ChatGPTとチャットボットの違いとは?それぞれの特徴や目的別使い分け例を徹底解説!
最終更新日:2024年11月08日
今世間で話題のChatGPTは、様々な業務を効率化することができると注目されています。顧客向けから社内の従業員向けまで幅広く活用でき、導入を考えている企業も多くあるでしょう。
以前からチャットボットを活用していた企業のなかには、ChatGPTを活用したシステムへ乗り換えたほうがいいか検討している企業も多いのではないでしょうか?どちらもユーザーとロボットの対話形式で進んでいくもので、その違いがいまいちわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、
また、目的別でChatGPTとチャットボットのそれぞれできることの違いについても紹介していきます。業務の効率化を考えているけど、違いがわからない、それぞれどんなことができるかを知りたいとお考えの方は、是非最後までご覧下さい。
こちらでChatGPTの仕組み、できること、活用事例を詳しく説明しています。
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目次
ChatGPTもチャットボット?
チャットボットとは、チャット(会話)とボット(ロボット)という言葉を組み合わせた自動会話プログラムです。ユーザーからの質問などに自動でいつでもチャット形式で返答できます。
ECサイトやカスタマーサポート、Lineの問い合わせなどでよく使用されています。
こちらでチャットボットとは何かを詳しく説明しています。
一方、ChatGPTとは、OpenAI社が開発した大規模な自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのチャットボットです。Webサイトから収集された膨大なテキストデータをもとに、ユーザーからの質問などに対してリアルな会話文を生成することが可能となっています。
広い意味ではChatGPTもチャットボットの一種と言うこともできます。一見すると従来のチャットボットに似ているかもしれませんが、その性能と機能面で大きな違いがあります。
従来のチャットボットと比較して、ChatGPTは高度な自然言語処理能力を持ち、柔軟な対話応答が可能です。これにより、ChatGPTは従来のチャットボットとは一線を画す存在となっています。
こちらでMicrosoft Azure OpenAI、Azure ChatGPTを用いたセキュアな社内AIチャット構築について詳しく説明しています。
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ChatGPTとチャットボットの違いとは?
ChatGPTとチャットボットの違いについて以下の点から説明していきます。
- 基本モデル
- 対話の質
- 得意な分野
- 苦手なこと
- 学習能力
- 導入ハードル
それぞれのポイントについて説明します。
基本モデル
ChatGPTとチャットボットは基本のモデルが異なります。
ChatGPTはGPT(Generative Pre-trained Transformer)というTransformerアーキテクチャをベースにしていることが特徴です。Transformerとは自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのことで、大規模なデータセットを用いて次に来る単語を予測するように学習を行います。
これにより、長い文章やさまざまな言語表現からユーザーの意図を理解して回答できるのが特徴です。
一方、従来のチャットボットの多くは、ルールベースやパターンマッチングなどのシンプルなアプローチをするのが特徴です(AIを活用しているチャットボットもあります)。ユーザーから質問される内容とそれに対する回答を事前に準備しておき、質問のキーワードなどからルールに沿って会話を進めていきます。
基本的には長い文章やさまざまな言語表現から文脈を理解することはありません。ルールや想定されるキーワードをもとに選択肢を提示し、ユーザーが求める回答に導いていきます。
対話の質
ChatGPTは、本当に人と会話をしているかのような回答を行うことができます。かなり長い会話や質問からでも文脈を理解し回答することができ、さまざまな質問や指示のスタイルであっても、その内容から意図を読み取り、ユーザーの求める回答や表現を行うといった柔軟性がChatGPTの特徴です。
ユーザーが意図していない回答のこともありますが、正しい意図を伝えなおすことで、再度回答するといった対応も可能です。
一方、従来のチャットボットは、特定のフレーズや単純な質問に対して正確な回答をすることができます。多くのチャットボットは、ユーザーから特定の質問が来ることを想定して作られています。
質問に対して決められた選択肢や回答を提示していくため、感情表現の理解や回答表現が限定的になります。
得意な分野
ChatGPTは会話生成モデルであり、ユーザーからの要望に合わせて新しいアイデアや回答を提案することが得意です。メールや文書の作成、プログラムコードの作成など幅広い提案を行うことができます。
人が書いたような自然な言葉であるため、そのままビジネスに活用することも可能です。
チャットボットは単純な問い合わせや想定されるキーワードについての質問には、素早く正確で一貫性のある回答をすることが得意です。商品やサービスに関する問い合わせ、サービス申し込みの誘導など、フローが決まっているものに関して迅速に必要な情報を出力できます。
ユーザーが簡単に待たされることなく、問題の解決や申し込みを完了させることができます。
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苦手な分野
