【INTERVIEW】エッジAI開発に強みを持ち、導入支援〜開発、内製化支援まで行うXAI
最終更新日:2021年04月26日
2021年に創業し、少数精鋭でAI開発プロジェクトを複数実施する株式会社XAI。
今回は、そんな株式会社XAIの代表取締役社長である八木谷佑太さんにお話をお伺いしました。
開発現場とビジネス現場のギャップを埋める
■株式会社XAIを創業された背景を教えて頂けますでしょうか?
—八木谷さん
「私は前職のAIベンチャーで受託開発プロジェクトを多く行っていたのですが、そこで感じた課題として、ユーザーとAIベンダーの間にまだまだ大きなギャップがあるということです。ベンダー側からみると、AIベンダーは自社技術開発やプロダクト開発にリソースを割いており、受託開発をコアビジネスに据えリソースを割いている所は比較的多くは無いと感じます。そのため、あまり受託開発にフォーカスできず、あくまでも自社技術や製品開発に沿った受託開発を受ける、であったり、リソースが十分空いている時に受ける、といった状態でした。
また、AI開発は不確実性が高く「やってみないとわからない」や「データの質が精度を左右する」といった特徴がありますが、実際にPoCを実施して期待した性能がでなかった際に、ではどういうデータが取れれば良いのか、それをどのように取るのか、どういった体制で運用を行い、運用を通じた長期的な改善策といったより踏み込んだ提案ができていないと感じております。一言で言えば、
また、ここ数年、お客様のAIに関するリテラシーが全体的に上がっていると感じますが、まだまだAIの不確実性や、試行錯誤を通して一緒に創っていくということや、運用を通じて長期的に取り組んでいくことといったAIの特性やプロジェクトの進め方への理解が浸透していないと思っています。私自身はこれまでのキャリアとしてセールスやコンサルティングを通じてユーザーの課題解決に強く関わってましたが、PMとしてエンジニアとプロジェクト推進した経験も多くあります。当然ユーザー側の考え方もわかりますので、
■では、XAIさんが提供しているサービスについて教えて頂けますか?
—八木谷さん
「弊社では、大きく3つのサービスを提供しています。AIの導入支援コンサルティング、AI受託開発、そして内製化支援の3つです。
導入支援コンサルティングでは、
具体的には、課題の優先順位付けや、技術ベースのディスカッション、データ収集の設計など、を定期的にアドバイザリーとして支援させて頂いています。
AI受託開発では、その
画像認識を中心に2次元/3次元の姿勢推定、物体検出、セグメンテーションや人や車のトラッキング(行動分析)や教師なしの異常検知、画像生成、センサデータ解析などの経験が豊富ですを。姿勢推定では、人の転倒検知などを行ったり、3Dであればバーチャルキャラクターに活用する、といったことも行っています。
また、モデルの軽量化も得意としています。最新の論文はより高精度を求めるため計算量が大きく小型のデバイスでは動かないという課題があります。そういったケースに、弊社が論文のコードを軽量化し、モデルコードを作る、といったイメージです。
もう一つは内製化支援です。内製化支援では、AIを運用するための環境構築やそのための支援を提供しています。AIに限らないかも知れませんが、AIの導入や活用は非常に実験的で、業務と技術両方の深い理解が必要なため、相互の信頼関係を前提とし、文脈を理解した高密度で高頻度のコミュニケーションがプロジェクトの成功には必要です。そのため出来る限り自社内で推進していけるようになるのが1番良いと考えています。
そのため内製化支援では、PoCで作ったモデルを納品するだけではなく、
また、コンサルティングと近いのですが、運用に必要な体制のアドバイスや、お客様がAIの運用で困った際にご相談頂けるよう、打ち合わせベースで定期的にコミュニケーションさせて頂きながら支援する、といったこともあります。」
■どういったところに強みや特徴を持たれていますか?
—八木谷さん
「1つはエッジAIの領域です。エッジAIは、いわゆるAI開発と比べて発展途上で、デバイスも様々ですし、モデルの軽量化も相当な開発力が必要です。弊社はその
また、技術アドバイザリーやコンサルティングは、一般的にこういったものは机上で終わってしまうこともあると思うのですが、弊社では、一緒に工場に行ってモノを見て確認するといったように、泥臭く支援させて頂いています。
内製化支援においては、多くのベンダーが考えるデータをどう集約して自社の競争優位性を築くか、やツールのベンダーロックインを狙うか、半永久的なライセンスという考えではなく、お客様がAIを使いこなせる状態にすることが最善であると考えて支援を行っています。ユーザー側からすると、データを自由に使えない状態や、いつサービス提供を停止されるかわからないツールにコアビジネスが依存している状態はリスクが大きく発展性に欠けると感じています。」
■今は何名体制で動かれているのですか?
—八木谷さん
「現在は6名体制で動いています。4名が開発エンジニアです。」
■実績としてはどのような開発が多いのでしょうか?
—八木谷さん
「やはり一番多いのは画像認識です。私自身、前職でずっとエッジAIに関わっていたこともあり、エッジ側でのAI処理や、どういったアプリケーションを使って課題を解決するか、というところは実績として豊富にあります。
また、素材を入れることで
■どういったときにエッジAIのソリューションは必要となるのでしょうか?
—八木谷さん
「エッジAIは、まずインターネット環境が準備できるかどうか、が大きいです。例えばドローンなどを活用したサービスでは、インターネット環境がどうしても途切れてしまったりしますので、このような際に端末側で推論処理を行うエッジAIは有効です。
また、リアルタイムに処理したい、という際にも有効です。大きな画像などを入力していると転送だけに時間がかかったりします。わかりやすい例で言えば、自動車やインターネットに繋がっていない監視カメラなどで活用されています。最近では、サイネージで活用されるケースもあります。
他にも、セキュリティ観点でクラウド環境にデータを転送したくない、という要望もありますし、コスト面もあります。どうしても端末が多くなると、ネットワークに繋ぐだけでコストが増えてしまいますので、そういった際にもエッジAIは有効です。
そのため、
■今後のAIの市場の中で、どのような展開を予定していますか?
—八木谷さん
「まずは、受託開発を通して、お客様のAIにおける課題解決の事例を増やしていくことが大きなミッションです。
また、今後は特定の業界や、特定の課題に対して、
–ありがとうございました。
今回は、エッジAI開発を強みとする株式会社XAIへのインタビュー記事でした。
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