レオパレス21の社内生成AI「LeoAI Chat」、バージョンアップで社内マニュアルなどに関する回答が可能に
最終更新日:2024年04月15日
株式会社レオパレス21は、2024年4月10日、同社の社内向け生成AIチャットシステム「LeoAI Chat」においてバージョンアップを実施し、社内マニュアルなどに関する回答が可能になったと発表した。
レオパレス21は賃貸事業などを展開している企業であり、「LeoAI Chat」は同社の従業員がセキュアな環境でAI技術を利用できるよう2023年11月に導入したシステムだ。今回のバージョンアップは2024年4月に行われ、同社内の規約・業務マニュアルに関する回答が新たに可能となっている。
<本ニュースの10秒要約>
- レオパレス21の従業員がセキュアな環境でAI技術を利用できる生成AI「LeoAI Chat」
- 「Azure OpenAI Service」を活用し、顧客データを再トレーニングに使用しない環境を実現
- バージョンアップで回答範囲が拡大、他の業務データも「LeoAI Chat」に学習させる予定
入居中の問い合わせ対応から始まったAI開発
レオパレス21は、アパートの賃貸/管理を中心とする賃貸事業やアパート建築を行う開発事業、また老人ホームなどの運営を行うシルバー事業も手がけている。近年はDXの推進に取り組んでおり、2023年3月にはその一環として入居中の問い合わせに対応するAIチャットボットの運用を開始。カスタマーサービスにおける応答率の大幅改善を実現した。
入居者向けAIチャットボットの成功を受けて同社は、AIの社内活用が業務効率化の推進やサービス品質/提供スピードの向上につながる可能性があると判断。従業員がセキュアな環境で利用できる社内向けの生成AIチャットシステムとして「LeoAI Chat」を開発した。
セキュアな環境でLLMを利用できる「LeoAI Chat」
「LeoAI Chat」は、日本マイクロソフト株式会社が提供する「Azure OpenAI Service」を利用した生成AIチャットシステムだ。
「Azure OpenAI Service」は、「ChatGPT」「GPT-4」といった多様な生成AIモデルを「Azure」のクラウドプラットフォーム上で利用できるサービスであり、情報セキュリティ上の安全性が担保されるという特徴を持つ。一般的な生成AIでは質問内容がモデルトレーニングに利用され、情報漏洩のリスクが生じる可能性があるが、Microsoft社が提供する企業版「ChatGPT(Azure OpenAI Service)」は顧客データを再トレーニングに使用しない。そのため、セキュアな環境でも大規模言語モデルの利用を可能にした。
この「Azure OpenAI Service」を用いてレオパレス21は、「LeoAI Chat」を社内開発で構築。従業員のデジタルリテラシー教育や生成AI利用に関するガイドラインの作成なども進めながら2023年11月に本格導入し、平均して1人あたり約8時間/月の業務削減を実現している。
社内規約/業務マニュアルを参照する手間を解消
レオパレス21が「LeoAI Chat」にて2024年4月に実施したバージョンアップでは、社内マニュアルなどに関する回答を実現。社内規約/業務マニュアル/過去事例/FAQなどを学習させることで、「LeoAI Chat」がダイレクトに業務に必要な回答を行えるようになった。
同社ではこれまで、社内規約/業務マニュアルの参照に多くの手間を要していたという。「LeoAI Chat」のバージョンアップによりこの手間が解消したことを、同社は高く評価。今後は、2024年内に他の社内業務データも「LeoAI Chat」に学習させ、生成AIのさらなる精度向上を図るとしている。
参照元:PRTIMES
生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp