最終更新日:2023-09-17
ChatGPTは商用利用OK?注意点を解説!利用規約から読み解いた活用例も紹介!

ChatGPTは便利なツールですが、事業に活用することで生産性がさらに向上します。しかし、無料のChatGPTを事業で使い、利益を得ることに問題はないか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事ではChatGPTはどこまで商用利用できるかを徹底解説します。
ChatGPTの基本的な仕組み、使い方をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
ChatGPTを商用利用することに興味がある方は是非、最後までご覧ください。
AI Marketでは
貴社の要望に応えることが可能な企業複数社の紹介が可能で、
ChatGPTの事業活用に強いAI開発会社をご自身で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
ChatGPTは商用利用できる?
ChatGPTを開発したOpenAI社の利用規約には、出力結果に関するすべての権利、権原、および利益はユーザーに譲渡され、販売や出版などの商業目的を含むあらゆる目的でコンテンツを使用できる旨が記載されています。
つまり、OpenAI社の利用規約上は、ChatGPTでの生成物を商用目的として利用することに何の問題もありません。
8月28日(現地時間)、OpenAIがChatGPTを商用利用に特化したプランである「ChatGPT Enterprise」を発表しました。高度なセキュリティ下で、よりスペックの高いChatGPTを安心して利用できるプランで、ChatGPTの商用利用に最適なものとなっています。
ChatGPTの商用利用の注意点
ChatGPTは、利用規約上は商用利用できますが、利用規約以外にも以下のように注意しなければならない点がいくつかあります。
- ポリシー違反
- 著作権の侵害
- 自社用のカスタマイズの必要性がある
- 公開する際の注記
- 誤った情報や不適切な表現
- 費用対効果
これらを守らなければ、規約上は利用可能であってもChatGPTを商用利用することはできません。場合によっては、違法と判断され、法的な処分を受ける可能性も十分にあります。
ポリシー違反
OpenAIは、安全かつ責任のある利用を促すためにChatGPTの利用に関するポリシーを定めています。ポリシーの違反が繰り返される場合や重大な違反がある場合は、アカウントの一時停止またはアカウントの停止となる場合があります。
以下は使用禁止例の一部です。
- 違法行為
- 嫌がらせ、または暴力的なコンテンツの生成
- マルウェアの生成
- 許可されていない法律行為に関与したり、資格のある担当者が情報を確認せずに個別の法的アドバイスを提供したりすること
- 資格のある担当者が情報を確認することなく、カスタマイズされた財務上のアドバイスを提供する
違法行為や暴力的なコンテンツの生成、マルウェアの作成などに使用しないことはもちろんですが、法的なアドバイス・財務上のアドバイスなどにChatGPTを使用することはポリシー違反となります。法的や財務的な専門知識を提供するコンテンツを作成する場合には、ChatGPTの利用は避けた方が良いでしょう。
詳しい内容やその他のポリシーについては、OpenAI社の利用ポリシーをご確認ください。
著作権の侵害
ChatGPTの利用で必ず問題となるのが著作権の侵害です。各国によって著作権に関する法律は異なりますが、日本で商用利用目的で生成する場合、基本的に日本の著作権法を遵守することになると考えられます。
日本の著作権法では、「著作者等の権利・利益を保護すること」と「著作物を円滑に利用できること」のバランスをとることが重要であるというのが基本的な考え方です。つまり、ChatGPTで生成したものが著作権者の権利や利益を害するとみなされないことが大切であり、利益を得ることを目的としてChatGPTを商用利用する場合は特に注意が必要です。
具体的には、既存の著作物との「類似性」又は「依拠性」が認められる場合は、著作権者の許諾が必要となります。
2023年9月6日には、世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)など世界の報道・メディア26団体が、生成AIの開発や著作権などに関する「世界AI原則」を公表しました。世界中の団体が賛同していることから、今後のAIの著作権に関する世界的なスタンダードとなる可能性もあるため注目されています。
