最終更新日:2024-10-02
DALL・E 3(ダリ・スリー)とは?料金・メリット・デメリット・活用例・注意点を徹底解説!
DALL·E 3は、OpenAIが開発した画像生成AIで、ChatGPTとの統合により高度な自然言語理解を実現し、より高精度な画像生成が可能となりました。
本記事では、
生成AI技術の導入を検討している企業担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:「画像生成AIとは?技術の基礎・活用方法・今後の課題徹底解説」
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目次
DALL・E 3とは?
DALL・E 3(ダリ・スリー)とは、
DALL・E 3は、
DALL・E 3の特徴
DALL・E 3の主な特徴は、以下のとおりです。
- 自然言語理解能力
- 高解像度画像生成
- 高速処理
DALL・E 3は自然言語の理解力に優れており、複雑なプロンプトにも自然文のプロンプトにも対応できます。そのためほかの画像生成AIと比べ、具体的で複雑なイメージを正確に表現することが可能です。
また高解像度の画像生成が可能であり、細部まで詳細な描写ができます。これにより、印刷やデジタルでの多用途な利用が期待されています。
ほかには、数秒から数分程度で画像を生成できる高速処理が可能な点もDALL・E 3の特徴です。ChatGPTの高度なテキスト分析力が、DALL・E 3の高速処理に寄与しています。
DALL-E 3 vs Stable Diffusion vs Midjourney比較
特徴/AIツール | DALL-E 3 | Stable Diffusion | Midjourney |
---|---|---|---|
無料版 | あり(Copilot版) | オープンソースで無料 | なし($10から) |
画像のクオリティ | 高品質だが、Midjourneyには劣ることも | 高品質で多様なスタイルに対応 | 圧倒的且つ創造性のある画像のクオリティ |
使いやすさ | 簡単で直感的な操作が可能 | カスタマイズ性が高いが、設定が必要(特にWeb UI) | Discordからの使用でコマンドの理解が必要 |
商用利用 | ChatGPT有料版で可能 | 自由に利用可能 | 商用利用は制限あり |
特別な機能 | 微調整が可能 | 高いカスタマイズ性 | アーティスティックな画像生成 |
DALL-E 3は、初心者にとって使いやすく、プロンプトを基にした画像生成が可能で、商用利用にも対応しています。
Stable Diffusionはオープンソースで自由に使える一方、設定が必要でカスタマイズ性が高いです。
Midjourneyは有料ですが、非常に高品質な画像生成が可能で、アーティスティックな表現に優れています。このように、DALL-E 3は使いやすさと商用利用の利便性を兼ね備えており、初心者やビジネス用途に適しています。
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DALL・E 3を使う方法
DALL・E 3は以下のサービスで気軽に利用できます。以下では、各ツールの概要や料金、使い方を紹介します。
ChatGPT
ChatGPTでDALL・E 3を使う際には、まずChatGPTのアカウントの作成が必要です。アカウント登録後、DALL・E 3を利用するには作成したい画像のアイデアや詳細をチャット入力欄にテキストで入力すると、その指示に基づいてDALL・E 3が画像を生成し、表示されます。
なお、ChatGPTは無料プランと有料プランがあり、
関連記事:「ChatGPTで画像生成する最速5ステップは?追加料金必要?プロンプトのコツまで徹底解説!」
Image Creator from Microsoft Designer
Image Creator from Microsoft Designerは、
利用するには、まずMicrosoftアカウントを作成し、Image Creator from Microsoft Designerにアクセスします。インターフェースに表示される入力欄に、生成したい画像の説明を入力することで、DALL・E 3がその指示に基づいた画像を生成し、すぐに表示されます。
Microsoft Copilot
Microsoft Copilotは、
Microsoft 365のアカウントを取得し、Copilotにアクセスすることで、WordやPowerPointなどのOfficeアプリケーション内で、生成したい画像の指示を入力できます。Copilotは指示に基づいて画像を生成し、その画像をドキュメントやプレゼンテーションにそのまま挿入できます。
関連記事:「Microsoft Copilot Proとは?無料版との機能比較・価格・企業での活用方法を徹底解説!」
APIからの使用
DALL・E 3のAPIを使えば、画像生成機能を外部環境で利用できるようになります。例えば、自社サービスの中で、テキストプロンプトに基づいて画像を生成することができます。
DALL・E 3 APIを利用するには、OpenAI APIアカウントが必要です。APIキーを取得し、APIリクエストに「dall-e-3」モデルパラメータを指定することで利用できます。
DALL・E 3のAPI利用料金は、標準解像度(1024×1024ピクセル)で1画像あたり0.04ドル、HD解像度(1024×1024ピクセル)で1画像あたり0.08ドルです。これにより、開発者や企業はコストを抑えつつ高品質な画像生成を行うことができます。
