Microsoft Azureの料金の仕組みは?費用を抑える方法・絶対必須の見積もり計算ツールの使い方を解説!
最終更新日:2024年11月12日
クラウドサービスを使用する流れが進む中、Azure(アジュール)を提供するMicrosoft社は2024年の4月に20%の値上げすることを発表しました。クラウドサービスを使用する企業にとって、コスト管理の重要性が益々高まっています。
そこで、今回は
関連記事:「Azureのサブスクリプションとは?種類ごとの特徴・リソース管理方法・活用法をわかりやすく解説!」
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目次
Azureの料金の仕組み
Microsoft Azureの料金体系は、サービスの利用量に基づいた従量課金制を採用しています。これは、使用したリソースの量やサービスの種類に応じて料金が決定される料金モデルです。
Azureでは、仮想マシン、データベース、ストレージ、アプリケーションサービスなど、さまざまなクラウドサービスを提供しており、それぞれに独自の料金設定があります。
料金の基本的な構成要素
従量課金モデルであるAzureでは、主に以下の要素がコストに反映されます。
コスト要素 | 説明 |
---|---|
サービスの種類 | Azureが提供するサービスの中で、どのサービスを利用するかにより料金が異なります Azureの使用目的を明確にし、必要なサービスを整理することが必要です |
サービスの規模と性能 | 選択するサービスの規模や性能レベルによっても料金が変動します 例えば、より高性能の仮想マシンや、より大容量のストレージを選択すると、料金は高くなります |
使用時間 | サービスを利用した時間に基づいて料金が計算されます 多くのサービスで、分単位での計算が行われます |
地域 | 移動中や手軽に使用する場面に適している |
使用場面 | Azureのデータセンターが存在する地域によっても料金が異なります 地域によっては、特定のリソースが安価に提供されることもあります |
料金体系の柔軟性
Azureは、利用者がコストを最適化できるように、予約購入やスポット購入など、複数の支払いオプションを提供しています。プロジェクトの期間や用途に合わせて柔軟にカスタマイズできるモデルになっています。
料金見積もりとコスト管理
Azureの料金体系を理解し、自身のプロジェクトに適した料金プランを選択することは、コスト効率をあげる上で重要です。Azureは、料金見積もりやコスト管理のためのツールも提供しており、これらを活用することで、予算内でプロジェクトを推進することに役立ちます。
データ送信(アップロード)に関する費用
- アップロード費用なし:Azureへのデータ送信(アップロード)に関しては、無制限で費用がかからず行うことができます。これは、企業がオンプレミス環境からクラウドへの移行を検討する際に、大きなメリットとなります。
- Azure内のデータ移動:Azureバックアップサービス間でデータを転送する場合も、これには費用がかからないため、効率的なデータ管理と保護戦略を実行できます。
データ転送(ダウンロード)に関する費用
Azureからのデータ転送(ダウンロード)時には、転送するデータ量に応じた費用が発生します。このコストは、データをクラウド外部に移動させる際に考慮する必要があります。
ストレージ利用料
ストレージの利用料金は、実際に保存しているデータの量に基づいて計算されます。Azureバックアップの利用料は、バックアップされたデータの実際のサイズ(圧縮・暗号化後)に基づいて計算されます。
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関連記事:「AWSとAzureを徹底比較!強みや弱み、適したケースなどを徹底解説」
Azureの料金を算出する2つの方法
Azureの料金を正確に算出するには、利用予定のサービスの種類、必要なリソースの規模、使用時間、そして選択する料金プランに応じて計算を行う必要があります。ここでは、2つの算出方法をご紹介します。
導入支援事業者に依頼する
導入支援事業者は、クラウドサービスの導入や運用に関する専門知識を有しており、企業のニーズに応じた最適な料金見積もりを提案してくれます。これにより、過剰なコストを避け、必要な機能に正確に投資できます。また、料金計算の手間を省くことができ、他の業務に集中することができます。
料金計算ツールを使用する
料金計算ツールは、より簡単かつ正確に料金見積もりを行うための便利な方法です。特に複雑な構成や複数のサービスを組み合わせる場合に有効で、予想される月額料金を迅速に算出することができます。
料金計算ツールの使用は、特にAzureの料金体系に不慣れな方や、正確な予算策定を行いたい場合に推奨されます。次のセクションで、具体的な料金計算ツールをご紹介します。
Azureの料金を抑えるためのコツ3選
Azureクラウドサービスを利用する際、コスト管理は非常に重要です。料金を効率的に抑えることで、同じ予算内でより多くのリソースを活用したり、長期間にわたってプロジェクトを維持したりすることが可能になります。以下に、Azureの料金を抑えるためのコツを3つ解説します。
無料枠の活用
Azureには無料枠が存在し、申し込みから約12カ月間利用することができます。この期間中、無料で一定のクラウドサービスを利用することが可能です。無料枠に含まれるサービスは定期的に変更されるため、Microsoftの公式ページで最新情報を確認することを推奨します。
予約購入による割引
Azureには予約購入オプションが存在します。1年や3年などの期間でリソースを事前に予約することによって、大幅な割引が受けられます。特に、長期間にわたって一定のリソースを利用する予定がある場合には、従量課金制に比べてコストを大きく削減できます。
計画的にリソースを管理し、事前に使用量を見積もることができる場合には、このオプションを積極的に検討しましょう。
使用していないリソースの停止または削除
