最終更新日:2022-08-15
【必見】AIプラットフォームを徹底比較!Google、Microsoftからスタートアップまで厳選13選!

AI(人工知能)は強力で便利なものですが、すべてを1から開発するのには時間とコストがかかります。そんなAI開発を手軽にしてくれるのがAIプラットフォームです。
しかしながら、各社さまざまなAIプラットフォームをリリースしており、自分の目的に合ったものがどれなのかわからないのではないでしょうか。
この記事では、AIプラットフォームの一般的なメリットの解説に加え、具体的なAIプラットフォームについて違いを、AI Marketのプロのコンサルタントが比較表を元にご紹介します。ぜひAIプラットフォーム選びの参考にしてください。
目次
AIプラットフォームとは?
AIプラットフォームとは、AI開発に必要な環境が事前に用意された土台のことです。AIプラットフォームを活用することで、開発のコストや期間を抑えつつ、AIの質を向上することができます。
AI開発が手軽
AIを開発する際、通常はAI自体の開発の前にAI開発環境を構築する必要があります。これにはコストや工数が必要ですが、AIプラットフォームを活用すればすでに存在する開発環境を利用可能です。これにより、より重要なAI自体の開発にリソースを投入することが可能でしょう。
また、AI開発には学習データの量や質が重要ですが、AIプラットフォームによってはデータが提供されているものも存在しています。提供されているものを利用すれば、データを持っていない方でもAI開発を行うことが可能です。
オープンソース化されたものもある
AIプラットフォームのなかにはオープンソース化されたものも存在しています。オープンソース化することで、開発者やサードパーティなどの参加をうながし、より広く普及を狙うことができるからです。
広く普及したAIプラットフォームは、使用するための情報も多く、はじめて使う方にも使いやすいといえるでしょう。また、自分が使いやすいようにカスタマイズできるのもメリットといえます。
AIエンジンをオープンソース化する目的とは?
一見、重要な資産に思えるAIエンジンをあえてオープンソース化するのはなぜなのでしょうか。その理由を見ていきたいと思います。
AIを賢くできる
一番の理由は、より多くの人々が開発に携わることによる、AIエンジンの進化です。社員のみが開発するのでは、工数的にもアイデア的にも限りがあります。それを、全世界の人々が開発に参加する形にすることで、より多くのスキルやアイデアを取り込めるわけです。
オープンソース化するタイミング
各企業は、AIプラットフォームを最初からオープンソースにしているわけではありません。一般的には、大量のデータを保有してからオープンソース化に踏み切っています。
これは、AIにとって重要なのはアルゴリズムよりも学習に使うデータであるからです。いくら優秀なAIエンジンであっても、十分な量と質を持ったデータがなければ役に立ちません。このため、各企業は、自身が他に対して圧倒的に優位に立てるだけのデータを手に入れてからオープンソース化を行っています。
オープンソースのプラットフォームを活用するメリットとは?
オープンソースのソフトウェアを利用するのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な3点を解説します。
コストを抑える
一番のメリットは、オープンソースのソフトウェアは無料で利用できるという点です。
大規模なソフトウェアには高額なライセンスを必要とするものが少なくありませんが、オープンソースなら無料で利用できます。浮いた分の資金をほかに回すことができるため、大きなメリットといえるのではないでしょうか。
カスタマイズの手軽さ
オープンソースのソフトウェアは、その名の通り、ソースコードが公開されています。このため、そのソフトウェアのなかに気に入らない部分があったとしても、自分で改変して使用することが可能です。
バグ修正の最適化
ソフトウェアにバグはつきものですが、オープンソースでないソフトウェアにバグが見つかった場合は開発元に修正を依頼する必要があります。修正までに時間が必要とされることも少なくなく、プロジェクトがその間止まるということもあり得るでしょう。
一方、オープンソースであれば、自分でソースコードを追ってバグを見つけることも可能です。また、広く使われているソフトウェアであれば、ほかの方がすでにバグを見つけてくれていることもあるでしょう。
AIプラットフォームを徹底比較12選!
