最終更新日:2024-09-23
チャットボットの導入事例19選!人事・営業・CSでの活用ポイント徹底解説!
AIを搭載したチャットボットの導入事例が増えています。AIを活用することで実現する柔軟な応答性能を生かして、コールセンターだけでなく社内対応やセールス、ECサイトなどでチャットボットを活用していている企業も多くなっています。
特に昨今は、ChatGPTに代表されるLLMを活用することで、LLM登場以前のAIチャットボットよりもより柔軟な対応ができるようになっており、AIを活用したチャットボットの活用に拍車がかかっています。
チャットボットの仕組みと種類について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
しかし、自社の事業でAIチャットボットを活用して自動化・効率化をどのように具体化するかお悩みの企業担当者も多いのではないでしょうか?
本記事ではAIチャットボットの導入事例19選や効果的に活用するポイントを解説します。
AI Marketでは
関連記事:「チャットボットのAPIとは?おすすめ製品・活用メリット・導入注意点を徹底解説!」
また、ChatGPTについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
目次
- 1 社内問い合わせ・営業・自治体でのチャットボット導入事例6選
- 2 コールセンターでのチャットボット導入事例13選
- 2.1 新規顧客とのコンタクトを増大(シルバーライフ)
- 2.2 チャットボットによる電話問い合わせ削減(カオナビ)
- 2.3 チャットボット活用による問い合わせ業務効率化(マウスコンピューター)
- 2.4 チャットボット導入によりメールでの問い合わせ件数減少(島村楽器)
- 2.5 チャットボットを活用したFAQダイエット作戦(キリンホールディングス)
- 2.6 チャットボットによるコールセンターの効率化を実現(エイチアールワン)
- 2.7 AIチャットボットで売上20%増大(ナノ・ユニバース)
- 2.8 AIチャットでオペレーター対応削減(ドコモ・バイクシェア)
- 2.9 自動応答で夜間や繁忙期などの人出不足対応(アーツ/TACT)
- 2.10 FAQを活用したAIチャットボットによる自動応答(ゆうちょ銀行/富士通)
- 2.11 コールセンターのAI連携サービス(トランスコスモス/日本アバイア)
- 2.12 問い合わせや修理依頼に無人で自動応答(ニチガス/TACT)
- 2.13 音声認識でAIが自動受付(損保ジャパン/CTC)
- 3 AIチャットボットが注目される理由とは
- 4 効果的にAIチャットボットを活用するポイント
- 5 AIチャットボットについてよくある質問まとめ
- 6 まとめ
社内問い合わせ・営業・自治体でのチャットボット導入事例6選
AIチャットボットの導入事例をご紹介します。実際の事例を知ることで導入メリットがわかりやすくなり、導入後のイメージが付きやすくなるでしょう。
AIチャットボットのそれぞれの導入事例を詳しく解説します。
チャットボットで社内問い合わせの交通整理(川崎汽船)
川崎汽船株式会社では、社内問い合わせの効率を向上するために株式会社ユーザーローカルのAIチャットボット「サポートチャットボット」を導入しました。社内問い合わせでは、そもそも担当部署がわからずに特定の担当者へ質問が集中する課題が生じていました。また、部署違いの問い合わせにより質問に対して正確十分な返答ができていなかったこともありました。
AIチャットボットの活用で、質問ユーザーはまず選択型の質問に回答して質問の解決に取り組めます。選択型の質問で解決しない場合には、適切な部署に質問が転送されて回答できるようになりました。結果的に、月に600件以上の問い合わせをチャットボットが対応し、社内問い合わせの回答がスムーズになっています。回答率は95%と利用者のニーズに応えています。加えて、チャットボットを導入したことで24時間365日の対応も可能です。
