Duet AIとは?何に使える?Geminiに統合されてこれからどうなる?
最終更新日:2024年09月23日
Duet AIとは、Googleが開発している生成AI(ジェネレーティブAI)のことです。主にGoogleアプリケーションに搭載され、Google Workspaceなどで利用することができます。Duet AIはGoogleのアプリケーションをAIによってさまざまな面でサポートしてくれ、より効率的にビジネスを行うことができるようになります。
2024年2月8日よりDuet AIやBardはGeminiに名称が変更され、統合されていくことが発表されました。ChatGPTの登場以降、さまざまな生成AIのサービスが登場し、どれがどういう特徴を持っているか追いつけないという方も多いのではないでしょうか?
今回は
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目次
Duet AIとは?
Duet AIとは、Googleアプリケーションを中心に業務の効率化など開発支援を目的とした生成AIです。2023年5月にGoogleが行うカンファレンスにて以下3つのサービスが発表されました。
- Duet AI for Google Workspace
- Duet AI in Google Cloud
- Duet AI in AppSheet
ここではそれぞれのDuet AIに関して概要を解説し、その特徴を見ていきます。
Duet AI for Google Workspace
Duet AI for Google Workspaceは、ドキュメントやスプレッドシートなどGoogle Workspace上のアプリに組み込まれた生成AIです。ドキュメント上でドラフトの自動生成や、データ分類のタスクを自動化するなどの効率化を目的としています。
2023年8月にはDuet AI for Google Workspaceの一般提供が発表されました。
Duet AI in Google Cloud
Duet AI in Google CloudはGoogle Cloudのサービスなどに組み込まれた生成AIです。Google Cloudは、クラウドコンピューティングサービスを提供し、アプリケーションの開発、データ分析、データベース管理、セキュリティ強化など、幅広い機能をユーザーに提供します。
Duet AIは、自然言語処理を活用して、コーディングの生成や他の複雑なタスクを簡素化し、開発プロセスを加速します。これにより、技術的な専門知識が限られるユーザーでも、アプリケーションを容易に開発・展開できるようになります。
主要な競合であるAmazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、IBM Cloudに対抗する独自の技術革新とサービス展開によって、市場での競争力を高めています。
Duet AI in AppSheet
Duet AI in AppSheetはGoogleが開発しているAppSheetに組み込まれている生成AIです。AppSheetとは、ノーコードでアプリケーションの構築を可能にするサービスで、画面上で操作するだけで完結できます。
Duet AIと組み合わせることにより、AIのサポートを受けながら誰でも簡単にアプリケーションの構築を実現しています。
また、2023年の12月には、開発者の生産性を向上させるためのコード補完等を行ってくれるDuet AI for Developersと、生成AIによるセキュリティ強化を可能とするDuet AI in Security Operationsの提供が発表されました。
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Duet AIで日本語はいつから使える?
Duet AIの日本語対応は2024年を予定しています。Googleは2023年11月にGoogle主催のカンファレンスで2024年にDuet AI in Google Workspaceの日本語対応を発表しました。
2024年2月時点では日本で利用は可能ですが、使用言語は英語のみとなっています。
Googleの生成AIはGeminiに統一の動き
2024年2月にGoogleは対話型AIであるBardの名称をGeminiに刷新し、Duet AI for Google WorkspaceもGemini for Workspaceに変更することを発表しました。GeminiはGoogleが開発しているAIモデルで、非常に高精度でハイパフォーマンスなAIモデルとして注目されています。
Geminiの導入により、企業は市場分析、顧客対応、製品開発など、さまざまな業務にAIをより深く組み込むことができるようになります。例えば、Gemini Advancedを活用して、リアルタイムでの市場動向の分析や顧客からのフィードバックを即座に製品開発に反映させることが可能になるでしょう。
Googleはこの名称変更を、高性能なAIであるGeminiのテクノロジーが反映されたことを伝えるために変更したと報告しました。ビジネスユーザーと個人ユーザーの生産性と創造性を向上させることを目指しています。
Duet AIで何ができるのか?
Duet AIはさまざまな機能があり、Google WorkspaceとGoogle Cloudでそれぞれ特徴が異なります。Google Workspaceはそれぞれのアプリケーションの作業を効率化したり、Google Cloudはそれぞれのサービスを効率化したりします。
ここではDuet AIがGoogle WorkspaceとGoogle Cloudでできることを解説していきます。
Duet AI for Google Workspaceでできること
Duet AIがGoogle Workspaceでできることは、ドキュメントでテキストの草案を作成したり、スプレッドシートでテーブルの自動生成をしたりできます。ドキュメントでは、指定したテーマでブログの下書きを作成するように自然言語で指示するだけで自動作成します。
文章の構成や現在ある文章のサマリー化なども幅広く行ってくれます。スプレッドシート内では、フォーマットの自動提案からチャートやテーブルの自動生成を行ってくれます。
例えば、Gmailでは、メールの下書きを作成やサポートしたり、すでにあるメールスレッドのサマリーを自動で生成してくれます。受信したメールの整理も指示すれば行ってくれます。さらに、Google Meetで会話中の自動翻訳や議事録を自動で作成したりすることもDuet AIは実現しています。
Duet AI in Google Cloudでできること
Duet AIがGoogle Cloudでできることとして、ビッグデータを扱うBigQueryでは自然言語だけで以下のようにコーディングの支援をしてくれます。
- コードの提案
- 自動コードブロックの生成
- 修正の推奨
- SQLのコードを自然言語で何が行われているか説明
Duet AIが直接インターフェースに統合され、ユーザーがSQLクエリやPythonコードを効率的に書くためのサポートを提供します。クエリやコーディングに費やす時間を削減し、分析により多くの時間を割けるようにすることを目的としています。
Google Cloud上サービスのBIツールであるLookerでは、Duet AIと会話形式でデータ分析から可視化を行い、Googleスライドに落とし込む一連の流れをすべて行ってくれます。数行の指示だけでレポートの全体像や高度なビジュアライゼーションまで行うことができ、自然言語で数式のビジュアライゼーションなども可能です。
Duet AIをデータ管理および分析プラットフォーム全体に統合することにより、Googleはデータ分析の負担を軽減し、ビジネス内でのAI起点の洞察と効率化を目指しています。
Duet AIとGoogle Bardは何が違う?
