AIエージェントシステムの開発方法は?設計パターン・開発手順・主要ツール・注意点を解説
最終更新日:2026年10月04日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

- AIエージェントシステムの開発は、業務範囲の定義から知識ベースの構築、API連携、実装、運用・改善に至る体系的な手順で進められる。
- LLMを中核に、RAGや外部ツールとの連携、処理全体の進行管理などを業務要件に応じて組み合わせることが重要。
- プロジェクトを成功させるためには、AIが担うべきタスクの適切な選定、堅牢なエラー管理体制の構築、出力結果の透明性確保、継続的なフィードバックに基づく改善サイクルが重要
AIエージェントの構築には専門的な知識が必要であり、開発フローの全体像を把握しなければ、目的に合ったエージェントを設計できません。
この記事では、AIエージェントシステムの開発における具体的なステップ、プロジェクトの成功に不可欠なコア技術、開発を加速させる主要フレームワーク、そして見落としがちな注意点まで解説します。
本記事を最後までご覧いただければ、プロジェクトを計画・実行するための明確な見通しと実践的な知識を得られるでしょう。
AIエージェントに強いAI会社を自力で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
AIエージェントシステムの開発とは?
AIエージェントシステムとは、LLM(大規模言語モデル)を中核に、社内データや業務システムと連携し、設計された業務の流れや権限の範囲内で、目標に向けて状況に応じた判断や処理を自律的に行うAIシステムです。
重要なのは、目標を与えるだけでなく、業務の流れ、AIに判断を任せる範囲、利用できるデータやツール、人による確認・承認が必要な条件を設計することです。
あらかじめ定めた手順で処理する部分と、状況に応じてAIが判断する部分を組み合わせることで、実際の業務に適したシステムを構築します。
生成AI単独のシステムとの違い
ChatGPTのような対話型の生成AIサービスは、ユーザーの指示(プロンプト)に対して文章などを生成して返すことが基本で、目標の達成に向けて自ら外部のシステムを操作するものではありませんでした。
| 生成AIシステム(回答生成が中心) | AIエージェントシステム |
|---|---|
| ユーザーの指示に応じて文章や画像などを生成する | 目標に応じて処理を判断し、外部ツールを使いながらタスクを実行する |
尚、近年はChatGPT自体もWebサイトの閲覧やフォーム入力、資料作成などを自律的に進めるエージェント機能が加わるなど汎用的な生成AIサービスでもAIエージェント化が進んでいます。
ただし、こうした機能は幅広い利用者に向けて提供されるため、自社の業務フロー、権限体系、セキュリティ要件に合わせて、どこまでをAIに任せ、どこで人が判断するのかを作り込める範囲には限りがあります。
AIエージェントシステムの開発は、この部分を自社の業務に合わせて設計し、専用のシステムを構築する取り組みです。
ChatGPTの詳しい機能を知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
参照:OpenAI|ChatGPT エージェントが登場:研究とアクションをつなぐ新たな架け橋
AIエージェント市場におけるAIエージェントシステムの位置づけ

上図は、AI Marketが独自に整理したAIエージェント市場の全体像です。本記事で解説するAIエージェントシステムの開発は、赤枠で囲んだ「AIエージェントシステム」を構築することを指します。
上述したChatGPTなどは、汎用的なAIエージェントサービスとして利用されるものであり、企業固有のAIエージェントシステムではありませんので、区別が必要です。
独自のAIエージェントシステムでは、問い合わせ対応、請求書処理、受発注管理など、自社の業務フローに合わせて、AIが必要な情報を参照し、判断や処理を実行できるシステムです。
また、OpenAIのCodexやAnthropicのClaude Codeなどは、AIエージェント型の開発ツール(コーディングエージェントと呼ばれます)であり、少し混乱しがちですが、AIエージェントを利用して、AIエージェントシステムを開発する(AI駆動開発)、ということもありますので、違いを把握しておくことも重要です。
関連記事:「コード生成AI・コーディングエージェントとは?違い・できることを解説」
関連記事:「AI駆動開発とは?役立つツール・メリット・導入手順・組織作りの成功ポイントを紹介」
AIエージェントを業務システムとして構築すること
実務で使えるAIエージェントシステムは、LLMを呼び出すだけでは完成しません。
以下のような要素を組み合わせ、一つの業務システムとして作り上げる必要があります。
- 社内文書を参照するRAG
- 業務システムを操作するためのAPI連携
- 処理の流れを管理するワークフロー
- 実行履歴の記録や権限管理
どの技術をどう組み合わせるかは対象業務の手順や求められる精度によって変わるため、業務に合わせた設計が重要です。
従来のAIシステムとの違い
従来のAIシステムでは、画像認識や需要予測など、特定の認識・分類・予測をAIが担い、その結果に応じた処理は、開発者が事前に定めた手順や条件分岐で制御する構成が一般的です。
AIエージェントシステムでも、業務の流れや実行権限はあらかじめ設計します。そのうえで、情報の解釈や回答生成に加え、必要な情報の取得、使用するツールの選択、実行結果に応じた次の処理などを、要件に応じてLLMに判断させます。
こうした処理の連携や役割分担を実現する仕組みとして、処理全体を管理するオーケストレーション、処理先を振り分けるルーティング、特定の作業を担うサブエージェントなどがありますが、詳しくは後述します。
従来AIシステムとの違いは、処理手順が決まっているかどうかだけではなく、業務の中でAIに任せる判断と実行の範囲にあります。
