ChatGPTの制限とは?プラン別の質問回数・文字数・機能の制約や対処法を徹底解説!
最終更新日:2025年04月13日
- ChatGPTには無料・有料プラン毎に質問回数、文字数、音声会話時間、機能(著作権保護対象の出力制限、アカウント共有禁止等)に関する制限が存在
- サーバー負荷軽減による安定稼働、全ユーザーへの公平なリソース提供、著作権保護や不適切コンテンツ防止といった安全性の確保を目的として設けられています
- 利用制限への対処法として、API経由での利用、一度の指示で多くの情報を得るプロンプトの工夫、タスクに応じたモデルや上位プランへの変更、GeminiやClaudeなど他の生成AIツールの活用が有効
ChatGPTを業務で活用する中で、質問回数や文字数の上限に直面したり、特定の機能が使えなかったりといった経験はありませんか? ChatGPTには、プランごとに異なる利用制限が設けられており、その内容を理解しないままでは、意図せず作業が中断したり、期待した成果が得られなかったりする可能性があります。
この記事では、ChatGPTの無料プランと有料プラン(Plus/Team/Pro)における質問回数、文字数、音声会話、機能面の具体的な制限事項とその背景にある理由を詳しく解説します。さらに、API利用やプロンプトの工夫といった制限への実践的な対処法も紹介し、ビジネスシーンでChatGPTをより効果的かつ安全に活用するためのヒントを提供します。
ChatGPTの利用制限を広く詳しく知りたい企業担当者にとって役立つ内容となっています。
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目次 [非表示]
ChatGPTの質問回数制限
ChatGPTは、ユーザーがシステムに質問できる回数を時間単位で制限しています。ただし、質問回数に関する制限は、以下のようにプランによって異なります。
プラン | GPT-4o mini | GPT-4o | Deep Research |
---|---|---|---|
無料プラン | 事実上無制限 | 5時間ごとに10メッセージ程度 | 使えない |
ChatGPT Plus | 3時間ごとに80メッセージ程度 | 月10回程度 | |
ChatGPT Team | 3時間あたり160メッセージ程度 | 月10回程度 | |
ChatGPT Pro | 事実上無制限 | 月120回程度 |
プランごとに制限が異なるのは、利用者のニーズや利用状況に応じた最適なサービス提供を行うためです。現在、最上位プランであるProプランでは質問回数の制限がないため、入力回数を意識することなく、必要なタイミングでより柔軟にChatGPTを活用できます。
ChatGPTの文字数制限
ChatGPTは文字数に関して、以下の制限を設けています。文字数に制限を設けている理由には、言語処理能力が関係しています。古いモデルほど自然言語を扱う能力が低く、大量のテキストを生成できません。
プラン | 入力文字数(日本語換算) | 出力文字数(日本語換算) |
---|---|---|
無料版 | 約2,000〜2,048文字程度 | 2,000〜2,048文字程度 |
有料版(Plus/Team/Pro) | 約25,000文字程度(GPT-4) 約100,000文字程度(GPT‐4o) | 使用モデルのコンテキストウインドウの限界まで |
有料版(Plus/Team/Pro)では、より高性能なモデル(GPT-4、GPT-4oなど)が利用でき、これらのモデルはより長い応答を生成する能力があります。明確な文字数制限というよりは、モデルの持つ「コンテキストウィンドウ」の範囲内で、一貫性のある長い文章を生成できます。
ユーザーの入力とChatGPTの応答を含め、モデルが一度に考慮できる情報の量を「トークン」という単位で表します。(1トークンは日本語の場合およそ1文字弱〜数文字に相当します)
関連記事:「ChatGPTの文字数制限とは?トークンの考え方・上限数・対処法を徹底解説!」
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ChatGPTの音声会話の制限
