Google Bardとは?特徴・ChatGPTの違い・使い方・活用方法を徹底解説!
最終更新日:2024年11月12日
近年、ChatGPTの登場から対話型AIをはじめとした生成AIが大手IT企業から各種登場しました。Google Bardとは満を持してGoogleが提供する対話型AIです。
生成AIはサービスによって思想が異なり、得意な分野、苦手な分野、使い道が異なります。自社で生成AIを導入するにあたって、Google Bardがいいのか、それともChatGPTがいいのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
生成AIとは何か?こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
この記事では
ぜひこの記事を参考に、Google Bardの理解を深めて生成AIの理解や会社のAI導入の検討材料にしていきましょう。
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目次
Google Bardとは?
Google Bardとは、Googleが2023年2月に発表したLLM(大規模言語モデル)を活用した対話型AIです。日常で利用するようなテキストで質問を送るだけで、AIがビッグデータから適切な回答を導き出し、より自然な表現の回答をしてくれます。
LLMは大規模言語モデルであり、そのモデル自体はユーザーとのコミュニケーションを可能とするインターフェースを持ちませんが、LLMと連動した対話型AIと呼ばれるインターフェースを持つことで、ユーザーは自然にAIとの対話を行うことが可能となります。
ChatGPTであればGPT-3.5やGPT-4がLLMに当たります。
LLMについてはこちらで詳しく解説していますので、ご参考ください。
Google検索との連携で新境地へ
Googleは検索との連携にも力を入れており、Bardに対する質問の回答にGoogle検索の結果を取り入れることで、より正確でタイムリーな情報を提供できるとしています。ChatGPTと同様にユーザーからの質問回答、文章生成や論文などの要約、言語の翻訳などに対応しています。
さらに、自身の旅行の計画やネットオークションに出品する文章の下書きまで幅広い領域をサポートしていることも注目されています。
Bardの名前は日本語の「吟遊詩人」に由来し、どのような回答にも人間が回答するように柔軟な答えをしてくれることを期待してつけられました。
BardのベースはPaLMからGeminiに統一へ
Bardでは、最初搭載されていたLLMはLaMDAで、その後はLLM「PaLM」をベースに構築されており、数百億ものWebページやWikipediaの文章など、インターネット上の膨大なテキストデータを学習しています。今後は、2023年終盤に登場したマルチモーダルAI「Gemini」にベースモデルが切り替わる予定です。
2024年2月にGoogleは対話型AIであるBardの名称をGeminiに刷新し、Duet AI for Google WorkspaceもGemini for Workspaceに変更することを発表しました。GeminiはGoogleが開発しているAIモデルで、非常に高精度でハイパフォーマンスなマルチモーダルAIモデルとして注目されています。
こちらでは、マルチモーダルAIとはなにか、について解説しています。
Googleはこの名称変更を、高性能なAIであるGeminiのテクノロジーが反映されたことを伝えるために変更したと報告しました。ビジネスユーザーと個人ユーザーの生産性と創造性を向上させることを目指しています。
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Google Bardの特徴
Google Bardの主な特徴は以下です。
- 検索エンジンとの連携によりリアルタイム性が高い
- 提示された情報の出典を示すことができる
- 誰でも無料で利用可能
- 日本語でも利用可能
- 他のGoogleサービスとの連携性
ここではGoogle Bardがもつ特徴を詳しく解説し、より理解を深めていきます。
リアルタイム性の高い回答が得られる
Google Bardが出す回答の情報はリアルタイム性が高いことが特徴です。Google Bardは、Googleの検索エンジンと連携しインターネットと接続しているため、最新のwebコンテンツから情報を収集することができます。
情報ソースもGoogle検索から得られる情報であるため、ある程度信ぴょう性のある情報を得ることができますが、必ずしも100%正しい情報であるとは限らないので注意が必要です。
同じ対話型AIのChatGPTの回答情報は、GPT-4は2021年9月、GPT-4 Turboでも2023年4月までの内容となっています。
