基盤モデルとは?代表的18モデル・AI開発での導入方法・メリット・選び方について解説
最終更新日:2026年10月15日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

基盤モデルとは、大量のデータで学習されたAIモデルであり、幅広いタスクに対応が可能で、近年は、基盤モデルを用いたAIシステムの開発が進んでいます。
本記事では今注目されている基盤モデルとは一体どんなものなのか?従来のAIとどう違うのか?そのメリットとは?など気になる点を解説していきますので、最後までご覧ください。
AIシステム開発の基本や手順についてはこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
ChatGPT/LLM導入・カスタマイズに強いAI開発会社を自力で選びたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
目次
基盤モデルとは?
基盤モデル(Foundation Model:ファウンデーションモデル)とは、大量かつ多様なデータで事前に訓練され、多様なタスクに適応できるAIモデルのことをいいます。
わかりやすい例としては、OpenAIのChatGPTのGPTシリーズやAnthropicのClaudeシリーズなどが挙げられます。
基盤モデルが登場したことで、多くの企業においてAIは「作る」から「使う」ものになったとも言えます。(もちろん、専用のAIモデルを構築することもあります)
参照:arXiv|On the Opportunities and Risks of Foundation Models(基盤モデルに関する原著論文)
従来のAIモデルとの違いとは
基盤モデルは、大量かつ多様なデータを学習し、さらに多様なタスクに対応することを想定しており、様々なタスクで高い能力を発揮することができます。
従来のAIモデルは、一般的に処理したいタスクごとにデータセットを用意しモデルを設計・訓練する必要がありました。
一方、基盤モデルでは既に言語や画像などの幅広いデータで事前学習が大規模に行われているため、自社専用にAIモデルの学習を行う必要がありません。ただし、特定用途(例えば自社製品用の外観検査AIモデルなど)においては、求める精度や対象データに合わせてAIモデルを構築するケースもあります。
| 項目 | 従来のタスク特化型AIモデル | 基盤モデル |
|---|---|---|
| 学習 | 特定のタスクに合わせてデータを用意し、モデルを訓練する | 大量かつ多様なデータで事前学習されている |
| 対応する用途 | 設計・訓練したタスクが中心 | モデルが得意とする領域で、複数のタスクに応用できる |
| 自社での活用 | 用途に合わせてモデルを構築する | 既存モデルを利用できる。必要に応じて追加学習や調整も行う |
LLM(大規模言語モデル)と基盤モデルの違い
LLMはテキストデータに特化した基盤モデルの一種です。
しばしばLLMと基盤モデルが同義で語られることがありますが、あくまで基盤モデルの一種であり、全ての基盤モデルがLLMというわけではありません。
関連記事:「LLMとは?AIエージェントとの連携・導入方法とコスト・代表的モデル・活用相談事例を徹底解説!」
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基盤モデルを使うメリット
基盤モデルを活用することにはどんなメリットがあるのでしょうか?例えば以下のようなイメージです。
| メリット | 概要 |
|---|---|
| 汎用性が高い | 一つのモデルを複数の用途に応用できる |
| AIシステムの開発費用を抑えられる | 学習済みモデルを活用し、一からの開発を減らせる |
汎用性が高い
基盤モデルの最大の特徴は、事前に大量のデータを用いて学習されており、多様なタスクに対応できることです。これにより、従来のAIよりも汎用性の高いAIとなります。
LLM(大規模言語モデル)であれば、膨大なテキスト文書を用いて学習されているため、自然で、幅広い言語処理タスクに活用できます。ここで言うタスクとは、例えば文章の要約や翻訳、ビジネス文章の生成など、文章を扱う細かな用途(タスク)を指します。
画像生成モデルであれば、フォトリアルな画像、アニメ風の画像など、様々な画像を生成することができます。
なお、近年はChatGPT(の中のGPTシリーズ)やGeminiモデルのように基盤モデルのマルチモーダル化も進んでおり、言語処理から画像認識・生成、音声認識・生成など、データ形式を問わないモデルも増えています。
