いますぐ売上拡大につなげるAI活用方法4選!導入に失敗する原因も解説
最終更新日:2024年09月23日
「AIを使って売上を伸ばせる?」
「やみくもにAI導入してもコストがかさむだけ?」
「AIで売り上げを伸ばすための事例が欲しい」
企業への問い合わせの際のチャットボットや声認証デバイスなど、多くの企業が消費者との接点でAIを導入しています。しかし、企業担当者の中でも「AIは長期投資に過ぎない」「AIは足元の売上成長には寄与しない」と考えている方もまだまだ多いようです。
今回の記事では、実際に売上拡大につながるAIの活用方法を事例とともに紹介します。またAIを導入したときの課題も合わせてご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
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目次
AIによる売上拡大が求められている理由
AIによる売上拡大が求められている理由は主に以下の2点があります。
- 取り扱うデータの爆発的な増加
- 労働の効率化が求められている
IoTデバイスや5Gの浸透などにより顧客の行動データ、工場や機械の稼働データ、販売データなど様々なデータを取得できるようになりました。マーケッターはこのデータから新たな発見を求められています。データの量が爆発的に増えており人力での分析は難しい中で注目されているのがAIです。
加えて、新型コロナウィルスの流行の影響により、対面でのコミュニケーションが減ったり、オンライン中心の生活になるなど私達の生活スタイルは大きく変わりました。従来の営業やビジネススタイルが通用しなくなっている中で、AIを活用した業務の効率化も求められています。
売上拡大につながるAIの活用方法と事例
売上拡大につながっているAIの活用法を事例とともに具体的に紹介します。
売上予測・需要予測
売上予測・需要予測とは、過去の販売データや外部要因などを分析することで、どの程度の需要があり、どれだけ売上が得られるか分析する作業です。売上分析を大きく間違うと、過剰生産や在庫不足が発生する可能性があり、ビジネスに大きな影響を与えたり、消費者の満足度を下げることに繋がります。そのため、データに基づく正確な予測が求められます。
具体的な需要予測の活用方法・種類については、こちらで初心者の方にも分かりやすく解説しています。
AIでの売上・需要予測では、データサイズが膨大で人力分析が難しい以下のようなデータを元に売上予測を実施します。
- 過去の売上データ
- 市場データ
- 生産データ
- 天気等のデータなど
一度分析モデルが作成できれば、様々な製品への横展開が可能になり、業務の属人化を防ぐことが可能です。その結果、業務の効率化や人的リソースの有効活用につながります。
AIによる需要予測の基本的な仕組み、導入の際の注意点・デメリットについてはこちらで分かりやすく解説しています。
つづいて具体的にAIによる売上予測を利用している事例を紹介します。
株式会社ライフコーポレーション
株式会社ライフコーポレーションが運営しているスーパーマーケットライフでは、日本ユニシスとの共同開発で売上予測システムの導入を発表しました。以下のデータをなどのデータを分析し、日々の売上を予測しそれを元に自動で発注するシステムを開発しました。
- 過去の販売データ
- 天気データ
- セール情報
ライフのシステムでは、常温商材に加えて、消費期間が短いために長年の経験が必要だった牛乳などの冷蔵商品の発注作業も自動化対応が可能となりました。その結果、従来年間15万時間以上かかっていた発注作業の大幅な削減につながっています。削減した作業時間を売場メンテナンスや顧客対応に回すことで顧客満足度向上を目指しています。
また、削減した時間や売上予測データを元に、商品陳列の最適化など、売上を直接的に上げるための施策に時間を使うこともできるでしょう。
株式会社グッディ
株式会社グッディは北九州を中心に展開しているホームセンターを運営しています。グッディでは商品取扱数が8万点近くある中で、従来は10人の仕入れ担当が900以上の仕入れ計画を策定しながら発注を行っていました。しかし、仕入れ計画は属人的な感覚による部分も多くあり、在庫不足でビジネスチャンスを逃したり、過剰在庫で返送に余計な手間がかかるなどの問題がありました。