Azureのコスト管理において重要な点の一つが、使用していないリソースの停止または削除です。不要なデータや古い世代のバックアップをAzureに保存せず、適切なデータライフサイクル管理を実行することは、コスト効率の良いクラウド運用のために不可欠です。
ストレージの利用料金は、割り当てられたディスクサイズではなく、実際に保存しているデータの量に基づいて計算されます。ですから、起動しているリソースに対して継続的に料金が発生します。
したがって、不要になったリソースを放置しておくと、その分余分なコストがかかってしまいます。必要なくなったリソースなどは積極的に削除しましょう。削除前には、必要なデータが失われないように、適切なバックアップを取っておくことが重要です。
簡単!Azureの料金計算ツール3選
料金計算ツールを活用することで、正確かつ効率よく料金を知ることができます。ここでは、3つの手法についてご紹介します。
Azure Pricing Calculator(公式)
Microsoftが提供する公式の料金計算ツールで、Azureの全サービスにわたる詳細な料金見積もりが可能です。ユーザーは以下のようなパラメータを指定することで、総コストを把握できます。
- 必要なサービスの種類
- リソースのサイズ
- 使用期間
- 地域
特に、複数のサービスを組み合わせて利用する場合や、長期間にわたるプロジェクトでのコスト見積もりに便利です。
見積手順
Azureの多様なサービス群の中から、「Virtual Machines」を例に取り、リージョン、オペレーティングシステム、種類、レベル、インスタンスの選択を通じて、料金の見積もり方法を説明します。
- リージョンの選択
Azureリージョンは、Microsoftが世界中に設置しているデータセンターの地理的なエリアを指します。リージョンによって、提供されるサービスの種類や料金が異なるため、プロジェクトの要件や顧客の地理的な位置に基づいて選択することが重要です。 - Virtual Machinesの選択
Virtual Machinesの選択では、オペレーティングシステム(WindowsまたはLinux)、仮想マシンの種類(汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化など)、およびサイズ(性能レベル)を指定します。これらの選択肢は、アプリケーションの要件やパフォーマンスの必要性に応じて選択されます。 - 課金プランの選択
課金プランには、「従量課金」プランと「予約インスタンス」プランがあります。従量課金プランは、実際に使用した分のみを支払う方式です。一方、予約インスタンスプランでは、1年または3年の契約期間で割引が適用され、長期的にサーバ構成が大きく変わらないプロジェクトに適しています。 - ストレージの選択
最後に、Managed Disksの選択があります。ここでは、ディスクのレベル(プレミアムSSD、スタンダードSSD、スタンダードHDDなど)とサイズ、必要なストレージトランザクションと帯域幅を指定します。
TCO計算ツール(公式)
Microsoftが提供する「TCO (Total Cost of Ownership) 計算ツール」は、経営者やITプロフェッショナルにとって非常に有益なリソースです。このツールは、オンプレミス環境の維持・運用コストと、Microsoft Azureクラウドサービスの利用コストを比較し、Azureへの移行がもたらすコスト効率と長期的な経済性を評価するのに役立ちます。
TCO計算ツールの活用方法
- ワークロードの定義
初めに、現在のオンプレミス環境におけるサーバーインフラ、データベース、ストレージ、ネットワークの種類を定義します。これは、Azureへの移行を考える際に、現在のインフラの要件と比較する基盤を作るためです。 - 前提条件の設定
次に、オンプレミス環境の運用に関わる前提条件を調整します。これには、
・ハードウェアの導入費用
・運用管理の人件費
・電力消費費用
・データセンターの維持費用
このステップで詳細な情報を提供することで、より正確なコスト比較が可能になります。 - 試算と比較の結果の確認
情報入力後、TCO計算ツールは、オンプレミス環境とAzure環境のコストを比較し、試算結果を提示します。
この結果を通じて、Azureへの移行によるコスト削減の見込みや投資回収期間を把握できます。
Microsoft Azureへの移行を検討しているならTCO計算ツールを活用して、実際のコスト削減効果を把握し、より情報に基づいた決定を行うことができます。
Microsoft Cost Management
Microsoft Cost Managementは、既にAzureサービスを利用しているユーザー向けに、使用中のサービスのコスト管理と最適化を支援するツールです。料金計算だけでなく、コストの監視、予算の設定、コスト削減のための推奨事項など、コスト管理に関する包括的な機能を提供します。このツールを使用することで、現在のコスト状況を把握できるだけでなく、今後の料金を見積もる手助けとなります。
サードパーティの料金計算ツール
Microsoft以外の会社が提供する料金計算ツールもあります。これらのツールは、特定のニーズに特化していたり、独自の機能を提供している場合があります。例えば、より詳細なコスト分析機能や、特定の業界向けのコスト見積もり機能を持つツールなどが存在します。サードパーティのツールを選択する際は、信頼性や正確性、ユーザーレビューなどを慎重に評価することが重要です。
Azureの料金についてよくある質問まとめ
- Azureの料金計算ツールは?
- Azure Pricing Calculator
- Azure Cost Management + Billing
- サードパーティの料金計算ツール
- Azureの料金を抑えるためのコツは?
- 予約購入による割引を利用する
- 使用していないリソースの停止または削除
- 無料枠の活用
まとめ
この記事では、Azureの料金体系の仕組み、料金を算出する方法、オススメの料金計算ツールなどについて解説しました。これらを抑えた上で、Azureをうまく活用し、自社のビジネスをさらに加速させていきましょう。
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