関連記事:「生成AIのAPI、プラットフォーム別に紹介!各ツールの特徴を徹底解説!」
DALL・E 3の8つのメリット
DALL・E 3は、画像生成AIのなかでも特に優れた機能性と使いやすさを誇り、多くのメリットがあります。以下にDALL・E 3の主なメリットを紹介します。
日本語の自然文に対応できる
ほかの画像生成AIツールでは、特定のプロンプト形式や英語入力が必要な場合もしばしばです。一方、DALL・E 3はChatGPTとネイティブ統合しているので日本語の自然文を正確に解釈し、ユーザーの意図に沿った画像を生成できます。
例えば「さんさんと日光が入るオフィスで談笑する女性2人」や「アヒルがニコッと笑っているイラスト」など、日本語の自然な表現に対応可能です。
英語プロンプトが必須、または日本語プロンプトではニュアンスが伝わりにくいMidjourneyやStable Diffusionと言った競合画像生成AIと比較して大きなメリットです。
デザインやAIが専門外の企業でも、画像生成AIのスムーズな導入が期待できます。
ジャンルを問わず多様な画像を生成できる
DALL・E 3は、多様な画像生成能力を持ち、幅広いデザインジャンルの画像を生成できます。
DALL・E 3で生成できるデザインジャンルの例は、以下のとおりです。
- 写実的な風景画
- 抽象的なアート
- キャラクターデザイン
- 製品デザイン
- ファンタジーイラスト
- テクニカルイラスト
ジャンルが限られる画像生成AIツールも多いなかで、DALL・E 3では2Dから3Dまであらゆるジャンルの画像を生成できます。そのため、複数の専門デザイナーを雇うための人件費を削減できます。
高品質な画像生成
DALL・E 3は、入力されたテキストから高品質な画像を生成する能力を持っています。特に、プロンプトのニュアンスや詳細を深く理解し、画像に反映させることが可能です。
これにより、ユーザーのイメージに近い画像を短時間で生成できます。
プロンプトをすぐに改良できる
DALL・E 3はChatGPT上でネイティブに構築されており、文章生成機能も有するため、プロンプトの改善内容を質問することが可能です。
より高度な画像を生成するには、質の高いプロンプトの入力が必要なため、プロンプトの知識やスキルが必要です。ChatGPTの併用により、プロンプトの知識がなくても、より意図に合った画像を生成することが可能になります。
関連記事:「生成AIはプロンプトで激変?画像生成方法を代表的ツール別に解説!」
画像を微調整できる
DALL・E 3は、プロンプトを与えるだけで、細かく画像をカスタマイズできる点も大きなメリットです。生成された画像に対して追加の指示を与えることで、細かい部分の微調整が可能です。
プロンプトで特定のスタイルや描画対象の数を指定することで、より目的に合った画像を生成できます。例えば、「猫の毛を短くしてください」といった具体的な指示を入力することで、イメージ通りの画像に近づけることができます。
デザイン制作会社を介する場合、修正依頼から反映までに時間を要しますが、DALL・E 3では短時間で修正を繰り返すことが可能です。
簡単な操作性
DALL・E 3は使いやすいインターフェースを提供しており、専門的な知識がなくても簡単に高品質な画像を生成できます。プロンプトを入力するだけで画像が生成されるため、デザインスキルがない人でも利用しやすいです。
基本的にDiscord経由での利用となるMidjourneyや、初期設定や使いこなしに技術的な知識が必要なStable Diffusionよりも取っつきやすいツールです。
無料で試せる
DALL・E 3はMicrosoft CopilotやImage Creator from Microsoft Designerを使えば無料で体験できます。また、1日あたりの上限枚数はありますが、ChatGPT経由でも無料プランを提供しており、初期費用を抑えて導入が可能です。
これにより、試験的な利用から本格的な導入まで、幅広いニーズに応えられます。特に
商用利用可能
ChatGPT Plus版を利用すれば、生成された画像を商用利用することができます。これにより、広告やマーケティング素材の作成など、ビジネス用途にも幅広く活用できます。
関連記事:「DALL・E 3は商用利用できる?認められないケースや注意点も徹底解説!」
DALL・E 3の3つのデメリット
DALL・E 3の活用には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下では、主なデメリットを紹介します。
写実系画像ではAIっぽさが残る
写実的な画像生成においてもDALL・E 3は高度な生成が可能ですが、競合の画像生成AIであるMidjourneyと比べるとAI特有の違和感が残ります。
特に
そのため写実的なビジュアルを重視するプロジェクトでは、ツールとの併用や後処理が必要です。
生成できる画像内容に制限がある
DALL・E 3には、生成できる画像にいくつかの制限があります。例えば、
法的リスクを回避できるメリットがある一方で、創造の自由度が制限される可能性もあります。
企業でDALL・E 3を利用する際には、法的なリスクを避けるため、オリジナルのアイデアやコンテンツを用いて利用することが推奨されます。
カスタマイズ性が低い