| 比較項目 | 従来のAIシステム | AIエージェントシステム |
|---|---|---|
| AIの主な役割 | 特定の認識・分類・予測を担う | 情報を解釈し、業務に必要な判断やツール利用を担う |
| 処理の制御 | AIの判定結果を、設定済みの手順や条件分岐につなぐ | 設定済みの手順と、LLMによる動的な判断を組み合わせる |
| 業務での例 | 問い合わせを分類し、設定済みの担当部署へ振り分ける | 問い合わせに応じて資料を検索し、回答案の作成や追加確認を行う |
| 設計の重点 | 個別のAIの精度と、判定後の処理を設計する | AIに任せる判断・操作の範囲と、確認・承認条件も設計する |
AIエージェントシステムは、目標だけを与えてすべての処理を任せるものとは限りません。処理の順序を固定し、各工程でAIを活用する構成から、AIが手順を計画・修正する構成まで、業務に応じて設計します。
運用では、回答や成果物の品質に加え、ツールの実行結果や権限の順守も確認し、プロンプト、ツール、業務の流れを継続的に改善していきます。
なぜ今、自社開発が検討されるのか
AIエージェントを業務に取り入れる方法は、自社開発だけではありません。
ChatGPTのような汎用サービスのエージェント機能に加え、SalesforceのAgentforceのように既存の業務システムに組み込まれたものや経理やカスタマーサポートなど特定業務に特化したものなど、クラウドサービス(SaaS)として提供される既製の製品も増えています。
こうした既製の製品でも、独自データとの連携や業務に合わせた設定は可能ですが、対応する連携先や変更できる処理、権限管理の範囲は製品によって縛られます。
そのため、既製の製品では自社の業務要件を十分に満たせない場合に、自社向けのAIエージェントシステムの開発が選択肢となります。
また、コーディングエージェントの登場により、コードの作成・修正、テスト作成などの開発作業をAIに任せながら、自社向けのシステムを試作・改善しやすくなっていることも重要なポイントです。
開発フレームワークや外部連携の仕組みも整い、既存の技術を組み合わせて構築する選択肢が広がっています。

実際、上図に示す通り、Stack Overflowの2025年開発者調査では、AIエージェントの利用者の約70%が、特定の開発作業にかかる時間が短縮されたと回答しています(回答者12,823人)。利用者の自己評価に基づく結果ですが、AIエージェントの活用が開発の負担を軽減し、自社向けのシステム構築に取り組みやすくなってきていることがわかります。
ただし、個別に開発する場合は、開発費だけでなく、保守・運用や継続的な評価・改善の負担も生じますので、費用対効果を踏まえて判断することが重要です。
参照:Stack Overflow|2025年開発者調査:AIエージェントが開発業務に与える影響
AIエージェントに強い会社の選定・紹介を行います
今年度AI相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 AIエージェントに強い会社選定を依頼
AIエージェントの設計パターン
AIエージェントシステムを開発する際は、ゼロから処理の流れを考えるのではなく、既に知られている設計パターンを土台にするのが一般的です。
パターンによって、処理の柔軟性、実行コスト、動作の予測しやすさが異なるため、対象業務の性質に合ったパターンを選ぶことが品質と費用対効果を左右します。
ここでは代表的なパターンを紹介します。実際のシステムでは、これらを組み合わせて使うケースも少なくありません。
ReActパターン(思考と行動のループ)

ReAct(Reasoning and Acting)は、LLMが以下を交互に繰り返すパターンです。
- 「次に何をすべきか」を考える推論ステップ
- 検索やAPI呼び出しなどの行動ステップ
2022年に研究論文で提案され、多くのエージェントフレームワークで基本構造として採用されています。
行動の結果を観察してから次の一手を決めるため、調査や問い合わせ対応のように、途中で得た情報によって進め方が変わる業務に向いています。
一方で、ループの回数が増えると処理時間と利用料金がかさみやすいため、最大ステップ数などの上限設定が欠かせません。
参照:arXiv|ReAct: Synergizing Reasoning and Acting in Language Models
計画・実行型(Plan-and-Execute)パターン

計画・実行型は、最初にタスク全体を複数のステップに分解した計画を作成し、その計画に沿って各ステップを順に実行するパターンです。
計画を立てる役割と実行する役割を分けることで、実行部分には軽量で安価なモデルを使うといった工夫もできます。
処理の全体像が事前に見えるため、人が計画を確認・承認してから実行に移す運用と相性が良いのが特徴です。レポート作成やデータ集計のように手順を組み立てやすい業務に適しています。
想定外の結果が出た際に計画を立て直す(再計画する)仕組みを組み込んでおくと柔軟性も確保できます。
マルチエージェントパターン

マルチエージェントパターンは、情報収集、分析、文書作成などの役割ごとに専門エージェントを用意し、それらを連携させて一つの業務を遂行するパターンです。
全体の進行を管理する統括役(オーケストレーター)が、各エージェントにタスクを割り振る構成が代表的です。
エージェントごとに使えるツールや権限を分けられるため、大規模で複雑な業務を整理しやすくなります。ただし、エージェント間のやり取りが増える分、処理時間や費用、不具合の原因特定の難しさも増します。
関連記事:「マルチエージェントシステム(MAS)とは?仕組み・システム例・メリット・展望を徹底解説!」
参照:Anthropic|How we built our multi-agent research system
業務手順に沿ってAIの判断を組み込むパターン
処理の順序や分岐、承認条件をあらかじめ設計し、その中で情報の解釈や回答作成、必要なツールの選択などをAIに任せる構成です。