関連記事:「マルチモーダルAIとは?代表モデル・活用メリット・ビジネス活用事例や相談事例を徹底解説!」
AIシステム開発費を抑えることができる
基盤モデルを活用することで、AIシステムの開発費用を抑えることができます。
従来AIシステムを構築する際には、一般的に自社用のAIモデルの設計から開発、学習にかなりの費用が必要でした。例えば、AIモデルに学習させるために、大量のデータをアノテーションして教師データを構築する必要などもありました。
しかし、基盤モデルは既に大量のデータセットで学習されています。
そのため、自社用のAIモデルを新たに構築しなくても、提供されている基盤モデルを利用することで、非常に汎用性の高いAIシステムの構築が可能になります。
AI開発の代表的な手順については、こちらで詳しく解説しています。
なお、基盤モデルを元に、より精度の高い、または専門性の高いモデルを構築したいという場合は、オープンウェイトな基盤モデルを元に、独自のファインチューニングを行うことも可能です。
関連記事:「ファインチューニングとは?LLMで必要な理由・デメリット・RAGや転移学習との違い解説」
基盤モデルの代表例
代表的な基盤モデルは以下のようなものがあります。
| 会社 | モデル名 | 概要 |
|---|---|---|
| OpenAI | GPT | 文章生成などに使われるモデル系列。近年のモデルは画像や音声も扱う |
| Anthropic | Claude | 文章の作成や分析、推論などに対応するモデル系列 |
| Gemini | テキスト、画像、音声などを扱うマルチモーダルモデル系列 | |
| Gemma | 自社環境でも利用できるオープンウェイトのモデル系列 | |
| Meta | Llama | モデルの重みを公開しているLLM系列 |
| DeepSeek | DeepSeek | 推論モデルなどを公開するオープンウェイトのLLM系列 |
| Alibaba | Qwen | 小型から大型まで幅広いモデルを展開するLLM系列 |
| Mistral AI | Mistral | 言語処理や画像理解などに対応するモデル系列 |
| OpenAI | CLIP | 画像と文章の関係を学習した画像認識モデル |
GPT(OpenAI)
GPT(Generative Pre-trained Transformer)は、OpenAIが2018年に発表した基盤モデルです。GPTは大量のテキストデータを用いて事前学習され、次の単語を予測するタスクで高い性能を発揮します。
これにより、文章生成や言語翻訳など、様々なタスクに応用可能となりました。
提供開始当初はテキストタスクを専門としていましたが、徐々に、画像や音声など様々なデータを扱えるマルチモーダルへと進化しました。
関連記事:「ChatGPTとは?できること・料金・使い方から主要機能、企業活用の注意点まで解説!」
Claude(Anthropic)
ClaudeはアメリカのAnthropic社が開発したクローズドな基盤モデルで、安全性が高い事が特徴のモデルと言われ、「Constitutional AI」と呼ばれる独自の手法で学習されています。
Claudeは自然言語処理や知識推論などの分野で非常に高い能力を示しており、性能はGPTに匹敵するとも言われています。
Claudeシリーズは、AIに倫理的な制約を組み込むことで、安全性と信頼性を重視して出力するための学習やファインチューニングがなされています。
関連記事:「Claudeとは?機能・料金プラン・モデル一覧・ChatGPTやGeminiとの違いを徹底解説!」
Gemini(Google)
Geminiは、Google DeepMind社が2023年12月に発表した大規模マルチモーダルLLMです。Geminiは、テキスト、画像、音声などの異なるモダリティのデータを統合的に処理することができます。
単一のモダリティに特化するのではなく、様々なモダリティを統合的に処理することで、より汎用的で柔軟なAIを実現しています。
関連記事:「Geminiとは?使い方、機能、活用事例、API、料金プラン、AIエージェントを目指す進化を徹底解説!」
なお、Googleは現在、Geminiを主力の基盤モデルとして展開していますが、それ以前にも、以下のようなモデルを開発・提供してきました。
- BERT:文章の前後の文脈を踏まえた理解を可能にしたモデル。参照:GitHub|BERT
- T5:要約や翻訳などを「テキストからテキストへの変換」として扱うモデル。参照:GitHub|T5
