【OpenAI】API用モデルGPT-4.1とは?4oや4.5との違い、特徴や性能、料金から利用方法まで徹底仮説!
最終更新日:2025年04月15日

- GPT-4.1はコード生成、指示追従、長文理解に強く、API経由でのみ利用できる
- GPT-4.1ファミリーはminiやnanoも含み、用途に応じて高性能かつ低コストで選べる
- GPT-4.5より高精度かつ低レイテンシで、GPT-4oを上回る性能を複数のベンチマークで示している
2025年4月14日、ChatGPTを提供するOpenAIは新たなLLMモデル「GPT-4.1」を発表しました。本モデルは、前世代のGPT-4oを凌ぐパフォーマンスと実用性を兼ね備えており、特にコード生成、指示の理解、長文コンテキスト処理能力において大幅な進化を遂げています。
本記事では、GPT-4.1の概要から機能・性能・料金・使い方・活用事例まで、徹底的に解説します。
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目次
GPT-4.1とは?
GPT-4.1は、OpenAIが2025年4月にリリースしたLLM(大規模言語モデル)であり、主にAPIを通じて提供されます。
GPT-4.1 in the APIhttps://t.co/giS4K1yNh9
— OpenAI (@OpenAI) April 14, 2025
開発背景としては、現実の開発者ニーズに対応することを重視し、コーディング支援、長文文書の理解、信頼性の高い指示実行といったタスクの性能向上が狙いとされています。
利用対象は、エンタープライズ用途からスタートアップの業務オートメーション、ソフトウェア開発支援まで幅広く想定されています。
GPT-4.1ファミリーは以下の3つのモデルで構成されています。
GPT-4.1
シリーズの中核モデルで、コード生成、長文理解、指示追従性などすべてにおいて最も高い性能を持っています。最大100万トークンのコンテキスト長をサポートし、大規模文書や複雑なタスクに対応可能です。
GPT-4.1 mini
推論速度とコスト効率を重視した中間モデルで、精度もGPT-4oを上回るベンチマーク結果を記録しています。特に視覚情報処理の分野で優れた性能を発揮し、処理速度はGPT-4oの半分以下に抑えられています。
GPT-4.1 nano
最小かつ最速のモデルで、分類や補完といった低遅延が求められる用途に最適です。こちらも最大100万トークンの長文対応が可能でありながら、非常に低価格で利用できる点が特徴です。
GPT-4.1の特徴
高精度な指示追従性
GPT-4.1は、現実の開発者ニーズに基づき、指示の理解と実行能力が強化されています。たとえば、特定の出力フォーマットの指定や、順序通りのステップ実行、否定命令への対応、過度な自信を持たずに「わからない」と答えるべき場面の判断など、実務で重要なケースへの対応力が向上しています。
また、会話の中で複数のターンを通じて行われる指示に対しても、前のメッセージの内容を保持したまま一貫性のある応答ができるよう最適化されています。
最大100万トークンのコンテキスト長(コンテキストウィンドウ)
GPT-4.1シリーズのすべてのモデルが最大100万トークンのコンテキスト長に対応しており、大規模なドキュメントやコードベースを一度に処理できます。
長文の中から必要な情報を抽出し、他の情報との関連を理解しながら出力する能力が高められています。法務文書のレビュー、長編レポートの要約、複数文書間の関係性の把握といった高度な処理が可能となっています。
コード生成と編集における信頼性向上
GPT-4.1は、コードの生成や既存ファイルの編集において、無駄な変更を避けながら目的に沿った変更を加える能力が強化されています。
複数のプログラミング言語に対応し、diff形式での出力にも柔軟に対応するため、大規模プロジェクトにおいても効率的なコード修正が可能です。さらに、ファイル全体の書き換えだけでなく、変更行だけを抽出して出力する手法にも対応しています。
マルチモーダル処理の強化
GPT-4.1は、チャートや図、地図、数学的な図などを含む視覚的な情報の処理能力が向上しており、画像を含むタスクや図解を必要とする出力において、より適切で正確な応答が可能になりました。
特にGPT-4.1 miniは視覚情報処理に優れており、図表を読み取って質問に答えたり、画像内の要素を理解したりする用途にも対応できます。
応答遅延とコストの最適化
モデルごとに応答速度と価格が最適化されており、GPT-4.1 miniとnanoは特に高速応答と低コストを実現しています。
nanoモデルは、分類や補完といった短時間での処理が必要なタスクにおいて優れた性能を発揮します。また、同じプロンプトを繰り返し使用する場合にコストを削減できるプロンプトキャッシュ機能も提供されており、最大75%のコスト削減が可能です。
更新された知識ベース
GPT-4.1は、2024年6月までの情報を学習しており、直近の技術動向や社会情勢を踏まえた応答が可能です。
時事性の高いテーマや最新の制度・サービスに関する質問にも、より現実に即した内容で応えることができます。
GPT-4.1の性能
GPT-4.1は、従来モデルと比較して、知能レベル・応答速度・コストパフォーマンスの全てにおいて大きな進化を遂げています。
以下の図は、GPT-4.1ファミリーとGPT-4oシリーズにおける、知能評価(Multilingual MMLU)とレイテンシ(推論の応答時間)の関係を可視化したものです。
このグラフからは、GPT-4.1ファミリー各モデルの知能レベルと応答速度(レイテンシー)の関係が明確に示されています。GPT-4.1は、GPT-4oと比較して知能評価が高く、わずかにレイテンシーも改善されており、性能と応答性の両面でバランスの取れたモデルといえます。
