最終更新日:2024-09-16
エンタープライズサーチとは?AI搭載社内検索の機能・メリット・デメリット・導入手順・事例を徹底解説!
毎日、膨大な社内情報の中で必要なデータを探し出すのに苦心していませんか?多くの企業では、従業員が業務時間の相当な部分を情報検索に費やしており、これが生産性低下の大きな要因となっているとも言われています。
エンタープライズサーチは、企業内の大量の情報やデータを効率的に検索・取得できるシステムです。近年はChatGPTに代表される生成AI技術を搭載したエンタープライズサーチが登場し、従来の検索力に生成力がプラスされ、より高度な検索機能を実現しています。
本記事では、
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目次
エンタープライズサーチとは?
エンタープライズサーチとは、企業内の膨大なデータや文書を統合し、迅速に必要な情報を検索できるシステムです。「社内検索」「企業内検索エンジン」と呼ばれることもあります。社内ネットワーク(イントラネット)上の情報を検索する「イントラネット検索」という用語が使われることもありますが、イントラネットに限定される点で異なります。
エンタープライズサーチではメール・ドキュメント・データベース・社内のファイルサーバ・クラウドストレージなど、さまざまな場所に情報を蓄積しているデジタルデータを統合し、検索できます。統合できるデータは形式によらず、Excelなどの構造化データや音声議事などの非構造化データにも対応可能です。
そのため、エンタープライズサーチを利用することで、ユーザーは複数のデータベースを横断する必要がなく効率的に情報を見つけられるようになり、業務の生産性アップにつながるということで、注目を集めています。
以下では、主な機能を紹介します。
エンタープライズサーチを構成する主な機能
エンタープライズサーチの主な機能は、以下のとおりです。
- 全文検索:企業内のすべての文書のテキストデータを対象に、高速かつ正確に検索を行う
- データ統合:複数のデータベースやファイルシステムから情報を一元的に統合
- アクセス権管理:ユーザーごとにアクセス可能な情報を制御することで、機密情報の漏洩を防ぎ、情報セキュリティを確保
- 更新情報の配信(RSS):外部のWebサイトの更新情報を自動的に取得し、ユーザーに通知する
- 自然言語処理(生成AI):人間の話し言葉を理解し、正確な検索結果を表示する
- 回答文生成(生成AI):検索内容に応じて、適切な回答を生成する
- あいまい検索:類義語や関連語を用いた検索
- セマンティック検索:検索クエリの意味や意図を理解し、最適な結果を提供する検索
- FAQシステム:FAQデータベースを検索対象に含めることで、より包括的な情報提供が可能となります。
エンタープライズサーチでは、複数のデータベースやファイルシステムから情報を一元的に統合し、社内のあらゆる文書を対象に高速かつ正確な検索を可能にします。エンタープライズサーチによって、ユーザーごとにアクセス可能な情報が制御され、情報セキュリティの確保が可能です。
また、RSS(Rich Site Summary)機能が搭載されているエンタープライズサーチでは、外部のWebサイトの更新情報をキャッチアップできます。
特に、生成AIの登場に伴い、エンタープライズサーチの機能は非常に強化されました。これまでは、文書を検索して見つけ出す、ということに重きを置かれていたものが、生成AI(とRAG技術)を活用することで、検索した内容に応じて、適切な文書を参照して回答を生成することもできるようになりました。
特に、セマンティック検索をより高度に数学的に実現できるベクトル検索も活用されています。
例えば、交通費精算の方法、と検索をした際に、これまでは交通費精算のマニュアルを提示していたところ、マニュアルの中に書いてあるテキスト情報を元に、「◯◯システムを使って精算を行ってください」といった回答ができる、というイメージです。
エンタープライズサーチの歴史
エンタープライズサーチの進化は、企業の情報管理や検索技術の発展と密接に関係しています。以下では、エンタープライズサーチの歴史についてわかりやすく紹介します。
【2000~2005年】社内向けのエンタープライズサーチが普及
2000年代初頭、企業内の情報量が急増し、従来のファイルシステムや文書管理システムでは効率的な情報検索が難しくなっていました。
この時期に登場したのが、「社内向けのエンタープライズサーチシステム」です。このシステムは、社内の文書やデータベースを一元的に検索できる機能を有しています。
このシステムの導入により、情報の検索や共有が容易になり、業務効率が大幅に向上しました。
【2011~2015年】オンプレミス型からクラウド型への移行
