ChatGPTは商用利用OK?注意点を解説!利用規約から読み解いた活用例も紹介!
最終更新日:2024年09月23日
ChatGPTは便利なツールですが、事業に活用することで生産性がさらに向上します。しかし、無料のChatGPTを事業で使い、利益を得ることに問題はないか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この記事ではChatGPTはどこまで商用利用できるかを徹底解説します。
ChatGPTの基本的な仕組み、使い方をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
ChatGPTを商用利用することに興味がある方は是非、最後までご覧ください。
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目次
ChatGPTは商用利用できる?
ChatGPTを開発したOpenAI社の利用規約には、出力結果に関するすべての権利、権原、および利益はユーザーに譲渡され、販売や出版などの商業目的を含むあらゆる目的でコンテンツを使用できる旨が記載されています。
つまり、OpenAI社の利用規約上は、ChatGPTでの生成物を商用目的として利用することに何の問題もありません。企業で安定運用するには、ChatGPT Plusの導入は必須でしょう。
8月28日(現地時間)、OpenAIがChatGPTを商用利用に特化したプランである「ChatGPT Enterprise」を発表しました。高度なセキュリティ下で、よりスペックの高いChatGPTを安心して利用できるプランで、ChatGPTの商用利用に最適なものとなっています。
ChatGPTの商用利用の注意点
ChatGPTは、利用規約上は商用利用できますが、利用規約以外にも以下のように注意しなければならない点がいくつかあります。
- ポリシー違反
- 著作権の侵害
- 自社用のカスタマイズの必要性がある
- 公開する際の注記
- 誤った情報や不適切な表現
- 費用対効果
これらを守らなければ、規約上は利用可能であってもChatGPTを商用利用することはできません。場合によっては、違法と判断され、法的な処分を受ける可能性も十分にあります。
ポリシー違反
OpenAIは、安全かつ責任のある利用を促すためにChatGPTの利用に関するポリシーを定めています。ポリシーの違反が繰り返される場合や重大な違反がある場合は、アカウントの一時停止またはアカウントの停止となる場合があります。
以下は使用禁止例の一部です。
- 違法行為
- 嫌がらせ、または暴力的なコンテンツの生成
- マルウェアの生成
- 許可されていない法律行為に関与したり、資格のある担当者が情報を確認せずに個別の法的アドバイスを提供したりすること
- 資格のある担当者が情報を確認することなく、カスタマイズされた財務上のアドバイスを提供する
違法行為や暴力的なコンテンツの生成、マルウェアの作成などに使用しないことはもちろんですが、法的なアドバイス・財務上のアドバイスなどにChatGPTを使用することはポリシー違反となります。法的や財務的な専門知識を提供するコンテンツを作成する場合には、ChatGPTの利用は避けた方が良いでしょう。
詳しい内容やその他のポリシーについては、OpenAI社の利用ポリシーをご確認ください。
著作権の侵害
ChatGPTの利用で必ず問題となるのが著作権の侵害です。各国によって著作権に関する法律は異なりますが、日本で商用利用目的で生成する場合、基本的に日本の著作権法を遵守することになると考えられます。
日本の著作権法では、「著作者等の権利・利益を保護すること」と「著作物を円滑に利用できること」のバランスをとることが重要であるというのが基本的な考え方です。つまり、ChatGPTで生成したものが著作権者の権利や利益を害するとみなされないことが大切であり、利益を得ることを目的としてChatGPTを商用利用する場合は特に注意が必要です。
具体的には、既存の著作物との「類似性」又は「依拠性」が認められる場合は、著作権者の許諾が必要となります。
2023年9月6日には、世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)など世界の報道・メディア26団体が、生成AIの開発や著作権などに関する「世界AI原則」を公表しました。世界中の団体が賛同していることから、今後のAIの著作権に関する世界的なスタンダードとなる可能性もあるため注目されています。
ChatGPTの出力結果の著作権の扱い方、海外事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
自社用カスタマイズの必要性がある
ChatGPTを商用利用する上で注意すべきことの一つに、「情報漏洩」があります。ChatGPTを通常のブラウザで使用し、機密情報等を送ってしまうと、OpenAI社の外部サーバーに保存され、ChatGPTの学習に利用されます。こうしたことから、実際に情報が流出した事例もあります。
ChatGPTで情報漏洩が起こる原因、対応策をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
情報漏洩に気を付けるために、APIやAzureとの連携を行い、ChatGPTを自社用にカスタマイズする必要があります。APIやAzureとの連携は、一からプログラムを組むよりもハードルは低めですが、やはり専門的な知識は必要です。開発・運用には専門技術が必要であることに注意が必要です。
関連記事:「AI導入用APIをプラットフォーム別に紹介!各ツールの特徴を徹底解説!」
公開する際の注記
生成されたコンテンツを公開する場合は、そのコンテンツがAIによって生成されたものであることを注記する必要があります。利用規約によると、「コンテンツがAIによって生成されたものであることを、ユーザーが合理的に見落としたり誤解したりしないような方法で示すこと」との記載があります。