ChatGPTの苦手なことは、正確な情報かどうか確認することです。ChatGPTに調べものを依頼した場合、誤った情報や古い情報で回答されることがあります。ChatGPTで調べものをする際には必ず、情報が正確かどうかを確認する必要があります。
チャットボットの苦手なことは、想定外の質問への回答やユーザーへの提案です。従来のチャットボットは、想定したシナリオやキーワードに対して的確な回答を行うことができます。しかし、あらかじめ想定されていない質問や、キーワードや文章の前後関係から判断するといった「表現のゆれ」に対応することは困難な場合が多くあります。
また、ChatGPTのようにユーザーとの会話や指示から文書の作成や提案ということもできません。
学習能力
ChatGPTは、使用しているWebサイトやアプリケーションにおいて、適切なフィードバックメカニズムが用意されており、フィードバックを送信することで学習していきます。また、会話中に新たな情報を与えれば、その情報を基に回答が変化することもあります。
ChatGPTが変化、成長する仕組みをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
企業が特定の業務に特化してChatGPTを利用したい場合は、OpenAI社が提供するAPIを利用して、多くの教師データの追加や、特定のタスクに適したハイパーパラメータの設定などを行う必要があるでしょう。
こちらでChatGPTのAPIを使う理由を詳しく説明しています。
従来のチャットボットは、あらかじめ固定された知識をベースにしており、基本的に「学習」という概念はありません。想定されていない質問に対応する場合には、新たなシナリオやキーワードをプログラムする必要があります。
AIに学習させるものとは違うため、大量のデータや回答の精度を繰り返し確認するといった必要がなく、手間が少なく済む特徴があります。
導入ハードル
ブラウザでChatGPTを使用する場合は、導入ハードルは低くなります。個人の文書作成や簡単な調べもの等で使用するだけであれば、アカウントを登録すれば無料ですぐに使用できます。
ChatGPTを事業目的で使用するのは、少しハードルが高くなるでしょう。新たなサービスの提供や顧客対応、社内対応で使用するにはAPI連携を行う必要があり、専門知識が必要になります。また、自社専用にチューニングするために、APIを使った追加の学習も必要になります。
チャットボットを事業で利用するのは、既成製品で選択の幅が広いためChatGPTに比べるとハードルが低い可能性があります。チャットボットは、基本的にシナリオや想定される質問等を準備して、プラグラムに落とし込んでいきます。これらをマニュアル等で文書化している場合は、そのまま流用できるため比較的スムーズに導入できます。
新たな情報を追加する場合は、プログラムに組み込む必要がありますが、大量の学習データを準備する必要がないため、学習のための手間が少ないのも特徴です。
今ではAPIを使って、比較的簡単にさまざまなツールに導入する技術が整備されています。
関連記事:「チャットボットのAPIとは?おすすめ製品・活用メリット・導入注意点を徹底解説!」
ChatGPTにできること、チャットボットにできること目的別比較
ChatGPTやチャットボットを自社に導入する場合、どんなことができるでしょうか?目的別でできることをそれぞれ見ていきたいと思います。
関連記事:「ChatGPTのビジネス利用アイデア徹底解説!注意点も解説」
既存顧客の対応を自動化したい
ChatGPTやチャットボットは既存顧客の対応の自動化に役立ちます。それぞれどのようなことが自動化できるか見ていきます。
ChatGPT
ChatGPTでは以下のような顧客対応が自動化できます。
- FAQ対応
- カスタマーサポート
顧客からのFAQや商品・サービスに関する問い合わせに自動で対応することができます。ChatGPTを顧客対応に使用することで、顧客のあいまいな問い合わせや微妙なニュアンスから意図を汲み取ることもできるでしょう。
あたかも人が接客しているような対応を行うことができます。
チャットボット
チャットボットでもChatGPT同様の顧客対応の自動化が可能になります。ChatGPTに比べると、顧客の質問が想定されるものでなければ対応できない点は注意が必要ですが、想定されるものに対しては正確な回答を提供できます。
見込み客を獲得したい
ChatGPTやチャットボットで、自社の製品やサービスに関心を持った顧客への対応品質を向上できます。それぞれどのようなことが自動化できるか見ていきます。
ChatGPT
ChatGPTを導入することで見込み客からの問い合わせ内容に基づくニーズ分析やパーソナライズされた提案を行うことができます。
見込み客の問い合わせから、抱えている問題や求めているものを分析し、自動で提案をすることができます。会話から追加で確認すべき事項等も判断することで、見込み客のニーズを深く理解し提案をすることができます。
ChatGPTを活用すれば、見込み客のあいまいな問い合わせからでも会話や文脈からニーズを把握でき、その人が好むような表現で提案を行うことができるようになります。
チャットボット
チャットボットを活用すれば以下のようなことが可能となります。
- Eコマースサイトへの誘導
- アポイントの獲得
想定される問い合わせから商品やサービスへの誘導のシナリオを作成することで、見込み客の獲得につなげることができます。あらかじめ、何を求めて問い合わせをするのかを想定しシナリオを作れば、スムーズに自社の商品の購入ページへの誘導やアポイントの確定につなげることができます。
シナリオ次第で活用幅が決まるのが従来のチャットボットの強みであり、弱みでもあるでしょう。
社内での情報共有を効率化したい
社内での情報共有は業務を行う上で必要不可欠です。ChatGPTやチャットボットを活用することで、情報共有をどのように効率化できるでしょうか?
