経済産業省、日本の生成AI開発力強化に向けて計算資源支援などを行う「GENIAC」開始
最終更新日:2024年03月26日
経済産業省は、2024年2月2日、生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」を開始すると発表した。
「GENIAC」は、生成AIの開発競争が国際的に激化している近年の状況を受けて、日本の開発力を速やかに強化すべく立ち上げられたプロジェクトだ。活動としては、生成AIのコア技術である基盤モデルの開発に必要な計算資源の支援を行うと共に、関係者間の連携促進や対外発信などにも取り組む。
<本ニュースの10秒要約>
- 日本の生成AI開発力を速やかに強化すべく立ち上げられたプロジェクト「GENIAC」
- 生成AIのコア技術である基盤モデルの開発で、計算資源の確保という課題を解消
- 関係者間の連携も促進、ネットワークの構築・拡大やセミナー・イベントの開催も
日本における基盤モデルの開発能力を確保する
生成AIは、今後も日本の産業活動や国民生活に大きな影響を与えると考えられている。経済産業省も生成AIの技術について、生産性や付加価値の向上などを通じて多大なビジネス機会を引き出し、また様々な社会課題の解決にも貢献しうるものと評価。労働力不足などの社会課題の解決にもつながると考え、様々な取り組みも進めてきた。
こうした取り組みを進める中で経済産業省は、近年は世界各国で生成AIの開発が進行し、中でも基盤モデルの開発については特にその進歩が著しいことに注目した。基盤モデルは、生成AIを支えるコアの技術基盤であり、開発力の有無は生成AIの利用可能性や創出するイノベーションの幅を国家レベルで左右する。そのため経済産業省は、日本においても基盤モデルの開発能力を確保することが重要であると判断。そのためのプロジェクトとして「GENIAC」を立ち上げるに至った。
生成AIの基盤モデル開発に必要な計算資源を提供支援
「GENIAC」ではまず、生成AIの基盤モデル開発に必要な計算資源の提供支援を行う。この支援は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」を活用し、計算資源の確保と利用料補助という形で実施。「計算資源の確保」という、基盤モデル開発における大きな課題の解消を図る。
「GENIAC」ではまた、基盤モデル開発に取り組む関係者間の連携も促進する。利活用企業やデータホルダーとのマッチング支援に加えて、開発者同士が知見を共有し合えるネットワークの構築・拡大、またグローバルテック企業との連携支援なども実施。開発される基盤モデルの性能評価なども、行う予定だ。
生成AIの利活用そのものも促進
さらに「GENIAC」は、生成AIの利活用そのものも促進すべく、海外有識者を招いたセミナーやイベントなども開催する。プロジェクトの活動を継続的に周知すべく、特設サイトもすでに開設。サイト内では「GENIACコミュニティ」も設けられ、2024年3月からは採択事業者以外の開発者も生成AIの最新状況などについてディスカッションに参加が可能となる。
経済産業省は今後も、インターネットなどに匹敵する技術革新とも言われる生成AIについて、その開発力を強化するとしている。
参照元:経済産業省
生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。基盤モデルとは?代表的なモデルは?こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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