例えば、問い合わせの受付、社内情報の検索、回答案の作成、担当者による承認という流れを定め、問い合わせ内容に応じた検索や回答作成をAIが担います。
業務上のルールを守りながら、状況に応じた判断を取り入れやすい点が特徴です。すべての工程を自律化するのではなく、処理を固定する部分とAIに判断を任せる部分を分けて設計します。
Anthropicも、事前に定義された処理経路に沿ってLLMやツールを動かす「ワークフロー」と、LLMが状況に応じて処理の進め方やツールの使い方を判断する「エージェント」を区別しています。
AIエージェントシステムの開発では、業務の要件に応じて、手順を固定する部分とAIに判断を任せる部分を組み合わせて設計します。
参照:Anthropic|Building effective agents
AIエージェントの開発手順
開発にあたっては、目的やタスクを定義するだけでなく、自律的に実行できる範囲、外部ツールとの連携、人による承認、セキュリティを適切に設計することが重要です。
開発手順は以下の通りです。
- 業務・タスク範囲の定義(要件定義)
- 技術・プラットフォームの選定
- エージェントの設計(ツール・権限・業務フロー)
- 知識ベース(RAG)の構築
- 実装(外部ツール・APIの連携を含む)
- 動作検証・評価
- デプロイ
- 運用・改善(AgentOps)
それぞれの手順について解説していきます。AIエージェントシステムの開発の費用についてはこちらの記事で解説しています。
エージェントの業務やタスク範囲の定義
まずは、AIエージェントが対応する業務やタスクの範囲を定義します。ここでは業務フローを洗い出し、AIによる自動化が適する領域を見極める必要があります。
どの業務領域に導入するのか、具体的なユースケースを特定します。まず、要件定義においては、以下のような機能を想定して決定します。
- ルール処理
- 自然言語による対話
- 意思決定支援
- 外部システムとの連携
また、AIエージェントに期待する具体的な目標(例:問い合わせ対応時間の〇〇%削減、顧客満足度の〇〇%向上など)を明確にします。この段階での要件定義の精度が、プロジェクト全体の品質や保守性に影響します。
同時に、利用する必要性も確認します。処理条件や手順が明確に決まっている業務は、通常のシステムやRPA、ルールベースのワークフローで対応した方が安定性や費用対効果に優れる場合があります。
一方で、状況に応じて次の処理を判断したり、複数のツールを使い分けたりする必要がある業務はAIエージェントに適しています。
情報検索や回答案の作成は自動化する一方で、外部への送信、契約変更、決済、データ削除などは人による承認を必須にするなど操作の影響に応じて権限を調整することが重要です。
適切な技術とプラットフォームの選定
タスクの複雑性や必要な機能に応じて、適切な生成AIモデルや関連技術を選定します。
そして、開発・運用に必要なインフラストラクチャやプラットフォームを選定します。セキュリティやスケーラビリティも重要な考慮事項です。
AIモデルを選定する際は、回答精度だけでなく、推論能力、ツール利用能力、コンテキスト長、応答速度、利用料金、日本語への対応なども比較します。タスクごとに異なるモデルを使い分ける方法もあります。
フレームワークやプラットフォームについては、外部ツールとの連携、状態・メモリ管理、人による承認、実行履歴の記録、評価・監視など開発・運用に必要な機能が備わっているかを確認します。
なお、実装やテストでは、OpenAIのCodexやAnthropicのClaude Codeなどのコーディングエージェントを活用する方法もあります。
これらはAIエージェントシステムを構築するためのフレームワークではありませんが、コードの生成・修正、既存コードの調査、テストの作成・実行などを支援し、開発作業を効率化できます。
内部人材で技術選定が手に余るのであれば、外部のコンサルタントを活用することも検討できるでしょう。
エージェントの設計(ツール・権限・業務フロー)
要件と技術が固まったら、AIエージェントの具体的な振る舞いを設計します。
まず、エージェントに持たせるツール(社内検索、データベース参照、メール送信など)を洗い出し、それぞれの用途、入力項目、出力形式、実行条件を定義します。ツールの説明が曖昧だと、AIが誤ったツールを選ぶ原因になるため、この定義は精度に直結します。
次に、ツールごとの権限を決めます。閲覧のみか、更新・削除まで許可するのかを必要最小限に絞り、影響の大きい操作には人の承認を挟みます。
あわせて、設計パターンを参考にしながら、業務フロー全体のうちAIが自律的に判断する部分と手順を固定する部分を切り分けます。
この際、処理全体の進行を管理するオーケストレーションと、入力内容や処理結果に応じて次の処理や担当先を振り分けるルーティングを設計します。
複数のエージェントで処理を分担する場合(マルチエージェント)は、各エージェントの役割、権限、情報の受け渡し方法、連携に失敗した場合の対応も設計します。
すべてを自律型にするのではなく、定型的な部分はワークフローとして固定することで動作が安定しやすくなります。
なお、こうしたツール連携、実行フロー、権限・承認など、LLMの周囲でAIエージェントの動作を制御する仕組みは、近年「エージェントハーネス」と呼ばれ始めています。
知識ベース(RAG)の構築 ※必要時
知識ベースとは、エージェントが質問に回答したり、意思決定を支援したりする際の根拠となる情報の集約です。エージェントの回答精度と業務信頼性に直結する要素となるため、実装する場合は初期設計段階から設計することが求められます。
知識ベースから関連情報を検索し、その内容をもとにLLMが回答を生成する仕組みはRAG(検索拡張生成)と呼ばれ、広く用いられています。
構築にあたっては、以下例に挙げるような構造化・非構造化データを収集、整理し、検索性と再利用性を高める設計が求められます。
- 社内マニュアル
- FAQ
- 規定文書
- 業務フロー
知識ベースの構築においては、生成AIモデルとの親和性を意識し、検索用メタデータの付与や文書分割ルールの最適化が必要です。
なお、すべてのAIエージェントに独自の知識ベースが必要なわけではありません。外部APIや業務システムから必要な情報を直接取得できる場合は、知識ベースを構築しない構成も考えられます。
関連記事:「RAG(検索拡張生成)とは?導入相談事例・LLMとの連携シーン・メリット・システム構築の注意点を徹底解説!」
実装(外部ツール・APIの連携を含む)

設計が固まったら、LLM、エージェントフレームワーク、各種APIを組み合わせて実装を進めます。
外部ツールとの連携では、CRMやSFA、スケジューラ、ドキュメント管理システムなどとRESTやGraphQLのAPIで接続し、OAuth 2.0などで認証・認可を実装します。
通信エラー時のリトライに加え、同じ処理が再実行されてもメールの重複送信やデータの二重登録が起きない仕組みも必要です。
ユーザーとの接点は、チャットに限らず、業務画面への組み込みやバックグラウンドでの自動実行など、業務に合う形式を選びます。
なお、LLMは依頼の意図や必要な値を柔軟に読み取れるため、従来型チャットボットのようにインテントやエンティティを網羅的に定義する必要はありません。外部システムの実行に必要な入力項目を中心に設計します。
動作検証・評価
AIエージェントの検証で重要なのは、「動くか」ではなく「業務を任せられるか」という観点で評価することです。デモ環境では正しく動いても、実務では入力の揺らぎや例外が日常的に発生します。
任せられるかどうかは、成功率の高さだけでなく、失敗したときに危険な操作をせず、人へ適切に処理を引き継げるかどうかで判断します。本番導入の前に、どの水準を満たせば業務を任せてよいのかを業務部門と合意しておきましょう。
動作検証では、単体テストに加えてユーザーシナリオに基づく対話テストを実施し、入力の揺らぎに対する頑健性や意図誤認、外部API連携の信頼性などを評価します。
さらに、業務の開始から完了までを通して確認するE2E(End-to-End)テストも重要です。
例えば問い合わせ対応なら、質問の受付、社内情報の検索、回答案の作成、人による承認、送信までを一連の流れとして検証します。最終的な回答の品質だけでなく、途中の判断やツール実行、承認が必要な場面で適切に停止できるかも確認します。
外部文書に含まれた不正な命令を実行しないか、権限のない情報へアクセスしないか、機密情報を外部へ送信しないかといったセキュリティ面の検証も必要です。
検証結果をもとにチューニングを重ねることで、実運用に耐える品質水準に仕上げていきます。
関連記事:「AIエージェントの評価指標は?主要フレームワークと観測ツールの機能比較を解説!」
参照:OpenAI|Evaluate agent workflows
デプロイ
AIエージェントの実装と検証が完了した後はデプロイを通じて本番環境への移行を行い、継続的な運用と改善フェーズに入ります。
デプロイでは、多くの場合クラウドインフラ上にエージェントをホスティングし、必要に応じてスケーラビリティやセキュリティ対策を施した設計を行います。特にエンドユーザーとの接点がある場合には、以下のような運用上のリスク対策が必要です。
- 通信の暗号化
- トークンベースの認証
- アクセスログの管理
これらに加えて、AIエージェントや連携ツールには必要最小限の権限だけを付与し、重要な操作には人による承認を設けます。
信頼できるツールや接続先だけを利用し、コード実行やファイル操作を伴う場合は、隔離された環境で動作させることも重要です。
本番環境へ一度に展開するのではなく、対象部署、利用者、実行可能なタスクを限定して段階的に導入すると、問題が発生した場合の影響を抑えられます。
AIモデル、プロンプト、ツール、知識ベースのバージョンを管理し、不具合が発生した場合に以前の状態へ戻せるようロールバックの仕組みも準備します。
運用・改善(AgentOps)
運用開始後は、入力内容や処理結果、ツールの実行履歴を蓄積し、タスクの完了率、成果物の品質、業務KPIへの貢献度などを定量的にモニタリングします。
こうしたAgentOpsの取り組みにより、プロンプト、ツールの定義、業務フロー、知識ベースの改善点を特定し、リリース後も継続的に品質を向上させます。
- タスク完了率
- ツールの実行状況
- エラーやリトライの発生状況
- 処理時間
- トークン使用量
- 利用料金
- 人による承認や引き継ぎの発生率
最終結果だけでなく、AIエージェントがどのような判断を行い、どのツールをどの順番で利用したのかをトレースとして記録することでエラーや想定外の動作が発生した場合に原因を調査しやすくなります。
また、利用者が回答や処理結果を評価し、誤りや改善要望を報告できる仕組みを設け、業務担当者と開発・運用担当者が定期的にフィードバックと実行履歴を確認し、プロンプト、ツールの定義、業務フロー、知識ベースの改善につなげます。
AIモデルや各種設定を変更する際は、既存の評価データに加え、運用中に見つかった失敗例も使って回帰テストを行い、変更によって精度や安全性が低下していないかを確認します。
関連記事:「AgentOpsの導入手順は?主要ツールの選定基準と導入時の課題を徹底解説!」
AIエージェントに強い会社の選定・紹介を行います
今年度AI相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 AIエージェントに強い会社選定を依頼
AIエージェントを支える技術・仕組み・プロトコル

開発には、高度な対話処理や外部連携を実現するための技術が必要です。以下では、中核となる技術要素について解説します。
LLM
LLMは、AIエージェントの自然言語理解と生成の中核を担う技術です。対話の文脈把握・業務指示の解釈において重要な役割を果たします。
大量のテキストデータを基に自然な応答や推論を出力できるため、問い合わせ対応やレポート生成、業務手順の説明など幅広い業務に応用可能です。