そこでAIを導入し、過去の売上データや天気などを元に仕入れ計画の作成を自動化することで個人の感覚によらない正確な仕入れ計画の策定が可能になりました。その結果、管理業務への負荷が軽くなり、より正確な仕入れ計画立案が可能になりました。削減された作業時間は、新たな売れ筋商品の開発や売り場での改善などに活用しています。
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ダイナミックプライシング
ダイナミックプライシングとは需要や共有のバランスに応じて価格を変動させる仕組みで、変動料金制度とも言われます。従来の商品価格は、年間の固定費や人件費や利益などを加味した上で人力で計算していました。しかし、従来の価格設定方法では短期スパンでの変更が難しく、利益の最大化につながらない問題がありました。
ダイナミックプライシングは、飛行機のチケットやホテルなどの宿泊料金などでは従来から導入されていましたが、最近は小売・流通などでも導入されています。様々な顧客データが集められるようになることで、より高度で複雑な価格設定が可能になっています。
このダイナミックプライシングができることで、お客様に対して最適な価格を最適なタイミングで提供することが可能になり、結果として売上・利益の最大化ができる施策として注目を集めています。
ダイナミックプライシングとは何か、メリットは何かをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
イオンリテール株式会社
イオンリテール株式会社では、ほぼ全ての商品において販売実績や天候、客数などのデータを分析して商品ごとの適切な割引率を表示する「AIカカク」を2021年5月に導入しました。AIカカクを導入したことにより、割引率は2割強改善したと言われています。
AIカカクを利用するための現場での作業は、商品のバーコードを読み込み、陳列数を入力するだけで、AIが最適と判断した割引率が記載されたシールが自動で発行されます。そのため単なる割引率の改善だけでなく、割引業務に関わる教育時間や食品ロスの軽減にもつながることが期待されています。
株式会社ローソン
株式会社ローソンは、電子タグを活用したダイナミックプライシングの実証実験を行っています。電子タグとはRFIDとも呼ばれ、非接触で商品情報を読み取れるタグです。ローソンでは電子タグ上で消費期限を管理し、商品棚についているリーダーが商品情報を読み取り、消費期限が近い商品を識別して割引価格を表示する仕組みを実験しました。
また、価格変動だけでなく、消費期限が近い商品をLINEに通知し、LINEPayで支払うと割引されるという仕組みもあります。この取組はダイナミックプライシングによる食品ロス対策はもちろん、小売の販売促進や販売行動データの取得などを目指しています。
また、来店したユーザーが棚から商品を手に取ると、棚に設置したカメラの映像をAIがリアルタイムに解析し、性別や年代を割り出します。そして、商品棚情報のサイネージ画面には手にした商品とユーザーの属性に応じた商品広告を表示することが可能です。このカメラでは、ユーザーの表情や目線の動きも撮影しており、画面の広告を見たか、その時にどのような表情をしていたかもデータとして蓄積し、AIレコメンドの基礎データにします。
他のAIレコメンドの活用事例についてはこちらで詳しく解説しています。
陳列の最適化
顧客のニーズや行動に合わせた品揃えを揃えて、陳列することは売上拡大のためには欠かせません。しかし、カテゴリーや商品数が数百あり組み合わせが無限にある中で、スペースの制限条件や過去の売上も加味した品揃えを人力で検討するのは難しく、マニュアル化もしづらい業務です。この品揃えと陳列の業務でAIの活用が始まっています。AIを活用することにより技術の属人化を防ぎ、業務の効率化を行うことができます。
株式会社スギ薬局
株式会社スギ薬局は、株式会社エクサウィザーズと共同開発で品揃え最適化AIを開発しました。品揃え最適化AIでは、大きく分けて以下の2つの機能があります。
- 品揃えパターン生成
- 代替可能性分析
AIを使って、膨大な商品数のなかから売上効率を上げる商品の組み合わせを算出して品揃えパターンを生成します。各棚の昇格商品や降格商品を決定可能です。