中間モデルであるGPT-4.1 miniは、GPT-4o miniよりも高い知能を備えながら、レイテンシーは大幅に短縮されており、コスト効率と性能の両立を実現しています。さらに、GPT-4.1 nanoは、全モデル中で最も低いレイテンシーを誇り、即時性が重視されるタスクに最適な構成となっています。
知能スコアはやや控えめながらも、分類や自動補完といった軽量で高速な処理を求める用途において、非常に実用的なパフォーマンスを発揮します。
また、コード処理の分野では、GPT-4.1はSWE-bench Verifiedにおいて54.6%というスコアを記録しました。これは実際のコードリポジトリに対して課題を読み取り、動作する修正を自動生成するタスクであり、実務レベルでのソフトウェア開発支援能力を示す指標です。
他にも、Aiderのpolyglot codingベンチマークでは、GPT-4.1 nanoが9.8%のスコアを達成しており、これは小型モデルとしては非常に高水準の結果とされています。
これらの結果から、GPT-4.1ファミリーは大規模モデルから軽量モデルまで、各用途に応じた高い性能を発揮することが確認されています。
Introducing GPT-4.1 in the API
GPT-4.1のライセンス・料金体系
GPT-4.1シリーズはすべてAPI経由での提供となっており、ChatGPT(コンシューマ向けUI)では使用できません。トークン課金制が採用されており、以下のような価格体系が提示されています(すべて100万トークンあたりの価格)。
モデル | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 | ブレンディッド料金(参考) |
---|---|---|---|---|
gpt-4.1 | $2.00 | $0.50 | $8.00 | $1.84 |
gpt-4.1-mini | $0.40 | $0.10 | $1.60 | $0.42 |
gpt-4.1-nano | $0.10 | $0.025 | $0.40 | $0.12 |
ブレンディッド料金とは、入力と出力のトークン使用量の平均的な比率をもとに算出された、実利用に近い目安コストです。実際の課金は入力・出力トークン数に応じて別々に計算されますが、概算としての参考になります。
なお、Batch APIを利用した場合はさらに50%の割引が適用されます。
関連記事:「OpenAI・ChatGPTのAPI料金詳細」
GPT-4.1の利用方法
GPT-4.1はOpenAI APIから利用可能です。利用にはOpenAIアカウントの作成と、APIキーの取得が必要です。API呼び出しは既存のSDK(Python、Node.jsなど)を用いることができ、REST形式でも利用できます。また、gpt-4.1モデルを指定することで即座に使用開始が可能です。
OpenAI Playgroundからテスト実行を行うこともできます。
また、Azure AI FoundryもGPT-4.1に対応したことが発表されており、Azure環境で利用することも可能です。
GPT-4oやGPT-4.5との違い
GPT-4.1は、これまでのGPT-4oやGPT-4.5と比べて、性能・コスト・応答速度のすべてにおいて最適化されたバランス型のモデルです。
以下の表では、それぞれのモデルの主な違いを項目ごとに比較しています。用途や目的に応じて、どのモデルが適しているかを判断する参考にしてください。
項目 | GPT-4.1 | GPT-4.5 | GPT-4o |
---|---|---|---|
提供形式 | API専用 | API(プレビュー) | ChatGPTおよびAPI |
最大コンテキスト長 | 1,000,000トークン | 128,000トークン | 128,000トークン |
MMLUスコア(例) | 90.2% | 90.8% | 85.7% |
SWE-bench Verified | 54.6% | 38.0% | 33.2% |
レイテンシ(応答速度) | 高速(mini/nanoは特に速い) | 遅め(大規模構成) | 中程度 |
API利用料金(参考) | 安価($1.84/1Mトークン) | 高コスト | 中程度 |
マルチモーダル対応 | 高性能(特にminiで向上) | 対応(詳細不明) | 画像・音声などに対応 |
提供の位置づけ | 正式モデル(4.5後継) | 研究プレビュー(終了予定) | 標準モデル(ChatGPT向け) |
GPT-4.1についてよくある質問まとめ
- GPT-4.1はChatGPTでも使えますか?
GPT-4.1は現在、ChatGPTでは提供されておらず、API経由でのみ利用可能です。
ChatGPT内のGPT-4モードにはGPT-4oが搭載されており、GPT-4.1の改良の一部が段階的に反映されています。
- GPT-4.1、mini、nanoはどう使い分ければよいですか?
GPT-4.1は高精度・高負荷の処理に最適で、長文理解や高度な生成タスクに向いています。miniは精度と速度のバランスが取れており、チャットボットや業務支援に適しています。nanoは最も軽量かつ高速で、分類や補完などリアルタイム性が求められる用途に向いています。
まとめ
GPT-4.1は、コーディング、指示理解、長文対応、視覚情報処理において大幅な性能向上を果たした新世代のAPI専用モデルです。従来のGPT-4oやGPT-4.5を超える信頼性とコストパフォーマンスを実現しており、エンタープライズから個人開発者まで、広範なユースケースに活用できる強力なツールとなっています。
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