日立システムズのAI需要予測型自動発注システム、中部薬品の店舗で店舗在庫量の圧縮/適正化などを実現
最終更新日:2024年05月17日
株式会社日立システムズは、2024年5月15日、AIによる需要予測型自動発注システムを中部薬品株式会社の全店舗に導入し、店舗在庫量の圧縮/適正化などを実現したと発表した。
日立システムズでは、流通業/小売量販店に特化した高精度の販売予測モデルと需要予測型自動発注システムを提供している。中部薬品では国内400の全店舗にて2023年8月よりシステム稼働を開始し、自動発注率の向上と発注作業時間の削減を実現。結果として、店舗在庫量の圧縮/適正化と商品回転率の向上への寄与を果たした。
<本ニュースの10秒要約>
- 流通業/小売量販店に特化した需要予測型自動発注システムを提供する日立システムズ
- 中部薬品にて自動発注率を従来比115%まで向上、日配品については従来比160%まで向上
- 店舗在庫量の圧縮/適正化と商品回転率の向上に寄与、さらなる導入実績の拡大を目指す
小売業の課題をAIで解決する日立システムズ
日本国内では現在、少子高齢化による労働人口の減少が深刻な状態だ。流通業界もその影響を強く受けており、物流機能を維持するためにもサプライチェーン全体の最適化が急務となっている。サプライチェーンの起点となっている小売業の発注・在庫管理についても、DXツールの活用などを踏まえた業務改革の推進が求められるようになった。
しかし小売業の発注/在庫管理業務では、ベテラン担当者の経験/勘に頼る形で発注数量の算出などを行っている場合が多く、属人化した発注ノウハウの継承は容易ではない。顧客のデジタル変革を支援している日立システムズは、小売業をめぐるこうした課題をAIで解決すべきと判断。スーパー/ドラッグストア/ホームセンターといった流通業/小売量販店に特化した形で、需要予測型自動発注システムなどを提供している。
予測だけでなく発注まで可能なシステムを求めた中部薬品
日立システムズの需要予測型自動発注システムを導入した中部薬品は、ドラッグストア/調剤薬局チェーン「V・drug」を展開している企業だ。小売業が直面している発注/在庫管理業務の改善という課題を解消すべく、業界に先駆けてAIを活用した需要予測などに取り組んで来た経緯も持つ。
しかし中部薬品は、これまで活用してきた需要予測システムは予測精度が低く、日配品といった変動性の高い商品が対象外になることを課題視した。また、予測するだけで発注までつなげられないことにも不満を感じ、新たなシステムの導入を検討。そこで、AIによる精度の高い需要予測と、それを在庫適正化にまでつなげる発注制御機能の両方を兼ね備えた日立システムズの需要予測型自動発注システムを、導入するに至った。
効果が実証されたAIシステムを、他業種にも展開
中部薬品にて2023年8月から稼働を開始した日立システムズの需要予測型自動発注システムは、中部薬品側の棚割システムと連携することで自動発注率を高い比率で向上。全体として従来比115%まで向上し、日配品については従来比160%まで向上した。この向上により、発注作業時間は1週間で約600時間削減。さらに、AIによる商品改廃時の在庫制御によって円滑なMDサイクルも実現し、結果として店舗在庫量の圧縮/適正化と商品回転率の向上に寄与している。
この結果に中部薬品は満足しており、今後は販売予測データを活用した物流在庫センターの在庫最適化や配送遅延防止といった施策も進める予定だ。日立システムズは、中部薬品への導入でその効果が実証されたAIシステムを他業種にも展開し、さらなる導入実績の拡大を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
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