取引先からの膨大な問い合わせをチャットボットで対応(ヤマハ発電機)
ヤマハ発電機株式会社では、繁忙期に膨大に発生する取引先からの問い合わせ業務を株式会社ユーザーローカルのAIチャットボット「サポートチャットボット」で自動化しています。繁忙期になると1,000を超える取引先からの問い合わせが殺到することによる業務の多忙化が課題でした。
導入したAIチャットボットは使い勝手の良いインターフェースで、ITリテラシーの低い従業員でも利用できるように工夫されています。チャットボットを導入した結果として、問い合わせの一次受付と対応部署への振り分け業務がスムーズになりました。膨大な問い合わせに対して、実質対応が必要な件数の激減に成功しました。また、チャットボットが問い合わせを24時間365日対応してくれるため顧客満足度も向上しています。
オンライン接客システムに強いAI開発会社をこちらで特集していますので併せてご覧ください。
チャットボットによるインサイドセールス効率化(パイプドビッツ)
SaaS開発を行う株式会社パイプビッツでは、インサイドセールスにチャットプラス株式会社のAIチャットボットChatPlusを活用して新規顧客からの問い合わせ件数を増加させました。パイプビッツの潜在顧客には、営業担当者に電話やメールで質問するまでもないが、話を聞いてみたい層が多くいると考えました。それで、お客様とのコンタクト増加を主な目的としてAIチャットボットを導入しました。
AIチャットボット導入後、話を聞いてみたい顧客からの問い合わせが増加し問い合わせの62%は案件へと進みました。また、そのうち20%は営業へのアポイントとして引継ぎに成功しています。AIチャットボット導入によって問い合わせアプローチを効率化しながら、潜在顧客との接点増加という成果を引き出しています。
営業分野でのAI活用事例についてはこちらの記事で特集しています。
学生からの問い合わせ対応の負担軽減(追手門学院大学)
追手門学院大学では、入学シーズンに膨大に発生する学生からの問い合わせに対応するため株式会社ユーザーローカルのAIチャットボット「サポートチャットボット」を活用しています。大学には問い合わせ窓口が複数あります。そのため、学生が適切な対応部署へ質問ができなかったり、対応部署への案内を行う職員の負担が重くなることが課題でした。特に入学シーズンには学生からの問い合わせが多く、問い合わせ窓口がパンク状態になっていました。
AIチャットボットを導入した結果、繁忙期であっても1日200件近くの問い合わせをAIチャットボットで自動対応できました。また、回答率は98%と高水準を実現できたことで、職員が対応する電話対応件数の減少に成功しています。
C&Cビジネスサービスでの社内問い合わせチャットボットの導入
JBグループのスタッフ部門を担っているC&Cビジネスサービス株式会社は、AIチャットボットを活用して、経理・会計部門の問い合わせ回答システムを構築しています。同じJBグループで情報ソリューションを手掛けるJBCC株式会社の「CloudAIチャットボット」を導入しています。経理・会計部門では、経費精算や勘定科目などの社内からの問い合わせが多く、特に締め日の前後には、他の業務も集中し、問い合わせに時間がとられることで残業時間も多くなってしまうことが課題でした。
CloudAIチャットボットは、経理・会計部門であらかじめ問い合わせの多いものをFAQセットとして登録しています。チャットボットを強化していくために、未回答の質問と新たな質問を抽出してAIに学習させます。また、FAQと文書検索をセットにすることによって学習の手間を削減できるようにしています。
導入効果として、レスポンスの早期化や工数の大幅削減を実現することができました。また、経理財務で開発をしたために、修正をすぐに効率的に行えることも大きな利点です。24時間365日いつでも対応可能なので、担当者が不在だったりしても問い合わせに回答できるようになったとのことです。
経理・会計部門でのOCRなどのAI導入事例はこちらで特集していますのでご覧ください。
自治体で連携してAIチャットボットを育てる取り組み(NEC/地方公共団体・自治体)