リアルタイム性が重要な回答が必要な場合は、Google Bardの利用が有効的です。
提示された情報の出典を示すことができる
Google Bardは、回答した内容の出典情報をユーザーの求めに応じて提示する機能を備えています。
例えば、ある質問に対して回答した場合、その回答がどのような情報源に基づいているのかを尋ねることができます。するとBardは、回答の元となったウェブページや書籍、論文等の具体的な出典を示すリンクや参考情報を表示してくれます。
この機能により、Bardの回答内容の根拠を直接確認できるため、情報の正確性を判断する上で非常に有用です。特に事実関係の質問への回答など、内容の真偽を重視する場面では、出典を確認することでBardの回答の信頼性を高めることができるでしょう。
このようにGoogle Bardには、黑箱的なAIではなく透明性の高い情報源を示せる能力があることが特徴です。
誰でも無料で利用可能
Google Bardは誰でも無料で全ての機能が利用可能です。また、ブラウザから利用できるのでアプリのダウンロードも必要ありません。
ChatGPTでは無料版と月額20ドル(約2900円)支払う有料版があります。
GPT-4のより高性能な機能を利用したい場合は月額を支払う必要があるため、無料でしたい方にはGoogle Bardの利用がおすすめです。
日本語でも利用可能
2023年5月からGoogle Bardは日本語でも利用することが可能になりました。
さらにそのほかのGoogleアプリと連携できる拡張機能が日本語で利用できるため、そのほかのアプリケーションにまたがる場合でも情報を取得できるようになっています。
他のGoogleサービスとの連携性
Google Bardは他のGoogleサービスやアプリケーションとの連携が優れています。Gmail、 GoogleドキュメントやYouTubeなどあらゆるGoogleサービスから検索して回答に表示してくれます。
Google Bardで目的地までの道のりを聞くと回答にGoogle mapが表示されたり、娯楽に関する質問を投げるとYouTubeの動画が表示されたり、各種サービスと連携された回答が得られます。
Googleは、他にも画像生成に特化したImagenと併せて生成AIの覇権を握ろうと狙っています。
また、Googleサービス以外からもさまざまなサービスの連携も発表されています。
代表例として、画像生成AIのAdobe Firefly、レストランのオンライン予約サービスであるOpenTable、旅行検索・料金比較を行うKayakなどが挙げられます。
Google BardとChatGPTの違いは?
比較項目 | Google Bard | ChatGPT |
---|---|---|
リアルタイム性 | ⚪️ | △ |
価格 | 無料 | 一部有料(月額20ドル) |
日本語対応 | ⚪️ | ⚪️ |
画像生成 | ✕ | △(GPT-4) |
出力結果の倫理安全性 | ⚪️ | △ |
上記でGoogle Bardと同じ対話型AIのChatGPTと具体的にどこが違うのか?を比較しています。既存の定番サービスであるGoogle検索と連携し、検索情報から情報をリアルタイムで取得できることが最も大きな違いでしょう。
ChatGPTの情報は無料版は2021年9月、GPT-4 Turboでも2023年4月の情報までで提供されています。ChatGPTでもBing検索とは接続可能ですが、検索最大手であるGoogle検索を基に自社サービスを構築したい方はGoogle Bardが向いているかもしれません。(GPT-4ではブラウジング機能が搭載されているため、リアルタイムに近い情報取得も可能になりつつあります。)
また、Google Bardは無料で利用できる反面、ChatGPTは最新の情報が必要な回答を期待する場合は課金する必要があります。
Google Bardで使われているPaLM-2言語モデルは、差別的なテキストやヘイトスピーチが含まれる可能性のあるソースを学習データとして使用していません。ChatGPTと比較すると、学習に用いるデータを絞っています。そのため、ChatGPTと比較すると、人種や性別、宗教などへの差別を含む倫理的に問題のあるテキストが出力される可能性が低いとされています。
尚、2024年1月時点では、Bardでは画像生成ができませんが、ChatGPT(GPT-4)であれば画像生成が可能です。今後、ベースモデルがマルチモーダルAIであるGeminiに変更されると、Bardでも画像生成ができるようになることが想定されます。
ChatGPTの概要、使い方、活用事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Google Bardはどういう使い方ができる?
AI導入を検討している方に向けて、Google Bardはどのような活用方法があるか解説していきます。
一般的なチャットの質疑応答だけでなく、幅広い利用方法がGoogle Bardには存在します。
実際に自身の企業にどう利用できるか想定しておくことで導入後のスムーズな活用につなげることができます。
ぜひ使い方をしっかり理解していきましょう。
Google検索と連動した情報収集
Google BardはGoogleの検索エンジンと親和性が高いため情報収集に優れています。数学の計算結果を求めるような事実に関する単純な調べ物から、数学の勉強方法を聞くような専門的なアドバイスまで幅広い領域をカバーしています。
例えば、「ニューヨーク旅行でおすすめのレストランは?」と尋ねると、Google検索の結果を参照しつつコスパの良いイタリアンや人気のニューヨーク料理店を提案してくれます。検索では得られにくいエキスパートの知見を取り入れた答えも得られるため、情報量と精度の両立できるのが強みです。
Google Bardに質問するとき、その質問をする背景や目的、状況まで質問に加えるとBardも質問に沿った内容を回答してくれ、より高くカスタマイズされた精度の回答を得ることができます。
検索との違いとして、Google Bardは前回の会話内容を覚えているため、会話の文脈を考慮して回答の修正や深掘りをしていくことも可能です。例えば、最初の質問で概要を答え、次の質問で具体的な店の特徴を述べる、といった会話が可能です。
スムーズな会話で情報を深掘りしていけるため、検索では得られない洞察を得ることが期待できます。
プログラミング
Google Bardはプログラミングの能力も高いため、プログラミング領域でも利用できます。具体的な目的を達成するプログラミングを言語指定して生成したり、コードをペースとしてバグの修正を依頼したり、非常に汎用的な利用を実現しています。
コーディングに関する豊富なデータセットを学習しているため、高い完成度のコード生成が可能です。また、Googleの検索エンジンを活用することで、最新の言語動向やライブラリの情報に素早くアクセスできます。
Google Cloudとの連携により、実際にコードを実行してデバッグを支援可能なのもエンジニアにとって助かる特徴です。
また、Googleのスプレッドシートで行いたい動作を実現する関数を教えてもらうなどの、プログラミング処理時の検索用途としても活用できます。Google Bardの対応しているプログラミング言語は2023年4月時点で、C++、 Java、 Python、 Goをはじめとする20種類以上に対応しています。
コーディング機能としてコードの生成、デバッグ、コードの説明まで対応していることが発表されました。プログラミングによって、業務上効率の悪い処理や毎日同じ操作をする機械的な部分を自動化したいとき、Google Bardに頼むことで自動化するコードの生成が簡単にできます。
文章生成
文章生成や文章作成のアイデア出しにもGoogle Bardは利用できます。Google Bardは自然言語処理能力が高く、柔軟な文章生成が可能です。
文章の構成や内容をある程度指定するだけで、流暢な文章を自動生成してくれます。途中まで書いた文章の続きや要約を生成したり、文章の内容をもう少し充実させたいなどに対応してくれます。
文法の修正やプレゼンテーション用の文章の編集など柔軟な回答を得られます。文章の要約はとりあえずようやくして欲しい文章をそのまま貼り付けるだけで自動で要点をまとめてくれたり、読みたい論文の必要な部分だけ要点をまとめるなどもできます。
また、文章の添削やわかりにくい文章を噛み砕いてわかりやすいように表現しなおす利用方法も可能です。Google Bardの利用で、文章生成関係のタスクを効率化することが期待できます。
翻訳
Google Bardは多言語対応の特徴を生かした翻訳機能の利用にも最適です。単語の翻訳だけでなく、日本語の文章を英訳したり言語を複数指定して翻訳することができます。
Google Bardの翻訳は、単なる言語変換にとどまらず、Google翻訳の機能をフルに活用できるため大きなメリットがあります。Google翻訳の膨大なデータセットを活用することで、正確でニュアンスの伝わる高品質な翻訳が得られます。