- PaLM:推論やコード生成など、幅広い言語処理タスクに対応した大規模言語モデル。参照:Google Research|PaLM
Gemma(Google)
Googleは、Google DeepMindがGeminiの研究成果をもとに開発するオープンウェイトの軽量モデルであるGemmaというモデルも提供しています。
米国企業が開発した高性能なオープンウェイトモデルとして、中国発のモデルを避けたい企業の有力な選択肢となっています。
また、端末上で動く小型モデルは、通信環境のない現場やデータを外部に出せない業務などローカルLLMとしても活用されています。
関連記事:「ローカルLLMとは?特徴・おすすめモデル・必要なPCスペック・構築方法を解説」
Llama(Meta)
Llama(ラマ)は、Metaが2023年から公開してきたLLMです。名前は「Large Language Model Meta AI」に由来します。
モデルの重みをダウンロードして自社環境で動かせるオープンウェイトモデルです。
2023年7月のLlama 2が商用利用可能な形で無料公開されたことで、ELYZAをはじめ多くの日本語LLMがLlamaをベースに開発されました。
Llamaの詳細な特徴、使い方をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
参照:GitHub|Llama
DeepSeek
DeepSeekは、中国のAI企業DeepSeekが開発するオープンウェイトのLLMです。2025年1月に公開した推論モデルDeepSeek-R1が、米国の最先端モデルに迫る性能を低い学習コストで実現したとして、世界のAI業界と株式市場に大きな衝撃を与えました。
以降、V4やV4.1など、進化を続けています。
一方で、DeepSeek社のAPIやアプリを直接使う場合は中国の事業者にデータを送ることになるため、多くの企業や行政機関が利用に慎重な姿勢を取っています。
関連記事:「DeepSeek-R1とは?OpenAI o1に迫る高性能モデルの料金・アーキテクチャの特徴、使い方、注意点を徹底解説」
Qwen(Alibaba)
Qwen(通義千問)は、中国アリババグループが開発するLLMです。小型から超大型まで数百のモデルをオープンウェイトで公開しており、2025年にはLlamaを抜いて、世界で最も多くセルフホストされているモデル系列になりました。
日本でも、ELYZAやrinnaなどがQwenをベースに日本語モデルを開発しており、国内の日本語LLMの土台としても存在感を増しています。
2026年8月のQwen3.8で初めてMaxクラスの重み(総パラメータ2.4兆)が公開されました。
中国企業が開発したモデルである点については、DeepSeekと同様に、利用形態ごとのデータの扱いを整理しておく必要があります。
関連記事:「Qwenとは?モデル一覧・料金、できること・機能、ChatGPT・Claude・Geminiとの違い、使い方まで徹底解説!」
参照:GitHub|Qwen
Mistral(Mistral AI)
Mistralは、フランスのAI企業Mistral AIが開発するLLMです。2025年12月にMistral Large 3をApache 2.0ライセンスで公開するなど、高性能モデルの重みを公開する路線を一貫して取っています。
2026年3月のMistral Small 4では、それまで別々に提供していた推論・画像理解・エージェント型コーディングの機能を一つのモデルに統合し、マルチモーダルへと進化しました。
Mistralは、欧州のデータ主権(ソブリンAI)への需要を背景に成長しており、米国と中国のどちらの企業にも依存したくない企業や公的機関にとっての選択肢になっています。
関連記事:「Mistral AIとは?特徴や主要モデル、活用方法をわかりやすく徹底解説!」
CLIP(OpenAI)
CLIP(Contrastive Language-Image Pre-training)とは、OpenAIが2021年に発表した文章と画像の組み合わせを学習した画像認識の基盤モデルです。
CLIPの大きな特徴は、ゼロショット学習の概念を画像認識AIに適応させたことです。ゼロショット学習とは、追加学習無しで新たなデータに対応できる学習方法で、自然言語処理モデルで活用される学習方法でしたが、これを画像認識で行ったのがCLIPです。
これにより、画像認識特有の膨大な学習がなくとも画像認識ができることになりました。
単体の基盤モデルとしてはレガシーになりつつありますが、CLIPの考え方は今も中核技術として生きています。