NECでは、AIチャットボット活用のボトルネックとなりがちなQAや辞書の整備のプロセスの効率化として、複数の自治体とFAQを共有する取り組みを展開しています。
自治体でもAIを活用したコールセンターの負担軽減の取り組みがなされるようになっています。
特に注目されているのがAIチャットボットです。
職員の業務効率化および生産性の向上を図りながら、住民サービスの向上も目指す必要があります。
問い合わせ対応でAIチャットボットを活用するには、回答するための大量のQAデータが必要です。しかしすべての自治体が十分なFAQを持っているわけではなく、日々の業務に追われFAQの整備にまで手が回らないというところも少なくありません。
そこでNECでは、「みんなで育てるチャットボット」というプロジェクトをスタートさせ、AIチャットボットを期間限定で自治体へ無償提供しました。
複数の団体でデータを共有し蓄積しながら、AIに学習させていきます。QA・辞書の整備プロセスへの負荷を減らしつつ、高品質なチャットボットの利用開始へつなげます。
自治体のサービス向上に活用されているAI導入事例についてはこちらの記事をご覧ください。
AI Marketでは
コールセンターでのチャットボット導入事例13選
AIチャットボットの導入事例をご紹介します。実際の事例を知ることで導入メリットがわかりやすくなり、導入後のイメージが付きやすくなるでしょう。
AIチャットボットのそれぞれの導入事例を詳しく解説します。
コールセンター向けおすすめAIサービス開発会社の記事でおすすめのサービスを紹介しています。ぜひご覧ください。
新規顧客とのコンタクトを増大(シルバーライフ)
高齢者向けの配食サービスを運営する株式会社シルバーライフでは、新規の問い合わせに対応するためにチャットプラス株式会社のAIチャットボットChatPlusを導入しています。シルバーライフでは、新規での問い合わせ数が月間約3,000件あり、質問が集中する時には1日150件を超える問い合わせがありました。問い合わせ件数を減らして対応スタッフの負担を減らすため、自社公式サイトのお問い合わせページや店舗情報を充実させるなどの対策を取りましたが効果がありませんでした。
AIチャットボットを導入した結果、以前までは取りこぼしていたコンタクトをフォローアップできるようになりました。そのことで新たな問い合わせが20%増加しました。しかも、受付センターのスタッフ数を増やすことなく、増加分も含めてすべての問い合わせに対応できています。
チャットボットによる電話問い合わせ削減(カオナビ)
人材マネジメントを提供する株式会社カオナビでは、複雑な問い合わせに柔軟に対応するために株式会社ユーザーローカルのAIチャットボット「サポートチャットボット」を導入しています。カオナビでは、コロナ禍の在宅勤務をきっかけに受電対応ではなくメール対応を余儀なくされています。しかし、メール対応では細かい対応が取れないことが課題でした。
当初は、AIチャットボットによる選択式の質問で対応する形で導入を検討しました。しかし、株式会社カオナビのシステムは新機能のリリースや仕様変更の頻度が高いため質問は複雑なものも多く、選択式の質問だけでは対応しきれない懸念が生じたとのことです。対策として自由入力の質問フォームを併用することで、チャットボットの効果を最大限に活かしています。
結果として、導入した翌年には顧客数が15%増加しているにもかかわらず、問い合わせ数は5%減少しています。また、問い合わせから解決までに要した時間も約20分短縮しました。顧客を待たせる時間が軽減したので顧客の満足度も向上しました。
チャットボット活用による問い合わせ業務効率化(マウスコンピューター)
マウスコンピューター株式会社では、需要急増に対応するために株式会社サイシードのAIチャットボットsAI Chat(サイチャット)を導入しています。新型コロナウイルスの影響により在宅ワークが拡大したことで、PCを求める顧客が多くなり、マウスコンピューター株式会社では問い合わせ業務が急増しました。PC購入サポートでは顧客の属性や利用目的、顧客の希望する商品の性能などによって問い合わせ内容が複雑化することが課題でした。
