米OpenAI社、300ページに至る長文回答と低価格化を実現した次世代LLM「GPT-4 Turbo」発表
最終更新日:2024年03月15日
米OpenAI社は、2023年11月6日、次世代LLM(大規模言語モデル)となる「GPT-4 Turbo」を開発したと発表した。
OpenAI社は、対話型生成AI「ChatGPT」の開発/提供で知られる企業だ。同社が今回発表した「GPT-4 Turbo」は、パフォーマンスの大幅向上と高性能化に加えて廉価化も実現したモデルであり、300ページに至る長文回答などが可能となっている。
<本ニュースの10秒要約>
- 生成AI「ChatGPT」の構築を実現した「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」の最新モデル
- 処理可能なテキスト量が128,000トークンまで拡大、一般的な書籍であれば300ページ以上に相当
- パフォーマンスの最適化によって値下げが実現。「GPT-4」と比較して、入力は1/3、出力は1/2に
人間のように自然な文章の自動生成を実現したLLM「GPT」
OpenAI社は、汎用人工知能の普及/発展を目標としてAI分野の研究/開発を手がける企業だ。同社が2022年11月に公開した「ChatGPT」は、人間同士の対話を模倣できる対話型生成AIサービスとして開発され、世界中で大きな注目を獲得。一般社会レベルにおけるAIへの注目度も飛躍的に向上させ、登場から約1年を経た2023年後半には国家レベルでその動向が注視されるまでに至っている。
公開を開始した時点での「ChatGPT」は、LLM「GPT-3」に基づいて構築された。「Generative Pre-trained Transformer(事前に学習を済ませた生成的なTransformer)」の略称から命名されたこのLLMは、Googleが開発したLLM「Transformer」をベースとして、人間のように自然な文章の自動生成を実現。「GPT-1」「GPT-2」と順調なバージョンアップを経て、「GPT-3」では「ChatGPT」の構築を実現した。その後も「GPT」のバージョンアップは進み、2023年3月には「GPT-4」が公開されている。
「GPT-4」は、前バージョンよりも大幅に改良されたLLMとして登場した。画像も入力できるマルチモーダル対応が同バージョンの最大の特徴であり、画像の内容を説明する文章の自動生成なども実現。言語性能も向上し、25000語以上におよぶテキストの同時読み取りなども可能となっている。
「GPT-4」の性能をさらに向上させた「GPT-4 Turbo」
今回公開された「GPT-4 Turbo」は、「GPT-4」の性能をさらに向上させたバージョンアップ版となる。
同モデルの最大の特徴は、処理可能なテキストが128,000トークンまで拡大されたことだ。「GPT-4」の処理上限である32,768トークンと比較して、テキスト量が大幅に増大した。なお128,000トークンは、一般的な書籍であれば300ページ以上のテキスト量に相当する。
「GPT-4 Turbo」のもうひとつの特徴としてOpenAI社が訴求するのが、低価格である点だ。パフォーマンスの最適化によって実現したというこの値下げで、「GPT-4」よりも入力は1/3、出力は1/2、価格が低く抑えられている。
「GPT-4 Turbo」の発表は、OpenAI社が米サンフランシスコにて同日開催した開発者向けカンファレンス「DevDay」にて行われた。この場で同社は、アプリへのAIアシスタント搭載を容易にする「Assistants API」や、マルチモーダル対応を強化した「GPT-4 Turbo with vision」なども、併せて発表している。
参照元:New models and developer products announced at DevDay – OpenAI
関連記事:「GPT-4 Turboとは?」
ChatGPTの仕組みを詳しく知りたい方はこちら、また、ChatGPTの導入支援会社をお探しの方はこちらの記事もご参考ください。LLM(大規模言語モデル)とは何か詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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