Amazon Rekognitionとは?何ができる?料金・使い方・導入事例を解説!
最終更新日:2024年11月14日
YouTube、TikTok、Instagramなどの動画・画像系SNSやVODが普及して、アクセスできる動画データが段違いに増加したいま、画像や動画を認識・分析しようと考えている企業も多いのではないでしょうか。
画像や動画を低価格で分析できる企業向けサービスに、AWSのAmazon Rekognitionがあります。しかし、
本記事では、
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動画・画像の解析に強いAI開発会社を自力で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
Amazon Rekognitionとは?
Amazon Rekognitionは、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Services)の画像・動画分析ツールです。すでに数千万枚を超える画像によって機械学習しているため、特殊な用途でなければ追加の学習なしで画像や動画を分析できます。
AIによる動画解析の仕組みをこちらの記事、画像の認識、分類はこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Amazon Rekognitionでは、画像や動画に関するほぼ全ての分析が可能です。料金も非常に安く設定されているため、顔認証やオブジェクト検出などの幅広い分析を安価に実施したい企業におすすめです。
関連記事:「顔認証システムとは?どんな仕組み?導入手順・注意点・ディープフェイク対策を徹底解説!」
Amazon Rekognitionの料金
Amazon Rekognitionの料金は、利用する機能によって設定されています。大規模で利用したとしても、低価格で済みます。以下に例を示します。
Amazon Rekognition Image(画像)の料金
画像の枚数 | 料金 | |
ラベル検出 | 250万 | 約323,500円(2,200 USD) |
概要検出 | 250万 | 約242,600円(1,650 USD) |
ラベル・概要検出 | 各100万 | 約257,300円(1,750 USD) |
顔検索 | 400万 | 約382,300円(2,600 USD |
Amazon Rekognition Video(動画)の料金
分あたり単価 | 料金 | |
583時間のラベル検出 | 1.2円(0.00817 USD) | 約42,000円(285.95 USD) |
833時間のモデレーション | 14.7円(0.10 USD) | 約735,300円(5,000 USD) |
このように、非常に大きな規模で利用したとしても、低価格で済むことがわかります。
また、Amazon Rekognitionには無料利用枠があります。12カ月の間、月5,000枚まで無料で分析可能です。完全に無料で利用できるので、ツール選択で迷っている方は無料利用枠を活用して試してみてはいかがでしょうか。
Amazon Rekognitionで何ができる?
Amazon Rekognitionを活用すれば、画像や動画に関する多くの処理が可能です。ここでは、主なAmazon Rekognitionのユースケースを解説します。
- ライブラリ内の人物検索
- 顔認証によるなりすまし防止
- 不適切なコンテンツのブロック
- オブジェクトの検出
- テキスト検出
- メディア分析
- 有名人の検出
- 画像のカテゴライズ
ライブラリ内の人物検索
Amazon Rekognitionでは、保存した写真や動画内に写る特定の人物を検索できます。人物検索は、主にランドマークの識別によって行われます。目や鼻、口の位置などから写真に写る人物を特定し、カテゴライズします。
人物検索が利用できれば、写真・動画データが大量にあったとしても、特定の人物を容易に発見できるようになります。目的のデータを素早く見つけられるようになるため、データ検索の省力化につながるでしょう。
顔認証のなりすまし防止
Amazon RekognitionのFace Livenessは動画によって顔認証を行い、動画や3Dマスクによるなりすましを判別できます。従来よりも高いセキュリティ性能を有しているため、送金やパスワードの変更などの重要度の高い操作も安全に行えます。
これを活用すれば、無人での本人認証が容易になります。例えば、ライドシェア利用者の身元確認や、シェアオフィスの利用者認証などへの活用が可能です。
Face Livenessも従量課金制のため、利用機会が多くない施設やシステムにも向いています。通常、高いセキュリティを維持するには高いコストがかかりますが、Face Livenessを利用すれば低コストで安全性を高められます。
不適切なコンテンツのブロック
Amazon Rekognitionは、露骨なヌードや暴力、薬物などの不適切なコンテンツをブロックできます。手動によるモデレーションから切り替えることで、工数削減や対応速度の向上が期待できるでしょう。
不適切なコンテンツを放置すると、企業のイメージダウンや顧客満足度の低下を招きます。Amazon Rekognitionを活用してモデレーションすることで、適切な対応がより早く行えるようになるでしょう。