ChatGPTに搭載されているGPTシリーズやAnthropic社のClaude、Google社のGeminiといった代表的なモデルに加え、用途や環境に応じてLlama、MistralなどオープンソースのLLMを活用する選択肢も存在します。
エージェントに組み込む際は、API経由でLLMにプロンプトを送信し、戻ってきた出力を業務ロジックに接続する設計が一般的です。
関連記事:「LLMとは?活用相談事例・AIエージェントとの連携・導入方法とコスト・代表的モデルを徹底解説!」
エージェントハーネス(実行・制御基盤)
AIエージェントでは、LLMそのものだけでなく、モデルやツールの呼び出し、メモリ・コンテキストの管理、実行結果のフィードバック、承認や権限制御などを担う「エージェントハーネス」と呼ばれる実行・制御基盤が重要です。
LLMが判断を行う「頭脳」だとすると、ハーネスはその判断をもとに外部ツールを実行し、結果を再びLLMへ返しながらタスクを進めるための仕組みにあたります。
AIエージェントの実用性は、利用するLLMの性能だけでなく、こうしたハーネスによってツール連携や状態管理、実行ループをどのように設計するかにも大きく左右されます。
参照:Microsoft Learn|エージェント ハーネス
参照:Google Cloud|エージェント ハーネスとは
RAG
RAG(検索拡張生成)は、応答精度と情報信頼性を高める技術として活用できます。LLMによる生成に加えて、社内文書や外部データベースから情報を検索・取得し、その内容をプロンプトに組み込んで応答を生成します。
これにより、モデル単体では保持しきれない最新情報や固有知識を活用できるようになり、実務に即した回答が可能です。
RAGでベクトル検索を利用する場合は、文書などの埋め込み表現を保存・検索するベクトルデータベースが検索基盤の選択肢になります。専用製品のほか、既存のPostgreSQLにpgvectorを追加する方法などもあります。
なお、RAGの検索にはキーワード検索や、ベクトル検索と組み合わせたハイブリッド検索も利用でき、専用のベクトルデータベースが必須というわけではありません。
RAGについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
関連記事:「ベクトルデータベースとは?RAGの精度向上に欠かせない技術の仕組みや課題、活用ケースを徹底解説!」
CUA(Computer-Using Agent)
CUA(Computer-Using Agent)は、AIエージェントが人間の代わりにコンピュータ操作を実行する技術です。CUAではGUI上でのクリックや入力やスクロールなどの動作を実行可能であり、高度な判断力を加味する役割を果たします。
これにより、請求書の処理、社内システムへのデータ入力、帳票のダウンロードなど人手による定型操作を自然言語ベースの指示で代替できます。
CUAの実現には、以下のような高度なUI制御技術が求められます。
- 操作対象となるアプリケーション構造の解析
- UI要素の認識
- 非同期イベントの制御
近年では、LLMと画面認識技術を融合させた次世代型エージェントへの応用も進んでいます。業務における実行力をAIに持たせるための核としてCUAは重要な技術です。
MCP(Model Context Protocol)
MCP(Model Context Protocol)はAnthropicが公開したオープン標準で、LLMやAIエージェントと外部データ・ツールを共通仕様で接続する「USB-C」のようなインターフェースです。
Claude DesktopなどのMCPホストに組み込まれたMCPクライアントが、Google Drive・Slack・GitHub等を公開するMCPサーバーと双方向通信を確立し、認証付きでデータ取得やアクション実行を行います。
公式SDKはTypeScriptやPythonをはじめ複数の言語向けに提供されています。
開発者は少量のコード追加で社内ファイルやクラウドAPIを扱えるため、エージェント機能の拡張やデータソース追加時も保守負荷が激減し、スケーラブルな生成AIワークフローを迅速に構築できます。
なお、MCPは2025年12月にAnthropicからLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(AAIF)へ寄贈されており、特定の企業に依存しない中立的な体制のもとで開発が進められています。
関連記事:「MCPとは?AIと外部ツールをつなぐ仕組み・特徴・使い方・活用事例を解説」
Agent2Agent(A2A)
Agent2Agent(A2A)は、異なるベンダーやフレームワークで構築されたAIエージェント同士が、機能を公開し、タスクや情報を受け渡すためのオープンプロトコルです。現在はLinux Foundationのもとで開発が進められています。
エージェントカードによる機能の公開や、メッセージを介したタスク管理などを標準化できます。ただし、実際の連携には、接続先、認証・認可、共有する情報、エラー処理などの設計が必要です。
なお、エージェント間通信のプロトコルとして開発されたACP(Agent Communication Protocol)は、A2Aへの統合が発表されています。
関連記事:「Agent2Agent(A2A)とは?AIエージェントを繋ぐプロトコルの特徴や仕組み、MCPとの違い、活用事例を徹底解説!」
関連記事:「ACP(Agent Communication Protocol)はA2Aとの統合でどうなる?技術的特徴・注意点を徹底紹介!」
オーケストレーション:処理全体の進行管理

オーケストレーションとは、LLMやツール、複数のエージェントによる処理を連携させ、全体の進行を管理する仕組みです。
実行順序の制御、処理結果の受け渡し、進行状況の管理に加え、エラー時の再試行や人による承認待ち、中断した処理の再開などを担います。
例えば、問い合わせ対応では、社内情報の検索、回答案の作成、担当者の承認、送信という一連の処理を管理します。あらかじめ定めた業務手順と、状況に応じたAIの判断を組み合わせ、業務上の制約を守りながら処理を進めます。