また、英語の翻訳もビジネス英語にしたり、文章のアイデアが浮かばない時にアイデア出しからその英訳までを一連で回答してくれたり状況に応じた活用まで可能です。
Googleならではの翻訳精度と柔軟な対応力が、ビジネスシーンにおける翻訳業務を強力にサポートします。グローバルビジネスを行う企業にとって、非常に有用なツールになることが期待できそうです。
日常の話し相手として
実はGoogle Bardはビジネスとしての活用が注目されがちですが、日常会話の相手としての利用も可能です。友人と英語で話すための練習相手になってくれたり、個人的なつぶやきに反応してもらいたいときにもGoogle Bardは対応してくれます。
Google Bardを使う方法
Google Bardを使う時の具体的な手順を解説します。まずはGoogleアカウントが必要なので、お持ちでない場合は作成してください。
次にGoogle Bardのサイトへ遷移します。実際にサイトへいくと「Bardを試す」というボタンがあるのでボタンを押下して「同意する」を押すことですぐに利用開始できます。
Google Bard APIの活用
Google BardはAPIを公開しており、自社サービスにBardの機能を組み込むことができます。
API活用では以下のようなメリットがあります。
- Bardの自然言語処理能力を、自社アプリケーションに簡単に実装可能
- 顧客対話の自動化や、サポートコストの削減が期待できる
- 自社サービスに合わせたカスタマイズもAPIを通じて実現可能
例えば、以下のような活用が考えられます。
- 自社ECサイトの商品説明文を自動生成
- チャットボットにBardの対話能力を実装
- ユーザーからの入力テキストを要約・翻訳する
Bard APIはリクエスト制で課金されるため、導入コストを抑えつつ機能をテストすることもできます。Google Bard APIを活用することで、サービスの付加価値を効率的に高めることができます。
Google Bardについてよくある質問まとめ
- Google Bardの主な特徴は何ですか?
Google Bardの主な特徴は以下の通りです。
- Google検索と連携し、リアルタイム性の高い回答が得られる
- 提示された情報の出典を示すことができる
- 誰でも無料で利用可能
- 日本語対応
- 他のGoogleサービス(Gmail、Googleドキュメント、YouTube等)との連携性が高い
- Google BardとChatGPTの主な違いは何ですか?
Google BardとChatGPTの主な違いは以下の点です。
- リアルタイム性:Google Bardの方が高い(Google検索との連携による)
- 価格:Google Bardは完全無料、ChatGPTは一部有料(月額20ドル)
- 画像生成:Google Bardは不可、ChatGPT(GPT-4)は可能
- 出力結果の倫理安全性:Google Bardの方が高い(学習データの選別による)
- Google Bardはどのような用途に活用できますか?
Google Bardは以下のような用途に活用できます。
- Google検索と連動した情報収集
- プログラミング(コード生成、デバッグ、説明等)
- 文章生成(文章作成、要約、編集等)
- 翻訳(多言語対応、ニュアンスを考慮した翻訳)
- 日常の会話相手(英語練習、個人的なつぶやきへの反応等)
- API活用による自社サービスへの組み込み(チャットボット、商品説明文自動生成等)
まとめ
今回はGoogle Bardの概要から特徴、活用事例や同じ対話型AIのChatGPTとの違いを解説しました。Google BardはGoogleが提供する対話型AIです。
Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用でき、2023年5月には日本語に対応したことが発表されました。Google Bardは、Google検索から情報を収集しているためリアルタイム性が高く、GoogleドキュメントなどのGoogleサービスと連携した情報収集ができます。また、調べ物だけでなくプログラミングや文章生成、翻訳まで幅広い利用用途を実現しています。
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