AI開発おすすめアノテーションツール16選比較!無料・有料の選び方解説【2024年最新版】
最終更新日:2024年11月05日
AI開発で教師データを作成するアノテーション作業を実施する上で、自社内でアノテーションツールを使用して作業することを考えている企業も少なくないかもしれません。アノテーションツールを自社で利用される場合は、オープンソースのソフトウェアをGitからインストールしたり、提供団体のWEBサイトからダウンロードする、有料で提供している企業のサービスを利用するなど、多くの手法があります。
そもそもアノテーションとはどんな作業か、どんな種類があるかをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
今回は、「どのようにアノテーションツールを選べばいいかわからない。」という不安をお持ちの方に向けて、選び方解説、アノテーションツールをAI Marketのプロのコンサルタントが調査した内容を比較しながら紹介します。自社のアノテーション作業を踏まえて、どのツールを利用すべきか、是非ご参考ください。
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外部のアノテーション会社への作業委託を考えられている際は、プロ厳選おすすめアノテーション会社紹介記事をご参考ください。他にも、アノテーションを行うための元データ収集(OCR用の手書き文字や道路画像、会話動画など)やデータセットを必要とされている場合は、AI学習用データ収集が可能なおすすめ会社紹介記事もおすすめです。
目次
- 1 アノテーションツールの選び方
- 2 アノテーションツール16選比較表
- 3 【タグ付けも簡単】アノテーションツール16選!
- 3.1 FastLabel
- 3.2 Annostation
- 3.3 AIMMO Enterprise
- 3.4 harBest for Data
- 3.5 ANNOFAB
- 3.6 LabelBox
- 3.7 VoTT
- 3.8 COCO Annotator
- 3.9 LabelMe
- 3.10 Semantic Segmentation Editor
- 3.11 Pixel Annotation Tool
- 3.12 ImgLab
- 3.13 VGG Image Annotator (VIA)
- 3.14 labelImg
- 3.15 Annotorious
- 3.16 Image Annotation Programme
- 3.17 doccano
- 4 アノテーションツールについてよくある質問まとめ
- 5 最適なアノテーションツール選びを
アノテーションツールの選び方
アノテーションツール選びは作業者のクオリティや速度を上げるために重要です。そこで、まず選び方を把握しておきましょう。
目的への対応(画像認識、動画認識、自然言語処理等)
まずは、自社で構築したいAIモデルに合わせて、何をどのようにアノテーションしたいかを踏まえて選びましょう。アノテーションツールでは画像認識、動画認識、自然言語処理(NLP)それぞれに適したものがあります。
また、画像・動画認識の領域だけでも、大きく下記のような種類に分けられます。
- 物体の検出…画像にある物体をバウンディングボックスで囲んで意味づけを行う
- 領域の抽出…画像にある特定の物体を抽出して意味づけを行う(セグメンテーション)
- 骨格の検出…人体の骨格に応じてキーポイント付けを行う
- 画像の分類…画像全体に意味づけを行う
セグメンテーションは更に細かく分類すると、セマンティックセグメンテーション、インスタンスセグメンテーションのような種類にも分けられます。
そのため、アノテーションツールに応じて、どのようなアノテーションが可能かも変わってきますので、目的に応じてアノテーションツールを選択する必要があります。
動画認識や自然言語処理でも同様です。自社でどのようにAIを活用するかによってアノテーションツールが変わるので慎重に選びましょう。
機能の使いやすさや導入のしやすさ
アノテーションツールの機能の使いやすさで選ぶことをおすすめします。アノテーションは基本的に膨大なデータを処理しなければならないため、操作性を重視しましょう。
動作が軽いもの、アイコンを見てどのような操作ができるか直感的にわかるもの(複数のアノテーターが作業することを想定)、マニュアルがなくても使い方がわかるもの、わからないことがあればすぐに操作方法を調べられること(世の中にトラブルシュートが落ちている)、要件に合わせてタグの内容や色等をカスタマイズできること、などを考慮して選んでください。
また、アノテーションツールはインストール型、クラウド型で提供されているものに分かれます。クラウド型で提供されているものはブラウザから操作が可能で、すぐに使い始められるという特徴があります。
一方で、インストール型は、ローカルでの作業となるため、外部にアップできないデータを扱う場合などに向いているかも知れませんが、パソコンの環境を整えたり、Gitからインストールする必要があるなど、少しハードルが高くなります。
これらの観点も、アノテーションツールを選択する上では考慮するポイントと言えるでしょう。
AIモデル形式(YOLO等)への出力形式の対応
アノテーションツールによって、出力できる形式とできない形式があります。Darknet、TensorFlow、CNTKなどフレームワークによって使用するAIモデル形式が異なります。
関連記事:「YOLOとは?物体検出でどう使える?従来手法との違い・メリット・デメリットを詳しく解説」
そのため、アノテーションツールで出力形式が同じになるよう対応しなければならないので注意しましょう。もちろん、出力したデータを自社で変換することも可能ですが、ツールによって、複数の出力形式に対応しているものもありますので、こちらも比較する際のポイントです。
