インテル、カンファレンス「Intel Vision 2024」にてAIアクセラレーター「Gaudi 3」を発表
最終更新日:2024年04月19日
インテル株式会社は、2024年4月10日、同社のカンファレンス「Intel Vision 2024」にてAIアクセラレーター「Gaudi 3」を発表した。
「Gaudi 3」は、NVIDIA社のGPU「H100」よりも平均で50%高い推論パフォーマンスを誇り、平均で40%高い電力効率も実現したAIアクセラレーターだ。「Intel Vision 2024」にて同社は、AIのあらゆるセグメントを横断したエンタープライズ向けのAI戦略も公開しており、「Intel Vision 2024」にて同社は、Dell社などのOEM各社に対する「Gaudi 3」の提供開始なども明らかにしている。
<本ニュースの10秒要約>
- 学習処理と推論に特化したAIアクセラレーターとして「Gaudi 3」を発表したインテル
- 「Llama 2」「GPT-3」で、学習処理の高速化と推論の電力効率化を実現する「Gaudi 3」
- Dell社などOEM各社に向けて「Gaudi 3」の提供を開始、AIイニシアチブの拡大を図る
AIの学習処理と推論の大幅な向上を可能にする「Gaudi 3」
今回インテルが発表した「Gaudi 3」は、学習処理と推論に特化したAIアクセラレーターだ。前世代と比較した場合、BF16のAI演算処理は4倍、メモリー帯域幅は1.5倍にまで拡大。生成AI(ジェネレーティブAI)をグローバル規模に拡張したいと考えている企業がこのアクセラレーターを活用すれば、AIの学習処理と推論の大幅な向上が可能となる。
「Gaudi 3」の能力としてインテルは、「Llama 2」や「GPT-3」といったモデルの使用ケースを紹介。70億パラメーター/130億パラメーターの「Llama 2」モデルや、1,750億パラメーターの「GPT-3」モデルを使用した場合、「Gaudi 3」はNVIDIA社の「H100」よりも学習処理を平均50%高速化できると自負している。推論スループットについても「H100」よりも平均50%向上し、推論の電力効率も平均で40%高くなるとしている。
「Gaudi 3」はまた、オープンなコミュニティー・ベースのソフトウェア業界標準のイーサネット・ネットワーキングに対応している点も特徴だ。さらに、単一ノードからクラスター/スーパークラスター/メガクラスターまで柔軟に拡張できるため、企業は最大規模での推論/ファイン・チューニング/学習処理を行うこともできる。
包括的なエンタープライズ向けAI戦略も公開
「Intel Vision 2024」においてインテルは、「Gaudi 3」について発表を行うと同時に、Dell社やLenovo社をはじめとするOEM各社に向けて「Gaudi 3」の提供開始も明らかにした。また、包括的なエンタープライズ向けAI戦略も公開し、エンタープライズ向けAIデータセンター市場への展開拡大も発表。生成AIプロジェクトを本番稼働へ移行できた企業が10%に留まった2023年の状況を受け、AIイニシアチブを拡大していく上で企業が直面する課題の解決に繋がる製品投入や施策の実施に取り組む。
こうした取り組みの一環としてインテルは、エンタープライズAI向けオープン・プラットフォームの共同開発を進める意向も、「Intel Vision 2024」にて発表。この共同開発では、SAP社/RedHat社/VMware社といった業界のリーダー企業と協力し、RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)によって可能になるセキュアな生成AIシステムの導入を加速するとしている。
参照元:PRTIMES
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