水道管路劣化診断のAIベンチャー・Fracta Japan、山梨県北杜市上下水道局と業務委託契約を締結
最終更新日:2024年09月06日
Fracta Japan株式会社は、2023年3月2日、山梨県北杜市上下水道局との間で管路劣化診断支援業務委託の契約を締結したと発表した。
Fracta Japanは、地中の水道管劣化状態を掘らずに「見える化」する米国AIベンチャー・Fracta社の日本法人だ。今回の契約締結により同社は、北杜市上下水道局が管理する全域の水道管の老朽度合を、Fracta社の水道管路劣化診断技術を用いて算出し、メンテナンス業務の支援を行う。
<本ニュースの10秒要約>
- 埋設された水道管路の老朽化度を、AIなどを活用して算出する水道管路劣化状態診断技術
- 水道管破損事故のパターンや、地盤/気象状況/利用状況といった環境データも用いて予測
- 北杜市上下水道局が管理する全管種約1,335㎞の老朽度合を算出。山梨県内では初導入
地面を掘り起こさずに老朽化度を把握できる水道管路劣化状態診断技術
水道インフラの老朽化対策は、世界各国で喫緊の社会課題となっている。米国では年間約24万件もの水道管の破損が発生しており、2050年までに必要な水道管更新費用の試算額は約110兆円にのぼる。こうした社会課題に対応すべくFracta社は、ビッグデータ/AI/機械学習を活用した水道管路劣化状態診断技術を開発した。
Fracta社の水道管路劣化状態診断技術は、地中に埋設されているため肉眼での視認が不可能な水道管路について、地面を掘り起こさず老朽化度を把握できるというものだ。水道管1本1本の寿命予測を可能にしたことで、交換目安時期の判断や交換の効率的な順序決定を支援し、水道管の交換投資の最適化を実現した。
この水道管路劣化状態診断技術は、米国を中心として5か国の128事業体にて導入されており、学習した水道管破損事故のパターンは約30万km/60万件以上におよぶ。日本においても、導入している事業体数は2023年1月末時点で38に達している。
北杜市上下水道局が管理する約1,335㎞の全管種の老朽度合を算出
Fracta Japanは今回、北杜市上下水道局の「上水道管の劣化診断支援業務委託」候補者に同社が公募型プロポーザル方式によって選定されたことで、委託契約を締結に至った。
Fracta Japanと契約した北杜市は、山梨県において総面積の13.5%を占める県内最大の自治体であり、同市の上下水道局も県内最大規模の水道管布設延長を管理している。そのため、水道管路について日常の漏水対応や管路情報の一元整理といった課題を抱えており、管路維持管理の改善および有収率の向上に向けて民間企業のノウハウや技術の導入を模索していた。
今回の契約締結によりFracta Japanは、北杜市上下水道局が管理する約1,335㎞の全管種を対象として、老朽度合を算出する。算出に際しては、同局が保有する漏水・修繕データに加えて、Fracta社が持つ国内外の水道管破損事故も学習したAIを活用。同市の地盤/気象状況/利用状況といった環境データも用いて劣化予測値を算出し、劣化度合の高い水道管から順番に交換するメンテナンス業務に活用される。
山梨県内にて初めて導入される水道管路劣化診断技術
Fracta社の水道管路劣化診断技術は今回、山梨県内にて初めて導入されることとなった。公募型プロポーザル方式における受注も、同社にとっては今回が初となる。
今後もFracta社およびFracta Japanは、環境ビッグデータとAIを用いた水道管路劣化診断技術を通じてインフラの老朽化対策に貢献し、自治体・水道事業体のさらなる保守テックニーズに応えるとしている。
参照元:PRTIMES
データ分析・予測について詳しく知りたい方はこちらもご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp