パナソニックグループ、「AI倫理原則」を策定。AI倫理リスクチェックやAI倫理教育を推進へ
最終更新日:2022年08月31日
パナソニック ホールディングス株式会社は、2022年8月29日、「パナソニックグループのAI倫理原則」を策定したと発表した。
この「原則」は、AIの開発・運用・利活用において同社が遵守すべきものとして定められた。同社はこの「原則」に基づき、開発現場におけるAI倫理リスクチェックの実施や、グループ全従業員を対象としたAI倫理教育を推進するとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- AIの開発・運用・利活用において、パナソニックグループが遵守すべきものとして規定
- 5項目の「倫理原則」で、AIにより重大な課題や不利益を引き起こす可能性を回避
- 「原則」の実践にあたりAI倫理委員会も設置、AI倫理リスクチェックやAI倫理教育を推進
顧客に寄り添い、幸せをもたらすべく「AI倫理原則」を策定
パナソニックグループは、人々のウェルビーイングと社会のサステナビリティの実現を目指し、AIの利活用を推進している。家電・住宅や自動車、またB2Bソリューションといった主要な事業領域でAIの研究・開発・運用に注力しており、生活・社会の課題を解決する製品・サービスの提供に取り組んできた。
しかしAIについては近年、差別の助長やプライバシーの侵害、また安全性への不安など、倫理上の課題が社会問題となっている。これらの問題に対しては、経済協力開発機構(OECD)が国際的な政策ガイドラインを採択。国内でも、内閣府が「人間中心のAI社会原則」を、経済産業省が「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」を発行した。
同社はAIについて、適正に利用すれば個人・社会・環境に大きな利益を与えることができるが、不適切に利用すると重大な課題や不利益を引き起こす可能性もあると判断。顧客に寄り添い、幸せをもたらす企業であり続けるために、今回「AI倫理原則」を策定するに至った。
5項目で構成されている「AI倫理原則」
「パナソニックグループのAI倫理原則」は、5項目で構成されている。
第1項の『「より良いくらしとより良い社会」を実現すること』では、AI製品やサービスが顧客・社会・環境に与える影響を事前に考慮し、また提供後にも評価し続けることを規定。
第2項の『安全のための設計、開発、検証を行うこと』では、安全を第一に考えてAI製品とサービスの開発を行うと定めている。
第3項の『人権と公平性を尊重すること』では、多様性の重視と不公正な影響が生じないための教育の実施について規定。
第4項の『透明性と説明責任を重視すること』では透明性を重視した開発・設計および情報提供の実施について
第5項の『お客様のプライバシーを保護すること』では顧客のプライバシー尊重および情報の適切管理について、それぞれ定められている。
詳細は下記から確認することができる。
パナソニックグループ プレスリリース
AI倫理委員会を設置、AIの発展に合わせて「原則」の改定も予定
パナソニックグループでは今後、今回策定された「AI倫理原則」に基づく形でAIの開発・運用・利活用が推進される。「原則」の実践にあたり同社は、グループ内にAI倫理委員会も設置。同委員会を通じて、AI倫理リスクチェックやAI倫理教育を推進するという。また「AI倫理原則」の内容については、今後のAIの発展や社会の変化に合わせて改定するとしている。
参照元:PRTIMES
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