鹿島建設、AI insideと共同開発したAI×ドローンの資機材管理システムで作業時間を約75%削減
最終更新日:2023年07月21日
鹿島建設株式会社は、2023年7月19日、AIとドローンを組み合わせた新しい資機材管理システムをAI inside株式会社と共同開発したと発表した。
このシステムは、ドローンによる空撮動画をAIが解析した上で、認識した資機材の位置を現場3Dモデル上に表示するというものだ。国土交通省北陸地方整備局が鹿島建設に発注した工事において既に導入されており、資機材管理の作業時間を約75%削減する実績も確認されている。
<本ニュースの10秒要約>
- ドローンの空撮動画をAIが解析、資機材の位置を3Dモデル上に表示。資機材管理の作業時間を約75%削減
- AIモデル構築には、AI insideのAI統合基盤「AnyDate」を活用。人と同程度の大きさの資機材は自動検出
- 今後、資機材の検出精度を向上させると共に、手で持ち運べる小さな資機材の検出率向上にも取り組む
建設現場で重要な業務となる資機材管理、その課題を解消
建設現場では、建設物を構築するため数多くの資機材を扱うことになり、その管理が重要な業務となる。しかし、従来の資機材管理は現場職員による目視と手作業によって行われており、膨大な手間と時間を要していた。また、こうした職員による現場内巡回は、高所/狭所などに立ち入るという点で安全上の課題も生んでいた。
その一方で、現場で使用する資機材の大半はレンタル品であるため、不十分な管理により資機材の重複レンタルなどが起こった場合、余分なコストが発生する。資機材管理を安全かつ確実に実施する必要に迫られた鹿島建設は、人より高速かつ自由に移動が可能なドローンと、画像の識別が可能なAIを組み合わせると、この課題が解消できると考えて今回の資機材管理システム開発に至った。
ドローンで現場内の動画を撮影、空撮動画と飛行記録をAIが解析
鹿島建設とAI insideが今回開発したシステムは、ドローンで現場内の動画撮影を行った後、空撮動画と飛行記録をAIが解析し、資機材の名称と位置を推定して現場3Dモデル上に表示するというものだ。AI解析に際しては、ドローンが撮影した空撮画像を学習データとして活用し、あらかじめAIに現場内の資機材の名称と形を学習させる。
同システムにおけるAIモデルの構築には、AI insideが提供しているAI統合基盤「AnyDate」を用いる。「AnyDate」は、AIの開発および実装に求められるデータ/学習/運用を全て包含したAI統合基盤であり、テキスト/画像/数値などあらゆるデータが活用可能だ。高度なスキルがなくても、クライアントが抱える課題に応じた高付加価値なAIソリューションの開発を可能にしている。
現状の同システムでは、人と同程度の大きさの資機材であれば概ね自動で検出することができる。検出可能な資機材は25種類に上り、活用していない資機材の判別も可能だ。こうした機能により同システムは、広大な敷地の現場であっても効率的な資機材管理を実現している。
資機材管理の1回あたりの作業時間を約2時間から30分にまで削減
同システムは、2022年度の国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択された。そして、その有用性を確認・検証すべく、鹿島建設が国土交通省北陸地方整備局より受注した大河津分水路新第二床固改築1期工事(新潟県長岡市)の資機材管理に導入されている。導入された工事において同システムは、資機材管理の1回あたりの作業時間を約2時間から30分にまで削減。削減率は、約75%におよぶ。
鹿島建設は今後、同システムにおいて資機材の検出精度を向上させると共に、手で持ち運べる小さな資機材の検出率向上にも取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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