他の画像生成AIに比べて、DALL・E 3はカスタマイズ性が低いです。特に、Stable Diffusionのようにモデルを追加したり、追加学習を行うLoRAやControlNetで画風を拡張できる機能がないため、特定のスタイルや構造を再現することが難しいです。
企業でのDALL・E 3の活用例
DALL・E 3は企業においてさまざまな用途で活用でき、特にクリエイティブな業務においてその効果を発揮します。以下に、企業向けに具体的な活用例を2つ紹介します。
コンテンツ制作
DALL・E 3を活用することで、コンテンツ制作に必要な画像を迅速かつ容易に生成することが可能です。以下のような用途でDALL・E 3が活躍します。
- SNS広告:インパクトのある画像の作成により、ターゲット層に効果的に訴求する広告を展開
- 企業コラムや動画のサムネイル:記事や動画に適した画像を作成し、制作スピードを向上
- 宣伝チラシ:プロモーション用のビジュアルを作成し、マーケティングキャンペーンを強化
- ロゴ制作:ブランドイメージに合ったロゴを短時間で作成し、企業のブランディングを支援
企画書・提案書作成
DALL・E 3を企画書や提案書に活用することで、質の高い資料を作れます。具体的な活用例は以下のとおりです。
- ビジュアル補強:提案内容にマッチしたイメージ画像を挿入することで、視覚的に訴求力のある資料を作成
- アイデアの視覚化:抽象的なアイデアや概念を具体的なビジュアルに落とし込み、クライアントや社内の関係者に効果的に共有
DALL・E 3を活用する際の注意点
DALL・E 3を利用する際には、生成AI特有の注意点があります。以下に企業が活用する際の注意点を紹介します。
商用利用ができないケースもある
DALL・E 3の画像は、2024年8月時点で商用利用が認められています。ただし、各ツールの利用規約やコンテンツポリシーの範囲でのみ商用利用が可能なため、利用の際にはそれぞれの規約を確認し、適切な用途で使用することが重要です。
尚、文化庁著作権課のセミナー資料「AIと著作権」が公開されており、こちらに生成AIと著作権に関する詳細の記述がありますので、ぜひご参考ください。
ポイントとしては、類似性や依拠性などがある場合は、著作権侵害の可能性となります。そのため、商用利用可能とは言え、生成した画像のチェックは必要と考えておいたほうがよいかもしれません。
大量の画像を生成するなら有料が必須
無料で使えるImage Creator from Microsoft DesignerとMicrosoft Copilotでは、画像生成の回数やスピードに制限があります。そのため
Microsoft CopilotおよびImage Creator from Microsoft Designerを使って画像生成する場合は、高速で画像を生成できる「ブースト機能」の利用が提供されています。Microsoft Rewardsと呼ばれるポイントサービスを使うことで、ブースト機能の利用回数を増やせるため、制作業務の効率が大幅に向上します。
「AIが生成したこと」を記載する
DALL・E 3で生成した画像を公開する際には、その画像が「AIが生成したものである」と明記するほうがよいでしょう。Open AIの利用規約では、以下のようにAIの生成作品に関する禁止事項を設けています。
禁止事項 お客様は、違法行為、有害行為、又は悪用する行為のために当社の本サービスを使用してはなりません。例えば、以下の事項は禁止されます。
人が作り出したものではない場合に、アウトプットを人が作り出したものと表示すること。引用:利用規約|Open AI
DALL・E 3(APIを含む)で生成された画像には、C2PA仕様のメタデータが含まれます。C2PAは、AIで生成された画像の識別をする技術で、ディープフェイクや偽情報の拡散を防ぐことが目的です。
C2PAのように、生成画像に生成元などの情報が含まれる仕様をコンテンツクレデンシャルと呼び、Adobe Fireflyなども採用しています。
「AIが生成したものである」記載は、
DALL・E 3についてよくある質問まとめ
- DALL・E 3はどのような種類の画像を生成できますか?
DALL・E 3は多様なジャンルの画像を生成することができます。写実的な風景画や抽象的なアート、キャラクターデザイン、製品デザイン、ファンタジーイラスト、テクニカルイラストなど、幅広い用途に対応しています。また、2D画像だけでなく、3Dスタイルの画像生成も可能です。
- DALL・E 3で生成した画像の編集はできますか?
はい、DALL・E 3で生成した画像は、出力後にさらに編集することが可能です。特定のスタイルや要素を追加したり、カスタマイズしたりすることで、より目的に合った画像を作成することができます。生成した画像を基にさらなるデザインの調整を行う際も、短時間で複数の修正が可能です。
- DALL·E 3で生成した画像を商用利用できますか?
ChatGPT Plus版を利用して生成した画像は、基本的に商用利用が可能です。ただし、各ツールの利用規約やコンテンツポリシーを遵守する必要があります。また、AIが生成したことを明記することが推奨されます。顔認証システムの学習材料としての利用など、一部の用途では商用利用が制限される場合があります。
まとめ
DALL・E 3は、企業がAI技術を活用して業務効率化やクリエイティブなプロジェクトを推進するための強力なツールです。導入に際しては、メリットとデメリットを正しく理解し、適切な方法で活用することが重要です。
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