進捗管理や品質管理の行いやすさ
アノテーションツールを選定する上で見落とされがちなポイントとして、進捗管理や品質管理の行いやすさが挙げられます。
機能として、自社で行いたいアノテーション作業は行えるものの、膨大な量のアノテーション作業を行う上で、どのデータまでアノテーション作業が完了したのか、などの進捗管理を行う必要性があります。
このような進捗管理の機能が付いているアノテーションツールは、有料のものがほとんどで、無料のアノテーションツールには機能として付いていません。
また、アノテーションで最も重要な品質管理を行いやすいかどうかも非常に重要です。
品質管理を行う上では、どのデータを誰が実施したかがわかるようになっていたり、アノテーターに対してフィードバックが行える機能が付いていたりする必要がありますが、これらの機能は有料のアノテーションツールにしかない場合がほとんどです。
そのため、膨大な量のアノテーションを、品質高く実行する上では、有料のアノテーションツールを選択することが望ましいと言えるでしょう。
アノテーションツール16選比較表
まずは、アノテーションツールの概要比較表をご確認ください。
無料/有料アノテーションツールの大きな違いとしては、進捗管理機能や承認機能(品質管理)、アノテーターとの連携機能などの有無となり、より大規模なアノテーション作業を品質高く行うためには、有料のアノテーションツールの利用が望ましいと考えられます。
AIMMO Enterprise
- バウンディングボックス
- セグメンテーション
- キーポイント
- 画像
- 動画
ブラウザあり国内(海外製品)有料要確認
ツール名 | アノテーション | 対応素材 | 環境 | 進捗管理機能 | 国内/海外 | 無料/有料 | 出力 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
FastLabel | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント 分類 | 画像 動画 音声 テキスト | ブラウザ | あり | 国内 | 有料 | YOLO COCO PascalVOC |
harBest for Data | バウンディングボックス セグメンテーション 分類 書き起こし | 画像 動画 音声 テキスト | ブラウザ | あり | 国内 | 有料 | 要確認 |
ANNOFAB | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 動画 音声 | ブラウザ | あり | 国内 | 有料 | CSV JSON |
LabelBox | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント 分類 書き起こし | 画像 動画 音声 テキスト | ブラウザ | あり | 海外 | 有料 | JSON |
VoTT | バウンディングボックス | 画像 動画 |
| なし | 海外 | 無料 | Azure Custom Vision Service CNTK TensorFlow VoTT CSV |
COCO Annotator | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 | ブラウザ | なし | 海外 | 無料 | COCO-format |
LabelMe | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 動画 | インストール | なし | 海外 | 無料 | COCO-format |
Semantic Segmentation Editor | セグメンテーション ポイントクラウド | 画像 動画 | インストール | なし | 海外 | 無料 | JSON |
Pixel Annotation Tool | セグメンテーション | 画像 | インストール | なし | 海外 | 無料 | カスタムフォーマット |
ImgLab | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 | インストール | なし | 海外 | 無料 | dlib XML dlib pts Pascal VOC COCO |
VGG Image Annotator (VIA) | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 動画 音声 | ブラウザ | なし | 海外 | 無料 | JSON CSV COCO-format |
LabelImg | バウンディングボックス | 画像 | インストール | なし | 海外 | 無料 | Pascal VOC Yolo CreateML |
Annotorious | バウンディングボックス | 画像 | ブラウザ | なし | 海外 | 無料 | API |
Image Annotation Programme | バウンディングボックス セグメンテーション キーポイント | 画像 | ブラウザ | なし | 海外 | 無料 | Pascal VOC xml format |
doccano | 書き起こし エンティティアノテーション | テキスト | インストール | なし | 海外 | 無料 | JSON |
※本比較表に記載の内容はあくまで記事制作時点の情報です。最新情報と異なる場合もあります。最新情報は弊社にお問合せください。
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【タグ付けも簡単】アノテーションツール16選!