参照:OpenAI|A practical guide to building agents
ルーティング:処理内容に応じた振り分け
ルーティングとは、入力内容や処理結果に応じて、次に実行する処理や使用するモデル、ツール、担当エージェントなどを選ぶ仕組みです。オーケストレーションの一部として、処理の分岐を担います。
例えば、問い合わせの内容に応じて、社内規程の検索、顧客データの照会、人の担当者への引き継ぎに振り分けます。単純な処理には軽量なモデル、複雑な判断には高性能なモデルを割り当てる使い方もあります。
振り分けには、固定ルールやLLMによる分類・判断を利用します。誤った処理先への振り分けを防ぐため、判断基準を明確にし、分類できない場合の処理先も決めておくことが重要です。
参照:Anthropic|Building effective agents
マルチエージェントとサブエージェント:役割分担と連携

マルチエージェントとは、複数のAIエージェントが役割を分担し、連携してタスクを進める構成です。情報収集、分析、成果物の確認などを担当ごとに分け、それぞれに必要な指示やツールを設定します。
このうち、主となるエージェントから特定の作業を委ねられるエージェントを「サブエージェント」と呼びます。主となるエージェントが作業を割り当て、サブエージェントから返された結果を統合する構成が一例です。一方、マルチエージェントには、主従関係を設けず、複数のエージェントが対等に連携する構成もあります。
役割ごとに参照する情報や利用できるツール、権限を分けられる反面、連携が増えると処理時間や費用、原因調査の負担も増えます。単一のエージェントで対応できるかを確認したうえで、役割分担が必要な業務に採用します。
参照:Claude Code Docs|カスタムサブエージェントの作成
AIエージェント開発に使える代表的なツール・サービス比較
AIエージェントの開発には、コードベースの開発フレームワーク、クラウド型のマネージドサービス、ローコードツールなどを利用できます。開発体制や必要な機能、既存のシステム環境に応じて選定します。
| 提供形態・分類 | 製品・ツール名 | 主な特徴・対応構成 | 料金体系 | 日本語情報 |
|---|---|---|---|---|
| コードベースの開発フレームワーク・関連ツール | LangChain/LangGraph | 単体・マルチ両対応。LangGraphは条件分岐やループなどの制御に強み | OSSで無料 監視・デプロイ基盤のLangSmithは無料枠と有料プランあり | 多い |
| Microsoft Agent Framework | 単体・マルチ両対応。グラフ型ワークフローを構築可能 | OSSで無料 | 中程度 | |
| AutoGen | マルチエージェント中心。Microsoft版は保守モードで、新規開発にはMicrosoft Agent Frameworkを推奨 | OSSで無料 | 多い | |
| OpenAI Agents SDK | 単体・マルチ両対応。ツール利用、ハンドオフ、実行履歴の記録に対応 | OSSで無料 | 中程度 | |
| Google Agent Development Kit(ADK) | 単体・マルチ両対応。エージェントとワークフローの構築を支援 | OSSで無料 | 中程度 | |
| Mastra | TypeScriptによるエージェント開発とワークフロー管理に強み | コア部分はOSSで無料 一部のエンタープライズ機能は別ライセンス | 中程度 | |
| CrewAI | 役割を分担するマルチエージェントと、手順を制御するワークフローに対応 | OSSで無料 管理基盤のCrewAI AMPは無料枠と個別見積もり | 中程度 | |
| Agno(旧Phidata) | 単体・マルチ両対応。マルチモーダル処理やメモリ機能に対応 | OSSで無料 運用管理画面は有料プランあり | 少ない | |
| PraisonAI | 少ないコードでエージェントやマルチエージェントを構築 | OSSで無料 | 少ない | |
| Magentic-One | AutoGen上に構築された、Web閲覧・コード実行・ファイル操作などを担うマルチエージェントシステム | OSSで無料 | 少ない | |
| クラウド型のマネージドサービス | Amazon Bedrock Agents/AgentCore | Agentsはエージェント構築を支援。AgentCoreは各種フレームワークで開発したエージェントの実行・運用基盤 | 従量課金 | 多い |
| Amazon Nova Act | ブラウザ操作を伴う業務の自動化に特化 | 従量課金(エージェントの稼働時間単位) | 少ない | |
| Microsoft Foundry Agent Service(旧:Azure AI Agent Service) | 単体・マルチ両対応。Microsoftのクラウド環境で構築・運用 | 従量課金 | 多い | |
| Gemini Enterprise Agent Platform(旧:Vertex AI Agent Builder) | 単体・マルチ両対応。Google Cloud上で構築・評価・運用 | 従量課金 | 中程度 | |
| IBM watsonx Orchestrate | 単体・マルチ両対応。業務アプリとの連携に強み | サブスクリプション SaaS版・オンプレミス版あり | 中程度 | |
| ローコードツール・その他 | Dify | 画面上でLLM、RAG、外部ツールを組み合わせ、ワークフローやエージェントを構築 | セルフホスト版は無料(独自条件を含むライセンス) クラウド版は無料枠と有料プランあり | 多い |
| n8n | 各種サービスをつなぐ業務自動化フローに、AIによる判断やツール利用を組み込める | セルフホスト版は無料(独自ライセンス) クラウド版は有料 | 多い | |
