エヌエスアイテクスとデンソーテン、エッジAI向けの低消費電力物体検知ソリューションを共同開発
最終更新日:2022年09月12日
株式会社エヌエスアイテクスと株式会社デンソーテンは、2022年9月8日、エッジAI向けの低消費電力物体検知ソリューションを共同開発したと発表した。
同ソリューションは、エヌエスアイテクスのAI向けアクセラレータとデンソーテンの軽量エッジAIを組み合わせたものだ。低消費電力での物体検知を可能にすることで、発熱・コストの制約が厳しい環境でのAIの適用を拡大し、また環境負荷低減への貢献も図るとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- AI向けアクセラレータと軽量エッジAIを組み合わせ、低消費電力でも物体検知を実現
- 外部メモリアクセスを最小化する「ML041」と、少演算量でも高精度で物体を検出する軽量エッジAI
- 車載製品など発熱・コストの制約が厳しい環境でもAI適用を拡大、環境負荷低減にも貢献
発熱・コストの制約が厳しい環境に向けた低消費電力物体検知ソリューション
近年、人とクルマをよりスムーズに接続するモビリティ社会の実現が、様々な領域で目指されている。こうした動きの中でAIの活用も推進され、最近ではあらゆるエッジデバイスにAIが搭載されるようになった。
しかし、エッジデバイスが稼働する環境は発熱・コストの制約が厳しい場合が多い。こうした環境においてもAI処理を効率良く実行することが、AIを幅広い分野に適用する上で重要な課題となっている。
両社はこの課題の解消を目指し、低消費電力物体検知ソリューションを開発するに至った。
AI向けアクセラレータ「ML041」と、軽量エッジAI(ニューラルネットワーク)
同ソリューションは、エヌエスアイテクスが開発した高い電力効率を実現するAI向けアクセラレータ「ML041」と、デンソーテンの軽量エッジAI(ニューラルネットワーク)を組み合わせる形で開発された。
「ML041」は、外部メモリアクセスを最小化する独自技術が導入されたAIアクセラレータだ。入力データを分割した上で、分割したデータごとに複数のレイヤ処理の入出力を連結する独自の方式により、中間データの外部メモリへの退避削減を可能にした。この退避削減により「ML041」は電力効率の向上を実現し、「MobileNet_v3」「GoogleNet」「Inception_v3」といったニューラルネットワークを12TOPS/Wという高い電力効率(7nm世代SoC実装時)で実行できる。
「ML041」と組み合わされる軽量エッジAIは、少ない演算量でも高精度な物体検出を可能にしたAIだ。従来の物体検出AIは、特徴抽出部とオブジェクト検出部における畳み込み演算で、非常に多くの演算を要していた。この課題を解消すべく軽量エッジAIは、小さな特徴抽出部とマルチクラスの高精度オブジェクト検出部からなるハイブリッドAIとして構築されている。
「ML041」と軽量エッジAIを組み合わせた同ソリューションは、演算精度を劣化させることなく演算量を従来の1/7にまで削減。消費電力についても、0.06Wまで低減を可能にした。
車載製品やセキュリティカメラ、FAなどへ展開
同ソリューションについて両社は、車載製品やセキュリティカメラ、FAといった様々な組み込み機器への展開を企図。またソリューションの展開を通じて、安心安全な社会の実現や低消費電力による環境負荷の低減にも貢献するとしている。
なお両社は同ソリューションを、2022年9月16日に品川インターシティホールにて開催される「AMD-Xilinx Tech Day Tokyo 2022」に出展し、デモ展示の実施も予定している。
参照元:PRTIMES
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