2010年代に入ると、ITインフラのクラウド化が進展し、エンタープライズサーチもオンプレミス型からクラウド型への移行が加速しました。クラウド型エンタープライズサーチは、インターネットを通じてアクセス可能であり、場所を問わず情報にアクセスできる利便性が魅力です。
この利便性から、営業所や子会社を多数抱える大企業を中心に急速に普及しました。
また、クラウド環境によりシステムのスケーラビリティやコスト効率が向上し、中小企業でも導入が進みました。
【2016年~現在】AI搭載エンタープライズサーチが登場
2016年以降、AI技術の急速な発展に伴い、エンタープライズサーチにもAIが搭載されるようになりました。
AI搭載エンタープライズサーチは、自然言語処理や機械学習を活用して、ユーザーの検索意図をより正確に理解し、高度な検索結果を提供します。また大量の検索データからパターンを学習し、予測検索やレコメンデーション機能も提供可能です。AI搭載のエンタープライズサーチを活用することで、従来の検索システムと比較して、社員は必要な情報をより迅速かつ正確に見つけることが可能になりまりました。
【2023年~現在】生成AIの機能が搭載され始める
2016年以降のAI搭載に加え、2023年からは、特に生成AIの機能が搭載され始めました。生成AIを活用して高度な検索結果を提供することに加え、文書を参照して回答を生成することもできるようになります。
ChatGPTにも使われているGPTやGoogleのGeminiなどの生成AIは、ユーザーの質問に対して動的に回答を生成する能力を持っています。
エンタープライズサーチに生成AIを搭載することで、以下の機能を追加できるようになっています。
- 検索精度の向上:自然言語処理能力を活かし、ユーザーの検索意図をより正確に理解し、関連性の高い検索結果を提供できるようになります。
- 情報の要約と生成:検索結果から重要な情報を抽出し、要約を生成することができます。これにより、ユーザーは大量の情報を素早く把握することが可能になります。
- パーソナライゼーション:ユーザーの過去の検索履歴や行動パターンを分析し、個々のニーズに合わせた検索結果を提供することができます。
- 自然言語クエリの処理:自然言語処理能力により、ユーザーは複雑な質問や曖昧な表現でも検索が可能になります。システムは質問の意図を理解し、適切な回答を生成します。
- コンテキストの理解:生成AIは、検索クエリの文脈を理解し、関連する情報を提供することができます。
- 新しい知見の創出:既存のデータを組み合わせて新しい洞察を生み出すことができます。
生成AIにより、エンタープライズサーチは単なる情報検索ツールから、知識創造のプラットフォームへと進化する可能性があります。このように、AI及び生成AI搭載エンタープライズサーチは、企業の業務効率向上に大きく貢献するシステムとして期待されています。
関連記事:「生成AIとは?種類や使い方、活用事例・従来AIとの違い・注意点を徹底解説!」
エンタープライズサーチが企業にもたらす5つのメリット
エンタープライズサーチを活用することで、社内の情報共有や意思決定がスムーズになり、情報の可視化や効率化だけでなく、企業の成長と安全性の確保につながります。以下では、エンタープライズサーチを企業が活用するメリットを紹介します。
適切な情報から意思決定を迅速に行える
エンタープライズサーチにより、膨大なデータのなかから必要な情報を迅速に見つけ出すことができ、正確なデータにもとづいた迅速な意思決定が可能になります。企業内外のデータを統合し、一元的に検索・分析することで、データドリブンな意思決定を支援します。
動的に外部データベースを検索するRAG(Retrieval-Augmented Generation)を活用すれば、常に最新の情報を反映した回答を生成できます。これにより、情報の鮮度が重要なビジネス環境において、迅速かつ正確な情報提供が可能になります。顧客ニーズや市場変化に対して迅速な対応ができ、ビジネスチャンスを逃さない意思決定につながります。
また、データの統合によって情報の重複や見落としを防ぎ、判断精度の向上も可能です。特に複数の部門にまたがる意思決定が必要な場合、関係者全員が同じ情報にアクセスできます。そのため、新しいビジネスチャンスの発見や業務プロセスの最適化において透明性の高い意思決定が行えます。
ほしい情報を得るまでの時間コストを削減できる
エンタープライズサーチの活用により、社員がほしい情報にたどり着くまでの時間コスト削減ができる点もメリットです。エンタープライズサーチが導入されていない企業では、情報を手動で探す必要があり、多大な時間と労力を要します。結果として、業務における非効率が生じやすくなります。