ChatGPTの出力結果の著作権の扱い方、海外事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
自社用カスタマイズの必要性がある
ChatGPTを商用利用する上で注意すべきことの一つに、「情報漏洩」があります。ChatGPTを通常のブラウザで使用し、機密情報等を送ってしまうと、OpenAI社の外部サーバーに保存され、ChatGPTの学習に利用されます。こうしたことから、実際に情報が流出した事例もあります。
ChatGPTで情報漏洩が起こる原因、対応策をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
情報漏洩に気を付けるために、APIやAzureとの連携を行い、ChatGPTを自社用にカスタマイズする必要があります。APIやAzureとの連携は、一からプログラムを組むよりもハードルは低めですが、やはり専門的な知識は必要です。開発・運用には専門技術が必要であることに注意が必要です。
Microsoft AzureとChatGPTの連携方法はこちら、ChatGPTのAPIの活用方法はこちらで詳しく説明していますので併せてご覧ください。
公開する際の注記
生成されたコンテンツを公開する場合は、そのコンテンツがAIによって生成されたものであることを注記する必要があります。利用規約によると、「コンテンツがAIによって生成されたものであることを、ユーザーが合理的に見落としたり誤解したりしないような方法で示すこと」との記載があります。
そのため、文章や画像などをChatGPTで作成し、コンテンツの配信・サービスの提供を行う場合は、それがChatGPTで作成したことがわかるように注記しておかなければなりません。
誤った情報や不適切な表現
ChatGPT が生成する文章は、誤った情報や不適切な表現を含む場合があります。ChatGPT は、OpenAI社によって慎重にチューニングされていますが、インターネット上の大量の文章データから学習しているため、偏った情報や不適切な表現が含まれてしまう可能性があります。
また、ChatGPTの学習データは、最新の情報が2021年までのものであるため、出力結果が現在の最新の情報を反映できていない場合もあります。そのため、ChatGPT によって生成されたコンテンツが、誤った情報や不適切な文章にならないように、必ず人の目でチェックをすることが大切です。
費用対効果
ChatGPTを商用利用する際は、費用対効果も検討する必要があるでしょう。通常のGPT3.5であれば無料ですが、安全性や正確性を考慮すると、使用方法は限定的になってしまいます。有料版のGPT4.0は、正確性や追加機能面でGPT3.5よりも性能が上です。
より安全に使用するには、APIやAzureとの連携、商用利用に特化したプランである「ChatGPT Enterprise」の有料サービスを検討する必要があります。高度な大規模言語モデルを一から構築するより大幅に費用を抑えられますが、利用コストに対してどれだけの効果が得られるのかを把握・検証しておくことが重要です。
AI Marketでは
貴社の要望に応えることが可能な企業複数社の紹介が可能で、
ChatGPTのビジネス活用方法
実際にChatGPTを商用利用する際の活用方法をいくつか紹介します。
社内業務の自動化
ChatGPTを活用することで、社内の規則や規定等に関する質問への対応や、業務フローに関する質問への対応を自動化できます。ChatGPTに自社特有の情報を利用したChatGPTの構築を行うことで、これまで特定の従業員が対応していた業務の自動化が可能です。
具体的には、以下のような方法で自動化を行います。
- 自社システムやウェブアプリケーションにAPI連携をしてChatGPTを利用する
- Azure OpenAI Serviceを使い、Azure上でChatGPTを利用する
- Azure ChatGPTを使い、自社内でChatGPTのクローンを作成して利用する
これらの方法では、ChatGPTが学習した自社特有の情報がOpenAI社に使用されることはなく、セキュアな環境で社内対応を自動化できます。なお、Azure ChatGPTは8月に情報が公開されたばかりで、現時点ではローカル環境で動かすことが難しく、日本語入力周りにも不具合がある状態です。今後の改良などの動向が注目されます。
