最終更新日:2023-12-16
アマナイメージズが画像生成AIの安心・安全な活用に向けて日本画像生成AIコンソーシアムを設立
株式会社アマナイメージズは、2023年6月20日、日本画像生成AIコンソーシアムの設立を発表した。
日本画像生成AIコンソーシアムは、ビジュアル素材を生成するAIが日本社会において安心・安全に活用できるよう、持続可能な枠組みの議論/実証を行うことを目的とする組織だ。アマナイメージズは、日本最大級の画像ライブラリを運営する企業であり、同コンソーシアムの設立を主導している。
<本ニュースの10秒要約>
- 画像生成AIを安心・安全に活用できるよう、持続可能な枠組みを議論する日本画像生成AIコンソーシアム
- 画像生成AIの学習データ環境/コミュニケーション環境/収益分配環境について、実践的な枠組みを検討
- 画像ライブラリを運営するアマナイメージズが設立を主導、日本のAI技術を世界レベルにまで引き上げる
著作物の保護とテクノロジーの進化を両立させるために
2021年1月に米OpenAI社が「DALL・E」 を発表して以降、画像生成AIはその進化が続いている。翌2022年には「Midjourney」「Stable Diffusion」といった新たな画像生成AIの一般公開が相次ぎ、その勢いから同年は「画像生成AI元年」とまで言われるようになった。
しかしその一方で画像生成AIは、「ChatGPT」に代表される言語生成AIほどには社会実装が進んでいない。その原因としてはまず、AIの学習素材としての画像利用が著作権/肖像権の侵害リスクをはらむ点が挙げられる。また、著作権/AI倫理/現場の創作者およびユーザーの間で許容度が統一されていない点も、大きな課題だ。誰もが納得できる学習データ環境も乏しく、創作者・権利者の意思表示の機会や収益配分を受ける機会も整備されていない。さらに、生成画像が著作権やモデルの肖像権を侵害するリスクもある。
これらの課題を踏まえ、日本の財産である著作物の保護とテクノロジーの進化を両立させるためには、議論と実証の場が必要であるとアマナイメージズは判断。今回の日本画像生成AIコンソーシアム設立に至った。
画像生成AIに関する情報交換/議論/検証を展開
日本画像生成AIコンソーシアムでは、日本社会において画像生成AIを安心・安全に活用できるようにすると共に、日本のAI技術を世界と対等なレベルにまで引き上げる起点となることを目指す組織だ。具体的な活動は、画像生成AIに関する情報交換/議論/検証となる。
同コンソーシアムの議論では、学習データ環境/コミュニケーション環境/収益分配環境それぞれの実践的な枠組みについて検討を行う。学習データ環境については、創作者・権利者とAI開発者の双方にとって安全性/透明性/説明可能性を有する学習データ環境の在り方を議論。コミュニケーション環境については、創作者・権利者の学習データへのオプトイン・アウト(参加・非参加)の意思表示と、実行可能性を担保する環境の在り方などについて話し合う。収益分配環境に関しては、創作者・権利者への分配を担保する環境を模索する。
こうした議論を経て同コンソーシアムでは、環境構築の検証活動も企業・行政などを巻き込む形で行う予定だ。画像生成AIに関連した技術動向/法制度動向/ニーズ/ボトルネックなどの情報交換も、業種業態を超えて行うとしている。
日本社会における安心・安全な画像生成AIの在り方を議論
日本画像生成AIコンソーシアムの設立を主導したアマナイメージズは、日本最大級の画像ライブラリの運営会社として40年近く権利者への収益還元を行ってきた企業だ。2023年には「AI学習用ビジュアル開発チーム」を立ち上げ、AI学習用データの提供も積極的に行っている。なお同コンソーシアムの代表には、同社のAI倫理対応・政策企画責任者である望月逸平氏が就任した。
同社は今後も、同コンソーシアムに参画するAI開発者/研究者/法律家などと共に、日本社会における安心・安全な画像生成AIの在り方を議論するとしている。
参照元:PRTIMES
生成AIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。画像生成に使われる技術と仕組みをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Stable Diffusionの仕組み、メリットをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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