最終更新日:2024-09-06
Runway Gen-2とは?Googleも注目する動画生成AIの特徴・機能・使い方を解説
近年、AI技術の進化により、多岐にわたる分野での応用が進んでいます。特に注目されているのが、動画生成AIです。この分野の進化は、クリエイティブに革命をもたらし、多くのプロフェッショナルや企業が新たな可能性を追求する機会となっています。
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その中で、特に興味を引くのが「Runway Gen-2」です。この最新のAIツールは、前モデルからの大きな進化を遂げ、私たちの創作活動やビジネス運用に大きな革命をもたらします。
本記事では、Runway Gen-2でできること、Gen-1との違い、具体的な活用法
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目次
Runway Gen-2とは?
Runway Gen-2は、テキストだけでなく、画像などからも動画を自動生成できるRunway社の動画生成AIサービスです。任意の画像やプロンプトで指定したスタイルを動画の各フレームに適用することもできます。
Runwayは、GoogleやNvidia、Salesforce Venturesといった名だたる企業から資金調達をしている実力のあるスタートアップです。
2023年の第95回アカデミー賞において7つの賞を受賞した映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(Everything Everywhere All At Once)』にRunwayの技術が使用されていることでも注目を浴びました。
料金
現時点での料金は以下の通りです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
- ベーシックプラン:無料
- スタンダードプラン:月額約1,870円(12ドル)~
- プロプラン:月額約4,370円(28ドル)~
- アンリミテッドプラン:月額約11,800円(76ドル)~
- エンタープライズプラン:カスタム
GoogleはLumiereを自社開発
Googleは、Runwayに投資をしていますが、自前で動画生成AIであるLumiereも開発しています。同じGoogleが投資し、テキストから動画を生成できるRunwayとLumiereですが、精確な物理シミュレーションの反映によって生成する動画の「一貫性」では大きな違いがあります。
Runwayで生成した動画では、ややボケていることや、1つの動画としての統一感・一貫性が保たれていないことが多くあります。生成された動画の精度が高くない場合があるのです。とりあえず今できることを実用的なサービスに落とし込んだというイメージです。
それに対して、Lumiereは動画に一貫性があるということを重視したモデルとなっています。Lumiereで生成した動画は、表情や動き、テイストなどが途中で不自然になってしまうことがなく、あたかも最初からそのような動画であったと錯覚してしまうほどの動画であるというのが最大の特徴です。ただし、まだ一般公開されていません。
Runway Gen-2でできる6つの機能
Runway Gen-2は豊富な機能をもちユーザーを助けます。その中でも主要な機能を3つ紹介します。
テキストから動画への生成(Text to Video)
Runway Gen-2の最も印象的な機能の一つは、AIを使ったテキストからの動画生成です。ユーザーはテキストプロンプトを入力するだけで、その内容を映像化することができます。このプロセスでは、単にテキストを説明するだけでなく、スタイルや雰囲気も指定することが可能です。
たとえば、特定のシナリオや風景、アクションシーンを描写したテキストを基にして、それに応じたビデオを自動生成します。
画像から動画への変換(Image to Video)
画像から動画を生成するこのモードでは、ユーザーは具体的なビジョンをビデオに変換できます。例えば、特定の画像を使って、その画像のスタイルやムードをビデオ全体に適用することができます。
画像とテキストを使った動画生成
テキストだけでなく、ユーザーが指定した画像とテキストを組み合わせて動画を生成することも可能です。画像はビデオの「ドライビングイメージ」として機能し、その画像のスタイルや要素をテキストでさらに詳細に説明することで、より精密なビデオを生成できます。
この機能は、特定のキャラクターや風景を含むビジュアルストーリーを映像化するのに特に有効です。この方法は、特定の画像のスタイルや構成をテキストで詳細に説明し、それを基に動画を作成できます。
スタイリゼーション機能
スタイリゼーション機能を用いると、ユーザーは任意の画像やテキストプロンプトのスタイルを動画の各フレームに適用できます。これにより、統一感のある視覚的スタイルで動画を生成することが可能です。この機能は、ブランドビデオやアーティスティックなプロジェクトに特に有効で、ビデオ全体にわたって一貫した世界観を提供します。
ディレクターモード
ビデオ内でのカメラの動き、強度、速度を操作できるようにすることで、ユーザーがAI生成ビデオのディレクションをより細かく制御できるようにします。実世界のカメラ操作を模倣し、プロフェッショナルな撮影技術をAIが再現することで、映像作品にリアリズムとダイナミズムをもたらします。
マルチモーションブラシ(Multi Motion Brush)
ビデオ内で特定の動きや意図を細かく制御できます。ユーザーは、ビデオの特定のエリアに動きを加えることが可能になり、よりリアルで表現豊かな動画を作成できます。
Runway Gen-1との3つの違い
旧モデルであるGen-1から大幅にアップデートされているのがGen-2モデルです。ここではGen-1との主な違いを解説します。
テキストから動画への直接変換