関連記事:「Clipとは?OpenAIのマルチモーダル基盤モデルの仕組み・活用事例・課題を徹底解説!」
参照:GitHub|CLIP
代表的な画像生成の基盤モデル
画像生成AIは、LLMと一体化して指示を深く理解するクローズドなモデルと、自社環境で動かせるオープンウェイトのモデルに大きく分かれています。
| 会社 | モデル名 | 概要 |
|---|---|---|
| OpenAI | GPT Image | 指示に沿った画像生成・編集や、画像内の文字表現に対応 |
| Nano Banana | Geminiの画像生成・編集モデル系列 | |
| Black Forest Labs | FLUX | 画像の生成・編集に対応するモデル系列 |
| Stability AI | Stable Diffusion | 自社環境での運用にも使われるオープンウェイトの画像生成モデル系列 |
| OpenAI | DALL·E ※提供終了 | テキストから画像を生成するモデル系列 |
| Imagen ※提供終了 | テキストから画像を生成するモデル系列 |
GPT Image(OpenAI)
GPT Imageは、OpenAIの画像生成モデルの系列で、DALL·Eの後継にあたります。2025年にGPT-4oに統合された画像生成機能から始まり、2026年には、GPT Image 2やGPT Image 2.5が公開されました。
GPT Imageは、画像を生成する前に推論を行い、構図や指示の内容を整理してから描画する画像生成モデルであり、画像内の文字の描画精度が大幅に向上し、日本語を含む多言語の文字も正確に描けるようになりました。
チラシや図解、UIのモックアップなど、文字を含む業務用の素材にも実用的に使える水準です。いずれもChatGPTとAPIから利用でき、重みは公開されていません。
関連記事:「ChatGPT Imagesとは?できること・機能、使い方、提供状況と料金プラン、実際に試した結果まで徹底解説!」
Nano Banana(Google)
Nano Bananaは、Geminiの画像生成・編集モデルです。2025年にGemini 2.5 Flash Imageとして登場し、開発時の愛称がそのまま定着しました。
2026年2月以降は、Geminiアプリの標準の画像生成モデルになっています。
Geminiの推論能力でプロンプトを深く理解するため、複雑な指示の反映、画像内の文字の描画、既存画像の部分的な編集、複数画像の合成などに強みがあります。生成した画像には、AIで作られたことを示す電子透かし(SynthID)が埋め込まれます。
GeminiアプリのほかGoogle AI Studio、Gemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)、Google広告などから利用でき、Imagenからの移行先にもなっています。
関連記事:「Nano Bananaとは?2・Lite・Proの違い・料金・機能・使い方を徹底解説」
参照:Google DeepMind|Nano Banana
FLUX(Black Forest Labs)
FLUXは、ドイツのBlack Forest Labsが開発する画像生成モデルです。同社は、Stable Diffusionの基盤技術を開発した研究者らがStability AIから独立して設立した企業です。
2025年11月に公開されたFLUX.2は、画像の生成と編集を一つのモデルで行え、最大400万画素の出力や、複数の参照画像を使った生成に対応しています。API専用の上位版に加えて、重みを公開する[dev]と、軽量版の[klein](4B・9B)などがあります。
関連記事:「FLUX.1とは?画像生成AIの注目株の特徴・モデルの違い・使い方を徹底解説」
Stable Diffusion(Stability AI)
Stable Diffusionは、Stability AIが2022年に発表したオープンウェイトの画像生成モデルです。Stable Diffusionは、拡散(Diffusion)モデルと呼ばれる生成手法を用いており、ノイズを徐々に除去することで画像を生成します。
初期のモデルはLAION-5Bという大規模な画像データセットをもとに学習されました。誰でも利用・改変できたため、派生モデルや周辺ツールの巨大なエコシステムが生まれ、画像生成AIの普及を大きく後押ししました。