データが統合されることで、複雑なデータベースや多数のファイルにアクセスする必要がなくなります。従来複数のシステム間を行き来していた時間が大幅に短縮されるため、社員がコア業務に集中できる時間が増えます。
結果として、社内のリソースをより効果的に活用でき、長期的な時間コスト削減が期待されます。
情報共有がスムーズになる
企業内の情報を部門間でシームレスに共有できるため、社員同士の確認作業や連絡がスムーズになり、コミュニケーションの効率が向上します。
特に大規模な組織では、異なる部門やエリアにいる社員間での情報共有が難しくなりがちです。その点、エンタープライズサーチでは全てのデータへアクセスできるため、部門の壁を超えた円滑な情報共有が可能になります。
また、情報が共有されることで、チーム間の連携が強化され、プロジェクトの進行がスムーズになります。リアルタイムのデータ共有により、最新の状況を全員が把握でき、意思疎通がしやすくなるのも大きなメリットです。
社内ナレッジを共有しやすくなる
エンタープライズサーチを活用することで、企業内に蓄積された知識やノウハウが容易に検索・共有できるようになり、社内全体のナレッジ活用が進みます。新規プロジェクトに参画する社員も、過去の事例やベストプラクティスに簡単にアクセスでき、即戦力として活躍できる環境が整います。
エンタープライズサーチにより、個々の知識を組織全体で共有しやすくなり、ナレッジマネジメントが促進されます。エンタープライズサーチが導入されていない企業では、情報が分散し、適切に管理されていないため、知識の共有が難しく、組織全体でのナレッジ活用が進みにくいです。
特に、新入社員や異動した社員が過去のプロジェクトや資料を簡単に検索できるため、スムーズな業務引き継ぎが可能です。また、経験豊富な社員の退職によるナレッジロスを防ぐうえでも、エンタープライズサーチを活用したナレッジ共有の仕組みが有効です。
情報セキュリティの向上につながる
検索結果に対して適切なアクセス権限を設定できるため、情報の機密性が保たれ、情報漏えいのリスク低減が可能です。たとえば、経営層のみがアクセスできる機密情報や、特定プロジェクトチーム専用のデータなどを厳密に管理できるため、不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。
また情報のトレースやログ管理が容易に行えるため、トラブルが発生した際に迅速な対応も可能になり、企業の信頼性が向上し顧客や取引先からの信頼を獲得につながります。
エンタープライズサーチのデメリット
デメリットを理解したうえで、適切な管理体制とセキュリティ対策を整えることが、エンタープライズサーチの導入と運用を成功させるために重要です。以下では、エンタープライズサーチのデメリットを紹介します。
管理作業に手間がかかる
エンタープライズサーチシステムの検索精度を維持・向上させるためには、データの構造やクエリのチューニングを継続的に行う必要があります。
エンタープライズサーチシステムでは膨大なデータを一元管理できるゆえに、管理作業には時間と労力がかかり、運用コストが増大する可能性もあります。企業内に蓄積されたデータや情報量が多ければ多いほど、検索元の整備やルール作り、分類などに多大な労力がかかります。
特に、データが頻繁に更新される環境では、最新の情報を常に検索可能にするための管理が難しくなります。そのため、更新作業を自動化できるシステムなど、更新工数を減らせるシステムを選ぶことが重要です。
カスタマイズの難しさ
エンタープライズサーチシステムは、特定のデータセットに対して設計されていることが多く、個別のニーズに合わせたカスタマイズが難しい場合があります。
特に、多言語対応が必要な場合や、特定の業界に特化した機能が求められる場合には、カスタマイズに時間とコストがかかることがあります。
情報漏えいのリスクが高まる
エンタープライズサーチシステムでは、企業内の膨大なデータや機密情報が一元管理されるため、不適切なアクセス権管理やシステムの脆弱性が原因で、情報漏洩や不正アクセスのリスクが高まる可能性もあります。
そのため、社内のセキュリティ対策やアクセス制御を徹底する必要があり、高度な技術と継続的な監視が求められることから、セキュリティ管理に十分な注意が必要です。
社内や顧客情報の流失に伴い、自社の信頼を損なわないためにも、セキュリティ対策が十分なベンダーを選ぶことが重要です。
UIの完成度に依存
システムの導入が成功するかどうかは、実際に利用するユーザーの使い勝手に大きく依存します。ユーザーインターフェースが直感的でない場合、利用率が低下し、期待した効果を得られない可能性があります。
エンタープライズサーチ導入時の手順8ステップ
エンタープライズサーチの導入時の具体的な手順について説明します。
導入目的の明確化
エンタープライズサーチを導入する前に、まず自社のどんな課題を解決したいのか、導入目的を確認しましょう。例えば、以下が考えられます。