そのため、文章や画像などをChatGPTで作成し、コンテンツの配信・サービスの提供を行う場合は、それがChatGPTで作成したことがわかるように注記しておかなければなりません。
誤った情報や不適切な表現
ChatGPT が生成する文章は、誤った情報や不適切な表現を含む場合があります。ChatGPT は、OpenAI社によって慎重にチューニングされていますが、インターネット上の大量の文章データから学習しているため、偏った情報や不適切な表現が含まれてしまう可能性があります。
また、ChatGPTの学習データは、最新の情報が2021年までのものであるため、出力結果が現在の最新の情報を反映できていない場合もあります。そのため、ChatGPT によって生成されたコンテンツが、誤った情報や不適切な文章にならないように、必ず人の目でチェックをすることが大切です。
費用対効果
ChatGPTを商用利用する際は、費用対効果も検討する必要があるでしょう。通常のGPT-3.5であれば無料ですが、安全性や正確性を考慮すると、使用方法は限定的になってしまいます。有料版のGPT-4は、正確性や追加機能面でGPT-3.5よりも性能が上です。
より安全に使用するには、APIやAzureとの連携、商用利用に特化したプランである「ChatGPT Enterprise」の有料サービスを検討する必要があります。高度な大規模言語モデルを一から構築するより大幅に費用を抑えられますが、利用コストに対してどれだけの効果が得られるのかを把握・検証しておくことが重要です。
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ChatGPTのビジネス活用方法
実際にChatGPTを商用利用する際の活用方法をいくつか紹介します。
項目 | ビジネス活用例 | ビジネス内容説明 |
---|---|---|
作業の自動化 | – 定期報告のスケジューリング – 自動通知・アラートシステムの設定 | 定期的な報告タスクを自動化し、重要な通知やアラートをスケジュールすることで、効率化とタイムリーな情報提供を支援 |
コンテンツ・文章作成の効率化 | – マーケティングコンテンツの生成 – 企業コミュニケーションのドラフト作成 | マーケティングコンテンツや企業内コミュニケーションの素早いドラフト作成を支援し、ブランディングとエンゲージメントの向上を促進 |
SNS投稿のアイデア創出 | – ブランドプロモーションのキャンペーンアイデア提供 – トレンディなトピックに基づく投稿案生成 | ブランドのオンラインプレゼンスを向上させ、トレンドに対応したキャンペーンアイデアやSNS投稿案を提供 |
文章の要約 | – ビジネスレポートの要約 – キーポイントの抽出と提示 | 長いビジネスレポートを効率的に要約し、キーポイントを明確に抽出して提示することで、迅速な意思決定を支援 |
リストや表の作成 | – データの整理と視覚化 – 競合分析と比較表の作成 | ビジネスデータを整理し視覚化することで、分析と競合比較を容易にし、より明確なインサイトを提供 |
コーディングの生成、及び補完 | – カスタムコードスニペットの生成 – コードのバグ修正と最適化 | カスタムコードの生成や既存コードのバグ修正を助け、プロジェクトの開発速度とコード品質を向上 |
データ集計・分析 | – ビジネスデータの集計とダッシュボード作成 – 市場トレンドと消費者動向の分析 | ビジネスデータの集計と分析を助け、市場トレンドと消費者動向の洞察を提供し、戦略的意思決定を支援 |
調査と情報提供 | – 市場調査と競合分析 – 専門知識とインサイトの提供 | 市場調査や競合分析を行い、特定のトピックに関する専門知識とインサイトを提供し、ビジネス戦略の策定を支援 |
文章の添削と校正 | – 企業文書のグラマーチェック – ビジネスコミュニケーションの文体修正 | 企業文書の文法や文体をチェックし、プロフェッショナルなコミュニケーションを支援 |
タスク管理 | – プロジェクトタスクのスケジューリング – プロジェクトの進行状況のトラッキング | プロジェクトタスクのスケジューリングと進行状況のトラッキングを効率化し、プロジェクトの進行をスムーズにします。 |
アイデア生成 | – 新製品やサービスのアイデアブレスト – 解決策と戦略の生成 | 新製品やサービスのアイデアを生成し、特定の問題に対する解決策と戦略を提供することで、イノベーションを促進 |
翻訳 | – 多言語ビジネス文書の翻訳 – グローバルコミュニケーションのサポート | ビジネス文書を多言語に翻訳し、グローバルなコミュニケーションを助け、国際的なビジネス展開を支援 |
ChatGPTの商用利用についてよくある質問まとめ
- ChatGPTは商用利用できる?
ChatGPTを開発したOpenAI社の利用規約には、出力結果 に関するすべての権利、権原、および利益はユーザーに譲渡され、販売や出版などの商業目的を含むあらゆる目的でコンテンツを使用できる旨が記載されています。つまり、OpenAI社の利用規約上は、ChatGPTでの生成物を商用目的として利用することに何の問題もありません。詳しくはこちらにジャンプ。
- ChatGPTの商用利用の注意点は?
ChatGPTは利用規約上は商用利用できますが、注意しなければならない点がいくつかあります。
- ポリシー違反
- 著作権の侵害
- 自社用のカスタマイズの必要性がある
- 公開する際の注記
- 誤った情報や不適切な表現
- 費用対効果
まとめ
OpenAI社の
しかし、これらをクリアすれば、
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