最終更新日:2024-06-13
Google、「Gemini」と同じ技術を用いた軽量/高性能な生成AIオープンモデル「Gemma」を公開
米Google社は、2024年2月21日、新たな生成AIモデル「Gemma」を公開した。
「Gemma」は、同社のAIモデル「Gemini」と同じ技術を用いてより軽量に構築されたオープンモデルだ。事前学習済みモデルとインストラクション・チューニング済みのモデルが、「Gemma 2B」「Gemma 7B」の2サイズでそれぞれ公開されており、ラップトップPCやデスクトップPCなどで実行が可能となっている。
<本ニュースの10秒要約>
- 「Gemini」と同じ技術を用いて、より軽量に構築されたオープンモデル「Gemma」
- ラップトップPCやデスクトップPCなどで実行可能、NVIDIA GPU向けの最適化も実施
- ツールキットやチューンツールも公開、今後も「Gemma」モデルファミリーを拡大
生成AIの開発を続けているGoogle社
Google社は、あらゆる人にとって世界をより良くするツールを構築すべく、生成AIの開発を続けている。2023年には会話型生成AIとして「Bard」の公開を開始し、搭載するLLM(大規模言語モデル)を「LaMDA」「PaLM」「PaLM2」「Gemini Pro」と切り替えながらバージョンアップを継続。2024年2月には、この「Bard」の名称を「Gemini」に変更した。
「Bard」から「Gemini」への名称変更から間もなく同社は、「Gemini」の新世代モデルとして「Gemini 1.5」も発表。この「Gemini 1.5」は、より少ない計算量でありながら高い性能を実現したモデルであり、処理可能な情報量を大幅に増やすと共に長文理解性能も向上している。
こうした「Gemini」開発で得た技術知見を活かした比較的軽いオープンモデルとして、同社は今回「Gemma」を公開するに至った。
大型オープンモデルを上回るパフォーマンスを実現した「Gemma」
「Gemma」は、Google DeepMindとGoogle社のチームが「Gemini」と同じ技術/インフラストラクチャコンポーネントを利用して開発したAIモデルだ。同モデルは「Gemini」の技術により、主要なベンチマークで他の大型オープンモデルを上回るパフォーマンスを実現。Google社は、Meta社のLLM「Llama 2」よりも推論/数学/コードなどの分野で性能を上回るとしている。
「Gemma」の公開に際してGoogle社は、「Gemma 2B」「Gemma 7B」という2つのサイズのウェイトを用意。また両サイズにおいて、「事前学習済みモデル」と、特定のタスクに絞って調整した「インストラクションチューニング済みモデル」も公開した。なお「事前学習済みモデル」では安全性確保のため、学習データから特定の個人情報やその他の機密データを除外している。
SLMともいえる軽量設計であるため、ノートパソコン/ワークステーション/Google Cloud上で実行できることも、「Gemma」の大きな特徴だ。NVIDIA社と協力することでNVIDIA GPU向けの最適化も既に実施。NVIDIA社のGeForce RTX GPUで動作可能なチャットボットAI「Chat with RTX」でも、選択可能モデルとして「Gemma」の追加が予定されている。
開発者/研究者向けツールキットなども同時公開
「Gemma」の公開に併せてGoogle社は、開発者/研究者向けツールキット「Responsible Generative AI Toolkit」も発表した。同キットは、安全で責任あるAIアプリケーションを「Gemma」で構築する際のガイダンスとツールをまとめたものだ。また、主要フレームワークで利用可能なチューンツール「Keras 3.0」の提供も、同時に開始している。
「Gemma」は、2024年2月22日より全世界に向けて公開中だ。Google社は今後も、「Gemma」モデルファミリーの拡大を継続するとしている。
参照元:Google
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