ChatGPTは、テキスト入力だけでなく、音声会話機能にも利用上の制限をいくつか設けています。ChatGPTのスマホ音声入力・音声会話については、こちらをご覧ください。
音声会話機能における制限は、以下のとおりです。
無料版:1日あたり合計15分までという時間制限
ChatGPT Plus:無料版よりも長い1日あたり合計60分まで利用できます。
音声会話機能はまだ導入されたばかりのため、今後のアップデートや改善により制限内容が大幅に見直される可能性があります。
ChatGPTの機能制限
ChatGPTは、ユーザーやコンテンツ提供者の権利を保護するためや、安全で公平な利用環境を実現するために、いくつかの機能制限を設けています。以下では、ChatGPTの機能制限事項を紹介します。
著作権侵害の恐れがあるコンテンツの出力制限
ChatGPTを通じたユーザーの意図的な著作権侵害行為を防ぐため、ChatGPTでは著作権に関して以下の規定を定めています。
他者の権利を侵害、悪用、又は侵害する方法で本サービスを使用すること
利用規約をもとに、ChatGPTでは著作権違反となる内容の出力やプロンプトの入力に制限が設定されています。例えば、「スーパーマリオがおにぎりを食べている画像を生成して」と指示しても、「ごめんなさい、「マリオ」は著作権で保護されているキャラクターのため、その画像を生成することはできません。」と回答されます。
他社の企業ロゴを模倣するように指示するプロンプトもChatGPTの利用規約に違反することとなり、アカウント停止になる可能性があるため注意しましょう。
また、Web検索機能では引用元が表示される仕組みを導入するなど、情報の出所を透明化し、著作権侵害を促進しないような機能も設けられています。
関連記事:「ChatGPTで著作権侵害の可能性は?論争の原因・注意点」
アカウント共有
ChatGPTのアカウント認証方法はメールアドレスやGoogleアカウントのみで可能です。そして、同一アカウントでブラウザから、スマホアプリからと複数個所で使用可能なため、理論的には個人のアカウントを共有できます。
しかし、OpenAIは利用規約上で以下のようにアカウントの共有・公開する行為を禁止しています。
お客様は、アカウントの認証情報を共有したり、ご自身のアカウントを他人に公開したりしないでください。お客様はご自身のアカウントにおいて発生する全ての活動に責任を負います。
同一アカウントを複数人で共有すると、パスワード漏えいや不正アクセスの可能性が高まります。また、誰が何をしたかを追跡できず、インシデント発生時や利用規約違反時の原因特定や対策が困難になります。
アカウントの共有が技術的に可能だとしても利用規約違反行為となるため、1つの個人アカウントを社内で使いまわす行為は控えましょう。
ChatGPTアカウント共有については、こちらをご覧ください。
データの学習利用を回避した場合に生じる制限
ChatGPT上で利用されたデータは、基本的にAIの学習やフィードバックに活用されます。しかし、ビジネスユースを考慮し、OpenAIによるものではなく、ユーザー側が任意で学習利用を制限できる「オプトアウト機能」を設けています。
オプトアウト機能とは、ChatGPTが入力内容を学習しないように制限する機能です。業績データを活用して社内報を作成する場合など、社外に流出すべきでない社内データを活用したい場合に有効です。
ただし、オプトアウト機能を有効にしている場合は、以下の精度や利用上の制限が生じます。
- 回答精度とパーソナライズの低下:ユーザーの質問や回答パターンから学習できず精度が低下する
- チャット履歴の非保存:会話内容は保存されず30日以内に完全削除されるため、過去のやり取りの参照や別デバイス間の履歴同期ができない
期待する回答精度やプロジェクトに合わせて、オプトアウト機能を活用しましょう。
ヘイトスピーチや暴力的、差別的な内容は出力しない
ChatGPTではユーザーの不適切な利用を避けるために、利用ポリシーに利用方法に関する注意事項を記載するとともに、出力に制限をかけています。例えば、ヘイトスピーチや暴力的、差別的な内容などの不適切な入力に対しては、回答を拒否します。
以下が、不適切な利用に関する利用ポリシーの内容です。