代替可能性分析とは、過去の商品の購買情報を基に、なくても全体の売上に影響しづらい商品を決定する作業です。まず、顧客の購買履歴などを分析することでどの商品の組み合わせが一番買われるのか算出します。そして、カットしてもいい商品を導き出して売れ行きが高い商品に差し替えたり、生じたスペースで販売する新商品の販促をすることで売り場の効率アップを目指せます。
AI導入後の課題
様々な導入事例を紹介してきましたが、すべての企業がAIを導入してうまく行っているわけではありません。AIを導入してもうまく運用できなかったり、活用できていない企業も多いのも事実です。ここではAIを導入してもうまくいかない代表的な原因を紹介します。
組織の対応力不足
デジタルの担当部署がシステムを導入したのに、現場レベルで以下のような問題が生じることがよくあります。
- 使い方がわかりづらく浸透しない
- 従来の業務と比較して余計な負担がかかる
組織としてシステムを活用する方針、対応力を加味せずにシステムだけを導入してしまうのは避けましょう。
また、AIに関する理解度が低い組織の場合にも注意が必要です。AIは学習を重ねることに精度を上げていくことが多く、すぐに結果につながるわけではありません。短期的な結果だけを求めるのではなく、中長期的な改善も目指しましょう。
AIに関する知識を持った人材の不足
AIシステムを導入するためにはAIに関する知識を持った以下のような人材が必須です。
- データを取り扱うためのデータサイエンティスト
- プロジェクトマネージャー
AIの需要が高まっている中で、世界的にAI技術関連の人材不足が叫ばれています。自社内でAI人材を担保するのも難しくなっており、システムだけを導入してもうまく活用できない例が増えております。自社内での人材の確保はもちろん、外部協力会社なども加味しながら適切な人材の確保を目指しましょう。
AI人材を自社で育成する方法、または人材育成を外注する方法についてはこちらで分かりやすく説明しています。
AI人材育成・AI人材研修サービスを選定したいと思われた方は、AI Marketのコンサルタントがサービス選定支援を無料で行うことも可能ですので、ぜひご相談ください。
AI活用についてよくある質問まとめ
- AIを活用して売上を拡大する具体的な方法にはどのようなものがありますか?
AIを活用した売上拡大の主な方法は以下の通りです。
- 売上予測・需要予測
- ダイナミックプライシング
- 陳列の最適化
- AI導入時の主な課題は何ですか?
AI導入時の主な課題は以下の通りです。
- 組織の対応力不足
- AI関連知識を持つ人材の不足
- AIを活用した売上拡大の具体的な事例を教えてください。
AIを活用した売上拡大の事例は以下の通りです。
- 株式会社ライフコーポレーション: AIによる売上予測システムで発注作業を自動化
- 株式会社グッディ: AIを用いた需要予測で仕入れ計画を最適化
- イオンリテール株式会社: 「AIカカク」システムで適切な割引率を算出
- 株式会社ローソン: 電子タグとAIを活用したダイナミックプライシング実験
- 株式会社スギ薬局: AIによる品揃え最適化システムを開発
売上拡大のためにAIを活用したいならぜひAI Marketに相談!
IoTや5Gの普及により様々なデータが把握できるようになってきた中で、売上拡大に向けてAIを活用するチャンスが増えてきています。実際多くの企業においてもダイナミックプライシングや売上予測など様々な面で活用が進んでいます。
しかし、人材不足や組織の対応不足などの理由にせっかくAIを導入したけどうまく活用できていない企業が多いのも事実です。
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AI Marketの編集部です。AI Market編集部は、AI Marketへ寄せられた累計1,000件を超えるAI導入相談実績を活かし、AI(人工知能)、生成AIに関する技術や、製品・サービス、業界事例などの紹介記事を提供しています。AI開発、生成AI導入における会社選定にお困りの方は、ぜひご相談ください。ご相談はこちら
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