2024年のStable Diffusion 3系列では、内部構造が従来のU-NetからTransformerベースの構造に変わり、CLIPやT5など複数のテキストエンコーダーを組み合わせてプロンプトを理解するようになりました。
現在も、自社環境での運用や独自データでのファインチューニングの選択肢として使われていますが、最先端の画質ではFLUX.2などに後れを取りつつあります。
関連記事:「Stable Diffusionとは?商用利用できる?特徴・使い方・メリット・注意点を徹底解説」
関連記事:「Diffusion model(拡散モデル)とは?仕組み、GANやVAEとの違い、企業導入メリット、活用シーンを徹底解説!」
参照:Stability AI|Stable Diffusion
DALL・E(OpenAI)※提供終了
DALL・E(ダリ)は、OpenAIが2021年に発表した画像生成の基盤モデルです。DALL・Eは、テキストの記述から画像を生成することが可能で、高い表現力と創造性を持っています。
DALL・Eは、大量の画像とキャプションのペアを用いて事前学習され、2022年にアップデートされたDALL・E 2、2023年のDALL・E 3では、さらに高解像度で詳細な画像の生成が可能となりました。
ただし、2025年12月にChatGPTでのDALL・E提供は終わり、2026年5月にはAPIの提供も終了しました。OpenAIの画像生成はGPT Imageに引き継がれています。
Imagen(Google)※提供終了
ImagenはGoogleが2022年に発表した、テキストから高解像度の画像を生成するモデルです。プロンプトの理解に大規模言語モデルT5のエンコーダーを用いることで、文章の細かなニュアンスを画像に反映できる点が特徴でした。
その後、Imagen 2、Imagen 3、Imagen 4とGemini Enterprise Agent Platform(旧Vertex AI)を通じて企業向けに提供され、写実性や画像内の文字表現に定評がありました。
Googleは画像生成の主軸をGeminiと一体化したNano Bananaに移しており、2026年3月には、Gemini Enterprise Agent Platform上のImagen 3・Imagen 4の画像生成エンドポイントを非推奨とし、Geminiの画像生成モデルへの移行を案内しました。
関連記事:「Google Imagenとは?DALL・E 3・Stable Diffusionとの違いは?活用事例・商用利用・安全性を徹底解説!」
ロボティクス系基盤モデル
ロボティクス系の基盤モデルは、画像やセンサーデータ、言語による指示などを扱い、ロボットの動作計画や制御に活用できるAIモデルを指します。
物体をつかむ、移動するなど、フィジカルAIとして注目され、さまざまな作業への応用が進んでいます。
関連記事:「フィジカルAIとは?仕組み・メリット・活用例・注意点を徹底解説!」
代表的なモデルには以下のようなものがあります。
| 会社 | モデル名 | 概要 |
|---|---|---|
| Google DeepMind | Gemini Robotics | 視覚情報や指示をもとに、ロボットの動作や計画を支援するモデル系列 |
| NVIDIA | Isaac GR00T | ヒューマノイドロボットの動作に向けた基盤モデル系列 |
| NVIDIA | Cosmos | 物理世界の理解や、ロボット学習用データの生成に使うモデル群 |
Gemini Robotics(Google DeepMind)
Gemini Roboticsは、Geminiをロボット制御に拡張したGoogle DeepMindのモデル系列です。2025年にGemini 2.0をベースとしたVLAモデルとして登場し、2026年7月に第2世代のGemini Robotics 2が発表されました。
Gemini Robotics 2は、役割の異なる3つのモデルで構成されています。
- Gemini Robotics 2
- Gemini Robotics ER 2
- Gemini Robotics On-Device 2
計画を担うERモデルと、動作を担うVLAモデルを分けた設計のため、既存のロボット制御システムにERモデルだけを上位の頭脳として組み合わせることもできます。ERモデルはAPIから試せるため、ロボットへのAI活用の概念実証(PoC)を小さく始めやすい点も特徴です。
関連記事:「Gemini Roboticsとは?物理世界を拡張するロボティクス向けAIモデルの性能・メリット・課題を徹底解説!」
参照:Google DeepMind|Gemini Robotics