Runway Gen-1では、既存の動画に基づいて新しい動画を生成することに焦点を当てていました。ユーザーはテキストや画像のプロンプトを使用して、ソースビデオの構造に新しいコンテンツを適用することができました。
これに対して、Gen-2は任意のテキストプロンプトから直接動画を生成する機能を持っています。これにより、ソースビデオがなくても完全に新しい動画を制作できるようになりました。
より高いカスタマイズ性と制御
Gen-2では、ユーザーはビデオ生成プロセスをより細かく制御できるようになりました。具体的には、テキスト記述に加えて、特定のカメラアングルや動きの程度など、追加の入力を通じて生成をより良くガイドできます。
これにより、用途に合った、より精密な動画制作が可能になっています。特にプロフェッショナルなビデオ制作や芸術的なプロジェクトにおいて重要な役割を果たします。
新しいモードと機能の追加
Gen-2では、テキストと画像を組み合わせたビデオ生成や、特定のスタイルをビデオ全体に適用するスタイリゼーションモードなど、新しい機能が多数追加されました。これにより、ユーザーはより多様なクリエイティブな表現が可能になり、ビデオの個性と魅力をさらに引き出すことができます。
Runway Gen-2の利用シーン4選
Runway Gen-2は様々な用途での活用が期待されています。以下は、具体的な活用シーンです。
映画や短編ビデオのプロトタイピング
映画制作者やアニメーターが、映画のシーンや短編ビデオを迅速にプロトタイピングする際にRunway Gen-2を使用できます。テキストプロンプトを利用して特定のシナリオをビジュアル化し、ストーリーボードや初期概念の検討を効率的に行えます。
マーケティングおよび広告素材の生成
企業や広告代理店がマーケティングキャンペーン用のビデオや広告素材を作成する際に、Runway Gen-2を活用して、製品の特徴を強調するクリエイティブなビデオを短時間で生成することができます。これにより、ブランドメッセージを視覚的に訴求する素材が手軽に作れます。
教育コンテンツの開発
教育機関やオンラインコースの提供者が、学習素材やチュートリアルビデオを作成する際に、Runway Gen-2を使用して教材のビジュアル化や解説ビデオの生成が可能です。これにより、学習者が理解しやすい形式で情報を提供できます。
ソーシャルメディアコンテンツの製作
インフルエンサーやコンテンツクリエーターが、ソーシャルメディアプラットフォーム用に注目を集めるビジュアルコンテンツを迅速に作成するためにRunway Gen-2を利用します。特に短い動画や動的なイメージが求められるプラットフォームでの使用に適しています。
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Runway Gen-2の使い方6ステップ
以下は、Runway Gen-2の使い方です。ステップごとに進めるだけで簡単に使うことができます。
1:サインアップ
まず、Runwayのウェブサイトまたはアプリにアクセスし、アカウントにログインします。アカウントがない場合は、新規登録を行います。
2:サインイン
登録後、サインイン操作を行ってください。「Try Gen-2」をクリックしてください。Gen-2を使用するためのダッシュボードが表示されます。
3:プロンプトの入力
動画を生成するためには、テキストベースのプロンプトを入力することから始めます。具体的なシナリオや希望するスタイルを記述し、それに基づいて動画が生成されます。プロンプトは創造的で詳細なほど、より精度の高い結果が得られます。
4:設定の調整
生成する動画の詳細設定を行います。解像度の向上、フレームの平滑化、スタイルの適用など、多様なカスタマイズオプションが利用可能です。これらの設定を調整することで、最終的な動画の品質とスタイルを制御できます。
5:動画の生成
すべての設定が完了したら、「Generate」ボタンをクリックします。システムがプロンプトと設定に基づいて動画を生成し、処理には数分かかる場合があります。生成が完了すると、プレビューを見ることができ、必要に応じてさらなる調整を加えることができます
6:動画のダウンロードと共有
求めるレベルの動画が得られたら、動画をダウンロードして、自分のデバイスに保存するか、直接ソーシャルメディアや他のプラットフォームで共有することができます。
Runway Gen-2を使用する際の注意点
Runway Gen-2を使用する際は、以下に注意する必要があります。
著作権と使用許可
生成された動画や画像を使用する前に、使用するテキスト、画像、その他のメディアが著作権に抵触しないことを確認してください。また、商業的なプロジェクトで使用する場合は、特に注意が必要です。元の素材が第三者の著作権を侵害していないか確認する責任もユーザーにあります。
データプライバシーとセキュリティ
生成するコンテンツに個人情報や機密情報が含まれている場合、その情報の扱いには細心の注意を払う必要があります。Runway Gen-2はクラウドベースで動作するため、データの安全性を確保するための対策が施されていますが、ユーザーとしてもセキュリティ対策を理解し、適切に管理することが重要です。
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Runway Gen-2についてよくある質問まとめ
- Runway Gen-2の具体的な活用シーンは?
- 映画や短編ビデオのプロトタイピング
- マーケティングおよび広告素材の生成
- 教育コンテンツの開発
- Runway Gen-2を使用する際の注意点は?
- 著作権と使用許可
- データプライバシーとセキュリティ
まとめ
ここまで注目の動画生成AIサービスであるRunway Gen-2について詳しく解説しました。広告、教育、エンターテインメントなど、あらゆる分野での活用ができ、今後も多くの企業や個人の助けとなるでしょう。
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