Mistral AI、最新LLMと無料チャットサービスを発表。画像生成やウェブ検索など多機能な統合AIプラットフォームへ
最終更新日:2024年11月21日
Mistral AIは2024年11月18日(現地時間)、最新のLLM(大規模言語モデル)「Pixtral Large」と、無料チャットサービス「le Chat」の大規模アップデートを発表した。
Pixtral Largeは124Bパラメータの多機能モデルで、画像や文書の理解能力を大幅に向上。le Chatは、ウェブ検索、画像生成、ドキュメント分析など、複数の新機能を搭載し、企業向けAIプラットフォームとしての総合力を強化した。
現在これらの機能はベータ版として無料で提供されており、今後プレミアム版の展開も予定している。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 最新のLLM(大規模言語モデル)Pixtral Largeを発表、画像・文書理解において競合モデルを上回る性能を実現
- チャットサービスle Chatに画像生成やウェブ検索機能を実装、ChatGPTやClaudeと同等の機能を無料で提供開始
- 複数の高度なAI機能を統合したプラットフォームとして、企業向けソリューションの強化を実現
Pixtral Large:競合を上回る画像・文書理解能力
Pixtral Largeは、Mistral Large 2をベースに開発された124Bパラメータの多機能モデルだ。
画像や文書の理解において、MathVista、DocVQA、VQAv2などの主要なベンチマークでGPT-4やGemini-1.5 Proを上回る性能を達成している。
特に数式や図表を含む複雑な文書の理解・分析において高い性能を示し、30枚以上の高解像度画像を同時に処理できる128Kのコンテキストウィンドウを実現した。
le Chat:無料で提供される統合AIプラットフォーム
le Chatは、Pixtral Largeの性能を活用した無料のチャットサービスだ。
今回のアップデートで、ウェブ検索による最新情報の取得、Black Forest Labs社と提携した高品質な画像生成機能、PDFや画像の分析機能など、複数の新機能を実装した。
また、Canvas機能を導入し、ドキュメントやプレゼンテーション、コードなどの作成・編集を直感的に行えるようになった。
ワークフロー自動化とエージェント機能の実装
le Chatは、定型的なタスクを自動化するエージェント機能を実装した。領収書のスキャン、会議議事録の要約、請求書処理など、特定のワークフローを自動化し、チーム内で共有できる。
エージェントは再利用可能で、複雑な業務フローも効率的に処理できる設計となっている。
AI Market の見解
Mistral AIの今回の発表は、OpenAIやAnthropicが主導するAI市場に対する重要な挑戦だ。特筆すべきは、高度な機能を無料で提供する戦略で、これはAI技術の民主化を加速させる可能性がある。
技術面では、Pixtral Largeの画像・文書理解能力が競合モデルを上回る点が注目に値する。
企業向けソリューションとしての総合力も高く、今後のAI市場の競争構造に大きな影響を与える可能性が高い。ただし、無料提供の持続可能性や、プレミアム版への移行戦略が今後の成長のカギとなるだろう。
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