参照:Google|https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/gemini-robotics-2/
GR00T(NVIDIA)
Isaac GR00T(ジーアールゼロゼロティー)は、NVIDIAが開発するヒューマノイドロボット向けの基盤モデルです。カメラの映像と言葉による指示を入力として受け取り、ロボットの動作を直接出力するVLA(Vision-Language-Action)モデルに分類されます。
2026年1月に公開されたGR00T N1.6は、Cosmos Reasonを頭脳として使い、歩きながら物を持つといった全身の協調動作を可能にしました。その後、本番環境での商用利用に対応した一般提供版のGR00T N1.7が公開されています。
GR00Tはオープンモデルとして公開されており、Hugging Faceのロボット開発フレームワーク「LeRobot」とも連携しています。
関連記事:「VLA(Vision-Language-Action)モデルとは?仕組み、VLMとの違い、重要モデル、メリット、課題を徹底解説!」
Cosmos(NVIDIA)
Cosmosは、NVIDIAが開発する世界基盤モデル(World Foundation Model)プラットフォームです。
世界基盤モデルは世界モデルとも呼ばれ、映像やセンサーのデータから物理世界の動きや因果関係を学習し、「この状況でこう動いたら次にどうなるか」を予測・生成するモデルで、ロボットや自動運転車の学習用データを作る用途で使われます。
ロボットの学習には、衝突寸前の場面やまれな故障など、現実では集めにくい状況のデータが大量に必要です。Cosmosを使えば、こうした状況を合成データとして生成したり、ロボットの動作をシミュレーション上で評価したりできます。
合成データの生成に使うCosmos Predict、シミュレーション映像の条件を変えてデータを拡張するCosmos Transfer、物理世界の状況を理解・推論するCosmos Reasonなどが公開されています。
Cosmosの各モデルは、Linux FoundationのOpenMDWライセンスでオープンに公開されています。
関連記事:「世界モデルとは?仕組み・従来型AIとの違い・メリット・現状課題を徹底紹介!」
関連記事:「NVIDIA Cosmosとは?フィジカルAIを可能にする世界モデルの概要、特徴、利用分野、課題と注意点を徹底解説!」
参照:NVIDIA|Cosmos
参照:NVIDIA|NVIDIA Cosmos World Foundationモデルを使用して、合成データと物理AI推論を拡張する
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基盤モデルの課題

現状の日本企業では、基盤モデルについて以下のような課題を抱えている現状です。
日本語への対応が遅れている
現在、有名となっている基盤モデルは、海外製が中心となっています。そのため、構築する際に用いられている学習データは、日本語も含まれていますが、海外の言語テキストの方が圧倒的に多くなっています。
GPTやGeminiなど、日本語でも十分に自然な出力を可能とするモデルもありますが、他のモデルでは、日本語対応の優先度が低く、日本語の細かいニュアンスや微妙な表現の違いなどを適切に理解することが苦手なモデルもあります。代表的な例で言えば、Meta社の提供するLlamaなどがその典型です。
そのため、それらのモデルを活用を用いて、日本でビジネスに活用することが難しいケースなども存在します。
ただし、英語ベースで構築されたオープンソースの基盤モデル等を元に、日本語にファインチューニングを行い、日本語に対応した日本語LLMとして提供するケースも出てきています。
関連記事:「日本語LLMとは?代表モデルの特徴・比較、選び方と業務活用のポイントを徹底解説!」
関連記事:「オープンソースLLMとは?代表モデル11シリーズ・ダウンロード数・比較と選び方を解説!」
莫大な開発費用がかかる
基盤モデルを一から開発するには開発費用が大きくなります。現在主流の基盤モデルは、GoogleやOpenAIなどの海外のメガテック企業が中心となっています。
研究開発の取り組みから、モデルの構築に必要となる学習データやノウハウの蓄積などの多くが海外のメガテック企業が寡占されている状況です。
そのような状況下で日本企業が一から開発するには莫大なコストが発生するでしょう。
なぜ基盤モデルを導入するためには選び方が重要?