AIチャットボットを導入して問い合わせ業務の効率化を図りましたが、導入当初は問い合わせ内容の複雑さへの対応が困難で、いまいち効果を発揮できなかったとのことです。しかし、初心ユーザー向けとマニアックユーザー向けのFAQの切り分けなどAIチャットボットを改善していきました。AIの成長に伴い複雑な内容の問い合わせに対応できるようになり、導入半年後には質疑応答を6倍以上可能にしています。
チャットボット導入によりメールでの問い合わせ件数減少(島村楽器)
島村楽器株式会社では、顧客満足度の向上や電話・メール対応の件数減少を目的にチャットプラス株式会社のAIチャットボットChatPlusを導入しました。顧客の問い合わせに迅速に対応し、解決することで、顧客満足度の向上につながると考え、導入を決定したそうです。
AIチャットボットを導入した結果、オペレーターが行っている電話やメールの対応を20~30%減少させることに成功しました。また、チャットボットによる24時間365日の問い合わせ対応により、営業時間外での問い合わせにも迅速に対応できるようになりました。いつでも問い合わせを受け付けることで顧客満足度の向上につながっています。
チャットボットを活用したFAQダイエット作戦(キリンホールディングス)
キリンホールディングス株式会社では、自社公式サイトのお客様相談室に寄せられる質問に対して株式会社サイシードのAIチャットボットsAI Chat(サイチャット)による回答を行っています。ホームページの『お客様相談室』TOP下部にチャットウィンドウを埋め込み、顧客の問い合わせに自動で対応します。顧客はシナリオ型で選択する方法と、自由文で質問する方法の2種類の検索方法で問い合わせできます。
AIチャットボットでの回答により、業務の自動化を実現できました。導入直後に20%程度だった解決率も1年でおよそ40%以上に伸びました。その後解決率が下がってしまうタイミングもあったようですが、AIが使っていたFAQデータベースの量を減少させる対策により逆に解決率が33%も上昇するすばらしい成果を見せています。AIを導入したあと、発生した問題に対して随時対策することで業務の効率化につながる良い事例でしょう。
チャットボットによるコールセンターの効率化を実現(エイチアールワン)
人事のアウトソーシングサービスを運営するエイチアールワン株式会社では、特定時期に急増する問い合わせ対応のために株式会社サイシードのAIチャットボットsAI Chat(サイチャット)に切り替えて業務効率化に成功しています。エイチアールワンでは、年末調整の時期が近づく10月下旬から年末にかけて問い合わせ数が急激に増加します。その期間中、コールセンターが対応しきれないことが課題でした。
コールセンターでの課題解決のため、当初はAIを搭載していないチャットボットを導入していました。しかし、予期していた効果が出ず、新たにAIチャットボットを導入することにしました。その結果、AIを搭載したチャットボットが問い合わせを自動的に回答し、どうしても解決できない問い合わせのみコールセンターが回答しています。結果的に、コールセンターが対応しなければならない問い合わせ数が激減しました。受電率も100%に到達し、コールセンター業務の効率性向上に成功しています。
AIチャットボットで売上20%増大(ナノ・ユニバース)
ナノ・ユニバース株式会社はECサイトにAIを活用したチャットボットを導入することで顧客接点を有効活用し、売上拡大に繋がりました。ECサイトにお問い合わせフォームがありましたが、電話受付ができない深夜などでは対応レベルが下がり機会損失につながっていました。
この機会損失を防ぐために株式会社空色のチャットボットOK SKYを導入しました。その結果、オペレータによる電話応対が終了している時間でも顧客対応ができ、顧客満足度アップに繋がりました。
アパレル・ファッション業界で導入されているAIの活用事例についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。