- 業務効率化
- ナレッジマネジメント
- 経営戦略への活用
- セキュリティの強化
要件定義と選定ポイントの確認
導入目的が明確になったら、次に具体的な要件を定義します。以下のポイントを確認しながら選定を進めます。
- 対応レポジトリ・対応ファイル形式
- 検索結果の速度・検索性能
- 汎用性・拡張性
- オンプレミス型かクラウド型か
- 操作性・従業員の使いやすさ
- 閲覧権限・セキュリティ
- 管理者向けレポートや導入・設定のしやすさ
- 開発費/利用料金/料金体系
エンタープライズサーチツールは多種多様です。自社のニーズに合ったツールを選定するために、扱う情報量や種類、対応するファイル形式、セキュリティ機能などを確認します。
システム設計とインフラ準備
選定したエンタープライズサーチシステムに基づき、システム設計を行います。クラウド型はスケーラビリティに優れており、場所を問わずアクセス可能ですが、セキュリティ対策が重要です。
オンプレミス型の場合はサーバー構築が必要となり、クラウド型の場合はAWSやAzureといったクラウドサーバ会社との契約が必要です。また、ネットワーク環境やセキュリティ対策も考慮する必要があるでしょう。
データ統合とインデックス作成
社内の各種データベースやファイルシステムからデータを収集し、一元的に統合します。その後、検索対象となるデータのインデックスを作成します。データコネクターを使用して、様々なデータソースを統合し、インデックスを作成します.
これにより、高速かつ正確な検索が可能となります。
アクセス権限設定とセキュリティ対策
ユーザーごとにアクセス可能な情報を制御するためのアクセス権限設定を行います。Active DirectoryやLDAPと連携してユーザー認証を行い、適切な権限設定を反映させます。また、情報漏えい防止のためのセキュリティ対策も実施します。
システムテストとチューニング
システムが正常に動作するかどうかを確認するために、テストを実施します。検索精度や速度を確認し、必要に応じてチューニングを行います。また、ユーザーからのフィードバックを基に改善点を洗い出し、最適化します。
ユーザー教育とサポート体制の整備
システム導入後は、従業員への教育が重要です。操作方法や便利な機能についてトレーニングを実施し、マニュアルやFAQも整備します。また、運用中に問題が発生した際には迅速に対応できるよう、サポート体制も整備しておきます。
運用開始と効果検証
最後にシステムの運用を開始し、その効果を定期的に検証します。利用状況や検索回数、クリック率などの指標をモニタリングし、導入効果が期待通りであるか確認します。
また、新たな課題が発生した場合は適宜対応策を講じます。
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AI搭載エンタープライズサーチの活用事例5選
AI搭載のエンタープライズサーチは、膨大な文書やデータを抱える大企業で積極的に活用が進められています。以下では、エンタープライズサーチの日本企業の活用事例を紹介します。
【伊藤忠テクノソリューションズ/AstraZeneca】特定分野で豊富な知識を有するエキスパート社員を見つける
研究開発型グローバル製薬企業のAstraZenecaは、社内外で作成された膨大な文書とは異なる性質の技術データを効率的に処理する必要がありました。
そこで、フランスのSinequa社(国内では伊藤忠テクノソリューションズが販売)の「Sinequaプラットフォーム」を導入したことで、特定のテーマに関するエキスパートのネットワークを低コストで見つけ出せるようになり、複雑な研究問題を解明し、コラボレーションを促進しました。ドラッグリポジショニングや上市までの期間短縮にも貢献しています。
【ブレインズテクノロジー/デンソー】情報収集時間を一人あたり10時間/月以上削減
株式会社デンソーは、全社的な働き方改革を推進するなかで、社員の情報検索にかかる時間が課題でした。実際のアンケート結果からは「過去の資料やデータを探すのに時間がかかる」といった意見が多く寄せられ、この課題を解決するためにブレインズテクノロジー株式会社の「Neuron ES」を導入しました。
導入してから約2年で、普段の業務ツールとして定着し、利用者数全体では1,400時間、社員一人あたりでは月間10時間以上の情報収集時間を削減できました。Neuron ESによって社員は記憶に頼らずにほしい情報へすぐにたどり着き、本来の業務に充てる時間の確保に成功しています。
【ブレインズテクノロジー/清水建設】1,300万件あるデータベースへの効率的な情報アクセスを実現
