents SDKではMCPサーバーを介して、ファイルシステムや外部サービスなどが提供するツールをエージェントから呼び出せます。
Agents SDKとMCPを連携する方法
Agents SDKでは、MCPサーバーへの接続情報を設定し、そのサーバーをエージェントへ登録することで連携できます。
MCPサーバーは、モデルにデータへのアクセスや外部操作を行うツールを提供します。接続する際は信頼できるMCPサーバーを選び、必要最小限の権限を設定するとともに、重要な操作には承認を求める仕組みを設けることが重要です。
以下は、ローカルのファイルシステムを操作するMCPサーバーをエージェントへ登録し、ファイルの一覧を取得する例です。
import asyncio
from pathlib import Path
from agents import Agent, Runner
from agents.mcp import MCPServerStdio
async def main():
samples_dir = Path(__file__).parent / "samples_dir"
async with MCPServerStdio(
name="Filesystem Server",
params={
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
str(samples_dir),
],
},
cache_tools_list=True,
) as mcp_server:
agent = Agent(
name="Assistant",
instructions="提供されたツールを使用してタスクを完了してください。",
mcp_servers=[mcp_server],
)
result = await Runner.run(
agent,
"利用できるファイルの一覧を教えてください。"
)
print(result.final_output)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())mcp_serversに接続済みのMCPサーバーを指定すると、そのサーバーが提供するツールをエージェントが利用できるようになります。
MCPサーバーからツールの一覧を毎回取得すると遅延が発生する場合があります。ツールの定義が頻繁に変わらない場合は、cache_tools_list=Trueを指定することで一覧をキャッシュできます。
ツールの追加や変更後に一覧を更新する場合は、以下のようにキャッシュを無効化します。
mcp_server.invalidate_tools_cache()トレーシングによる動作確認
Agents SDKのトレーシング機能では、MCPサーバーとの連携を含むエージェントの実行過程を記録できます。
どのツールが呼び出されたか、処理にどの程度の時間がかかったかなどを確認できるため、MCP連携時の動作確認やエラーの原因調査に役立ちます。
実装方法の詳細は、以下の公式ドキュメントをご確認ください。
Responses APIとの違い
Responses APIは、モデルへの入力や出力、ツール利用、状態管理などを直接制御するためのOpenAIの中核的なAPIです。
一方、Agents SDKはResponses APIを基盤としながら、ツールの繰り返し呼び出しや分岐、エージェント間のハンドオフなどを含む実行ループを管理するフレームワークです。
Responses APIではアプリケーション側が処理ループや分岐を細かく制御しますが、Agents SDKではRunnerがツール呼び出しやハンドオフを処理します。そのため、細かな制御を重視する場合はResponses API、複数のエージェントやツールを使ったワークフローを効率的に構築する場合はAgents SDKが適しています。
なお、従来提供されていたAssistants APIは2026年8月26日に提供を終了しました。OpenAIは新規開発や既存システムの移行先として、Responses APIおよびConversations APIを案内しています。
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Agents SDKの開発環境と導入方法
Agents SDKはPythonとTypeScriptに対応しています。以下では、Pythonを使用する場合の基本的な導入手順を紹介します。
Python仮想環境の設定
python -m venv env
source env/bin/activate # Windowsの場合: env\Scripts\activateAgents SDKのインストール
pip install openai-agentsOpenAI APIキーの設定
Agents SDKからOpenAIのモデルを利用するには、OpenAI APIキーを環境変数に設定します。
export OPENAI_API_KEY="取得したAPIキー"WindowsのPowerShellでは、以下のように設定します。
$env:OPENAI_API_KEY="取得したAPIキー"APIキーはソースコードへ直接記載せず、環境変数などを利用して安全に管理してください。
簡単な使用例
import asyncio
from agents import Agent, Runner
agent = Agent(
name="Assistant",
instructions="あなたは親切で役に立つアシスタントです。",
model="gpt-5.6",
)
async def main():
result = await Runner.run(
agent,
"人工知能のメリットを簡単に説明してください。"
)
print(result.final_output)
if __name__ == "__main__":
asyncio.run(main())詳細は、下記の公式ドキュメントをご参考ください。
OpenAI Agents SDK
Agents SDKの活用事例
実際の事例として、以下のような活用例があります。今後、活用事例はより増えてくるものと想定されます。
Coinbaseのエージェントツールキット(AgentKit)
Coinbaseは、暗号資産ウォレットやオンチェーン上の各種アクティビティとシームレスに連携するAIエージェントを、Agents SDKを利用して短期間で実現しました。わずか数時間で自社のDeveloper Platform SDKのカスタムアクションを、完全に機能するエージェントに統合しています。
Boxの企業向け情報検索エージェント
Boxは、社内に蓄積された非構造化データとインターネット上の情報を組み合わせ、エージェントを活用して企業内外の情報検索・抽出を迅速化しました。金融サービス企業などでは、自社の市場分析情報とリアルタイムな経済データを連携させ、投資判断のサポートに役立てています。
他にも、Xでは下記のような事例が投稿されています。
Deep Research AI Agent チームの構築
I built a Deep Research AI Agent team using OpenAI Agents SDK and Firecrawl.
It combines multiple AI agents that can autonomously search the web, extract content, and generate detailed reports with enhanced analysis.
100% Opensource Code with step-by-step tutorials. pic.twitter.com/XCyUNWLjag
— Shubham Saboo (@Saboo_Shubham_) March 17, 2025
noteの自動執筆エージェント
OpenAI Agents SDKで、noteの自動執筆エージェント作った!
あとは、ComputerUseで自動投稿までできそうだね pic.twitter.com/UFTsipntr8
— 吉波拓夢 『Mastraで学ぶAIエージェント開発』 (@yoshi8__) March 17, 2025
OpenAIのAgents SDKについてよくある質問まとめ
- OpenAI Agents SDKとは何ですか?
OpenAI Agents SDKは、単一または複数のAIエージェントを使ったワークフローをコードベースで構築できるフレームワークです。ハンドオフ、ガードレール、トレーシングなどの機能を備え、PythonとTypeScriptに対応しています。
- OpenAI Agents SDKは無料で利用できますか?
Agents SDK自体はオープンソースで、無料で利用できます。ただし、エージェントが使用するOpenAI APIや外部サービス、クラウド環境などの利用料金は別途発生します。
- Agents SDKとResponses APIの違いは何ですか?
Responses APIは、モデルへの入出力やツール利用などをアプリケーション側で直接制御するAPIです。一方、Agents SDKはツールの繰り返し呼び出しや分岐、エージェント間のハンドオフなどを含む実行ループを管理するフレームワークです。
まとめ
OpenAIのAgents SDKは、エージェントの構築と運用を簡素化し、企業が多様な業務タスクにAIを活用するための強力な基盤を提供します。
高度なカスタマイズ性、拡張性、そしてシームレスなAPI連携により、カスタマーサポートやリサーチ、コンテンツ生成など、さまざまなユースケースで大きな効果を発揮します。
今後もSDKの進化により、さらに多彩なエージェントの活用が期待され、業務効率の向上に寄与することでしょう。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
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