ChatGPT
ChatGPTを活用することで以下のような情報共有が効率化できます。
- 会議の議事録作成
- プロジェクトの進捗報告
- 情報発信文の作成
会議で出た発言やアイデアのメモ、進捗状況などをChatGPTに送ることで、議事録や報告書の形でまとめることができます。また、発信したい情報の要点を伝えて社内の回覧文書を作成することもできます。
ChatGPTを活用すれば、必要な情報から、人が作成したような文章を簡単に作成することができ、効率化につながります。
チャットボット
チャットボットは以下のような社内情報の共有に役立ちます。
- 社内でのFAQ対応
- トラブルの対応方法
社内での問い合わせやトラブル対応は、対応方法が決まっているものが多くあります。これらは従業員からの質問も想定されるものが多いため、シナリオも作りやすく、比較的容易に対応の自動化を行うことができます。
チャットボットで社内の問い合わせ対応を行うことで、対応者の手間を減らすことや、新入社員や異動者が業務に慣れることをサポートできます。
ChatGPTとチャットボットの違いについてよくある質問まとめ
- ChatGPTもチャットボットですか?
広い意味ではChatGPTもチャットボットの一種と言うこともできます。一見すると従来のチャットボットに似ているかもしれませんが、その性能と機能面で大きな違いがあります。ChatGPTとは、大規模な自然言語処理のためのニューラルネットワークモデルのチャットボットです。Webサイトから収集された膨大なテキストデータをもとに、ユーザーからの質問などに対してリアルな会話文を生成することが可能となっています。従来のチャットボットと比較して、ChatGPTは高度な自然言語処理能力を持ち、柔軟な対話応答が可能です。詳しくはこちらにジャンプ。
- ChatGPTとチャットボットの違いとは?
ChatGPTはGPT(Generative Pre-trained Transformer)というTransformerアーキテクチャをベースにしていることが特徴です。大規模なデータセットを用いて次に来る単語を予測するように学習を行います。これにより、長い文章やさまざまな言語表現からユーザーの意図を理解して回答できるのが特徴です。
一方、従来のチャットボットの多くは、ルールベースやパターンマッチングなどのシンプルなアプローチをするのが特徴です。ユーザーから質問される内容とそれに対する回答を事前に準備しておき、質問のキーワードなどからルールに沿って会話を進めていきます。
基本的には長い文章やさまざまな言語表現から文脈を理解することはありません。ルールや想定されるキーワードをもとに選択肢を提示し、ユーザーが求める回答に導いていきます。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
ChatGPTとチャットボットは自然な会話なのか、シナリオに基づいて会話を行うのかという点で大きく異なります。
ChatGPTは自然言語処理のアーキテクチャが採用されており、大量のデータに基づく予測機能で、ユーザーの会話を理解し回答することができます。会話の中から、ユーザーの求める情報の提供だけでなく、分書の作成や提案といった創造的な機能を有しているという部分が大きな特徴です。
一方でチャットボットは、自然言語処理ではなくプログラムによるいくつものシナリオパターンから回答をしていくものです。想定外の対応や自ら回答を創造することはできませんが、想定されるシナリオやキーワードの場合には、正確で一過性のある情報をいつでも提供できる特徴があります。
AIを活用しているチャットボットも存在しますが、体験された方であればわかるように、その自然な回答や応用力などは現時点では圧倒的にChatGPTのほうが優れています。
働き方の変化や購買行動の変化、人手不足など企業を取り巻く状況は厳しく、これらの問題に対応していかなければ企業は存続することが難しくなります。
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