AIの利活用について議論する「AI戦略会議」、初会合を開催。議論内容は「骨太の方針」に反映へ
最終更新日:2023年05月13日
日本政府は、2023年5月11日、「AI戦略会議」の初会合を総理大臣官邸にて開いた。
同会議は、AI(人工知能)の利活用に関するルール作りなどを議論すべく開かれたものだ。初会合当日には岸田総理も出席し、AIを巡る主な論点について有識者らと議論を展開。「ChatGPT」など高度な生成AI(ジェネレーティブAI)技術が急速に発展する現状を受け、そのポテンシャルとリスクの両方に適切な対応を図るとしている。
<本ニュースの10秒要約>
- AI利活用に関するルール作りなどを議論すべく開催。初会合当日には岸田総理も出席
- 「AI戦略実行会議」を改組した「AI戦略会議」、法制度や倫理など幅広い課題について議論
- 座長は日本AI研究の第一人者・松尾豊氏。会議で得た知見は「骨太の方針」に反映へ
課題対応と適切利用の両輪で環境整備が必要なAI
近年、生成AI技術を急速な発展を見せている。高度な文章や画像の自動作成が可能な対話型AIサービス「ChatGPT」が登場したことで、一般的な認知度も急激に上昇。この新しい技術が日常生活や仕事のあり方を変える可能性について、期待する人々は多い。
しかしその一方で、生成AIは個人情報の無断収集や著作権侵害、偽情報の拡散といったリスクも持つ。こうしたリスクを懸念し、欧州などでは規制を求める動きが強まりつつある。日本においても、生成AIの課題対応と適切利用の両輪で環境整備が必要であるとの考えから今回、「AI戦略会議」が開かれるに至った。
メンバーは、岸田総理と関係省庁、そして有識者ら
「AI戦略会議」は、以前から政府が開いていた「AI戦略実行会議」を改組する形で立ち上げられた。「AI戦略実行会議」では技術面を中心としてAI利活用を議論していたのに対して、「AI戦略会議」では法制度や倫理なども含めた幅広い課題について議論を行う。
「AI戦略会議」を構成するメンバーは、岸田総理と内閣府/デジタル庁/総務省/経済産業省などの関係省庁、そして有識者らだ。座長を務めるのは、日本のAI研究の第一人者にして東京大大学院教授である松尾豊氏。参画する有識者には、作家エージェント会社である株式会社コルクの代表取締役社長CEO・佐渡島庸平氏らも含まれる。
総理、AIにはポテンシャルとリスクがあると指摘
「AI戦略会議」初会合に出席した岸田総理は、AIにはポテンシャルとリスクがあることを指摘し、両者に適切な対応を行うことが重要であると語った。ポテンシャルの最大化とリスクへの対応に向けた検討を各省庁へ指示すると共に、G7議長国としてAI領域でもリーダーシップを発揮することが必要であるとも発言。同会議で得た知見については、2023年6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」への反映を目指すとしている。
参照元:首相官邸公式サイト
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