それではここからは、実際に広く使われているアノテーションツールを紹介します。
FastLabel
FastLabelは、日本のスタートアップFastLabel株式会社が提供しているアノテーションツール。アノテーション管理に必要なユーザーの権限管理機能や、作業者ごとの進捗状況等もなどがわかる分析機能も搭載し、アノテーションをすぐに開始できるようになっています。
また、自動アノテーション機能を保有している他、多くの大企業が利用しており、順次アノテーション機能がアップデートされています。
AIMMO Enterprise
AIMMO Enterpriseは、韓国TOPクラスのアノテーションサービス会社であるAIMMO社が提供するアノテーションツールです。プロジェクト管理機能だけでなく、AIによるアノテーション評価機能や、LiDARデータへの対応もされています。
日本国内では、AOSデータ社が販売窓口となっています。
harBest for Data
harBest for Dataは株式会社APTOが提供しているアノテーションツールです。Webサイトから発注手続きを行うことで、同社が保有するクラウドワーカーがデータ作成を行ってくれるようになっています。
また、必ず奇数人でデータ作成を行うという、品質評価機能を保有しており、作成データの良し悪しをすぐに判別することが出来るため、確認工数を含めたアノテーション作業工数を大幅に削減することが可能になっています。
ANNOFAB
ANNOFABは日本企業の来栖川電算が提供している無料の高機能アノテーションツール。作業効率化や品質管理、作業の進捗管理機能も備えており、チームでアノテーションを行うことができます。
ショートカットキーや自動検査など機能が充実しており、高品質なアノテーションが可能。Web APIからの制御により、大量データに対する一括処理や外部システムとの連携が簡単にできるのもメリットでしょう。
LabelBox
LabelBoxは、利用量が一定値を超えるまで無料で使用できる画像用アノテーションツール。画像をサーバーにアップして使用したり、AWS(Amazon Web Services)で自社のデータに使用できます。
使用できる機能としては、
- 物体検出を行う「Bounding Box」機能
- 画像の一つ一つの画素にタグ付けを行うSemantic Segmentationで使用できる「Polygon」機能
- 関節点で人間を検出する姿勢推定モデルで使用可能な「Point」機能
があります。
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ここからは、Git等からインストールが行えたりする無料で提供されているアノテーションツールの紹介を行います。
VoTT
VoTTは、Visual Object Tagging Toolの略で、無料で利用できるアノテーションツール。動画や画像をマウス操作で簡単にアノテーションが行えます。WindowsやMac、Linuxなどの互換性が問題なく利用できるのもメリットでしょう。
CNTK、Tensorflow(Pascal VOC)、YOLO のアルゴリズムを使用したい場合はそのままの形式で出力できるので多くのユーザーが使用できます。ただし、それ以外のアルゴリズムを使う場合、加工が別で必要になるため気を付けてください。
COCO Annotator
COCO Annotatorは、ブラウザベースのアノテーションツールとして、広く知られています。画像検出用のバウンディングボックスやセグメンテーションなどのアノテーションを行うことが可能です。
学習済みのモデルを活用した半自動アノテーションも行うことが可能です。また、APIエンドポイントなども提供しています。
LabelMe
LabelMeはマサチューセッツ工科大学(MIT)で開発されたWebブラウザ上で使用できるアノテーションツール。画像の一つ一つの要素にタグ付けを行うSemantic Segmentationができます。
プログラミング言語としてPythonが使われており、GUIのためマウス操作で簡単にアノテーションできます。
Semantic Segmentation Editor
Semantic Segmentation EditorはMITライセンスで提供されている、2D・3Dに対応した画像アノテーションツールです。