オープンソース化されていることのメリットを先述しましたが、プラットフォームが必ずしもオープンソースでなければいけない、ということはもちろんありません。
寧ろ、オープンソースとして提供されているプラットフォームの方が少なく、有償で充実した機能を提供しているプラットフォームが多く存在します。
ここからは具体的に各AIプラットフォームを比較しながら紹介します。まずは比較表をご覧ください。
尚、ここではオープンソースを指してOSS(Open Source Software)と表記しています。
プラットフォーム | 提供会社 | 種別 | 特化分野 |
---|---|---|---|
Google Cloud AI | 有償 | 汎用 | |
TensorFlow | OSS | 汎用 | |
Microsoft Azure AI | Microsoft | 有償 | 汎用 |
IBM Watson | IBM | 有償 | 汎用 |
MindMeld | CISCO | OSS | 音声インタフェース、チャットボット |
Amazon SageMaker | Amazon | 有償 | 汎用 |
ABEJA PLATFORM | 株式会社ABEJA | 有償 | 汎用 |
harBest for MLOps | 株式会社APTO | 有償 | 汎用 |
KAMONOHASHI | 日鉄ソリューションズ株式会社 | OSS | 画像認識 |
SyncLect | Headwaters | 有償 | 汎用 |
MatrixFlow | 株式会社MatrixFlow | 有償 | 汎用 |
TAiVIS | 東京エレクトロン デバイス株式会社 | 有償 | 画像認識(外観検査) |
Findability Platform | Findability Sciences株式会社 | 有償 | データ予測 |
Google Cloud AI
インターネット界の巨人であるGoogleは、Google Cloud Platformというクラウドコンピューティングサービスを提供しています。
提供されるサービスは多岐にわたりますが、そのなかにGoogle Cloud AIが含まれています。AIのなかにもCloud Speech-to-Textという音声の文字起こし、Cloud Translation APIという翻訳、Cloud Vision APIと呼ばれる画像に関するものなど、さまざまなサービスを含むプラットフォームです。
TensorFlow(Google)
TensorFlowはGoogleが提供するAIフレームワークですが、こちらはオープンソースで公開されています。
用途としては、顔認識や音声認識をはじめ、メール分別やメール自動返信文作成、さらには自動運転車にも応用可能な自由度の高いライブラリで、非常に多く活用されています。
TensorFlow for MobileやTensorFlow Liteという2種類のモバイル機器向けのものもあり、より幅広い応用範囲で利用可能となっています。
Microsoft Azure
Microsoft Azure AIはWindowsやOfficeを開発するMicrosoftが提供するクラウドコンピューティングサービスにおけるAIプラットフォームです。
AIと機械学習に関するサービスも数多くあり、画像やテキストに関するものだけでなく、サーバーレスボットサービスや質問と回答の生成、感情とトピックの理解など、高度な処理が可能となっています。
IBM Watson
IBM Watsonは、IBMが開発した、コグニティブ(認知)・コンピューティング能力を世界で初めて商用化したサービスです。
Watsonの名称で提供されているサービスは、画像解析からビッグデータ解析、自然言語処理など、多岐にわたります。その応用範囲は顧客対応から医療、教育、人材育成など、かなり幅広いです。
MindMeld(CISCO)
MindMeldは2017年にCISCOによって買収されたMindMeld社が開発した、対話型AIプラットフォームです。
チャットボットを自作するためのPythonベースのフレームワークとなっており、最近流行の対話型システムをかんたんに構築することができます。
Amazon SageMaker
Amazon SageMakerはAmazon Web Service(AWS)が提供する機械学習のサービスで、機械学習のワークフロー全体を扱うための統合ツールです。機械学習に含まれる要素をマイクロサービス化し、それらをAPIでつないでいる点が特徴となっています。