AIチャットでオペレーター対応削減(ドコモ・バイクシェア)
株式会社ドコモ・バイクシェアは、NTTコミュニケーションズの「Semantic Search Engine COTOHA Chat & FAQ」を導入して、問い合わせ件数が多く集中するFAQを調査し、AIチャットで回答できるように整備しました。株式会社ドコモ・バイクシェアは東京都内や横浜市内などを中心にシェアサイクル事業をしています。
利用者が増大し、問い合わせ件数が月1万件以上になることもあり、コールセンターの電話がつながらないというクレームが増えたということです。しかしながらオペレーターの人材獲得・育成も困難で、コールセンターの機能向上が課題となっていました。
課題の対策として、サービス内容・導入実績・同じNTTグループ、という観点から「Semantic Search Engine COTOHA Chat & FAQ」を導入しました。AIチャットで完結する問い合わせ数が増え、オペレーターの対応を大幅削減が可能になると期待されています。また、分析レポート機能によるデータより応対の品質向上が期待できると考えています。
自動応答で夜間や繁忙期などの人出不足対応(アーツ/TACT)
「おたより本舗」を運営する株式会社アーツは、株式会社TACTの音声認識サービス「AIコンシェルジュ」を導入して音声認識と音声合成を組み合わせた自動応答を行っています。「おたより本舗」は年賀状印刷のネット通販受注件数連続No.1のサービスです。正月前に年賀状の注文に関する電話の問い合わせが集中する問題がありましたが、人材確保が難しく、電話対応に限界を感じていました。
問題を解決するために「AIコンシェルジュ」を導入しました。コールセンターでの音声認識と音声合成を組み合わせた自動応答を行っています。顧客が問い合わせした意図を解釈し、最適な回答を抽出してチャット形式の自動応答が可能です。人での対応が必要な場合、オペレーターに電話を転送できます。24時間対応できることから夜間の注文を増やすことができ、また、AIによる対応で気軽に注文できることから顧客の利便性向上にもつながり、電話対応数の削減になりました。
FAQを活用したAIチャットボットによる自動応答(ゆうちょ銀行/富士通)
株式会社ゆうちょ銀行は、郵便局で富士通株式会社のAIチャットボットの利用を開始したと発表しました。このチャットボットは、ゆうちょ銀行の店舗や郵便局の貯金窓口の担当社員が利用するもので、貯金をはじめとした金融関連の商品・サービスに関する膨大なFAQを検索できるようにしました。
ゆうちょ銀行や郵便局からの問い合わせに電話で応対するパートナーセンターでは、仕事の負荷が大きな課題となっていたということです。パートナーセンターでは、1日あたり約18,000件の電話にオペレーターが問い合わせ対応をしています。
富士通のシステムは、AIで社員とオペレーターとの会話を含んだ検索文をデータとして蓄積して、検索作業を効率化できます。これまで蓄積してきたFAQを活用し、AIを使った社内のナレッジ整備、検索、共有できるシステムを導入したことで、チャットボットでの自動応答を実現可能としました。
オペレーターの負荷軽減とともに、FAQの蓄積を進め、チャットボットに活用していくということです。
コールセンターのAI連携サービス(トランスコスモス/日本アバイア)
トランスコスモス株式会社のシステムは、ユーザーが音声で問い合わせをするとAIが意味を解釈し、合成音声で回答可能とする音声チャットボットを開発しました。AIが回答しきれない場合は、オペレーターへ電話を引き継ぎます。オペレーターの負荷を低減するということです。
コールセンター運営やコールセンター向けのソリューションを提供するトランスコスモス株式会社は、さまざまなコールセンター向けサービスと連携して拡充を図っています。通信機器大手の日本アバイア株式会社のPBX(構内交換機)と連携し、Google CloudのCCAI(Contact Center AI)を活用した音声AI対応サービスに対応しました。