| NLWeb | Webサイトに自然言語での問い合わせ機能を設け、AIエージェントからのアクセスにも対応させる技術 | OSSで無料 | 少ない |
※「日本語情報」は、公式ドキュメントの日本語対応や国内の解説記事・書籍の充実度を示す目安です。
以下では、この中から検討される機会の多い7つを抜粋して解説します。
LangChain/LangGraph
LangChainはLLMアプリケーション開発で最も広く使われてきたオープンソースのフレームワークで、多様なモデルや外部ツールと連携するための部品を豊富に備えています。
LangGraphはその姉妹ライブラリで、処理の流れをノードとエッジのグラフとして定義し、条件分岐やループ、並列実行、人による承認を細かく制御できます。
フレームワーク自体は無料で、本番運用では監視や評価、デプロイを担うLangSmithを組み合わせるのが一般的です。日本語の解説記事や書籍が多く、社内で情報を集めやすい点も利点です。
関連記事:「LangChainとは?メリット・機能・始め方・活用事例・他LLMフレームワークとの比較徹底解説」
Microsoft Agent Framework
Microsoft Agent Frameworkは、AutoGenとSemantic Kernelを統合したMicrosoftのオープンソース開発キットです。
2026年4月に正式版(1.0)となり、PythonとC#(.NET)の両方で、単一エージェントからグラフ型のワークフロー、マルチエージェントまで構築できます。MCPやA2Aにも標準で対応しています。
AutoGenとSemantic Kernelは新機能の追加が止まる保守モードに移行しているため、Microsoft系の技術で新規開発する場合は本フレームワークが第一候補になります。両フレームワークからの移行ガイドも公開されています。
参照:「Agent Framework documentation」
OpenAI Agents SDK
OpenAI Agents SDKはOpenAIが提供するオープンソースの開発キットで、PythonとTypeScriptに対応しています。
ツール利用、複数エージェント間での処理の引き継ぎ(ハンドオフ)、ガードレール、実行履歴の記録などを少ないコードで実装でき、Responses APIやMCPとも連携できます。
なお、AgentKitの一部として提供されていた視覚的な開発ツール「Agent Builder」と評価機能「Evals」は、2026年11月30日に提供終了されます。OpenAIは、コードで構築する場合の移行先としてAgents SDKを推奨しています。
関連記事:「OpenAI Agents SDKとは?仕組みやできること、料金、MCP・Responses APIとの違いを解説」
Google Agent Development Kit(ADK)
Google Agent Development Kit(ADK)はGoogleが提供するオープンソースのフレームワークで、Python、Java、Go、TypeScriptに対応しています。
Geminiとの親和性が高い一方で他社モデルも利用でき、単一エージェント、マルチエージェント、手順を固定したワークフローまで構築できます。
構築したエージェントは、2026年4月にVertex AIから名称が変更されたGemini Enterprise Agent Platformの実行環境(Agent Engine)などへデプロイできるため、Google Cloudを利用している企業では有力な選択肢です。
関連記事:「Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)とは?主要機能・料金・メリットを解説!」
参照:「Agent Development Kit (ADK)」
Amazon Bedrock AgentCore
Amazon Bedrock AgentCoreは、AWSが提供するAIエージェントの実行・運用基盤です。
LangGraphやCrewAIなど任意のフレームワークで開発したエージェントを、実行環境、記憶機能、認証、監視などのモジュールと組み合わせて本番運用できます。
画面上の設定を中心に手早く構築したい場合は、従来からあるAmazon Bedrock Agentsも選択肢です。AWSを基盤とする企業にとっては、既存のセキュリティ設定や権限管理をそのまま生かせる点が大きな利点です。
関連記事:「Amazon Bedrock AgentCoreとは?料金・できること・使い方まで徹底解説!」
CrewAI
CrewAIは、役割や目標を持たせた複数のエージェントを「チーム(Crew)」として協働させることに特化したPython製のオープンソースフレームワークです。
自律的に協働するCrewと、処理手順を明示的に制御するFlowを組み合わせて構築できます。
フレームワーク自体は無料ですが、視覚的な編集画面や監視機能を備えた管理基盤「CrewAI AMP」は無料枠を超えると個別見積もりの有料プランになります。
関連記事:「CrewAIとは?AIエージェント構築フレームワークの強み・AutoGenとの違い・仕組み・料金・メリットを徹底紹介!」
n8n

n8nは、ノードと呼ばれる機能ブロックを画面上でつないで業務の自動化フローを構築するローコードツールです。AIエージェント用のノードを使えば、LLMによる判断と、CRMやチャットツールなど多数のサービス連携を一つのフローにまとめられます。
自社サーバーで無料運用できるセルフホスト版と、有料のクラウド版があり、エンジニアが少ない組織でもプロトタイプを素早く作れます。
ソースコードは公開されていますが、独自のライセンス(フェアコード)のため、商用での再配布などには条件がある点に注意が必要です。
関連記事:「n8nとは?AIエージェント開発プラットフォームとしての特徴、性能、料金プラン、利用方法、 活用事例、Difyとの違いまで徹底解説!」
AIエージェントに強い会社の選定・紹介を行います
今年度AI相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 AIエージェントに強い会社選定を依頼
