AIとロボットを活用して有機農業の自動化に取り組むトクイテン、3.7億円の資金調達を実施
最終更新日:2023年10月27日
株式会社トクイテンは、2023年10月26日、3.7億円の資金調達を実施したと発表した。
トクイテンは、AIとロボットを活用して有機農業の自動化に取り組む企業だ。同社は今回、ユナイテッド株式会社をリード引受先とする第三者割当増資と、株式会社日本政策金融公庫日本政策金融公庫の資本性ローンにより、総額3.7億円を調達。調達資金は、ロボットエンジニア/セールス/バックオフィス人材の採用に充当される。
<本ニュースの10秒要約>
- 有機農業の省力化や自動化をAI/ロボット技術を活用して実現するスタートアップ企業、トクイテン
- 「美味しさと収穫量を両立したAI農業」などを目指して、ロボット開発や自社農場での栽培を展開
- 総額3.7億円の調達資金は、人材採用に充当。今後は、自社農場の増設や農業参入PoCにも取り組む
AI/ロボット技術で省力化や自動化を実現し、有機農業への移行を推進
近年、各地で激化する気候変動への対策として「脱炭素社会」の実現が、世界中で目指されるようになった。温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みも各地で強化されており、農業分野においても化学肥料や化学農薬の使用回避が急務となっている。化学肥料・化学農薬は、確かに現在主流の慣行農法では不可欠だが、その製造過程で多量の温室効果ガスを排出する。そのため、化学肥料・化学農薬を使わない有機農業など循環型農業への移行が必要であると考えられている。
日本の農林水産省もこの問題を認識し、2050年までに有機農業の割合を25%に増やすという目標を打ち出した。しかし、現状における日本の農業は農業従事者の減少および高齢化という深刻な課題に直面しており、有機農業への移行実現には省力化や自動化が不可欠となる。この省力化や自動化をAI/ロボット技術を活用して実現するスタートアップとして、トクイテンは2021年8月に立ち上げられた。
既に複数のロボットを開発、科学的なアプローチによる栽培/出荷にも成功
トクイテンは、「持続可能な農業へのシフトを加速する」というミッションを掲げる企業だ。設立したのは、シリアルアントレプレナーの豊吉隆一郎氏と、早稲田大学の研究院准教授でロボット研究者である森裕紀氏。2021年の設立以降、同社は両氏の経験/人脈を活かしてレベルの高い開発を推進。現在は愛知と東京に拠点を置き、生産者として有機農業を営みながら事業に取り組んでいる。
同社が実現を目指すのは、「高齢化・人口減少社会に対応したロボット化農業」「環境負荷の小さい有機農業」「美味しさと収穫量を両立したAI農業」などだ。そのため、2022年10月にはシード資金を調達し、ロボットのプロトタイプ開発と2,000平米におよぶ自社の栽培施設での有機農業を開始。収穫ロボットや液体噴霧ロボットや防虫ロボットなど複数のロボットのプロトタイプを開発し、科学的なアプローチによるミニトマトの栽培/出荷にも成功している。
「トクイテンパッケージ」の開発などに注力すべく、新たな人材を採用
トクイテンは今回、ロボットやAIを活用して有機農業の自動化を実現する「トクイテンパッケージ」の開発などに注力すべく、新たな人材採用に向けて資金調達を実施した。第三者割当増資には、リード引受先であるユナイテッドに加えて、XTech Ventures株式会社/DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合/STATION Ai Central Japan 1号投資事業有限責任組合/南都キャピタルパートナーズ株式会社などが参画。日本政策金融公庫も、新型コロナ対策資本性劣後ローンで4,000万円を融資している。
この調達資金でトクイテンは、人材の採用と共に農業ロボットの開発も進める。また今後は、自社農場の増設やパートナー農場との連携、自社農場を使った農業参入PoCや参入コンサルティングなどもにも取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
農業でのAI活用事例を詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp