イオンリテール、精度を最大40%改善した需要予測・発注システム「AIオーダー」を5月から約380店舗に導入
最終更新日:2023年04月24日
イオンリテール株式会社は、2023年4月20日、独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」を、同社が運営するスーパーマーケットなど約380店舗に導入すると発表した。
「AIオーダー」は、AI活用によって客数/商品の需要予測の精度を最大40%まで改善し、正確な発注と発注時間の削減を可能にしたシステムだ。イオンリテールはこのシステムを、「イオン」「イオンスタイル」などにおいて同年5月より導入する。
<本ニュースの10秒要約>
- AI活用によって精度を最大40%まで改善、正確な発注と発注時間の削減を可能にした「AIオーダー」
- 「気温」といった要因ごとの販売数を学習、販売数が変動する商品も適時・適量での発注を実現
- 過剰発注の防止により在庫を削減し、発注時間そのものも削減。導入範囲は順次拡大する予定
発注業務を適正化できると、あらゆる業務の負荷が削減できる
イオンリテールは、イオングループの中核企業として総合スーパーの運営などを手がけている。総合小売業を展開する中で同社は、「総合」という言葉の意味が時代と共に変化していると察知。地域密着型の店舗作りにこだわると同時に、デジタル技術の活用にも取り組み始めた。
ネットスーパーやEコマースといった領域においてデジタル活用を進める中で、同社はバックヤード業務についても新たなデジタル技術を活用すべきと考えた。中でも、発注に関する業務を適正化できた場合、在庫管理を始めとするあらゆる業務の負荷が削減でき、生産性が飛躍的に向上すると判断。今回の「AIオーダー」開発に至っている。
予測精度が既存システムより最大40%改善された「AIオーダー」
「AIオーダー」は、客数/商品の需要予測を基にして最適な発注数を提示するシステムだ。
同システムのAIは、「曜日」「行事」「商品価格」「気温」「プロモーション」といった要因ごとの販売数を学習した上で、日ごとの販売数を高精度で予測する。この予測により、特売時や気候によって販売数が変動する商品についても、適時・適量での発注および突発的な品切れの防止を実現した。予測精度は、既存システムと比べて最大40%まで改善されている。
「AIオーダー」は、既存の発注システムに埋め込む形で設計されているのも、大きな特徴だ。店舗従業員は使い方の教育を新たに受ける必要がなく、店舗への導入に要するコストの削減も実現している。
発注時間そのものの削減にも貢献、削減率は5割におよぶ
「AIオーダー」は、突発的な品切れを減らすだけでなく過剰発注を防ぐメリットも持ち、平均3割の在庫削減を実現。また、発注時間そのものの削減にも貢献し、その削減率は5割におよぶ。発注数の適正化によって、入荷整理/品出し/在庫管理/値引き/発注修正などあらゆる業務負荷の削減も可能にした。「AIオーダー」によってイオンリテールは、接客/売場整理などサービス向上業務へのリソースのシフトも検討している。
イオンリテールは「AIオーダー」の導入を、2023年5月13日より380店舗にて開始。日配品(練り物/豆腐/パン/デザート/生菓子など)より導入を開始し、食品/衣料/暮らしの品などに順次拡大する予定だ。同社は今後も、店舗データのデジタル化や需要予測などサプライチェーンのDXを推進するとしている。
参照元:PRTIMES
需要予測について詳しく知りたい方はこちら、また、需要予測に強いAI開発会社をお探しの方はこちらの記事もご参考ください。
AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp