最終更新日:2022-10-04
ALGO ARTIS、AIでSAP(高吸水性樹脂)の生産計画を最適化するソリューションを日本触媒に提供
株式会社 ALGO ARTISは、2022年10月4日、AI(アルゴリズム)を活用したSAP(高吸水性樹脂)の生産計画最適化ソリューションを株式会社日本触媒に提供したと発表した。
このソリューションは、ラインを効率的に切り替え多種多様な製品に対応する必要がある日本触媒のSAP生産において、アルゴリズムを用いて生産計画を最適化するというものだ。2022年10月より既に、日本触媒の姫路製造所にて運用が開始されている。
<本ニュースの10秒要約>
- 多種多様な製品に対応する必要があるSAP生産において、AIを用いて生産計画を最適化
- 熟練者が持つ経験・ノウハウをAIに移植、実務上の複雑な運用ルールなども言語化・定式化
- SAP生産計画の作成時間を1/10に短縮、変革の駆動力となるDX推進を支援
豊富な知識と経験が必要で、至難の業である生産計画作成
SAPは主として紙おむつなどに使われる樹脂であり、日本触媒は「乳幼児向け」「大人向け」などの用途に応じて吸水性や保水性が異なる多種多様な製品を生産している。これらの製品はそれぞれ生産条件が異なるため、製造所では製品ごとに生産ラインを効率的に切り替える必要がある。切り替え作業ではラインの停止時間が生じるため、生産計画では切り替えを最小回数に抑えることが重要だ。
またSAP生産においては、大型発注や需要変動に対応するため、各製品の在庫量が一定水準を保つようバランスを図ることも求められる。これらの課題をクリアする形で生産計画を作成するのは至難の業であり、豊富な知識と経験も必要となるため人材育成も課題となっていた。こうした課題の解消を目指し、AI生産計画最適化ソリューションは導入されるに至っている。
知識・経験がなくても生産計画が作成可能、長期間の計画作成も実現
今回ALGO ARTISが日本触媒に提供したソリューションは、日本触媒の熟練者が持つ経験・ノウハウを移植したAIにより、SAPの生産計画を最適化するというものだ。AIには、実務上の複雑な運用ルールなども言語化・定式化して組み込まれており、ルールの変更や新製品の追加にも容易に対応できる。
同ソリューションを用いて実際に生産計画を作成したところ、在庫不足を回避しながら生産ラインの切り替え回数削減を実現し、現場作業の負担軽減や生産ラインの停止時間短縮が可能となった。また、豊富な知識や経験がなくても生産計画が作成でき、作成時間そのものも従来の1/10にまで短縮した。長期間の生産計画作成も可能となり、詳細な年間計画のもとでの安定運用も実現している。
省エネルギーやCO2排出量削減の面での成果も
同ソリューションの導入により日本触媒では、生産計画作成担当者のリソース確保が実現し、生産性の維持・向上につながる業務に以前よりも時間を費やせるようになった。また、生産設備ごとの特徴を踏まえて最適化が可能となったため、省エネルギーやCO2排出量削減の面での成果も見込まれている。
同ソリューションを提供したALGO ARTISは、「社会基盤の最適化」というコーポレートミッションを掲げてAIを活用した最適化ソリューションの開発・運用を手がける企業だ。同社は今後も、SAPの生産計画のみならず業務の効率化・生産性向上に寄与する最適化ソリューションを日本触媒に提供し、変革の駆動力となるDX推進を支援するとしている。
参照元:PRTIMES
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