ELYZAの言語生成AI、東京海上日動での実証実験で顧客応対文面の作成業務を50%省力化
最終更新日:2023年11月06日
株式会社ELYZAは、2023年10月31日、東京海上日動火災保険株式会社と共に実施した言語生成AI活用の実証実験において、顧客への応対文面作成業務の省力化に成功したと発表した。
ELYZAは、大規模言語モデル「ELYZA Brain」などの開発を通じて言語生成AIの社会実装に取り組む企業だ。東京海上日動での実証実験は「ELYZA Brain」を用いて実施され、応対文面作成業務の省力化率は約50%にまで到達。この結果を受けて東京海上日動は、実業務への言語生成AI実装について本格検討を開始する。
<本ニュースの10秒要約>
- 大規模言語モデル「ELYZA Brain」を用いて、顧客への応対文面作成業務の省力化に成功
- 顧客対応や注文受付など、自然言語処理分野の様々なタスクに活用可能な「ELYZA Brain」
- 「ELYZA Brain」の省力化率は約50%。東京海上日動は、実業務への生成AI実装を検討開始
言語生成AIの社会実装を進める事業を展開しているELYZA
ELYZAは、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップとして、言語生成AIの社会実装を進める事業を展開している。日本語の大規模言語AIに焦点を当てて開発に取り組んでおり、企業との共同研究やクラウドサービスの開発も併せて推進。「未踏の領域で、あたりまえを創る」という理念の実現に取り組んでいる。
自然言語処理分野における様々なタスクに活用可能な大規模言語モデルとして同社が開発したのが、「ELYZA Brain」だ。「ELYZA Brain」は、文章の作成支援に始まり、多様な場面で利用可能な高精度対話システム(チャットボット)の構築、また膨大な文章データからの自動抽出も実現するというもの。具体的な用途としては、顧客対応や注文受付、文書修正などが想定されている。
顧客が直接閲覧する文章の生成を「ELYZA Brain」で行う
「ELYZA Brain」を用いた実証実験を行った東京海上日動は、顧客応対品質の強化や新たな付加価値提供の創出を目的として、以前から言語生成AIの活用に取り組んでいた。この取り組みの中で、大規模言語モデルの選定/構築の知見を持つELYZAに注目し、また同社がAI処理フローの設計技術力や組織化されたコンサルティング力を併せ持つことも評価。顧客の目に触れる業務領域における言語生成AI活用に向けて、今回の実証実験を行うに至った。
同実験では、事故に遭遇した顧客の目に触れる業務領域において、顧客が直接閲覧する文章の生成を「ELYZA Brain」が行った。こうした領域でのAI活用では、高い生成精度および応対品質の確保が必須であり、またセキュリティ要件の充足が肝要となる。実験内では、言語AIの回答素案をもとに整形して回答を作成する処理時間と、オペレーター単独での回答作成時間とを比較し、言語生成AIの省力化率が検証された。
変更なしで回答に利用されたAI生成文は、61%以上
回答作成時間の平均値を比較した結果、「ELYZA Brain」は応対文面の作成業務において約50%の省力化に成功したことが判明した。また、言語生成AIが作成した発話草案のうち、変更なしで回答に利用された文の比率が61%以上であったことも明らかになっている。
応対文面の作成業務において約50%の省力化に成功した「ELYZA Brain」
この結果を踏まえて東京海上日動は、言語生成AIの導入は顧客応対の業務効率化につながり、自社の競争優位を強化する可能性もあると判断。実業務への言語生成AIの実装に向けて、本格検討を開始する意向を表明した。
ELYZAは今後も、「未踏の領域で、あたりまえを創る」という理念のもと、ビジネス指標に貢献する形での言語生成AIの導入実装に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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