Difyとは?生成AIアプリ開発ツールの特徴や使い方、活用事例を徹底解説!
最終更新日:2024年11月11日
生成AIの活用が広まる中で、AIアプリを開発するプラットフォームも増えています。なかでもDifyは、専門の知識や技術がなくてもAIアプリを開発できるツールとして、注目を集めています。
実際に、SNSやテック系掲示板等を見るとDifyを活用して作ったアプリケーションの紹介が多数掲載されています。
この記事では、Difyの特徴や使い方、活用事例について解説していきます。AIアプリ開発ツールを使ったことがない方でも、DifyでのAI開発を理解できる内容となっていますので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
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Difyとは?
Difyとは、誰でもAIアプリケーションを開発できるオープンソースプラットフォームです。AIを効率的に開発できる環境を提供しており、独自のAIアプリケーションを構築できます。Difyではコーディングスキルが不要な直感的なインターフェースを備えており、ビジネスユーザーからエンジニアまで幅広い層が利用可能です。
また、Difyは多様なAIモデルに対応しており、さまざまな種類のアプリケーションを商用目的で開発できます。オープンソースとして提供されているため、自由にカスタマイズや拡張ができ、企業の特定のニーズに応じたソリューションを構築できます。
インターフェースが日本語化されているので、日本語での開発もスムーズに開始可能なのも人気のポイントです。
これにより、Difyはさまざまな業界で商用利用を前提としたAIアプリケーションの開発において、有用なプラットフォームとされています。
Difyで作成できるAIアプリケーション
Difyを利用することで、以下のようなAIアプリケーションを簡単に作成できます。
Difyが提供するこれらのツールは、幅広い業務やプロジェクトに対応でき、ユーザーのニーズに応じてカスタマイズ可能です。これにより、効率的で柔軟なAIソリューションの開発が実現します。
Difyの料金
Difyには無料プランから、複数の有料プランがあります。それぞれの料金体系については、以下の表をご覧ください。
SANDBOX | PROFESSIONAL | TEAM | Enterprise | |
---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 59ドル/月 | 159ドル/月 | 要問い合わせ |
クレジット | 200件 | 5,000件/月 | 10,000件/月 | 無制限 |
開発できるアプリ数 | 10個 | 50個 | 無制限 | |
ストレージ | 5MB | 200MB | 1GB | カスタム |
チームメンバー | 1人 | 3人 | 無制限 | |
メッセージリクエスト数 | 500件/日 | 無制限 | ||
ログ履歴 | 15日間 | 無制限 | ||
カスタムツール | 利用不可 | 10種類 | 無制限 | |
サポートシステム | コミュニティフォーラム | メールサポート | 優先メールとチャットサポート | 専用サポート |
上記のように、有料プランでも3つの種類があり、それぞれ受けられるサポートやアプリ開発回数などが異なります。ENTERPRISEプランは、大規模な企業向けにカスタマイズされたソリューションを提供し、料金は個別相談となります。
PROFESSIONALプランとTEAMプランには年間プランもあり、以下のようになっています。
- PROFESSIONALプラン・・・49ドル/月
- TEAMプラン・・・139ドル/月
Difyを利用する際は、AIアプリの開発頻度や予算、サポートシステムなどを比較しながら最適なプランを選択しましょう。
AI Marketでは
Difyの7つの特徴
Difyには、AIアプリの開発に適した特徴を備えています。それぞれの特徴について解説します。
直感的なインターフェースを備えている
Difyではユーザーが直感的に操作できるノーコード/ローコード開発のインターフェースを備えており、技術的な知識が少なくても簡単にAIアプリケーションを開発できます。このインターフェースは視覚的に分かりやすく設計されており、ドラッグ&ドロップや簡単なクリック操作で複雑な処理や条件分岐を視覚的に組み立てることが可能です。