顧客対応の自動化
ChatGPTを活用することで、以下の顧客対応の自動化が可能です。
- パーソナライズされたDMの送信
- ヘルプデスクの対応
- 商品やサービスの注文に対する対応
- 顧客への提案内容作成
- 顧客アンケート結果の分析
高性能なチャットボットとしての顧客対応の自動化はもちろん、顧客への提案内容の作成や顧客アンケート結果の分析など幅広く利用することができます。顧客情報をChatGPTで取り扱う場合は、APIなどを使い情報が外部に出ないように徹底して対策を行う必要があります。
コンテンツ・文章作成の効率化
ChatGPTは、情報発信サイトやSNS等のコンテンツや記事を作成し、配信・公開することも有効に活用できます。具体的には、以下のようなことができます。
- 記事作成の効率化
- SNS 投稿のアイデア創出
- 多言語対応のコンテンツ制作
記事作成の効率化
ChatGPT にキーワードやテーマを入力することで、記事の構成や文章を生成することができます。生成された文章をもとに、編集やブラッシュアップを行うことで、従来よりも効率的に記事を作成することが可能となります。
ただし、ChatGPTの情報が最新のものであるか、誤った情報でないかを確認する必要があります。
SNS 投稿のアイデア創出
ChatGPTに投稿の目的やターゲットを伝えることで、適切な文章やハッシュタグを生成することができます。字数や表現方法などを指定すれば、各SNSに特化した投稿アイデアを作成できるでしょう。
また、画像や動画に関する説明文やキャプションのアイデアも生成できます。ChatGPTを活用することで、より効果的で多様な SNS 投稿が簡単に行えます。
多言語対応のコンテンツ制作
ChatGPTは多言語対応が可能なため、翻訳や多言語のコンテンツ作成にも活用できます。また、言語や文化の違いを理解し、地域特有のニュアンスを取り入れたコンテンツを生成することも可能です。
自社サービスの多言語対応や、海外顧客へのアプローチが可能となり、グローバルな市場へのビジネス展開ができるようになります。
データ集計・分析
通常、データの集計や分析でAIを活用するには、専門的な知識やプログラムコードが必要となります。しかし、ChatGPTでは話し言葉で指示することで、Pythonプログラムを生成・実行し、結果を出力できるAdvanced Data Analysis(旧Code Interpreter)という機能があります。これは、GPT-4.0(有料プラン)の追加機能となっています。
ChatGPTに送るプロンプトに以下のファイルを添付することができ、そのファイルの操作や読み込みを行うことができます。
- Excel
- CSV
- Word
- PowerPoint
- 画像
- 音声
ファイルを使用して、ChatGPTにどのような集計や分析を行うのかの指示を送れば、自動的にPythonのプラグラムコードを作成・実行することが可能です。この機能により、AIでデータ分析を行いたくても専門知識のハードルが高く躊躇している方でも、簡単にデータ分析を行うことができるでしょう。
ChatGPTの商用利用についてよくある質問まとめ
- ChatGPTは商用利用できる?
ChatGPTを開発したOpenAI社の利用規約には、出力結果 に関するすべての権利、権原、および利益はユーザーに譲渡され、販売や出版などの商業目的を含むあらゆる目的でコンテンツを使用できる旨が記載されています。つまり、OpenAI社の利用規約上は、ChatGPTでの生成物を商用目的として利用することに何の問題もありません。詳しくはこちらにジャンプ。
- ChatGPTの商用利用の注意点は?
ChatGPTは利用規約上は商用利用できますが、注意しなければならない点がいくつかあります。
- ポリシー違反
- 著作権の侵害
- 自社用のカスタマイズの必要性がある
- 公開する際の注記
- 誤った情報や不適切な表現
- 費用対効果
まとめ
OpenAI社の
しかし、これらをクリアすれば、
AI Marketでは
貴社の要望に応えることが可能な企業複数社の紹介が可能で、
ChatGPTの事業活用に強いAI開発会社を自力で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