清水建設株式会社では、イントラネットやファイルサーバに蓄積される膨大な情報へのアクセスが課題となっていました。そこで、ブレインズテクノロジー株式会社の「Neuron ES」を導入することで、検索スピードが従来の倍以上に向上し、1,300万件のデータベースを1秒以内で検索可能となりました。
ユーザーの利用状況を把握し、検索精度やユーザーインターフェースの改善を継続的に行うことで、さらなる業務効率の向上を目指しています。
【 住友電工情報システム/セイコーエプソン】1.6億件の文書検索にかかる時間を平均で3分の1まで短縮
セイコーエプソン株式会社では、複数のシステムに分散された文書検索の効率が課題となっていました。そこで 住友電工情報システム株式会社の「QuickSolution」を導入し、1.6億件のファイルを対象とした検索時間の大幅な短縮に成功しました。
具体的には、全ユーザーの平均検索時間は3分の1、一部ユーザーでは10分の1にまで短縮できています。導入からのKPIである「20%以上のユーザーが月1回以上利用」を達成し、検索効率の向上に成功しています。
【ニチリン】検索時間の短縮により年間約1,300時間の業務効率化
株式会社ニチリンは、過去の実験データや設計データが含まれる社内ファイルサーバを検索する機会が多く、従来からエンタープライズサーチを活用していました。しかし、検索漏れや検索速度の遅さに課題を感じていました。そこで、50TB1.2億万ファイルのファイルサーバを高速検索できる住友電工情報システム株式会社の「QuickSolution」を導入しました。
導入後、1回の検索時間を平均3分短縮し、技術部全体で年間約960時間の時間短縮を実現しました。技術部以外の他部署にも導入が進み、検索対象ファイルは250万件にまで拡大し、年間約1,300時間の業務効率化を達成しています。
エンタープライズサーチについてよくある質問まとめ
- エンタープライズサーチとは?
エンタープライズサーチとは、企業内の膨大なデータや文書を一元管理し、迅速かつ正確に検索できるシステムを指します。メール、ドキュメント、データベース、社内ファイルサーバ、クラウドストレージなど、様々な場所に蓄積されたデジタルデータを統合し、効率的に検索することができます。
- AI搭載エンタープライズサーチのメリットは何ですか?
- 高度な検索精度:AI技術により、ユーザーの検索意図を理解し、より関連性の高い検索結果を提供します。
- 自然言語処理の活用:自然言語処理技術を活用し、質問形式での検索や曖昧な検索条件にも対応できます。
- 予測検索とレコメンデーション:機械学習を利用して、過去の検索履歴や利用パターンから最適な検索結果や関連情報を予測・提示します。
- 業務効率の向上:必要な情報を迅速に見つけることで、従業員の情報収集にかかる時間を大幅に削減し、業務の効率化を実現します。
- 検索精度の向上:自然言語処理能力を活かし、ユーザーの検索意図をより正確に理解し、関連性の高い検索結果を提供できるようになります。
- 情報の要約と生成:検索結果から重要な情報を抽出し、要約を生成することができます。
- パーソナライゼーション:ユーザーの過去の検索履歴や行動パターンを分析し、個々のニーズに合わせた検索結果を提供することができます。
- 自然言語クエリの処理:複雑な質問や曖昧な表現でも検索が可能になります。システムは質問の意図を理解し、適切な回答を生成します。
- コンテキストの理解:生成AIは、検索クエリの文脈を理解し、関連する情報を提供することができます。
- 新しい知見の創出:既存のデータを組み合わせて新しい洞察を生み出すことができます。
まとめ
エンタープライズサーチは、企業内の膨大なデータを効率的に検索・活用するための強力なシステムですが、その導入にはメリットとデメリットが存在します。企業全体のデータを横断的に検索することが可能となり、意思決定や業務効率を向上させる一方で、検索精度の維持や情報漏洩リスクへの対応といった課題も伴います。
そのため、導入を検討する際は、自社のニーズを明確にし、適切なシステム選定または開発会社の選定と運用体制の構築が重要です。
AIや生成AI搭載のエンタープライズサーチは、さらなる効率化と高度な情報活用を可能にします。エンタープライズサーチを効果的に活用することで、競争力をさらに高めましょう。
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AI Marketの編集部です。AI Market編集部は、AI Marketへ寄せられた累計1,000件を超えるAI導入相談実績を活かし、AI(人工知能)、生成AIに関する技術や、製品・サービス、業界事例などの紹介記事を提供しています。AI開発、生成AI導入における会社選定にお困りの方は、ぜひご相談ください。ご相談はこちら
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