当社のサービスを利用して自分自身や他人に危害を加えないでください。たとえば、自殺や自傷行為を助長したり、武器を開発または使用したり、他人を傷つけたり、財産を破壊したり、サービスやシステムのセキュリティを侵害する不正な活動に従事したりするために当社のサービスを使用しないでください。
当社のサービスの出力を、他者に危害を加える目的で転用または配布しないでください。たとえば、詐欺、詐欺行為、スパム、誤解を招く行為、いじめ、嫌がらせ、名誉毀損、保護されている属性に基づく差別、児童の性的対象化、暴力、憎悪、他者の苦しみの促進などを目的として、当社のサービスの出力を共有しないでください。
時には、以下のような警告が表示されます。遊び半分、冗談半分であっても、差別的、暴力的な入力は避けましょう。
敵対的プロンプトの対策
近年、意図的にシステムの制限を回避し、誤った情報や有害なコンテンツを生成させようとする「敵対的プロンプト」が増加しています。
敵対的プロンプトとは、システムの制限や安全性フィルターを突破しようとする入力内容のことです。たとえば、意図的に誤情報を生成させるプロンプトや過激な発言を引き出すためのプロンプトが該当します。
ChatGPTは敵対的プロンプトに対して、以下の利用規約を定めています。
当社モデル、アルゴリズム、又はシステムを含む、本サービスのソースコード又は基礎となるコンポーネントの発見、リバースエンジニアリング、逆コンパイルについて試みたり、他者を支援したりすること(当該制限が適用法令で禁止されている場合を除く)。
データ又はアウトプット(以下に定義します)を自動又はプログラムにより引き出すこと。
敵対的プロンプトに対しては、警告文を表示するなどの対策が講じられています。
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ChatGPTに制限が設けられている理由は?
ChatGPTは、企業ユースでも安全かつ効率的に使用できるようにするための配慮としてさまざまな制限を設けています。
以下が、主な理由です。
- プライバシー保護
- システムの安定性の確保
まず、ChatGPTでは、ユーザーから提供された情報が不適切に学習や共有されないよう、個人情報や機密情報に対して厳格に制限しています。ChatGPTは個人ユーザーだけでなく、企業ユースも前提としており、情報漏えいのリスクを低減し、安全性を確保する必要があるためです。
また、 利用者が一度に大量のリクエストを送ると、サーバーに過大な負荷がかかり、全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす恐れがあります。そのため、質問回数や文字数の制限を設けることで、安定的かつ効率的に多くのユーザーが利用できるようにしています。
ChatGPTの利用制限の対処法
ChatGPTの利用制限に対しては、さまざまな対処法があります。以下では、具体的な対処策を詳しく紹介します。
OpenAIのAPI経由で利用
アカウントの共有制限や使用回数の制限を回避するためには、OpenAIのAPI経由での利用が有効な解決策です。
たとえば、Azure OpenAIなどのAIプラットフォームを導入し、OpenAI APIを活用することで、1つのアカウントで複数の社員が同時にChatGPTへアクセスする環境を構築できます。
また、時間当たりの回数制限を受けることもありません。APIの場合は使用量に応じた従量制課金となるからです。
ChatGPTのツール上ではなく、API経由で利用することで、個々のアカウントを個別に管理する必要がなくなり、組織全体での効率的な利用が可能となります。
プロンプトの工夫
利用回数や時間あたりのメッセージ数に制限が存在する場合、各プロンプトから得られる情報の価値を最大化する「プロンプトエンジニアリング」の技術が極めて重要となります。
単一の対話ターンで複数の要求を処理させたり、望む形式で直接情報を抽出したりすることで、やりとりを削減し、効率的に目的を達成することが可能になります。
具体例を以下に挙げます。
以下の顧客レビューを分析し、製品Xに対する肯定的な意見と否定的な意見をそれぞれ3点ずつ箇条書きで抽出してください。さらに、抽出した否定的な意見の中から、特に改善インパクトが大きいと考えられる点を1つ選び、その理由を簡潔に述べてください。
[顧客レビュー本文]
