四季報のデータを学習した生成AIが企業分析を支援する「四季報AI」、正式版提供を開始

株式会社ロゼッタは、2023年10月26日、対話型企業分析サポートツール「四季報AI」の正式版提供を開始した。

この「四季報AI」は、ロゼッタと株式会社東洋経済新報社が共同で開発したツールであり、学習させた四季報の最新データを基にしてユーザーが求める回答を生成AI（ジェネレーティブAI）がスピーディーに提供するというもの。今回リリースされた正式版は、ベータ版よりもデータ参照の質・量が大幅に向上しており、さらに多角的なデータに基づく分析的な応答が可能となっている。

＜本ニュースの10秒要約＞

• 株式市場における企業分析に必要な回答を、生成AIがスピーディーに提供するツール「四季報AI」
• 生成AIプラットフォーム「Metareal AI」の開発に取り組むロゼッタが、東洋経済新報社と共同開発
• 1936年より蓄積された膨大な企業情報も活用して回答、より深い分析や複合的な考察も可能に

AI自動翻訳や「Metareal AI」の開発に取り組むロゼッタ

ロゼッタは、株式会社メタリアルの子会社としてAI自動翻訳の開発・運営を手がける企業だ。「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」というミッションを掲げて、医薬／法務／金融／IT通信／半導体／精密機器など様々な分野にてビジネス向けの超高精度自動翻訳サービスを提供。導入企業・団体は、国内外で6000以上におよぶ。

同社はまた、生成AIプラットフォーム「Metareal AI」の開発にも取り組んでいる。「Metareal AI」は、「ChatGPT」「GPT-4」をはじめとする数多くの生成AIツールを企業のビジネス活用の観点で集約したサービスであり、利用者は一つのプラットフォームで最先端のAIサービスを利用することが可能。2023年7月には、70億パラメータを持つ日本語LLM（大規模言語モデル）「Metareal AI LLM-7B」を完成し、高度な文章理解／文章生成／要約などのタスクに対応している。

株式市場における企業分析をサポートするツール「四季報AI」

ロゼッタは2023年6月、株式市場における企業分析をサポートするツール「四季報AI」の開発を、東洋経済新報社と共に開始した。

「四季報AI」は、「四季報」のデータをAIに学習させることで、企業分析に必要な回答のスピーディーな提供を可能にしたツールだ。ユーザーは、特定の条件や要件に合致する企業を簡単にピックアップし、銘柄選定やポートフォリオの最適化に知見を活用することができる。

「四季報AI」の学習には、日々更新される「四季報」の最新データに加えて、「会社四季報」が創刊された1936年より蓄積された膨大な企業情報も活用。そのため、膨大なデータから各種の傾向やパターンを抽出し、市場トレンドや企業の業績予測などの情報をより深く分析することが可能となった。また、最新の情報と過去の情報を瞬時に比較し、企業の長期的な成長や変化を把握しやすくなっている。

汎用的な「ChatGPT」では虚偽を含む回答が見られるが、「四季報AI」では企業の事業進捗や業績などを元にした分析を高精細に行うことで、より信頼性の高い回答を実現。2023年7月に公開したベータ版ではこれらの点も評価され、今回の正式版リリースに至った。

参照・提案する企業データの質・量を改善して正式版をリリース

「四季報AI」正式版では、AIが参照・提案する企業データの質・量が共に改善された。数値データのより正確な認識能力を備えることで、回答文面の信頼性も向上。また、開発段階よりも広範な情報を企業データベースから取得できるようになったため、より複合的な考察を踏まえた提案も可能となった。

ロゼッタは今後も「四季報AI」にて、チューニングによる応答の改善や精度の向上などを行う予定だ。なお、「四季報AI」は東洋経済新報社「会社四季報オンライン」のプレミアムプラン限定機能として提供されるが、ロゼッタでは「四季報AI」機能のAPI提供や組み込み開発などの個別相談にも応じるとしている。

参照元：PRTIMES

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