Duet AIとGoogle Bardの根本的な違いは、それぞれが目指すAIとしての役割と機能性にあります。Duet AIは多様な形式の出力を可能とする、より広範な応用範囲を持つAIです。これはテキストだけでなく、画像やチャート、スプレッドシートなどの多様なメディアを含むマルチモーダル能力を示します。
一方で、Google Bardは対話型AIとして設計されており、主にテキストベースのやり取りを基本としています。Bardの目的は、質問に答えたり、会話を進めたりすることにより、ユーザーに情報を提供することにあります。補助的に画像や動画を取り扱うことはありますが、その主な出力形式はテキストです。
これらの違いから、Duet AIは特に業務プロセスやデータ分析における多様な出力が求められるシナリオでの利用が想定されており、一方のGoogle Bardは情報検索や学習支援、娯楽など、日常の対話や情報提供のニーズに応えることを目指しています。
GoogleはDuet AI、Google Bardも含めて、すべての生成AIをGeminiの名称のもとに統合する計画のようです。
Duet AIとMicrosoft Copilotはどう違う?
Duet AIと類似したサービスの一つにMicrosoft Copilotがあります。どちらも2023年の前半に発表され、その機能やサービスも類似している部分も多くあります。
しかし、当然のことですがDuet AIはGoogleのエコシステム内、特にGoogle WorkspaceやGoogle Cloudでの作業を強化するために開発されました。Microsoft CopilotはMicrosoft 365の一部として、特にOutlookやExcelなどのアプリケーションでの作業をサポートします。
例えば、表計算機能では、Duet AIはGoogle Sheetsに最適化されており、与えられたテーマに基づいてシートを作成します。Microsoft CopilotはExcelでの作業を強化し、セルのデータに関する質問に答えたり、データに基づいてサマリーを作成するなどの機能を提供します。
Duet AIはGoogle Workspaceで利用する場合は1ユーザー月額30ドル利用可能です。14日のトライアル期間があり、期間中は無料で利用できます。Google CloudやAppSheetに関しては、トライアル段階のためGoogleアカウントがあれば現在は無料で利用できます。Microsoft CopilotはDuet AI for Workspaceと同じく1ユーザー月額30ドルで利用することができます。
Duet AIの使い方は?
Duet AIの利用方法については、以下のステップに従います。
- トライアル申請
Duet AIを使用するには、まずGoogleまたは関連サービスの公式サイトでトライアルの申請を行う必要があります。申請プロセスでは、名前、メールアドレスなどの基本情報の入力が求められます。 - メールでの認証
申請後、指定したメールアドレスに認証メールが送られてきます。メール内のリンクをクリックして、認証を完了させます。 - 言語設定: 認証後、Duet AIのインターフェースにログインし、利用する言語を英語などの希望する言語に設定します。
- 利用開始
Duet AIのさまざまな機能を利用開始できます。例えば、Google Workspace内での文書作成の支援や、Google Cloudプラットフォーム上でのデータ分析支援などが可能です。
Duet AIについてよくある質問まとめ
- Duet AIとは?
Duet AIとは、Googleアプリケーションを中心に業務の効率化など開発支援を目的とした生成AIです。以下3つのサービスが発表されました。
- Duet AI for Google Workspace
- Duet AI in Google Cloud
- Duet AI in AppSheet
- Duet AIとGoogle Bardは何が違う?
Duet AIは多様な形式の出力を可能とする、より広範な応用範囲を持つAIです。これはテキストだけでなく、画像やチャート、スプレッドシートなどの多様なメディアを含むマルチモーダル能力を示します。
一方で、Google Bardは対話型AIとして設計されており、主にテキストベースのやり取りを基本としています。Bardの目的は、質問に答えたり、会話を進めたりすることにより、ユーザーに情報を提供することにあります
- Duet AIとMicrosoft Copilotは何が違う?
Duet AIはGoogleのエコシステム内、特にGoogle WorkspaceやGoogle Cloudでの作業を強化するために開発されました。Microsoft CopilotはMicrosoft 365の一部として、特にOutlookやExcelなどのアプリケーションでの作業をサポートします。
まとめ
今回はDuet AIとはどのような生成AIなのか、できることや他サービスとの違いなどを解説してきました。Duet AIはGoogle WorkspaceやGoogle Cloudで利用できる生成AIで、業務効率化などを行ってくれます。今後はGoogleが現在開発しているAIモデルのGeminiによって、Googleのアプリケーションでできるタスクの幅が広がり高精度なアウトプットを実現することが注目されています。
ぜひ、今回の内容を参考にAI導入に関する知識をつけていきましょう。
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