LINE株式会社が提供する電話応対サービス「LINE AiCall」をアバイアのPBXと連携した機能提供も行っています。FAQサイトの運用やAIチャットボットなどノンボイスサポートの導入は進んでいますが、音声での電話対応を望むユーザーも多い現状があります。この連携で、音声でFAQ回答したり、チャットボットへの誘導を音声対話で行ったりを可能としました。
問い合わせや修理依頼に無人で自動応答(ニチガス/TACT)
LPガスの販売大手である日本瓦斯株式会社(ニチガス)と株式会社TACTは、顧客からの問い合わせに自動応答するサービスを開始しました。AIを活用したサービスで、電話で寄せられた問い合わせや修理依頼などに無人で対応可能です。TACTが開発したAI「AIコンシェルジュ」を活用します。
顧客とのやり取りの情報を全てニチガスの担当者に送り、ガス器具の故障や修理などの場合訪問対応します。また、ガスの開栓手続きなどの電話受付も対応しています。
AI自動電話応答は、利用者が窓口の電話へ発信し、AIが電話で質問して問い合わせ内容を振り分けます。開栓の利用場所やユーザー情報などをヒアリングして、受付情報を確認、受付完了後に営業担当者へ情報連携する流れです。
有人対応で運営していた開栓手続きを全てAIによって自動化し、24時間365日電話での開栓の申し込みを受けられる体制を整えました。
音声認識でAIが自動受付(損保ジャパン/CTC)
損害保険ジャパン株式会社(損保ジャパン)は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が提供するAI技術を用いた自動音声対応ソリューションである「CTC-AICON」を導入しました。CTC-AICONはコールセンターにおける問い合わせ対応を、AIを活用しテキスト化、分析、音声応答までを自動で行うソリューションです。顧客からの発話内容から、AIが用件を認識し、引っ越しに伴う住所変更や、控除証明書の発行などを自動で受付可能としています。
損保ジャパンのコールセンターでは、保険の契約内容や手続きなど数多くの問い合わせに対応しています。デジタル技術の活用で簡単な業務は自動で完了し、オペレーターでないと対応できない高度な業務に集中できるようにする狙いがあるということです。
先行して自賠責保険のサポートデスクで導入したところ、AIが自動対応可能と判断した用件のうちで、約7割をオペレーターを介さずに対応できたということです。その後、自動車保険や火災保険にも対象を拡大しました。
コールセンターでAIチャットボット以外に活用されているFAQ構築や自動書き起こしなどのAI活用事例はこちらの記事で解説しています。
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AIチャットボットが注目される理由とは
AIチャットボットとは、AIを用いて人間と自然な対話・応答する自動的会話プログラムのことです。人間との対話を通じて情報収集や自動応答する機能があります。具体的には、自社サイトやサービスなどを利用する方の質問に対し、チャットを通して自動的に回答する機能です。
従来のチャットボットは決まった質問にしか回答できませんでした。そのため、少しでも定型からずれた質問はオペレーターにつないで回答する必要がありました。しかし、AIの進化により、プログラムが自動的に質問者の意図を予測し、回答を学習して質問に対応することが可能になっています。さまざまな質問に対してAIチャットボットのみで解決できます。特に、ChatGPTのようなLLMが登場したことで、その精度が格段に上がっています。また、RAGと呼ばれる技術を活用することで、自社で保有するマニュアルやFAQを元に、AIチャットボットがシームレスに回答を行う、ということも実現可能になっています。
AIチャットボットの仕組み、導入検討方法をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
AIチャットボットを使うのはコールセンターだけ?
AIチャットボットは当初コールセンター業界で広く導入されていました。しかし、「質問に対して回答を準備する」業務は社内のあらゆる部署に存在します。このようなことから、AIを搭載したチャットボットを導入することで人間の介在をなくして、業務の効率化につなげることが多くの業界で注目されています。
例えば、飲食業界では従来人が行っていた電話対応での予約受付を、チャットボットやボイスボットに任せることで予約受付業務を自動化しています。かなり複雑な質問にも答えることができますし、顧客は不安点を解消してから来店できるため顧客満足度の向上にも繋がります。
こちらの記事で、チャットボット以外の飲食業界でのAI活用事例について説明しています。
また、最近はチャットボットで収集したデータのマーケティング分析への活用が進んでいます。直接ユーザーの意見を分析できるのがメリットです。こちらの記事で、マーケティング分析でのAI活用について説明しています。
効果的にAIチャットボットを活用するポイント
効果的にAIチャットボットを活用するポイントは次の通りです。
- 多くのデータを蓄積させ精度を高める
- 改善・対策を繰り返す
- 人によるバックアップを併用する
効果的にAIチャットボットを活用するそれぞれのポイントを詳しく解説します。
多くのデータを蓄積させ精度を高める
効果的にAIチャットボットを活用するためには、多くのデータを蓄積させ精度を高めることが重要です。なぜなら、AIは蓄積されたデータを元に回答を行うからです。AIチャットボットに自社サービスの質疑応答をさせるためには、自社サービスに対する質問の内容と答えを学習させなければなりません。多くのデータを蓄積させることで、より賢いAIを開発できるため効果的に活用できるようになります。
改善・対策を繰り返す
AIチャットボットを導入すれば、目的を達成できるわけではありません。導入後も改善・対策を繰り返すことで、効果的なAIを開発できます。チャットボットを導入したあとも、解決できた案件と解決できなかった案件を抽出し続けましょう。解決できなかったことを解決するための改善策を施すことで、多くのシーンで対応できるAIチャットボットに成長させられます。改善点と対策を繰り返し抽出し続け、より効果的なAIへ成長させましょう。
人によるバックアップを併用する
AIチャットボットとオペレーターの協業が重要です。AIチャットボットのみでは、解決できないことも多いため、人によるバックアップを併用して業務効率化を目指しましょう。特に、チャットボットで解決できないことをオペレーターへつなぐことで回答率を高め、顧客満足度の向上が目指せます。オペレーターのノウハウをAIに組み込むことでますます賢いAIとなるでしょう。
AI Marketでは
AIチャットボットについてよくある質問まとめ
- 社内問い合わせ・営業・自治体でのAIチャットボット導入事例は?
- チャットボットで社内問い合わせの交通整理(川崎汽船)
- 取引先からの膨大な問い合わせをチャットボットで対応(ヤマハ発電機)
- チャットボットによるインサイドセールス効率化(パイプドビッツ)
- 学生からの問い合わせ対応の負担軽減(追手門学院大学)
- C&Cビジネスサービスでの社内問い合わせチャットボットの導入
- 自治体で連携してAIチャットボットを育てる取り組み(NEC/地方公共団体・自治体)
- コールセンターでのAIチャットボット導入事例は?
- 新規顧客とのコンタクトを増大(シルバーライフ)
- チャットボットによる電話問い合わせ削減(カオナビ)
- チャットボット活用による問い合わせ業務効率化(マウスコンピューター)
- チャットボット導入によりメールでの問い合わせ件数減少(島村楽器)
- チャットボットを活用したFAQダイエット作戦(キリンホールディングス)
- チャットボットによるコールセンターの効率化を実現(エイチアールワン)
- AIチャットボットで売上20%増大(ナノ・ユニバース)
- AIチャットでオペレーター対応削減(ドコモ・バイクシェア)
- 自動応答で夜間や繁忙期などの人出不足対応(アーツ/TACT)
- FAQを活用したAIチャットボットによる自動応答(ゆうちょ銀行/富士通)
- コールセンターのAI連携サービス(トランスコスモス/日本アバイア)
- 問い合わせや修理依頼に無人で自動応答(ニチガス/TACT)
- 音声認識でAIが自動受付(損保ジャパン/CTC)
まとめ
本記事では、AIチャットボットの導入事例や効果的に活用するポイントを解説しました。
AIチャットボットを効果的に導入することで、問い合わせ業務の効率化やスタッフの負担軽減などさまざまなメリットがあります。また、24時間365日の対応を実現することで顧客の満足度を上げ、対応取りこぼしもなくなります。
しかし、チャットボットを導入するだけでは効果は上がりません。導入前に多くのデータを蓄積させ、導入後の改善で精度を高めることで、より効果的に業務を行えるでしょう。でも、どうやって学習用データを集めればいいの?導入にはどれくらいのコストが必要?AIが使い物になるまでどれくらいかかる?オペレーターの教育コストはどのくらい変わる?などたくさんの疑問や不安を持つ担当者も多いのではないでしょうか?
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チャットボットと並んで活用されているボイスボットの導入事例も紹介していますので併せてご覧ください。
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