最終更新日：2022-09-10

「PIXTA」がAIの機械学習用素材データセット「俯瞰人物画像素材1,000点セット」を発売

AIニュース

ピクスタ株式会社は、2022年9月6日、同社が運営する素材のマーケットプレイス「PIXTA」においてAI向け機械学習用素材データセット「俯瞰人物画像素材1,000点セット」を発売した。

同セットは、人物検知AIを開発する際に最適となる俯瞰人物の画像を「日本人」「1名～複数名」「幅広い年齢層」といった条件でまとめたもの。アノテーションの有無で2パターンのデータセットが用意され、価格も別に設定されている。

＜本ニュースの10秒要約＞

人物が俯瞰で撮影された写真材1,000点により構成、アノテーションの有無で2パターン用意
コロナ禍で拡大する監視カメラシステムの世界市場、人物検知の精度向上には俯瞰画像が重要
機械学習領域における素材販売をさらに拡大、日本のAI開発の発展に寄与

「顔認証」の精度向上を目的とする機械学習ニーズが存在すると判断

近年、現場の遠隔監視を目的としたクラウドカメラの利用は大きく増加している。コロナ禍の発生以後はこの傾向が顕著となり、非接触・非対面で店舗や施設を管理するためカメラが導入されるケースも多い。また、監視カメラで得た動画を解析するAIソリューションも導入が進んでおり、こうしたソリューションを組み合わせた形での業務の省人化や無人化も拡大。株式会社矢野経済研究所は2021年10月、監視カメラシステムの世界市場が2026年には6兆4000億円（ベンダー出荷金額ベース）に達すると予測している※。

※出典：株式会社矢野経済研究所「監視カメラシステム世界市場に関する調査（2021年）」（2021年10月26日発表）

混雑状況の検知や来店者の顧客分析などで遠隔監視カメラを使用する際には、人物検知の精度向上が必要となる。そしてこの向上では、人物を「俯瞰」で見た画像データが重要となる。監視カメラは多くの場合、人物にとって往来の邪魔にならない頭上に設置されるためだ。

監視カメラシステムをめぐるこうした動きからPIXTAは、「顔認証」の精度向上を目的とする機械学習ニーズが存在すると判断。写真・イラスト・動画・音楽といった素材を販売する同社運営のマーケットプレイス「PIXTA」にて、「俯瞰人物画像素材1,000点セット」を発売するに至った。

「日本人」「1名～複数名」といった条件を満たす画像1,000点により構成

「俯瞰人物画像素材1,000点セット」は、その名の通り、人物が俯瞰で撮影された写真材1,000点により構成されている。画像は、「日本人」「1名～複数名」「子どもからシニアまで幅広い年齢層の男女」「高いところから見下ろしている画角（斜め・真上など）」「全身を中心に、上半身のみも含む」という条件を満たすものが選ばれた。

「俯瞰人物画像素材1,000点セット」

またデータセットは、アノテーションの有無によって2パターンが用意される。アノテーションは、機械学習・深層学習において画像データを教師データとして活用する場合に、開発したい内容に応じて画像に必要な情報をタグとして付与することを指す。アノテーションデータはCSV形式で提供され、人物全身にバウンディングボックスが付与されている。

「俯瞰人物画像素材1,000点セット」

AIテックベンチャーとの共同ウェビナーなども実施

PIXTAは2021年、「マスク着用日本人画像」の機械学習用データセットを発売した実績がある。この「マスク着用日本人画像」セット発売後の同社では、機械学習用途での素材利用の問い合わせ件数が前年比約2倍にまで増加。また、「俯瞰人物」に関する問い合わせも寄せられるようになったという。こうした動きにも応える形で、「俯瞰人物画像」のセットは発売されている。

写真・イラスト・動画・音楽といった素材を販売する同社運営のマーケットプレイス「PIXTA」