Amazon SageMakerには一般的な機械学習アルゴリズムが事前にインストールされ、かつ最適化が行われており、ほかの機械学習サービスと比較して最大10倍の性能で実行できるのも特徴の1つです。
ABEJA PLATFORM
ABEJA PLATFORMは、学習だけでなく、データの取得、蓄積、デプロイ、推論と再学習に至るまで、AIシステムに必要なサービスを人的なサポートも含めて提供しているのが特徴です。
たとえば、AI構築のなかでも泥臭く時間がかかる作業であるアノテーションを省力化するためのツールの提供をしたり、アウトソーシング会社を使ってアノテーションを専門とするメンバーの確保と提供をしたりしています。
harBest for MLOps
harBest for MLOpsは、株式会社APTOの提供するノーコードAI開発ツールです。データサイエンティストや機械学習エンジニアと言ったAIの専門人材がいなくても、ノーコードでAIを開発することが可能な点が特長です。
画像認識や物体検出、文章分類モデルなど、様々なAIモデルに対応しているだけでなく、AIモデルの精度監視を行う機能も付いています。
また、同社が提供するデータ作成ツールの「harBest for Data」と連携することで、より簡単にAIを構築することができるようになります。
KAMONOHASHI
KAMONOHASHIは、日鉄ソリューションズのAI構築支援ツールであり、オープンソースソフトウェアとして公開されています。同社が過去に画像認識システムを自分で開発した際に必要だと思ったことを実装しており、実用的に作りこまれたプラットフォームです。
たとえば、学習の際にはデータを何パターンも学習に使いますが、データに対してどのパターンをどう試行錯誤したのかを自動的に管理できるようにしています。
SyncLect
SyncLectは、データ統合管理と高速開発を特徴するプラットフォームです。画像AI、音声AI、言語識別AI、感情認識AI、機械学習、深層学習などを利用することができます。
AIの基本機能がコンポーネント化してあるのが特徴で、組み合わせ次第でAIプロジェクトを高速開発することが可能です。また、既存のシステムやクラウドサービスとAPIで連携することができるのも特徴の1つといえます。
MatrixFlow
MatrixFlowは、データ分析や機械学習の知識がなくても、コードを書くことなく精度の高いAIを構築できるサービスです。
数値データ、テキストデータ、画像データのいずれも扱うことができ、ユーザーは自前のデータを用意するだけで利用できます。また、既存の予測/分類テンプレートも用意されていますので、初心者でもかんたんにAIモデルを構築可能です。
TAiVIS
工場での外観検査を自動化するためのAI外観検査プラットフォームがTAiVISです。OKの画像とNGの画像をサーバーで学習させることで学習済みモデルを作成し、実際の現場で推論を行わせます。
また、AIアクセラレーターカードも用意されており、これまで数台のPCで行っていた処理を代替することでシステムコストの削減にも寄与することが可能です。
Findability Platform
Findability Platformは、ユーザーが保有しているデータに加え、一般的には予測用データとしての活用が難しいとされる「Webニュース記事」や「SNSの書き込み情報」などといったデータを予測用データとして活用することができるAIプラットフォームです。マーケティングに重要とされる情報がさらに活用され、予測精度の向上が期待できるでしょう。
また、Findability Platformには「セルフラーニング機能」が搭載され、日々蓄積されるデータを学習し続けます。これにより、日々変化するビジネス環境においても、高精度な予測を提供し続けることが可能です。
効率的で質の高いAI開発を!
この記事で紹介したように、すでに世の中には多数のAIプラットフォームが存在し、開発者にはさまざまな選択肢があります。
どれも似たようなものに一見すると感じますが、それぞれに特長や得意分野が存在していることがおわかり頂けたのではないでしょうか。
AIプラットフォームは、自社でAIモデル構築を行う際には今や欠かせないほどの存在になっています。そのため、AI開発におけるモデルの精度を左右すると言っても過言ではないほど重要です。
そんなAIプラットフォームの選定は絶対に失敗できません。とは言え、選定に時間やコストをかけることも避けたいのが実情ではないでしょうか?
そのような場合は、ぜひAI Marketへご相談ください。
AI Marketでは、AIプラットフォーム選定のサポートから、最適なプラットフォームの紹介まで行っています。