また、インターフェースはユーザーの作業効率を最大化するよう最適化されており、短時間でのアプリ開発の手助けとなります。これにより、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーが開発プロセスを進めることができます。
ワークフローに沿って開発を進められる
Difyは、ユーザーがワークフローに沿って開発を進められる設計となっています。Difyにはさまざまなテンプレートやコンポーネントが用意されており、ユーザーは自然な流れでAIアプリケーションの構築を進めることが可能です。
テンプレートやコンポーネントを活用しながら開発を進めることで、コーディングの知識がなくてもスムーズに構築できます。これによって素早くAIアプリを開発し、現場で活用することが可能です。
さまざまなAIモデルに対応できる
Difyは、さまざまなAIモデルに対応できるのが特徴です。Difyで利用できるAIモデルは以下の通りです。
Difyは主要なAIフレームワークやモデルとの互換性を持っており、自然言語処理、画像認識、データ分析など、幅広い用途に対応できる点が大きな強みです。また、既存のAIモデルをそのまま使用するだけでなく、ユーザー自身がカスタマイズしたモデルを導入することも可能です。
これにより、プロジェクトに特化したAIアプリケーションを開発できます。
RAGエンジンで独自のアプリケーションが開発可能
Difyでは、RAGエンジンを活用することで独自のアプリケーション開発を可能にしています。RAGエンジンは、外部データソースから必要な情報を効果的に取り込み、それを基に高度な生成タスクを行う技術です。
RAGについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
RAGエンジンを活用することで、精度や応答性に優れたAIアプリケーションを実現できます。ユーザーはさまざまなデータを組み合わせて、よりカスタマイズされたアプリケーションを開発でき、特定の業務に最適化されたAIソリューションを構築することが可能です。
オープンソースとして自由に開発できる
Difyはオープンソースとして提供されており、ユーザーは自由にカスタマイズや拡張が可能です。このオープンソースの特性により、開発者のニーズに合わせてDifyの機能を拡張し、独自の機能を追加することができます。
また、コミュニティのサポートや共有されたリソースを活用することで、より迅速かつ効率的に開発を進めることも可能です。特定の業務に適したソリューションを求める企業や個人にとって、オープンソースである点はメリットであり、長期的なプロジェクトにも対応できる持続可能な開発環境を提供します。
オンプレミス対応で高いセキュリティ
セキュリティを重視する企業向けに、Difyは完全オンプレミス環境での運用も可能です。Difyのような生成AIプラットフォームの場合、通常はクラウドサービスとして提供されますが、オンプレミス対応により自社環境での導入が可能になります。
企業のローカルサーバにインストールして運用することができ、クラウドに依存せずに自社内で生成AI技術を安全に活用できます。これにより、データの外部流出リスクを大幅に低減できます。
商用利用可能
Difyはオープンソースソフトウェア(OSS)として提供されており、基本的には商用利用が可能です。
ただし、以下の場合には、商用ライセンスの取得が必要となります:
- マルチテナントSaaSサービスの提供:複数の企業や組織が共有して利用するクラウドサービスを運営する場合
- ロゴや著作権情報の削除・変更:Difyコンソールに表示されるロゴや著作権情報を削除または変更する場合
上記の制限に該当する場合は、Difyのビジネスチームに問い合わせて、商用ライセンスを取得する必要があります。
Difyの使い方はブラウザかローカル
Difyの使い方については、以下の手順が基本とされています。
- 利用環境をブラウザかローカルか選ぶ
- ワークフローを選択する
- アプリケーションの情報を入力する
- 連携する外部ツールやAPIを設定する
- プロンプトエディタを設定する
- 開発したアプリケーションをテストする
- アプリケーションを保存・公開する
それぞれの手順を理解し、Difyの使い方を把握しましょう。
利用環境をブラウザかローカルか選ぶ
Difyを使用する際、まずは利用環境を選択します。Difyはブラウザベースでもローカル環境でも動作するため、ユーザーのニーズや作業環境に応じて最適な選択が可能です。
