日本デジタルヘルス・アライアンス、ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイドを策定/公表
最終更新日:2024年01月25日
Ubie株式会社は、2024年1月18日、同社がリーダー企業として参加する日本デジタルヘルス・アライアンスが「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」を策定/公表したと発表した。
UbieはAIをコア技術とする受診支援サービス「ユビー」などを展開する企業であり、日本デジタルヘルス・アライアンスはデジタルヘルス産業の横断的研究組織だ。今回公表されたガイドラインは、ヘルスケア業界固有の社会的責任やリスクを十分に考慮した形で生成AI(ジェネレーティブAI)の活用を推進すべく策定されている。
<本ニュースの10秒要約>
- デジタルヘルス産業の横断的研究組織である日本デジタルヘルス・アライアンスが策定
- ヘルスケア業界固有の社会的責任やリスクを十分に考慮した形で生成AIの活用を推進
- 生成AIによる多様なサービスを創出、利用者が安心してサービスを選択できる環境も構築
生成AIの活用が急速に拡大しているヘルスケア領域
近年のヘルスケア領域では、生成AIの活用が急速に拡大している。医学論文や高度な医学専門文書の要約や、患者への説明文案の生成など、医師の業務効率化サポートでは特にその威力を発揮するようになった。また、患者/医師の会話を文脈まで理解した形で診療記録を生成するAIや、対話を通じて利用者個々に最適な健康増進行動を提案する対話型AIなど、高度なAIサービスの開発も積極的に進められている。
しかし、生成AIの利活用が拡大するに伴って、生成AIがもたらす副作用についての指摘も多く聞かれるようになった。例としては、一般的なデータで学習したモデルでは学術用語や専門用語などを正しく処理できないため、生成されたアウトプットが不確かな情報となる可能性などが挙げられる。また、参照データに信頼性の低い情報を含んでしまった場合などは、利用者の健康/生命を脅かす危険性さえ生じかねない。
利用者の健康/生命に関わり、機微性の高い要配慮個人情報も多く取り扱うヘルスケア領域では、生成AIの活用において一般的なガイドラインとは別のガイドラインが必要となる。そこで日本デジタルヘルス・アライアンスは、業界固有の社会的責任やリスクを十分に考慮した上で生成AIの活用を推進する基盤として「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」を策定するに至った。
留意すべき事項は、4点
「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」は、ヘルスケアサービスを提供する事業者が生成AIによる多様なサービスを創出し、また利用者が安心してサービスを選択できる環境を構築することを目的として、策定された。
同ガイドラインでは、生成AIを活用したサービスを設計・開発・提供する際に留意すべき事項として、「活用する基盤モデルの選定」「さまざまな場面での適切なデータの取り扱い」「アウトプットの信頼性確保や利用者への適切な説明」「ヘルスケア領域での規制面」という4点を挙げている。対象とする生成AIは、ヘルスケア領域で最も広く活用されていると考えられる文章(テキスト)生成AIと規定。また、原則として医療機器または医療機器プログラム以外のヘルスケアサービスでの利活用を対象として策定している。
同ガイドラインの公表では、全体版に加えて概要版も併せて公開され、また「ヘルスケア事業者の生成AI活用時のチェックリスト」も公開されている。
業界全体でガイドラインの普及・浸透を推進
「ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド」の策定/公表を発表したUbieは、生活者向け症状検索エンジン「ユビー」や医療機関向けサービス「ユビーAI問診」などを展開している企業であり、日本デジタルヘルス・アライアンスにおいては「デジタルヘルスアプリの適切な選択と利活用を促す社会システム ワーキンググループ」のリーダー企業も務める。同ガイドラインの策定においても、主な執筆と取りまとめを担った。
日本デジタルヘルス・アライアンスは今後、ヘルスケア業界全体で同ガイドラインの普及・浸透を推進するとしている。
参照元:PRTIMES
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