Magic Toolとして、ポリゴンの半自動アノテーションを行う機能も搭載されています。また、APIエンドポイントも提供されています。
Pixel Annotation Tool
Pixel Annotation Toolはブラウザベースで活用することができる画像アノテーションツールです。
OpenCVのアルゴリズムで作成された自動アノテーションを利用して、アノテーションをスピーディーに行うことができるようになっています。
ImgLab
ImgLabはWebブラウザ上で行える画像アノテーションツール。物体の検出だけでなく、顔認証モデルにも適しています。物体を検出するためのBounding Box機能と人体の関節をプロットできる機能があります。
VGG Image Annotator (VIA)
VGG Image Annotator (VIA)は画像、音声、映像に使用できるアノテーションツール。オープンソースで誰もが無料で利用できます。物体の検出を行うことができますが、複雑なバウンディングボックスを作成できるのが特徴的。独自の形式であるjsonかcsv形式で出力できます。
labelImg
LabelImgは、無料で公開されている画像アノテーションツール。物体検出のためのバウンディングボックス機能があります。出力形式はYOLO。アイコンがわかりやすいため、マニュアルなしでも簡単に操作できるのがメリットです。こちらのツールも非常に多く活用されています。
Annotorious
Annotoriousは、JavaScript言語でできた画像用アノテーションツール。オープンソースのため誰でも無料でダウンロードできます。出力形式がなく、JavaScript APIで提供されているのも特徴的です。
Image Annotation Programme
Image Annotation Programmeは、Webで使用できる無料の動画アノテーションツールです。MITライセンスのため、自由に使用できます。Pascal VOC形式で出力。物体の検出に使用できるツールです。
最終更新が2017年のため、昨今の機能には追いついていないかもしれません。
doccano
doccanoは、自然言語処理のAIモデル構築に向けた、テキスト専用のアノテーションツールです。
テキスト分類、書き起こし、エンティティアノテーションなど、テキストに関するアノテーションが簡単に行えるようになっています。
アノテーションツールについてよくある質問まとめ
- アノテーションツールを選ぶ際に重要なポイントは何ですか?
アノテーションツールを選ぶ際は、自社の目的に合った機能があるか(画像認識、動画認識、自然言語処理等)、使いやすさや導入のしやすさ、出力形式がAIモデルに対応しているか、進捗管理や品質管理がしやすいかがポイントです。無料ツールより有料ツールの方が総合的に使い勝手が良い場合が多いです。
- 比較的多機能なおすすめのアノテーションツールはありますか?
日本企業のFastLabel、Annostation、ANNOFAB、海外企業のLabelBoxなどが比較的多機能でおすすめです。画像や動画、音声など多様な素材に対応し、バウンディングボックスやセグメンテーションなど様々なアノテーションが可能で、進捗管理や品質管理の機能も充実しています。
- 無料で手軽に使えるアノテーションツールにはどのようなものがありますか?
VoTT、COCO Annotator、LabelMe、labelImg、doccanoなどがオープンソースの無料アノテーションツールとして広く使われています。用途に合わせて画像や動画、テキストのアノテーションが可能ですが、機能は有料ツールほど多くありません。お試しで気軽に使ってみるのに適しています。
最適なアノテーションツール選びを
今回はアノテーションツールについて紹介しました。
ツールの選び方は
- 機能の使いやすさ
- AIモデルの出力形式が対応しているかどうか
- 自社での目的が達成できるかどうか
などを重視して、ツールやサービスを選びましょう。
AI Marketでは、
貴社に最適な会社に手間なく数日で出会えます
また、自社でアノテーションを行わずに、アノテーションサービス会社への依頼を検討されている方は、アノテーションサービス会社厳選記事もぜひご参考ください。
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