上記は、「意見抽出(ポジティブ/ネガティブ)」、「重要度評価」、「理由説明」という複数のステップをAIに要求しています。個別に指示すれば3回以上のラリーが必要になる可能性がありますが、一度に指示することでラリーを1回に圧縮しています。
他にも、出力形式を明確にすることで余分なやりとりをカットする以下の例を紹介します。
競合製品A、B、Cについて、以下の項目を調査し、結果をMarkdownテーブル形式で出力してください。項目が存在しない場合は「N/A」と記載してください。
項目: 価格(円)、主な機能(箇条書き3点)、発売年月、ユーザー評価(5段階平均)
| 製品名 | 価格(円) | 主な機能 | 発売年月 | ユーザー評価 |
|---|---|---|---|---|
| 製品A | ... | ... | ... | ... |
| 製品B | ... | ... | ... | ... |
| 製品C | ... | ... | ... | ... |
このように、プロンプトを1回で完結する形にまとめることで、単なる要約や箇条書き依頼に留まらず、より複雑な分析、データ抽出、構造化された応答生成などを単一のプロンプトで実現できます。
モデルを使い分ける
無料プランを使用している際に、質問回数が上限に達した場合やより高度な回答が必要な場合は、別のChatGPTモデルへ変更するのも一つの手です。
たとえば、GPT-4oとGPT-3.5には、文字数の上限や処理能力に違いがあります。また、GPTシリーズとo1シリーズは、得意とするタスクの内容が異なります。
そのため、業務やタスクの内容に応じて最適なモデルを選択することで、多様なシーンでより効果的にChatGPTを活用できます。
上位プランへの切り替え
無料プランは、有料プランに比べて文字数や質問回数などをはじめ利用上の制限が多くあります。無料プランを利用している際に、制限される頻度が増え、より幅広く活用したい場合は、ChatGPT PlusやProなどの上位プランへの切り替えがおすすめです。
これらのプランを活用することで、より多くの質問や文字数の入力、機能の利用が可能になり、ChatGPTの活用領域を拡大できます。
他の生成AIツールの利用
ChatGPT以外にも、テキスト生成やコード生成、その他のタスクに適した生成AIツールは数多く提供されています。そのため、ChatGPTのメッセージ数上限や音声会話の時間制限に達した場合、他の高性能な生成AIプラットフォームへ一時的または恒久的に移行することは、ワークフローを維持するための有効な戦略です。
おすすめの代替ツールは、以下のとおりです。
- Gemini:Gemini Pro(無料)、及びGoogle AI Studio(無料)での使用でも、ChatGPT無料版より使用回数の上限が高い
- Claude:無料版でも、ChatGPT無料版のGPT-4oより多くのメッセージを利用できる可能性
- Llama:オープンソースであり、セルフホストであれば実質無制限で使用可能。Hugging Face、Perplexity、Groqなどのサードパーティプラットフォームでも無料枠があることが多い。
これらの生成AIツールは、それぞれ得意分野や利用制限、価格設定が異なります。業務内容や求めるアウトプットの精度、セキュリティ要件に応じて使い分けるとよいでしょう。
ChatGPTと併用することで、無料の範囲でもコストをかけることなく、効果的に生成AIを活用できます。
ChatGPTの制限についてよくある質問まとめ
- ChatGPTで生成したコンテンツの著作権について、注意すべき点は何ですか?
- ChatGPTの質問回数制限を回避する方法はありますか?
まとめ
ChatGPTは、高度な自然言語処理による業務効率化を強力に後押しする一方で、質問回数や文字数、音声会話など利用上の制約に注意が必要です。ただし、
一方で、API連携による社内システムへの組み込み、特定の業務に最適化された高度なプロンプトエンジニアリング、あるいは自社の厳密なセキュリティ要件や特定の用途に最適なAIツールの選定といった、より専門的な課題解決には、深い知識や技術が求められる場合があります。
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