AIエージェントを開発する際の注意点

技術的な構築だけでなく、運用上のリスクやユーザー視点も踏まえた設計が重要です。以下では、主な注意点を解説します。
AIが担うタスクの選定
AIエージェントの設計では、すべての業務を自動化の対象とするのではなく、通常のシステムやワークフローで対応する部分と、AIによる柔軟な判断が必要な部分を切り分けることが重要です。
以下のような業務が適しています。
- 自然言語や非構造化データを扱う業務
- 状況に応じて次の処理を判断する業務
- 複数のツールやシステムを使い分ける業務
- 途中の結果に応じて手順を変更する業務
一方、処理条件や手順が明確に決まっている業務は、通常のシステムやRPA、ルールベースのワークフローで対応した方が、安定性や費用対効果に優れる場合があります。
また、法的判断や経営戦略といった高度な意思決定には、現時点でのAIでは限界があるため、人間と役割を分担できる設計が求められます。
システムの設計とエラー管理
AIエージェントの信頼性を確保するには、堅牢なシステム設計とエラー管理の実装が初期段階から求められます。
外部APIと連携する場合や対話制御を行う場面では、ネットワーク障害や想定外の出力といったエラーが発生する可能性が高まります。これらの問題に対処する方法として、以下の手法を組み合わせたエラーハンドリング戦略が効果的です。
- タイムアウト処理
- 再試行機構
- 入力検証
- フォールバック応答
また、障害発生時のトレーサビリティを担保するために、ログ出力やモニタリング機能も設計段階で組み込んでおく必要があります。
出力結果の説明性・透明性の確保
LLMを活用したエージェントはブラックボックス性が高く、なぜその回答に至ったのかが明確でない場合、信頼を損なうリスクがあります。そのため、出力結果の根拠を明確にすることが重要です。
この課題に対応するためには、応答の根拠となる知識ベースの出典や、使用された検索ドキュメントの提示といった仕組みの実装が有効です。
RAGを活用した設計では、参照されたコンテンツのURLや抜粋を提示するだけでなく、回答との対応関係を明示することで説明責任を果たすことができます。
権限管理とセキュリティ対策
AIエージェントは、外部ツールや業務システムを利用して実際の操作を行うため、通常の生成AIシステム以上に厳格な権限管理が必要です。
連携するツールやAPIには必要最小限の権限だけを付与し、メール送信、決済、データの変更・削除など、影響の大きい操作には人による承認を設けます。
また、外部文書に埋め込まれた指示を実行させるプロンプトインジェクションや、信頼できないツール・MCPサーバーを介した情報流出にも注意が必要です。
実行できる操作や接続先を制限し、コード・ファイル操作は隔離された環境で実行するとともに、操作履歴を監査ログとして保存できる仕組みを整えることが重要です。
関連記事:「AIエージェントの評価指標は?主要フレームワークと観測ツールの機能比較を解説!」
AIエージェントの開発についてよくある質問まとめ
- AIエージェント開発にはどれくらい費用がかかりますか?
要件や規模によって大きく変わりますが、中規模の業務を想定した場合、初期費用の目安は要件定義で150万〜400万円、PoCで400万〜600万円、本開発で500万〜900万円程度です。
導入後も、LLMのAPI利用料(1ユーザーあたり月数千円〜数万円)、RAGやクラウドインフラの利用料、品質モニタリングやモデル更新への対応といった運用・保守費用が継続的に発生します。
費用の内訳や見落としやすい隠れコスト、コストを抑える設計の工夫は「AIエージェント導入・開発の費用を徹底解説!内訳・隠れコスト・最適化の工夫ポイントまで」で詳しく解説しています。
- AIエージェント開発会社を選ぶ際のポイントは?
以下の点を確認することをおすすめします。
- PoCで終わらず、本番運用まで到達したAIエージェントの開発実績があるか
- 業務の棚卸しや、AIに任せる範囲と人が判断する範囲の切り分けから支援できるか
- 特定のモデルやフレームワークに偏らず、要件に合った技術を提案できるか
- ツールの権限設計や人の承認フローなど、セキュリティを考慮した設計ができるか
- API利用料を含めた運用費用の試算と、運用開始後の改善体制(AgentOps)を示せるか
AI Marketでは、専門のコンサルタントが要件整理の段階からご相談に応じ、AIエージェント開発に強い企業を無料でご紹介しています。
まとめ
AIエージェントの開発は、業務設計・データ基盤・技術選定・継続的な改善体制を統合的に構築する高度なプロセスです。
Microsoft Foundry Agent ServiceやLangGraphなどを活用することで、ツール連携や状態管理、評価・監視などの実装を効率化できます。
ただし、品質を高めるには、目的に合った設計、適切なデータと権限管理、継続的な評価・改善が不可欠です。
その構築には、多岐にわたる技術要素と業務理解が求められます。
特に、自社の状況に最適化された設計や、複雑なシステム連携、継続的な精度改善などを目指す場合、専門的な知識や経験がプロジェクトの成否を大きく左右します。
もし、より詳細な技術選定や開発計画、あるいは特定の課題解決について専門的なアドバイスが必要だと感じられた際には経験豊富な専門家やベンダーに相談することを検討してみてください。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
▶ 監修者の実績・経歴を詳しく見る
AI Market 公式𝕏:@AIMarket_jp
Youtubeチャンネル:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
運営会社:BizTech株式会社
掲載記事に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-contents@biz-t.jp
