最終更新日:2024-05-24
IDCフロンティア「高負荷ハウジングサービス」、三井物産「Tokyo-1」のAIスパコンが利用中
株式会社IDCフロンティアは、2024年5月22日、同社の「高負荷ハウジングサービス」がAI導入推進プロジェクト「Tokyo-1」のAIスパコン稼働環境に採用された経緯を発表した。
IDCフロンティアは法人向けデータセンター事業などを手がける企業であり、「高負荷ハウジングサービス」はGPU/HPCサーバーといった超高発熱機器に対応した専用ラックを利用できるサービスだ。「Tokyo-1」は、ヘルスケア業界でのAIサービス提供を推進すべく三井物産株式会社など3社が取り組むプロジェクトであり、IDCフロンティアは導入事例の公開として今回の発表を行っている。
<本ニュースの10秒要約>
- 超高発熱機器に対応した専用ラックを利用できる「高負荷ハウジングサービス」
- ヘルスケア業界でのAI活用を推進する「Tokyo-1」のAIスパコン稼働環境に採用
- 占有と柔軟な拡張が共に可能、データセンターが都内である点でも好評を獲得
高発熱・高集積対応型のハウジングサービス
IDCフロンティアは、ソフトバンクグループの一員としてデータセンター事業やクラウド事業を展開している企業だ。1980年代の国際通信サービスから始まり、ICT技術の進歩や社会の変化に合わせて事業を常に進化。現在は、中小企業/エンタープライズ/ハイパースケーラーなど幅広い顧客企業に向けて、デジタルインフラを提供している。
同社の「高負荷ハウジングサービス」は、東京府中データセンターにおいて提供している高発熱・高集積対応型のハウジングサービスだ。HPCサーバーやGPUといったハイスペック機器は、運用可能台数や耐荷重などの面で制約が生じがちだが、同サービスではリアドア型空調機の導入などにより高集積を実現。「NVIDIA DGX」システムのワークロードを運用できる電力と冷却能力も備え、ハイスペック機器の活用を支援している。
消費電力が大きい「NVIDIA DGX H100」を利用するために
「高負荷ハウジングサービス」を採用した「Tokyo-1」は、三井物産とその子会社である三井情報株式会社と株式会社ゼウレカが企画/提供/運営を手がけるプロジェクトだ。同プロジェクトでは、ヘルスケア産業をデジタルで変革するイノベーションハブの形成を目指し、必要な計算環境やDXソリューション、情報コミュニティを包括的に提供。最先端のAIスーパーコンピュータの複数企業による利用や、生成AI基盤の構築などにも取り組んでいる。
「Tokyo-1」の生成AI基盤は、「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を搭載した「NVIDIA DGX H100」を採用する形で構築された。「NVIDIA DGX H100」は、一般的なサーバーと比べてはるかに消費電力が大きく、設置するデータセンターには高電力の供給と高い冷却能力が求められる。国内で設置可能な要件を満たすデータセンターを選定した3社は、IDCフロンティアの「高負荷ハウジングサービス」に注目。1ラックに「NVIDIA DGX H100」を複数台設置でき、また高電力供給能力と安定した冷却能力を持つ点なども評価し、スパコンの稼働環境として採用するに至った。
現地にすぐ足を運べるのもメリットと評価
「Tokyo-1」を展開する3社は「高負荷ハウジングサービス」について、オンプレのように占有することができると同時に、パブリッククラウドのような柔軟な拡張も可能である点を高く評価。また、データセンターが都内の府中に立地しているため、現地にすぐ足を運べるのもメリットと評価している。
IDCフロンティアは今後も、技術の進歩と社会の変化に常に挑み続け、デジタルインフラの価値を提供するとしている。
参照元:PRTIMES
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