最終更新日:2024-09-06
水道管の劣化を掘らずに診断するAIベンチャー・FRACTA、全国の水道管破損リスク推計を発表
AIベンチャーのFRACTA(米FRACTA社およびFracta Japan株式会社)は、2023年2月13日、「全国自治体における水道管破損リスク推計(2022年12月)」を発表した。
同社は、環境ビッグデータ&AIを用いた水道管路劣化診断技術を、日本全国の自治体・水道事業者に提供している企業だ。今回の発表では、この水道管路劣化診断技術によって算出された2022年12月時点における全国の水道管破損リスクがまとめられている。
<本ニュースの10秒要約>
- 水道管の劣化状態を掘らずに診断する技術で、2022年12月時点の水道管破損リスクを推定
- 60万件以上の事故発生パターンを学び、水道管破損事故が起きる確率を算出するFRACTAのAI
- 水道管の劣化が進みやすい自治体、四国に集中。良い環境は、中国・山陰地方に集中
事故発生パターンを学んだAIが、水道管の劣化状態を掘らずに診断
FRACTAは、埋設された水道管の劣化状態を掘らずに「見える化」する水道管路劣化診断技術を、自治体に提供している。
この水道管路劣化診断技術では、メッシュ(100m四方で区切ったエリア)ごとに水道管破損事故が起きる確率を、事故発生パターンを学んだAIが算出。算出に際しては、水道管に関連する「地盤」「気象条件」「利用状況」「交通事情」などの要素を考慮し、1,000以上の環境変数を扱う。
同技術を用いたインフラ劣化予測サービスを、同社は日米欧5か国の128事業体において展開している。事業を通じてデータを獲得した水道管の総延長は約30万kmに達し、AIが学習した破損漏水事故の数は60万件以上におよぶ。
水道管の劣化が最も進みやすい都道府県は、AIの回答は高知県
FRACTAが今回発表した「全国自治体における水道管破損リスク推計」は、同社の水道管路劣化診断技術を用いて制作された。推計は2022年12月時点において行われ、いずれの自治体も平均的な同じ水道管を使用していると仮定。なおここでの「リスク」は、あくまで水道管にとっての環境リスクを示すものとなっている。
この「推計」によると、水道管の劣化が最も進みやすい環境を持つ都道府県は、高知県となった。次点には愛媛県/徳島県/香川県が並び、水道管破損リスクの高い地域が四国エリアに集中する結果となっている。四国エリアの他には、鹿児島県にて水道管破損リスクの高い地点の集中が見られた。
この結果についてFRACTAは、四国エリアにはかつて600以上の金属鉱山があり、生産が盛んであった点を指摘。土壌の成分が、水道管の劣化に影響をおよぼした可能性があると考察している。また、四国エリアは丘陵地が多いため、浸食を受けやすいことも指摘している。
テクノロジーを用いて、現実社会にイノベーションを
なお、水道管にとっての環境が恵まれた都道府県については、岡山県がトップとなった。次点には島根県/山口県/広島県/鳥取県が並び、中国・山陰地方に集中する結果となっている。
今回発表した「推計」についてFRACTAは、全国の水道事業体にとって有効な判断材料になることを期待。今後も水道管路劣化診断技術をはじめとするテクノロジーを用いて、現実社会にイノベーションをもたらすとしている。
参照元:PRTIMES
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