企業が基盤モデルを導入するには、モデルの選び方が重要になります。下記を考慮して、どのモデルを選ぶかを検討することが大切です。
基盤モデルの数が多い
現在、公開されている基盤モデルは多数ありますが、その性能は様々です。基本的に、基盤モデルの性能は以下の3つで変動すると言われています。
- 訓練ステップ
- データセットサイズ
- パラメータ数
一般的には上記が大きいほど性能が高くなると言われており、選択するモデルがどれくらいのデータセット量やパラメータ数なのか、どのくらいの性能を発揮するのかを把握することは非常に重要です。
ただし、上記の性能が高いから自社のユースケースに必ず合う、というわけではありません。昨今は、SLMのようにパラメータ数を少なくしても、特定の業務領域に特化して適切な出力を行うことが可能なモデルも登場してきています。
そのため、自社のユースケースに沿った性能のモデルを選定することが重要です。
関連記事:「SLM(小規模言語モデル)とは?LLMとの違いは?小規模の理由・企業へのメリット・デメリットを徹底解説!」
なお、LLMの性能評価方法については以下の記事で詳しく解説していますので、ご参考ください。
関連記事:「LLMの性能評価方法とは?人手・自動評価の違い、指標・ベンチマーク・ツールを徹底解説!」
入出力形式が違う
基盤モデルは、言語系や画像系、プログラミング言語など入出力の形式が異なります。マルチモーダルと呼ばれるモデルは複数の形式に対応しています。
自社でどのように活用したいかで選択するモデルが変わってくるため、モデルの入出力形式を確認して選ぶことが重要です。
コストと性能のバランス
基盤モデルを活用することで、一般的にAIシステム開発のコストは大幅に下げることができます。
ただし、基盤モデルを利用した場合でも、大規模パラメータで高性能なクローズドなモデルを利用すればトランザクションフィーが発生しますし、軽量なオープンウェイトなモデルを利用する場合であれば、GPUコストが安くなっても、性能が十分ではない可能性もあります。
そのため、自社が求める性能と、それを実現するために必要なコストは、様々な観点で検討する必要があります。
関連記事:「AIの開発環境に必要なのは?必須のハードウェア・ソフトウェア、構築手順を徹底解説!」
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基盤モデルについてよくある質問まとめ
- 基盤モデルとLLMの違いは何ですか?
基盤モデルは、大量のデータで事前学習され、複数の用途に応用できるAIモデルの総称です。
LLMは主に言語を扱う基盤モデルの一種で、基盤モデルには画像生成やロボティクス向けのモデルもあります。
- 基盤モデルを使う場合、自社データでの追加学習は必要ですか?
必須ではありません。
指示の工夫や、社内文書を検索して回答時に参照させるRAGなどで対応できる場合もあります。
求める精度や用途に応じて、ファインチューニングも検討できます。
- 企業は基盤モデルをどう選べばよいですか?
まず用途と必要な入出力形式を明確にし、実際の業務データで性能を確かめます。
そのうえで、利用料金、運用方法、データの取り扱いを比較して選びます。
まとめ
基盤モデルとは、大量かつ多様なデータで訓練されたAIモデルで、多様な下流タスクに適応可能なAIモデルです。
データセットのサイズやパラメータ数によって性能が左右されるもので、これらが大きいほど高性能で汎用的なモデルと言えます。
基盤モデルは、公開されている数や種類が多く、自社で導入する際は、モデルの選び方が重要になってきます。
入出力形式や性能とコストのバランスを踏まえて最適な基盤モデルを選択することが重要になるでしょう。

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