オブジェクトの検出
Amazon Rekognitionでは、あらゆるモノの検出が可能です。すでに数千万枚を超える画像でトレーニングされているため、主要なオブジェクトは追加学習なしで検出できます。
また、専門性の高いモノや独自のオブジェクトでも、数百画像以下という少ないトレーニングデータを学習させるだけで検出できるようになります。物体認識システムを一から構築するのは非常に大きな資金や労力がかかりますが、Amazon Rekognitionを利用すれば比較的楽に構築可能です。
テキスト検出
Amazon Rekognitionは、画像や動画に写るテキストを検出できます。例えば、ニュース画面のキャプションや試合のスコア、選手の背番号などを読み取れます。また、レストランの看板や道路標識を読み取ることで、ナビゲーションにも活かせるでしょう。
上の画像のように、文字が傾いていたりスタイルが異なったりしていても検出できます。対応言語は以下の8つです。
- 英語
- アラビア語
- ロシア語
- ドイツ語
- フランス語
- イタリア語
- ポルトガル語
- スペイン語
2024年3月現在、日本語には対応していないため、国内の用途は限られますが、今後のアップデートにより日本語にも対応するかもしれません。
メディア分析
Amazon Rekognition Videoは、動画を活用したメディア分析を自動化します。例えば、エンドクレジット開始位置や広告の挿入位置、画像の分割箇所などを自動で検出し、必要な操作があれば実行します。例えば、動画広告を挿入する場所を選択したり、インデックス作成を効率化するためにビデオをクリップに自動分割したりすることも可能です。
これらの作業を自動化すれば、人件費の削減や編集作業の短時間化が可能になります。また、エンドクレジットが始まると次のエピソードにスキップする機能や、フレームレートの自動最適化などの導入も可能です。これらを活用すれば、顧客体験の向上や品質改善が図れるでしょう。
有名人の検出
Amazon Rekognitionでは、有名人の画像や動画を検出するAPIを活用することで、テレビやVODに写る有名人を自動で検出できます。有名人のみを検出するよう設計されているため、エキストラや通行人などを除外する手間が省けます。
これを活用すれば、特定の有名人に関するトピックを作成する際、情報を網羅的に収集できます。これまで検索にかけていた時間を、編集や企画に充てられるようになるため、高品質なコンテンツ作りが可能になります。
画像のカテゴライズ
Amazon Rekognitionでは、画像全体の分類や、概念のカテゴライズが可能です。例えば、場所・時刻・屋内外・何をしているのかなどを判別できます。たとえば、以下のようなカテゴライズが可能です。
モノの概念
- アクセサリー
- 電化製品
- 軍
- 足首
画像が写された場所
- 路地
- 遊園地
- 講堂
- カフェ
画像の画質
- シャープネス
- 明るさ
- コントラスト
- オブジェクトの主要な色
分類された概念には、信頼スコアも付与されます。そのため、結果をどの程度信頼していいのかが数値で判断できます。
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Amazon Rekognitionの始め方
AWSにはノーコードで利用できるサービスもありますが、それらに比べるとAmazon Rekognitionを始める方法は少し難易度が高いかもしれません。大まかなステップは以下の通りです。
- AWSアカウントを作成
AWSの公式ウェブサイトからアカウントを作成します。 - IAM (Identity and Access Management) ユーザーの設定:
安全なアクセス管理のために、IAMユーザーを作成し、適切な権限を与えることが推奨されます。これにより、特定のAWSサービスへのアクセスを管理し、セキュリティを強化できます。 - AWS CLI のセットアップ
コマンドラインインターフェイス(CLI)を公式ウェブサイトからダウンロードし、インストールガイドに従ってセットアップを行います。これにより、コマンドラインからAWSサービスを操作できるようになります。 - AWS SDKのセットアップ
使用するプログラミング言語に合わせたAWS SDK (Software Development Kit) をセットアップします。AWS SDKは、Java、Python、Node.jsなど複数のプログラミング言語で利用可能です。これにより、開発中のアプリケーションからAWSサービスを簡単に呼び出せるようになります。 - プログラミング言語での利用
JavaやPythonなど、サポートされている、かつ自身のプロジェクトやアプリケーションに用いられている多プログラミング言語を用いてAmazon RekognitionのAPIを呼び出します。この段階では、基本的なプログラミング知識が必要になります。
AWS公式のAmazon Rekognition の開始方法に利用方法が詳細に記載されているので、始める際には解説を見ながら進めるとよいかもしれません。AWSの公式ドキュメントでは、Amazon Rekognitionを始めるためのサンプルコードが豊富に提供されています。これらのサンプルを試すことで、どのように機能するか、また自身のプロジェクトにどのように組み込めるかの理解を深めることができます。
