マイクロソフト副会長が語る米国AI戦略:次期大統領就任で訪れる黄金期、AI対応データセンターに約800億ドルを投資
最終更新日:2025年01月05日
2025年1月3日(現地時間)、マイクロソフトのブラド・スミス副会長兼プレジデントは、自身のブログで、次期大統領就任に伴う米国のAI技術戦略に関する展望を発表した。
スミス氏は、AIを「現代の電気」と位置づけ、次期政権下の4年間が米国の経済的成功の基盤を築く重要な期間になると指摘。
世界をリードするAI技術とインフラの発展、全国民へのAIスキル教育の普及、同盟国へのAI輸出促進という3つの柱を軸に、官民一体となった取り組みの必要性を強調した。
<本ニュースの10秒要約>
- 2025年度、マイクロソフトはAI対応データセンター構築に約800億ドルを投資し、その半分以上を米国内に配分する方針
- 2025年までに250万人の米国人を対象に、就職や起業に向けたAIスキル教育プログラムを提供する計画を発表
- 中国との国際市場における競争に勝利するため、同盟国との連携強化と民間投資の拡大を重視する戦略
米国のAI技術基盤とインフラ投資
マイクロソフトは2025年度に約800億ドルのAI対応データセンター投資を計画し、その半分以上を米国内に投資する方針だ。
基礎研究は主に大学が担い、製品開発は民間企業が担うという米国特有の研究開発モデルの強みを活かす。
オープンソース開発を基盤とした幅広い競争的な技術エコシステムの構築を目指す。
チップサプライヤー、アプリケーション企業、システムインテグレーター、サービスプロバイダー、ソフトウェア開発者など、多様な主体の参画を促進する。
全米規模のAIスキル教育戦略
AIスキル教育を通じた経済格差の是正を目指す。コミュニティカレッジとの連携により、アクセスしやすく手頃な価格の教育機会を提供する。
National AI Consortium for Community Collegesと提携し、産業界のニーズに即したAIカリキュラムを開発。教員向けの新しいAI研修プログラムも展開する。
また、4-HやFuture Farmers of Americaとの協力により、農村部の若者にもAI教育の機会を提供する方針だ。
国際市場戦略と中国との競争
中国政府が途上国に対してチップの補助金付き提供やAIデータセンター建設を約束する中、米国は民間投資を軸に対抗する。
マイクロソフトは3年以内に14カ国で350億ドル以上を投資し、信頼できる安全なAIインフラを構築する計画だ。
BlackRockやMGXとの提携により、最大1,000億ドルの国際投資ファンドを設立し、AIインフラとサプライチェーンの強化を図る。
AI Market の見解
マイクロソフトの戦略は、米国のAI覇権維持に向けた現実的なアプローチを示している。特に注目すべきは、政府の規制を最小限に抑えつつ、民間投資を最大限活用する方針だ。
中国との競争において、技術的優位性だけでなく、サイバーセキュリティや個人情報保護などの信頼性を重視する姿勢は、国際市場での優位性確保に有効と考えられる。
ただし、AIスキル教育の効果的な展開や、同盟国との協力関係の深化には、長期的な視点での取り組みが不可欠となるだろう。
参照元:Microsoft
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