ブラウザでの利用は手軽に始められる利便性があり、インターネット接続さえあればどこでも作業を進められます。ブラウザでの利用の場合はDifyの公式サイトにアクセスして、アカウントを作成するだけで利用開始できます。ワークフロー画面でAIモデルや外部ツールを選択し、ドラッグ&ドロップで配置してワークフローを構築します。
一方、ローカル環境での利用はセキュリティやカスタマイズ性を重視するユーザーに最適です。ローカル環境でDifyを利用する際はDockerとDifyのリポジトリをインストールする必要があるため、ブラウザに比べると少し手間がかかります。
ワークフローを選択する
開発環境が整ったら、ワークフローを選択します。Difyでは一から作成する手順と、テンプレートから作成するの2種類があり、ユーザーの技術や知識に合わせてワークフローを選択することが可能です。
素早くAIアプリケーションを作成したいならテンプレートから作成、自由にカスタマイズしたいなら一から作成するというワークフローを選択するのがおすすめです。
AIモデルを選択し、ワークフローに組み込むことができます。テンプレートから作成する場合でも、一から作成する場合でも、AIモデルを選択してワークフローに追加することが可能です。
アプリケーションの情報を入力する
ワークフローを選択した後、アプリケーションの基本情報を入力するステップに入ります。ここではアプリケーションの名前や概要、アイコンを設定します。
連携する外部ツールやAPIを設定する
アプリケーションの基本情報を入力したら、Difyが他のシステムやサービスと円滑に連携できるよう、必要な外部ツールやAPIを設定します。
プロンプトエディタを設定する
次に、プロンプトエディタを設定します。プロンプトエディタは、AIアプリケーションの中核となる部分であり、ここでAIモデルがどのようにユーザーの質問に応答するかを設定します。
ユーザーの質問に対してどう回答すればいいか、適切なプロンプトを設定する必要があります。プロンプトエディタはAIアプリケーションの中核であり、ここが詳細であれば、優れたアプリケーションを作成できるでしょう。
開発したアプリケーションをテストする
プロンプトエディタの設定が完了したら、テストを行います。設定したプロンプトエディタでアプリケーションが正しく動作するかを確認します。
例えばチャットボットであれば、質問した内容に対して適切な回答がされるかをチェックします。十分な回答を得られない場合は、プロンプトエディタを編集し、より最適な回答が得られるように修正しなければいけません。
アプリケーションを保存・公開する
アプリケーションのテストが完了したら、アプリケーションの保存と公開を行います。アプリケーションを保存・公開すれば、作成したツールをすぐに使い始めることができます。
また、必要に応じてDify内でアプリケーションを編集することも可能です。タスクや業務フローの変更があれば、プロンプトエディタを編集してアプリケーションをアップデートしましょう。
関連記事:「AI開発の基本からAIシステム構築の手順や流れを徹底解説!失敗しないための注意点も紹介」
Difyについてよくある質問まとめ
- Difyではどんなアプリが作れますか?
以下のようなアプリケーションを作成することが可能です。
- チャットボット
- テキスト生成ツール
- データ分析ツール
- 言語処理ツール
- 画像認識ツール
- AIエージェント
- プログラミングコード生成ツール
- Difyではどうやってアプリケーションを開発しますか?
Difyでは以下のような手順でAIアプリケーションを開発します。
- 利用環境をブラウザかローカルか選ぶ
- ワークフローを選択する
- アプリケーションの情報を入力する
- 連携する外部ツールやAPIを設定する
- プロンプトエディタを設定する
- 開発したアプリケーションをテストする
- アプリケーションを保存・公開する
Difyではテンプレートやコンポーネントを利用することも可能で、難しい操作はありません。
まとめ
DifyはAIアプリケーションを開発するプラットフォームで、ユーザーの知識やプログラミングスキルを問わず利用できるツールです。利用環境をブラウザかローカルを選択できるため、幅広く活用することができます。
自社独自のAIアプリケーションを開発するには、試行錯誤が必要です。Difyを活用して、
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