Amazon Rekognitionを始めるには、プログラミングに関する知識が必要です。セットアップの段階からコードの入力が必要です。また、利用時にもJavaやPythonなどのプログラミング言語を入力する必要があります。
日本語を含む多くの主要な言語に対応していますが、社内に必要な技術スキルを持つエンジニアがいるかを事前に確認し、リソースの準備を進めることが重要です。
関連記事:「AWSとAzureを徹底比較!強みや弱み、適したケースなどを徹底解説」
Amazon Rekognitionの導入事例
Amazon Rekognitionは、大量の画像や動画を扱う企業ですでに活用され始めています。ドイツの写真会社であるSportografと、日本のメディア会社である共同通信社の導入事例を紹介します。
リアルタイムで選手のゼッケンを認識(Sportograf)
アスリートの写真を撮影するSportgrafは、Amazon Rekognitionをゼッケン番号の読み取りに利用し、写真を正確に整理できるようにしました。
従来、同社はQRコードなどのマーカーを利用してイベント参加者を識別していましたが、マーカーを読み取れない事態が発生していました。その結果、正確にゼッケンを判別することができなく、顧客の要望に応えられないという課題がありました。
そこで、Amazon Sagemakerで数字を機械学習したAmazon Rekognitionを導入し、ゼッケン番号で参加者を判断するよう変更しました。その結果、ほぼリアルタイムで参加者を識別できるようになりました。
顔認識による画像検索システムの構築(共同通信社)
共同通信社は、Amazon Rekognitionを導入することで記事に掲載する写真の検索を効率化しています。従来、同社は記事に掲載する写真を取材記録の日付に基づいて検索していました。しかし、同社は年間で1,600万枚を超える写真を扱っているため、検索に手間がかかっていたようです。
そこでAmazon Rekognitionのライブラリ検索を活用することで検索の手間を大きく削減し、省力化につなげました。今後は有名人の検出やカスタムラベル機能の活用などを目指しているようです。
Amazon Rekognitionについてよくある質問まとめ
- Amazon Rekognitionの料金は?
Amazon Rekognitionの料金は、利用する機能によって設定されています。大規模で利用したとしても、低価格で済みます。例えば、Amazon Rekognition Image(画像)は400万枚の画像の顔検索が約38万円です。Amazon Rekognition Video(動画)のラベル検出は1分あたり約1.2円の料金です。また、Amazon Rekognitionには無料利用枠があります。12カ月の間、月5,000枚まで無料で分析可能です。
- Amazon Rekognitionの始め方は?
Amazon Rekognitionを始める大まかなステップは以下の通りです。
- AWSアカウントを作成
AWSの公式ウェブサイトからアカウントを作成します。 - IAM (Identity and Access Management) ユーザーの設定:
安全なアクセス管理のために、IAMユーザーを作成し、適切な権限を与えることが推奨されます。これにより、特定のAWSサービスへのアクセスを管理し、セキュリティを強化できます。 - AWS CLI のセットアップ
コマンドラインインターフェイス(CLI)を公式ウェブサイトからダウンロードし、インストールガイドに従ってセットアップを行います。これにより、コマンドラインからAWSサービスを操作できるようになります。 - AWS SDKのセットアップ
使用するプログラミング言語に合わせたAWS SDK (Software Development Kit) をセットアップします。AWS SDKは、Java、Python、Node.jsなど複数のプログラミング言語で利用可能です。これにより、開発中のアプリケーションからAWSサービスを簡単に呼び出せるようになります。 - プログラミング言語での利用
JavaやPythonなど、サポートされている、かつ自身のプロジェクトやアプリケーションに用いられている多プログラミング言語を用いてAmazon RekognitionのAPIを呼び出します。この段階では、基本的なプログラミング知識が必要になります。
Amazon Rekognitionを始めるには、プログラミングに関する知識が必要です。セットアップの段階からコードの入力が必要です。また、利用時にもJavaやPythonなどのプログラミング言語を入力する必要があります。
- AWSアカウントを作成
まとめ
Amazon Rekognitionは、画像や動画を分析できるAWSサービスです。従来の分析サービスよりも安価に利用できるため、現在別のサービスを利用している企業でも、Amazon Rekognitionに乗り換えることでコストカットを図れるかもしれません。
コストが障害となって画像・動画の分析を諦めていた方は、Amazon Rekognitionで再度検討してみてはいかがでしょうか。
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